2020/06/15 のログ
■金剛 経太郎 > 「さぁて!そうと決まればもうちょっとスキル試してみるか!
──…ええと、次はど れ に し よ う か なーっと。」
その後日が暮れるまで経太郎は様々なスキルを試し、
すっかり精神力を使い果たして騎士に担がれて帰ったのだった。
ご案内:「訓練施設」から金剛 経太郎さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」に矢那瀬陽介さんが現れました。
■矢那瀬陽介 > ドーム状の建造物に入れば空調が効いているようで涼しい。
汗濡れた肌が冷える心地に微笑みながら入った先は1軒の訓練室。
中に入れば真新しい藺草の薫りに真白の壁に囲まれた空間、高らかな場所に神棚がある道場だ。
終業のベルが鳴り終わって誰一人いないそこに佇む少年はラフなタンクトップとカンフーパンツに着替えており。
「んんーっ」
学業で固まった筋肉をほぐすかに腕を高らかにあげて伸びをする
―――― その、前に。道場ではまず神棚に一礼するが常識だと、実習訓練の注意を思い出せたのは、奇蹟だろう。
慌てて神棚に合唱して小さく頭を下げる。
その後は道場の中央に立って独り占め。左足前の中段の構えを取って眼光が鋭くなる。
眼前の何もない空間に仮想の敵を思い浮かべ。
「シッ!」
裂帛の気合と共に左上段、右中段。
「っと!」
鞭のように撓る左回し蹴りを放った。
その動きを体に刻むように同じ動作を繰り返す少年の声が、静かな訓練場に響いてゆく。
■矢那瀬陽介 > 風斬る拳の先にまで汗粒が滴り落ちても体が温まり動きが鈍らない。
乱れぬ呼吸が調子の良さを物語る。
けれども、顔はつまらなさそうにへの字に口角を下げて。
「飽きた……」
ぼそりと小さく呟いて肩を大きく落として溜息を零した。
そのまま道場を去る……かに見えて倉庫に入った少年はしばらくして身の丈以上のサンドバッグを押して道場の中央に戻る。
サンドバックはビニールのような材質ながら触れば分厚い感触、ちょっとやそっと押してもびくともしない重さもある。
「これ、ちょうど良いや。久しぶりにやってみよ」
巌のように身を固くした型の時と違い、掌を振って直立する至極脱力した構えでサンドバッグの前に立つ。
酷くゆっくりと持ち上げる右手。拳を握らずゆったりと開かれている。
黒瞳はサンドバックの一点を見据え。
「……」
息一つ零さずに素早くサンドバッグに平手を打つ。
パンチより弱い衝撃なれど、触られた一点が歪にゆがみ始め。
重たいサンドバッグがブランコのように揺れ始めた。
■矢那瀬陽介 > 「うーん揺れるくらいか。イマイチ。
せめて一回転してほしかったんだけれどな」
独り言を零しながら跳ね返ってくるサンドバッグをかるくかるく叩く。
硬いカバーがくの字に曲がる異常な光景を見て、唇が尖る。
「こりゃ本格的に鍛え直さないとダメかも。
……っ。」
声が掠れる、目眩にも似た感覚に前のめりになる躰を。
座り込む直前に膝を掴んで辛うじて堪えた。
武の型に勤しんでた時より濃い疲労が隈に出る少年は。
――定期的に自己鍛錬しなきゃ――
そう小さく呟いて訓練場から去っていった。
ご案内:「訓練施設」から矢那瀬陽介さんが去りました。