2020/06/09 のログ
ご案内:「訓練施設」に金剛 経太郎さんが現れました。
■金剛 経太郎 > 数を数える声と共に大きな風切音が響く。
「いっち……に、さん……しっ」
巨大な漆黒の騎士が大剣を振る横で、額に汗を浮かべる経太郎の姿。
揃って自主鍛錬をするかのように、経太郎は腕立て伏せをしている。
「はち、きゅう……じゅう、じゅういっ……!」
次第に腕立て伏せのペースは落ちるが、黒騎士が剣を振る速度は変わらない。
これは経太郎なりの異能の制御訓練。
自分がいかなる状況でも、黒騎士の“操作”を滞らせないためのものである。
筋トレは、手軽に自分を追い込める手段的な、そういうもの。
ご案内:「訓練施設」にアリソンさんが現れました。
■アリソン > こつりこつりと僅かな靴音がしながら訓練施設に姿を現した一人のメイド。
僅かに舌打ちをしてから申し訳なさそうに振舞い、
楽器ケースを背負いながら施設内へとゆっくりと入ってくる。
「お邪魔を致しますよぅ…?」
深々と再度改めてお辞儀をすると少年の方を見つめる仕草をして
「精が出ますね?」
なんて、にこやかーに微笑みを浮かべながら言葉をぽつぽつとかけていきたい。
■金剛 経太郎 > 「じゅうご………、……じゅう、ろく……ふぁ!?」
腕立て伏せをしつつ、意識は黒騎士の動きに向ける。
そんな事をしてたので、自身と黒騎士以外の事には気を配る余裕も無く。
その結果、不意打ちで声を掛けられる形となり、ぷつりと集中の糸が切れた。
べしゃりとその場に伏せるように崩れ、同時に黒騎士も剣を振り下ろした形で動きを停める。
「うべべ……びっくりしたなあ、もう。」
床に倒れ伏したまま、声を掛けて来たのは一体誰だ、と当たりを見回して。
すぐに特徴的なメイドさんを見つけるのだった。
■アリソン > 空間把握完了 人物の声音記憶なし、ほぼ初対面…
出入り口から入ってきた際に舌打ちをして異能の反響定位による場を視た。
心の中で把握と人物の適合性が無かったので初対面の男子と分かっただけであって。
黒騎士が剣を振り下ろした状態で動きが止まったことにどういう構造で?とそちらへと顔を向けたりもした。
でも声をかけた同時に糸が切れたように動きが止まったので首をかしげながら、そういう物なのでしょうと。
「こんにちは?それとも こんばんは? ここなら体が動かせられると伺ったのですが、お間違い御座いませんか?」
楽器ケースをゆっくりとおろし 肩にかかった黒髪を後ろへと指で掬い後ろに流しながら少年の方へと寄っていく。
■金剛 経太郎 > 「ええと、まだこんにちは……かな。」
突如現れたメイドさんにどんな反応をすれば良いのか、と困惑の表情を浮かべて。
ひとまず今はまだ放課後、陽も落ち切っていないくらいの頃合いだったはずだ、と。
「ええと、うん……そう、だね。そうだよ。
ここは訓練施設。文字通り魔術や異能の訓練をするところ……ええと、」
こちらへ近づいてくるメイドさんの問いに応えつつ、身を起こす。
「お姉さんも、異能か魔術の訓練、しに来たの?」
■アリソン > 「こんにちは、でしたかよく見えないので何となく挨拶に迷うのです」
時間は分っても季節によって日の明りが伸びるとかまでは把握が難しい。
放課後なのはわかっていても夕焼けになっているのかそれとももう真っ暗なのかが分からずじまい。
「そうでございましたか、それは良い事です。
異能や魔術の訓練が出来れば あわよくば訓練のお相手を、とは思っておりましたが?」
何となく近づきず遠すぎずの距離感で歩みが止まり、
楽器ケースを開けるべく膝をつき座り込めば 中から出てきたのは弦楽器の楽器と弓。
「色々と体を動かさないと鈍ってしまいます
貴方様はどのような異能や魔術をお持ちなのですか?」
楽器ケースをぱたんと閉じてからゆっくりと立ち上がって。
■金剛 経太郎 > (よく見えない……昼夜の区別がつかない程に?
ははーん、だからさっきから舌打ちみたいなことを……ほー。)
何かと合点がいったのか一人繰り返し頷く経太郎。
床に伏したままだったがメイドさんが楽器ケースを床に置いた辺りでゆっくりと起き上がる。
たった十数回の腕立て伏せでも、もやしオブもやしには大変な負担になるのだ。事実今も腕がぷるぷるしている。
「おれ……じゃない、僕は魔術は使えないけど、異能なら…
えっと、ほら、そこにあるよ。」
経太郎の言葉に合わせ、静止していた黒騎士がゆっくりと剣を持ち上げる。
「訓練の相手って……何をして貰いたいの?」
■アリソン > 空間把握は余程場所が流動的でない限り一度の反響定位で充分。
人物は別物で逐一動けば聞こえるかいないかの瀬戸際な舌打ちをするだけ。
でも大きな動きをされれば異能を使わなくても聴覚で何となくは把握は出来る。
少年の方は何やら身もだえている気がするのだけれども、
動きが止まっていた黒騎士?らしき存在が動いたのを肌で感じ。
「異能の存在でしたか、そうですね、私の魔術の指向性打撃訓練に付き合っていただけませんか?
音でもって当たれば軽いパンチ位の打撃が当たるかどうかなのですが、
如何でしょうか?」
楽器を弾くことで音が発生するのだけど 音波打撃による軽い訓練を希望します、とお願いを口に。
■金剛 経太郎 > 「ふぅーん、軽いパンチくらいなら、いいよー。」
(こっちも耐久性とか、試してみたかったとこだしな。)
よいしょー、とその場で足を投げ出すように座って息を整える。
経太郎自身はその場から動く必要はない、と言わんばかりに黒騎士が庇う様に前に立つ。
「ちょっとやそっとじゃ壊れないと思うから、気が済むまで存分にどーぞー?」
その言葉を合図にするかのように、身の丈ほどある大剣を構え防御の姿勢を取る黒騎士だった。
■アリソン > 訓練施設内なので軽めの訓練をと考えていた。
お外で普通の威力で行ってしまうと物質粉砕破壊音になってしまい、
ほぼ不意打ちの直撃なぞ与えれば粉砕してしまう。綺麗な音色と共に迫ってくるのは分解と粉砕。
「ありがとうございます 距離感の問題なので私の方も少し離れなければ。」
では、と少年の元から片手でケースを邪魔にならない処に置いてから再度改めて
少年と仰いますか庇う様に立った黒騎士さんから対峙して楽器を構える。
「それではよろしくお願い致します。」
弦に指を置き、弓を弾いて黒騎士の方へと音を発射する!
■アリソン > 【数字が大きい程 当たる】 [1d6→1=1]
■金剛 経太郎 > 「わ。」
旋律に載って不可視の衝撃が黒騎士が構えた大剣へとぶつかる。
金属を叩く音が響くが、それは一度きりで黒騎士にはダメージが無いように見える。
「……ホントに、音に乗せて来た……」
(今のが“魔術”なのだとしたら……なるほど、幅広いなー魔術ってのは)
ぱちぱちと目を瞬かせながらメイドさんを見る。
面白いなあ、なんて呟きながら額の汗を拭った。
■アリソン > 「……当たってませんか?擦ったような気がするのですが」
旋律の不規則に放たれる不可視の衝撃を黒騎士さんに向けてはなったのは確か。
ただ弾く事で魔術にありがちな媒介と呪文などを端折った節のあるメイドは、
単音を細かく引いて3連単を続けざまに黒騎士さんへと放つ!
(黒騎士さんは本当に頑丈で御座いますね…全然屁でもないとおっしゃるような風格が御座いますわ!)
【数字が大きければ 当たってる】 [3d6→1+4+6=11]
■金剛 経太郎 > 「ちょっと掠っただけだ……ねっ!?」
今度は続けざまの連撃が飛んできたようだ。
初撃は外れたようだが、二撃目は大剣に弾かれ、三撃目にして鎧の兜を捕らえる。
一際激しい音を立てて黒騎士の兜が大きく震えた。
「……うわ、うっさ……。」
旋律では無く金属を思い切り打ち鳴らしたような衝撃音に顔をしかめ、反射的に耳を塞ぐ。
■アリソン > 音が多数紡ぎ出される文字通り戦闘BGMクラスの旋律は弾こうとは思わない。
今回はあくまで訓練と称した黒騎士さんに浴びせる打撃群訓練なので
防御力に相当強そうな黒騎士さんに3連単の攻撃を続けざまに放った結果は。
(一つは外れ 二つ目は剣に弾かれ 三つめは鎧に当たりました!)
「やった、ですわ!! 当たりましたわ!!」
衝撃音も十二分に当たればそこそこ衝撃音が出るものだと、
当たったことに素直に喜ぶメイド。黒騎士さんを前に喜ぶ無防備なメイド…。
■金剛 経太郎 > 「良かったねえ、お姉さん。」
(威力は大したことはなさそうだけど、あくまで当てるのが目的だったから、か……)
3連続の内クリーンヒットは1発。それでも心底嬉しそうに喜ぶメイドさんを見て、経太郎も労いの言葉を贈る。
しかし、内心では未知の脅威へと相対したような、穏やかでないものを感じていた。
「そんなに、嬉しいものなの……?」
■アリソン > 「はいっ なかなか当たらないので気を揉みましたが、
真面に当たってこんなにうれしい事はありませんわ!」
命中率がとんでもなく低い、反響定位をしながら逐一狙いを変更して不可視の打撃粉砕音を衝撃波と共に放つという難しい事をしていた。
三連続の前は直撃はしてもミスしているという有様。本当に訓練雖も嬉しそうに振舞うメイド。
「嬉しいですわ、当てるのは難しくてっ これで訓練以上のことをお外で…」
(いけないいけない お外は秘密でしたわ)
こほんとわざとせき込んでから構えるのをやめて楽器ケースの方へと戻り、
それらをしまいこんで蓋をぱたんとすると少年の元へと戻る。
■金剛 経太郎 > 「そっかぁ、よく分かんないけど。
嬉しそうで何だか僕まで嬉しくなるね、手伝ってよかったよ。」
無邪気そうな笑みを演出しながらも、内心は得体の知れない技術に戦々恐々である。
もし仮に、同様の力を持つ人間と敵対した場合はどうすれば良いのか、と考えてしまう事を停められない。
「………それで、お姉さんはどこの人?どこかのお店の人?」
近付いてくるメイドさんを警戒しているのを悟られない様に、わざとらしく首をこてんと傾げてみたり。
メイド服姿の生徒なんて果たしているのだろうか、と。
■アリソン > 「有難うございますの。微調整は必要ですけど…。
本格的に訓練施設ではない場所で鍛錬するのもよいのかしら。」
本当に嬉しそうにメイドはうきうきと振舞う。
少年の内心というか顔色が見えていないのでどう思っているかはわからない。
もしも今後お外で逢った場合は、お外なりに対峙するだけなのだけど。
「ここの生徒ですわ?常世学園の。制服が届くのはまた後日と
いう事なので、この服は趣味ですの。メイド服は趣味ですわ」
大事な事なのでメイド服は趣味と連呼する。少し前に来たばかりなのでそこまでは見かけられていない筈。
■金剛 経太郎 > 「ここ以外にも屋外グラウンドみたいな演習場もあるからそっちも使ってみたら良いんじゃないかな?」
親切心から提案する。彼女の魔術は屋内よりも屋外の方が心置きなく鍛錬できるだろう、と考えて。
それから改めて近くまで来たメイドさんを見上げ、その姿を確認する。
「へえ、そうなんだ……制服が、まだ来てないんだ。
ふむふむ、趣味のお洋服なんだね……」
(そして何と言うか、この人もまたでっかい……)
──どこを見てるのかとかは言うまでも無く。
■アリソン > 「そんな場所があるのですね まだすべてを見学していないのです。
演習場は近いうちに赴くとしまして…。そうさせて頂きますわ」
親切に教えて頂いたので軽く会釈程度にお礼を述べる。
近づきず遠すぎずでもさっきよりは距離を詰めたのは気のせい。
少年の視線がどこを向いているのかは見破っていなかったようで。
「ええ、残念ながら届いていないのです。
あ、私は 2年のアリソンと申しますわ、名残惜しいですけど
すこぉし 空気が陰ってきた匂いがどことなくしますので
失礼させて頂きますの。ではまたいずれ…逢えれば」
楽器ケースを背負うと、ではまたいずれ、とにこやかーに微笑み
深々とお辞儀をすると訓練施設をそそくさと立ち去っていきます。
ご案内:「訓練施設」からアリソンさんが去りました。
■金剛 経太郎 > 「うんうん、それが良いと思うよ。」
自分の提案が好意的に受け取られて少し嬉しくなる。
その後名乗られたメイドさんの名前を復唱する間もなく、その場を去る旨を伝えられて。
「アリソンお姉ちゃん……あ、はぁい。
気を付けてね!段差とかは無いと思うけど!」
優雅に振る舞う姿に半ば呆然としつつ去っていく後ろ姿を見送って。
その後しばらくぽかーんとしていたが、おもむろに、
「……何か最近でっかい女性とばかり知り合うな。」
悪い気はしないけど、と精神年齢相応の感想を漏らすのだった。
■金剛 経太郎 > 「ひぃ、ふぅ……」
ざっと思い返して指折り数えてみる。
少なくともアリソン、と名乗ったメイドさんで五人目である。
「………、ふふ。」
そして同時に邪な思い出も蘇って、童顔にニタリと笑みを浮かべること数秒。
「じゃあなくってええええ!!!!
くっそ、ようやく引っ込んだと思ったらまーた出て来たな煩悩!!散れ!!!散れぇぇぇぇぇぇ!!!!」
うがあああ、と叫びながら腕立て伏せを再開。
黒騎士もそれに付き合う様に素振りを再開したのだった。
──1時間後、体力を使い果たし、僅かな気力で以て黒騎士に己を抱えさせて家路を行く経太郎の姿があった。
ご案内:「訓練施設」から金剛 経太郎さんが去りました。