2019/05/12 のログ
ご案内:「研究施設群:異界蘚苔学研究室」に小鳥遊 日和さんが現れました。
ご案内:「研究施設群:異界蘚苔学研究室」にアガサさんが現れました。
■アガサ > 放課後、ふと思い立った事があって研究施設群へと足が向いた。
行先は植物学の教師、小鳥遊日和先生の所。
彼は"門"より現れ出でたる異世界の植物の研究もしているそうだし、
何より柔和な人柄だから、急に訪れても大丈夫なんじゃないか。……なんて打算も少しはあった。
「えっと、こんにちは~。小鳥遊先生いらっしゃいま──あれ、開いているね?」
そんなこんなで研究施設群の一角にある彼の部屋の前。
私は扉をノックして訪いを告げ、次には鍵が掛かっていない事に気付いて扉を開ける。
■小鳥遊 日和 > あと20秒で、茹で上がー……った!えいやっ!
(だばあ。 勢いよく湯切りする。作っているのはインスタント焼きそばだ。
研究者はお金がない。 研究もあるし、生活もある。 もちろん学園側から
援助は受けていても、援助に含まれないようなものは自分で買い揃えるしかないのだ。
例えば……生徒に興味を持ってもらうための服とか。)
よし! さっすがー! 先生素敵ー! 照れるー!
(自分を鼓舞しながら、狭い研究室の中でくるりと回る。
パニエでふんわりと膨らみを与えられたエプロンドレスの裾が、遠心力に導かれて
ふんわりと広がった。 一回転半したところで、扉を開けたお客様に気づくと、
そのままピタリと足を止め、インスタント焼きそばをそっとそのへんの机に置くと、
裾を摘んでうやうやしく頭を下げた。 カーテシーである。)
こんにちは。 蘚苔学の研究室になにか御用?
(ちょっと恥ずかしげに頬を染めながら答える様は男子力が壊滅しているが、
れっきとしたおじさんである。 30代男性なのだ。)
■アガサ > 「────」
10人が見たら11人くらいが、鳩が豆を機関銃で喰らったような顔。と言うに違いない顔をする私の姿と、
10人が見たら15人くらいが、美女が可愛らしい声を上げて小躍りしている。と言うに違いない小鳥遊先生の姿が其処にあった。
どうしよう、扉を閉めて何も見なかった事にして、出ていく方がいいのかもしれない。
私の背景に宇宙が現れ思考が短距離走の選手のように走り抜ける。
「……あっ、え、えーとですね。小鳥遊先生にちょおっと、お伺いしたい事がありまして……」
思考がゴールテープを切るより先に、穏やかに促されて我に返る。
私は失礼します、と一声添えて室内に入り、室内の彼方此方に視線を彷徨わせた。
研究室、と言うよりは小綺麗な居室にしか見えない。小鳥遊先生の姿もあるなら尚の事。
「あ、いえ授業の事ではなくて、ちょっと申し訳ないんですけれども。
えっと、先生って薬草とかにも御詳しいって聞きまして……」
所作から服装まで女子力の高さたるや著しい事に驚きを隠せない顔のまま、私は訪れた理由を説明し始める。
「……あと、その恰好ってやっぱり私服なんですか?」
途中、脱線するのは余りにも似合っているから。
しかも近づくと何だか良い匂いまでするし、ついつい不躾に、上から下に、下から上にと目線が動いてしまう。
■小鳥遊 日和 > あっ、はい…どうぞ、座って座って。
ちょっとお茶の用意するから待っててね!
(お伺いしたいこと、といわれると先生としては 頼りにされているみたいでものすごく嬉しい。
ぴょこぴょこ小さく飛び跳ねて大はしゃぎしながら、 急いでパイプ椅子を展開して彼女に示した。
薬草茶を用意しはじめたところで、彼女の質問に小さくうなずく。)
うん、そうだね…薬草は専門ではないにしろ、というところかな。
どういった薬草の話をしてほしいのかな?
(毒にしろ、癒やしにしろ、薬は薬だ。 何らかの回答を彼女が求めているなら
目的をまずは聞くべきだろう。 自分の顎に手を当て、小首をかしげてみせる。)
あ、これ? うん…。 生徒に受けるから、つい…。 蘚苔類の授業をみんな受けてくれるように
なったんだけど、普段の格好をしてると「華がない」とか「おじさんなんだから可愛い格好して」とか
散々な言われようで、結局ね。 これからの季節にはちょっと暑いとは思うんだけど、こういうのもね、
いいかなって思って。
(スカートの裾を摘んだまま、軽くひらひらと動かしてみせる。
ちょっぴりはにかみながら彼女に答えると、お茶をカップにそそぐ。)
飲むと落ち着くよ。 安息・鎮静効果があるんだ。
(柔らかくさっぱりとした香りのお茶と、付け合せのクッキーをトレイに乗せて彼女に差し出した。)
■アガサ > 「えっと、お食事中だったみたいですいません。でも、ありがとうございます」
踊るように喋って歌うように動いて。楽しそうな先生の様子に私の表情も緩んでパイプ椅子の上に落ち着く事になる。
「それでですね。お尋ねしたいのは──」
用意されたお茶の不可思議な色と香り。どういうお茶なのか?と首を傾げた所での説明に私の瞳が光を帯びる。
「──そうそう、正にそういう物を探していたんです。心が落ち着くような……
ほら、人間って疲れていると幻覚や幻聴を覚えたりするって言うじゃないですか。
なので心の均衡を保てるような……ものがあればいいなあって」
そういうものが必要な理由は、ひょっとしたら教師なら知っているかもしれない。
知らなくても、必要な理由を明かさない事から、そう明るい話題でも無い事が判るかもしれない。
私は先生の所作に緩ませた笑みとは、また別の少し取り繕った笑みでクッキーを齧る。
「それとー……散っ々な言われようですね先生……」
小鳥遊先生は授業中に色々な恰好をしている。
理由としては、彼の言に在る通りに、偏に生徒に授業への興味を持って貰う為。
勿論私もアンケートにそういったリクエストを出した記憶がある。
無論、匿名で。
「ただ、小鳥遊先生って授業中によく色々な恰好をしている分、
だからこそ普段の私服じゃないんだろうなあって、思っていたんですけれど……似合ってますね?」
全てを纏めて軽い話題であるかのように、私は先生の可愛らしいエプロンドレス姿に瞳を柔和に細めて和やかにしてみせた。
■小鳥遊 日和 > なるほど、彼女が相談しにきたのはそういうことかと小さくうなずいた。
とはいえ、だ。 自分は医者ではないのだ。 彼女の助けにはなれない。
薬草の使い方を知っていても、用法や分量、ましてや治療なんてできないのだ。)
そうだよー、みんなひどいんだよー。 やれ「バニー着ろ」とかさあ
「メイド服だけだと飽きるから猫耳も」とかさあ、「ウエディングドレス着て」とかさあ。
おじさんにウエディングドレスなんて着させて何が面白いんだろうねえー。
あ、でもねえ、コルセットバッキバキにした状態でのマーメイドドレスだったんだけど、
我ながらちょっとグッときちゃったよね。 ワハハ!
(明るい調子で彼女の言葉に答える。手をひらひらさせて「ちょっと聞いてよ!」と
言わんばかりに過去を語った。)
えっ、えっ…私服、うん、いや、普通にシャツとジーンズとかも着ることあるけど、
なんていうか…こう、布の面積が少ないなとか、あんまりこう、男らしい体じゃないからね。
露出度が低い、布感高いやつを着ちゃうんだよね。 でもスーツはみっちりしてていやだし…。
えー? 似合ってる? ほんとにー? 先生照れちゃうな~。 いや、ほんと、はずかしい…!
(似合っている、という言葉に耳まで真っ赤になる。 両手で頬を抑えてもじもじしながら、
瞳をうるませる。 いそいそと立ち上がって、彼女のカップにお茶を注ぎ足したり、
クッキーを追加したり。 なにかしないと恥ずかしさで溶けてしまいそうだった。)
■アガサ > 自分で自分をおじさんと言う小鳥遊先生の声は、普段の柔和な口調なら恰も女性然として、
けれども今のように明るい調子ならまるで変声期を得ていない少年のように聞こえる。
植物学に明るく、自然に親しむ人柄からして、もしかしたら妖精の類ではなかろうか?と
羽が生え、煌びやかな衣装に身を包んだ姿を想起する。
うん、良く似合っている。私は知れず頷いた。
「んふふ、それはほら、やっぱり小鳥遊先生が綺麗だからですよう。
こっそり綺麗になる薬草とか御存じなんじゃないですか?それと、やっぱり素敵な彼氏さんとかいらっしゃるんですか?」
過去の衣服遍歴から現在の服装まで。
緩やかな話題の最中に、判り易い程に顔を赤くする先生の様子に自然と笑ってしまいもした。
ついつい、お茶のお代わりを頂きながら本来の用向きとは違う薬草の事を尋ねたり、恋愛事情を尋ねてしまったり。
■小鳥遊 日和 > ええー、どうしたのー…? なんかすごいヨイショされてない?
そんなに褒めても成績に付与したりはしないからね、絶対しないからね?
キレイになる薬草…こう、お肌のケアなんかはあの、うん…。
してるけど、いやほら、顔ガサガサのおじさんとかいやじゃない?
だからね、それでやってるのであって別に美人さんとかになりたいというわけではね…。
(なんだかすごい褒められていて、嬉しいやら恥ずかしいやらだ。
頬を染めながら手をばたばたと左右に揺らしていたところで、聞き慣れない言葉に目を丸くした。)
かれし。
(軍師から奇策を伝えられた将軍のような胡乱な顔でオウム返しである。
うーん、とたっぷり悩んでから、ぶるぶると首を横に振ってみせた。)
こう、先生にとっては生徒さんみんなが彼氏かなあ。
なんていうかね…尽くしたくなっちゃうんだよね。
喜ぶことなら何でもしてあげたくなっちゃう…。
望まれたら生徒さんのお家にいってご飯だって作っちゃうよ。
だってね、なんていうか、嬉しいんだよね。
新しいことを知ったり、その知識を経験にしている生徒さんを見ると、
最高…!!!すごいよかったー!って嬉しくなっちゃうし、
そうなってもらうために余計な苦労はさせたくないっていうか…。
(ものすごい早口で恥ずかしがりつつ語る。 若干重たげな尽くす宣言だが、そこはそれ。
ともかく生徒のことが大好きで仕方がないのだ。)
■アガサ > 「ええ~……なんて、大丈夫ですよう。GW明けの小テストだって、私きちんと点数取ってましたから!」
テストの結果は可でも無く不可でも無くの普通な点。
私の反応を訝しむ小鳥遊先生に心配ご無用!と威勢の良い声が転がり出でて何処かに消える。
そうして入れ替わるようにクッキーを齧り、お茶で流すと何故か先生は作りたてのゼリーのように震えていた。
どうしたんだろう?と思った矢先に言葉が洪水のように溢れ出してきて、
私は口に水を含んだかのように黙ってそれを聞く事になる。
「小鳥遊先生……いや、うん。判ります。私も親友とか親しい後輩には出来るだけの事をしてあげたいなって思いますし。
その為に出来る事を増やさないといけないって思いますし。……それでですね。最初の話に戻ってしまうんですが、
もしよければこのお茶、すこうし分けてもらう事って出来ますか?」
彼はこのお茶には安息、鎮静効果があると言った。
即効性だろうか、遅効性だろうか?それは判らないけれど、植物学の先生が言うのだから本当の筈。
私は椅子ごと小鳥遊先生に近づいて、近づいて、エメラルドのように綺麗な瞳を睨めあげるように見つめてお願いをする。
■小鳥遊 日和 > えらいっ! ちゃんと自身で勉学に励んでる証拠!
名生徒で先生はとても嬉しい…しかも頼ってくれる…!
(彼女の誇らしげな声に思わず拍手しながら涙ぐむ。
先生をしていてよかった。 これほどまでに学習内容に
自信をもってもらえたのなら、教師冥利に尽きるというやつである。)
うん、うん…! なるほど、お茶ならいくらでも分けるとも!
ただ、薬じゃないということは理解してね。 あくまでも気分直し。
紅茶とか、コーラとかと同じでね。 じゃあ渡すね。
(相手に見つめられて拒否なんかできるわけがなかった。
二つ返事で答えると、テキパキと準備をする。空き瓶に
感想させたハーブをたっぷりと詰め込んでから、
両手で彼女の手を包み込むようにして優しく手渡す。)
はい、じゃあこれ。 使い方は紅茶とかと一緒。
…優しい生徒さんがいてくれて、先生は本当に嬉しいな。
同じ先生でもお医者さんだったら、もうちょっとなにか
手助けできたのかもしれないけど…。
(少しだけ残念そうな表情を浮かべながらつぶやく。
彼女の気持ちにたくさん、できる限り答えたくはあれども、
今の自分にはなにもできないのが悔やまれる。)