2019/03/29 のログ
ご案内:「訓練施設」に神代理央さんが現れました。
■神代理央 > 無機質な広い空間にノイズの様な電子音が響く。
その刹那。広大な空間を埋め尽くしたのは、スラム街の風景。や、正確には紛争地帯さながらの崩壊した都市の一角。
崩れた外壁を砕いて、MBTのエンジン音が唸りを上げる。
轟音と共に、戦闘ヘリが上空から飛来する。
迷彩塗装の陸戦型ドローンが、列を成して迫る。
そんな戦場めいた風景の中心に立つのは、己ただ一人。
正確には、己と共に空中に鎮座する巨大な金属の球体と、無数の小型の球体が鈍く輝いているのだが。
「……さて、今回は頭痛薬には頼りたくないんだがな」
小さく呟いた独り言が終わるか終わらぬかの内に、戦闘は開始された。
放たれる砲弾。迫りくる敵機。そして、それらを尽く打ち抜くレーザーの雨霰。
まるで己の周りだけがSF映画さながらの光景となりつつあるなか、鈍い頭痛に耐えながら戦況を見守っていた。
ご案内:「訓練施設」にギルゲイオスさんが現れました。
■ギルゲイオス > (爆炎とレーザーと銃弾と砲弾となんやかんや。大変カオスらしき戦場に、突然と響き渡るのは甲高いサイレン音。耳をつんざく音色と共に――)
Caution Caution Caution Caution Caution Caution
(乱入者を通達するホログラム文字が、空間一帯に書きなぐられる。
数秒間、そして静寂が訪れて)
「ひぃやっはぁぁあああ、である」
(魔王様は空から現れた。派手に姿を見せたいお年頃。
剛速球ともいえるとび蹴りが、行きがけの駄賃とばかりにヘリのコックピットを貫いていった
恐らく、防御シールドか何かを足元に展開してそのまま蹴り抜いたのだろう)
■神代理央 > 「……ふむ?」
突然の警報と空間一杯に広がるホログラム。
異形による攻撃を停止して何事かと首を傾げている内に、爆散するヘリ。そして、舞い降りる長身の青年。
「……訓練中に横入とは感心しないが。共用で使いたいなら一声かけてくれれば良いものを」
咎める様な言葉ではあるが、口調は平坦なもので特段怒っているという様子では無いだろう。
しかし、突然の闖入者に何者だろうかと訝しげな視線を向けたまま、傾げた首の角度を深くした。
■ギルゲイオス > 「魔王とは突然に乱入してくるものである。まぁ良いではないか、機械が作り出した幻影とばかり戦ってもつまらぬだろう?
安心せい、生身は狙わぬ」
(そう、例えば最初の村を旅立った勇者が、突然エンカウントするように。
慣性を半ば無視したように減速すれば軽く地面を蹴りつけて再上昇、両腕を組み。両足は肩幅の広さ。
マントではないものの、羽織ったジャケットの裾がバッサバッサと風に揺れ。暗黒のオーラ―(無害)が背後を彩る。
多少の騒音は物ともしない大声で、そう宣言する。味方とも敵ともいいかねる、第三軍のお出まし)
「そしてこいつの試運転でもある。起きよ、ヴァムシュタイゲ」
(背後に手をまわすと、古びたゴツイ本を掴みとり。弾く指で金具を外して。そのまま乱雑に自分の頭上へと投げる。
憐れ、古本は落下。せずに、風圧にページが捲られてゆけば、傍らで佇むように浮遊して。
一目してただのボロ本ではなく、力を持った魔術書か……禁書の類であるというのは、察せられる所だろう。
唯人であれば、揺れるページを視線で追うだけで眩暈さえする程だ)
「さぁ、一緒にかかってきても乱戦になっても我は構わぬぞ」
(くくっと、喉元で笑みを鳴らせば、片目を僅かに細め。
全体を差すように掌を差し出せば、ぎゅっと握った)
■神代理央 > 「……何だか良く分からないが、プログラム通りの訓練ではリアリティがない事は同意しよう。要するに、手合わせ希望、という事なんだろう?」
魔王と名乗る青年に怪訝そうな瞳を向けながらも"まあこの島なら魔王も勇者もいるだろう"とあっさり飲み込んで小さく頷いた。
黒いオーラを纏った彼に、王道ファンタジーみたいだな等と呑気な感想を抱きながらゆっくりと右手を上げる。
「すまないが、剣と魔法の王道的な異能も魔術も持ち合わせが無くてな。見栄えも悪ければ浪漫も無いが、そこは目を瞑ってくれ」
禁書庫で感じた様な魔力。どうやら、彼は優秀な魔術師である様だ。それに比べれば、己の異能等夢と希望を鉄と火薬で押し潰す人間のエゴの様なもの。異能を発動させれば、醜い多脚の異形達が湧き出る様に次々と召喚され、背中から生やした砲塔が歪な金属音と共に彼に向けられる。
「乱戦になったところで、影響があるとは思えぬが…。まあ、宜しく頼む」
短く告げられた言葉と共に振り下ろされる右手。
直後、様々な種類の砲弾が多脚の異形から一斉に放たれた。