2019/02/12 のログ
ご案内:「魔術学部研究棟ロビー」にクローデットさんが現れました。
■クローデット > 錬金術素材学会が終了し、会場から出てきたクローデット。
…といっても、専攻を変えた今年は特に自分の発表を抱えてはおらず、見学者としての参加だったのだが。
(新たな属性の可能性、なかなか興味深いものでしたわね。
…発表された方は、お母様の同門にあたる方でしたか)
ロビーの椅子に腰掛け、資料にやっていた目を細める。
クローデットの母親は錬金術の分野で名があるが、「敵地」での学術大会にさらりと参加出来るほど積極的ではないのだ。
(…今年の内容、お母様もきっと楽しんでいただけましたのに)
「自分達」が「敵」に為してきたことを思えば、「自らの行動ゆえに」生まれた制約に苦しむ資格などないだろう。
…しかし、年数が、実績だけが積み重なっていく。
■クローデット > (…お父様は、どうにかして下さっていらっしゃるかしら)
自分と違い、直接的な行動にはほとんど出ていない…そして、「家」にとっては外来者である、母。
彼女が望むならばフェードアウトしていくための手伝いをするよう、父に頼んではいるが…自身すら抱いた敵意、長年の「孤独」の中で母がどのように育てているかと思うと…とても、心もとない。
(…外の人間に興味を持つのは良いのですが、もう少し、逃げずに頂きたかったものですわね)
家族のことを思い、暗い息を吐きながら、学会資料をめくる。
中身は一応見てはいるが…中身を読み解けば読み解くほど母のことが思い出されて仕方がない、あまり良くない循環だ。
■クローデット > そうしてめくっている資料の中で…ふと何かに気づき、片眉を静かに動かす。
(…これは…聞いたことのない材料提供元ですわね?)
錬金術の素材については、ものがものだし、現在の世界のあり方があり方なので、「合法な範囲で」材料調達をする、というのは大事なことなのだ。
だからこそ、それらを明らかにしている研究とそうでない研究とでは学術的・倫理的な側面で一線が引かれているのだが…その意味で、「知られていない」材料提供元の記述は、追跡が必要だろう。
(わたしは今さほど研究に力を入れておりませんし、新しい提供元を知らなかっただけならば良いのですが。
…試験期間が終わり次第、調べることと致しましょうか)
少し距離を置いているからこそ、出来ることもある。
幸か不幸か、今は倫理方面を専攻しているし。
■クローデット > (まあ、今のわたしは委員会には所属しておりませんし…調べたとして、出来ても働きかけなり通報程度でしかないのですけれど。
…放っては、おけませんものね?)
学会資料を筒状に丸めてポシェットに押し込み(どう考えても資料の方が長いのに、ポシェットの中に綺麗に消えていった)、立ち上がる。
そのままクローデットは、ロビーから姿を消したのだった。
ご案内:「魔術学部研究棟ロビー」からクローデットさんが去りました。