2020/07/22 のログ
ご案内:「訓練施設」にマルレーネさんが現れました。
■マルレーネ > とっとっとっとっと………
足音が響き、それに合わせて少しの金属音も響き渡る。
割と目を引く修道服姿の女が、訓練場周辺にぐるりと回るように作られたランニングコースをハイペースで走り続ける。
汗の量はおびただしく、呼気も荒いが、それでも走る。
ペースこそ全力疾走には程遠いが、それでも。
高かった日が、少し傾きがはっきりと感じられる時間まで、ずっと走り続ける。
体力の低下が彼女の懸念ではあった。
昔は、ずっと走ることができたはず。ならば、どこまで走れるかやってみよう。
そんな思いつきのような訓練を、延々と。
修道服がずっとハイペースに走っているのだから、それはそれ、目を引くかもしれない。
ご案内:「訓練施設」に神名火 明さんが現れました。
■神名火 明 > 訓練施設の見回りも立派な仕事、というか多分暗に休めと言われているが、校風上、無茶する子がぼちぼち多いので結局仕事は減らない。交代時間を経て肩を回しながら最後の巡回をしていると、何か妙なものを見た。走る修道女。ちょっとした七不思議になりそうな光景。
「生徒さんか先生さんかなー。私知らない人多いからな~いやでもっ、そうだ間違いなく、うん!可愛い人であることは間違いないっ」
何よりも発汗と呼吸の乱れを見る限りだいぶ"追い込んで"居るのは火を見るより明らかだった。彼女が再び戻ってくるあたりで隣り合ってランニングコースに同道させてもらう。ほっほっ、と軽快に息を立てる、医者は身体が資本なのです。
「おつかれさまおつかれさまおつかれさま~。だいぶ頑張っていらっしゃいますねー居残り補修とかじゃないですよね、シスター?」
■マルレーネ > 「……ぁ、はい、おつかれ、さま、です……っ」
は、はっ、はっ、と、荒い吐息のまま隣の人に視線を向けて少しだけ微笑んで。
走りながら、がしゃ、かちゃ、っと音が常に聞こえてくる中、ペースとしては余裕でついていける遅さではある。
「ちょっと、体力が、不安で。
少し、動いておこう、かな、って…………。」
話すことも苦しいくらいに追い込んだまま。
汗が服の中で蒸れてしまって、湯気が出るような状態。
暑さにクラクラしながらも、走るその足は止めない。
■神名火 明 > 「うはは、汗でびっしょりでむれっむれ…♥ 幾ら夕方っていっても炎天で重装備でランニングって軍隊のトレーニングでもしてるのーって感じだけど、"少し"が私の基準からだいぶ多いみたい、これもうどれくらい走ってる?あ、返事はゆっくりでいいからね、舌噛まないように」
並んで走りながらも彼女を診察。これこのままだと倒れちゃいそうだなと思いながらもまだ止めない。自分より少し年上のお姉さん。体つきもしっかり観察。素晴らしい!然し走り続けられる体力はあるけれども、少し加減を知らなさそうなところが見える。こういう服を着ている人は往々にして自罰的なところが多いと経験則がある。
「うんうん、そっかそっか。でもごめーんね、医学部の者です。ちょっとドクターストップ、いい?」
ジャージの中から名札を出す。強制力とかはないけれど、訓練施設内で怪我などがあった時に頼っていい人、という目印だ。倒れるまで走っちゃいそうな危うさがみえちゃったのだ。
■マルレーネ > 「……お昼過ぎくらいから、です、かね?」
せっせと走る。走りながらもじい、っと眺められるが、それで集中を切らさない。
色濃く分厚い服装は、どこからが汗で濡れているのか分からないくらいで。
ゆったりとしたその恰好では見ただけでは分からない、……と言いたいところだが、ストップをかけられれば素直に立ち止まって。
「……ぁ、………わかり、ました。」
立ち止まれば、膝に手を置いて、はー、はーっ、と、ゆっくり深い吐息。
ぽたり、ぽたりと顎から汗が落ちて、目を閉じて呼吸を整えようとする。
まだ、相手をじっくり見る余裕はなさそうだ。
■神名火 明 > 「おひる!? その格好で!? ずっと!? よーしよし、ゆっくりでいいからね、吸ってー、吐いてー、苦しかったら酸素あるからねー」
立ち止まってくれたシスターさんの前にほっほっ、と前に回ってとりあえず様子を見る。結構なペースで陽暮れまで走り続けていたとなるといよいよ健脚という話でもなくなってくる。ジャージの内側から小さい筒を取り出して、トップのボタンを押しながら振るとボトルになる。ドリンクを携行するために、こうした異能の施された器具が貸与される。悪用もされないように厳重にだ。
「ちゃんと飲み物は摂ってますかー? あと、一緒にみててくれるひととかは?」
どうぞって冷えたボトルを差し出しながら、少し屈んで顔色を伺う。熱中症の症状が出ていたら事だ。
■マルレーネ > 「大丈夫、です。 二度目……? 三度目、かな?
久々だから、少し、時間かかります、けど…………。」
ここではないが、延々と走り続けたことは一度や二度ではない。
だからこそ出来ると踏んでの弾丸ランニングだったが。
「………ど、っちも。」
首を横に振る。ドリンクを差し出されれば軽く口に含む程度で潤して。
ふー………っとゆっくり息を吐き出して。
「……ありがとうございます、少しだけ楽になりました。」
えへへ、と笑う。もうすっかりゆでだこみたいになっているけれど、自然に笑顔も出て、視線もはっきりとはしている。
追い込まれ慣れている、といった気配。
■神名火 明 > 「はあ~…修道女さんって体力すっごいんですねえ。それにこんな風になっても焦点も体軸もしっかりしてる。あ、飲み物は持ってていいからね。 ちょっと上脱――げないかなこれは。下からがちゃがちゃ音してますけど、着込んで活動するものなんです?」
熱を逃がすために脱がせるにも修道服の構造がわからない。中がすぐ下着だと自分が嬉しいだけなのでどうしたものかと考える。とりあえずジャージの内側からもう一枚、患部を冷やすガーゼを取り出してフィルムを剥がす。
「ハードワークを行うときは、補水とパートナーはしっかり…ね?もしかしたらがありますからね~。 おでこ、出してくれます?ちょっと冷やしましょ」
顔の前で、冷却ジェルの面を引っ張ってみせる。くまが少し浮いている顔で、こちらも微笑むのだ。
■マルレーネ > 「私が、もうちょっと違う世界から来てますからね。
こういうの、慣れっこなんです。
……あー、脱げますけど、まあ、ここだとちょっとアレですよね、物騒ですよ?」
ほら、と少し捲りあげれば、鎖帷子が見えるだろう。
どんな時代だ、とツッコミたくなるあれそれ。
「パートナーもいるんですね………まあ、確かに倒れたら一人だと困りますしね。
ふふ、そちらも少し眠れていないご様子じゃないですか。」
はーい、と素直におでこを出しながらも、一緒にこちらも頬に手を触れて相手の顔を覗き込み。
少し疲れの見える顔に笑いかける。
「気にかけてもらってすみません。
私はマルレーネ、と言います。 マリーでいいですよ。」
■神名火 明 > 「あーっ期待してたものと違うものが見えるぅ~!…日中から走り続けるだけの体力が必要になる世界かあ…。車とかが無かったとかかな?」
鎖帷子にはおおっと声をあげてから少し残念そうに肩を落とした。けどもそれだけの体力には感嘆してしまう。アスリートのような持久力に精神力。おっとりした女性に見えるのに凄いものだ。今の世界、特にこの島では見た目なんてなんの宛てにもならないけど。
「神名火 明です。お医者さん見習いでーす。はじめましてよろしくシスター・マリー。ふふふ、研修終わったら眠れる道に進もうかな~?ご心配どうも。あー、マリーさんの笑顔見てると癒やされるなあ」
ぺたり。ひんやりするのをおでこに貼り付けてあげながら、日陰に行きましょうか、と誘導しつつそういえば、と観察していたままの所見を口にする。
「汗拭かないとかぜ引いちゃうから…ちょっと行きましょ。タオルもあるんで。 あと最近、腕とか怪我しました?」
■マルレーネ > 「ああ………そう、ですね。 馬車が3日に1回とかそういう。」
車、と言われれば、それに応じた例を出して文化レベルを示しておく。
期待ってなんですかー、ってツッコミながらも、くすくすと笑いかけ。
「お医者さんなんですね、大変な道ですよね。
これくらいで癒されるならいくらでも。 んひっ……」
カッコいいことを言ったところで、ぴたりと冷たいものがおでこに触れれば、変な声が出てしまって。
……視線をそらして頬をぽりぽり。
「……あ、そうですね。 それじゃあ、………着替えが出来る場所、更衣室とかですかね。
……え、っと、わかります? ちょっと腕を切ってしまって。」
相手の言葉に、思わず目を丸くする。全然見えない場所だったのに、なんて、明らかに狼狽える。
■神名火 明 > 「お互い不養生には気をつけようってことで。幸いにも此方には医者も車もあります。あなたのこれからを支えて行くのが医者のつとめですからー…あっ、いまの可愛いかった」
にへぇって気の抜けた笑顔を向けた。だって可愛いから仕方がないもの。ほっぺを軽くぴたぴたと触れてあげた。きっと熱いのだろう。彼女がいた世界はもっと太陽が熱かったのかななんて想像を働かせる。
「…マリーさん、着替えはちゃんと持ってきてますよね?換えジャージなら貸せますけど…ああうん、少し庇う感じにしてたように見えたので。ほんのちょっとだけですから確認させてもらいました。ちゃんと病院で処置は受けました?」
更衣室行きましょうって誘導して歩きながら背後に声をかける。更衣室、そういうスペースは空調が効いてて、よく冷える。汗ずぶ濡れだとたまに風邪をひく子もいる。
■マルレーネ > 「………可愛いとかやめてくださいって。頭が熱くなっちゃう。」
もー、っと苦笑しながらも一緒になって歩いていき。
「ああ、ありますあります。 同じものが2着ありますから大丈夫ですよ。
………ええと、まあ、その、ちょっと切っただけなので包帯を巻いて。」
視線を思うままにそらして、何もしてないことを正直に伝える。
本当に何もしていない。
更衣室に入れば、ひゃあ、なんて声が出る。
汗をかきすぎた後の更衣室は涼しくて。
「……ちょっと着替えますね、少しお待ちを。」
よっこいしょ、っと修道服を脱いで、更に鎖帷子も脱げば、ちょっと厚手の長袖に、下はスパッツという不格好な姿。
鎖帷子を着こむ関係上、肩に跡が残らないように、ということだろう。
修道服では分かりづらかったが、今現在でも女性らしい豊満な身体のラインは見ただけで分かる。
■神名火 明 > 「えー私すっごい可愛いとか綺麗とか言っちゃうタイプですよ。駄目かなあ~…んふふん?」
洗濯機や乾燥機もある、何ともいたれりつくせりの施設、けれどそれでも怪我人は出てしまうのだ。だから監視の先生や巡回の医者もいたりする。自分にお鉢も回ってきてしまうというわけだ。そんな自分にシスターさんは一時の癒しをくれた。さっきから気になっていたけれどもやはり良いものをお持ちだ。汗で火照っている様が堪らない。せめて長袖がもう少し薄手であれば――しかし下半身は文句はなし!とりあえず突撃。
「じゃあ、まず最初に腕みせてもらっていいですかね、なんか誤魔化されちゃいそうなんで」
更衣室のスペースの仕切りカーテンをシャッと引いて二人きりになると、にこぉーって笑顔を見せる。自分の怪我の話題を厭う素振り、医者としてはそれが見過ごせない。
■マルレーネ > 「恥ずかしいからだーめーでーす。」
照れながら唇を尖らせて、相手に言い放つ。
腕ですか……? と、少し恥ずかしそうにしながらぐい、っと長袖を脱げば、その下は下着……ではなく、ぎゅう、っと無理に押し込めるようにキツく締められたサラシだけ。
流石に二人きりなら、お医者さんに言われたら断れない。
まあ、そのサラシも汗でじっとりと湿っているのだけれど。
「……ええと、本当にちょっと浅く切っただけですよ?」
ほら、と包帯を解いて見せれば、傷は流石に血が固まりかけていて。
■神名火 明 > 「あんまり質の良い刃物じゃない。落第街のほうでもらったもんですね…あ、いや違う…?」
見たくてしょうがないものが目の前にある気がするけどここは我慢。傷の上で指を触れないように動かしながら見聞してから、取り出して耳に掛けたるはモノクルタイプの顕微鏡。化膿の有無と感染症の状態を確認しつつ。
「夾竹桃の毒がね、ちょっと流行ってたんだよね。簡単に採れるからって。風紀委員さんたちが撤去してくれたんだっけな~、担ぎ込まれてくる人が減って助かってた。…これ自分でやったでしょ?だから病院行かなかった?」
顔をあげて。じっと責めるような目つき――で晒しに覆われた胸を見つめながら。
■マルレーネ > 「…うぇっ………」
じーっとその眼鏡のようなそれで見つめられれば、そんなことまで分かるのか、と思わず変な声が出る。
傷の治りとしては悪くないもの、だろう。
「……そうですね、その時、一緒にお手伝いもしていたので分かります。
毒は使いようによっては薬にもなりますし、お金にもなりますからね。
………っ、えぇえ……!?」
思わず、びくっとして。 なぜ分かるのか、といった目で視線が左右に動いて。
「ま、まあ、いろいろ………。」
視線をそらした。ジー、っと見られているのは気が付かない。
■神名火 明 > 「へええ、風紀のお手伝いもしてるんだあ~。子供も簡単に毒を持てる。あんまり聞いてて面白いものじゃなかったな。断れない子たちに悪事を働かせるなんて――ふううううん?」
うんうん頷きながら眼福を楽しんでいるとあからさまな反応が見えて、視線をあげてこんどは顔をジーーーっと見つめちゃう。
「刃が入った角度とか力の入り具合でそういうのはわかるよ。まあこういう所だから"やっちゃう"子もそこそこ居るからね。シスターさんはそういう感じ?まあ、マリーさんのはそういうんじゃなさそうだし、詳しくは聞かないけど…内緒にしたい傷、多いほう?」
薬剤を染み込ませたガーゼで、傷の周りを拭う。すーすーするものではなくて暖かくなるものだ。汗などを拭き取りながら、もう一枚用意して、触るよ?と傷の上にガーゼを這わせる。
■マルレーネ > 「…………そう、なんですね? 私はそういうのではないので、大丈夫、大丈夫ですよ。
内緒にしたい傷はそんなにありませんから!」
冷や汗をたらり。流石に子供のために切りました、とも言えないので誤魔化しながら。
風紀のお手伝いも、これ以上は掘り下げない。
「………ありがとうございます。
大丈夫、ですよ。 我慢はできる方ですから。」
手当をされながら、ふぅ、ぅ……っとゆっくり息を吐き出し。
「……むしろ、お手間をおかけしてすみません。
明さんは、今から帰る予定だったんですか?」
申し訳なさそうにしつつも、大人しく手当てを受ける。
■神名火 明 > 「そう?ならよかった。でもね、今回の事だけじゃなくて我慢しすぎちゃうのは良くないよマリーさん。我慢して我慢して、辛い人が良くない方に振れちゃうんだから。ふふふ。痛いなら痛ーいって言うほうが、良いこともあるよ? ん?うーん、巡回してたとこ。そしたら怪我人見つけちゃってさ~」
全体を拭う。まだ痛みの残る場所もあるだろう。ガーゼでの処置を終えると、透明なシールで傷口を覆う。むにむにしてその時にも傷に触れるが、しっかり被覆。
「これでお風呂入っても大丈夫。変に乾燥はさせすぎないでね。痛みがなくなったら剥がすように。普段は包帯とかで隠していいけど、包帯も清潔にすること。今日は、シャワー浴びた後に新しいのを巻いたげるからね」
よし、と仕事を終えた顔で向き直って、少しだけ責めるような色を持った瞳で真っ直ぐ顔を見入る。くまがあるから少し迫力も出てるかも。
「言えない傷がもしまたできたら私に相談してね。内緒でね」
■マルレーネ > 「あんまり、我慢をし続けてる感じはないんですけど………。
でも、ありがとうございます。 我慢というか、これくらいは大丈夫、って思っちゃう方なので、それがよくないかもしれませんね。」
透明なシールを貼られれば、こんなものもあるんですね、と感心したように見つめて。
「………わかりました。 ありがとうございます。
……すいませんでした。」
ピシリ、と言われれば小さくなって、頭を下げる。
「……ありがとうございます。 明さんは普段、どちらにいらっしゃるんですか?
私は異邦人街で修道院に住んでいますから。」
相手の言葉に、ほっとした笑顔。
こういう怪我に対して理解を示さない先生も、たくさんいるのだ。
言いたくないものを言いたくないものとして理解してくれる方は、やはり少ない。
「……っと、……このままだと風邪ひいちゃいますし、先にシャワー浴びてきますね。」
冷房の中、サラシだけで座っていたから、ぶる、っと身体を震わせて。
■神名火 明 > 「マリーさんってさー、いろんな人にさっきみたいに笑いかけてるんでしょ。落第街でも。そんなマリーさんが倒れちゃったりしたら、きっとたくさんの人が悲しむだろうからね。走る時は水分とパートナー。傷ができたらお医者さん、ね――いいのいいの、いいもの見せてもらっちゃってるし~」
でへへ、と笑って彼女の姿を見つめるのだ。うん、だいぶ刺激的な格好。つくづく学校内であって医者と患者というロケーションが惜しまれるなあ~と思うんです。
「普段はほとんど病院の仮眠室だねー、女子寮借りてるんんだけど帰れるの週1くらいで――ああじゃあ週1で修道院に行っていい?往診がてら。寝るとこ余ってたらそこで寝られるし――あっ、ああ、ごめんごめん!そうだね?大丈夫?洗える?一緒に入る?」
慌てて立ち上がる。着替えはお洗濯しとくねーって言ってお見送りするのだ。危うく風邪を引かせてしまうところだった。あぶないあぶない。
■マルレーネ > 「あはは、……そう、ですかね? でも、一番身近な自分の身体を大切にできないなら、他人の身を案じることもできませんしね。 気を付けなきゃいけません、よね。
………いいもの、ですか?」
一瞬ぼーっと、何のことかと頭の中を検索して。
「……あー、あー……ぁー………。」
途端に恥ずかしくなったのか、腕でサラシ部分を隠しつつ、頬を赤く染めて視線をうろうろ。
「………え? そんなにいいベッド無いですし、そんな、私の方から伺いますけど!
もし来て頂けるなら、普通に友人として。
………い一緒にって、……流石に自分で洗えますけど。」
恥ずかしそうにしながら、ぶつぶつぼそぼそ。
見送られれば隣のシャワー室へと向かい。しばらくすれば流れるシャワー音と、ひゃー……という、心地よいのだろう声が聞こえてくるだろう。
■神名火 明 > 「ああっそんなダメ!隠さないで!そんな立派なものをお持ちなのに!」
またあの防御力の高い修道服に隠されてしまうとなると悲嘆に暮れちゃう。けどもそんなことも言っていられないので普通に見送ってしまうのだ。洗濯機を回す。流石に着ているものを改めたりはしないのだ。まだ自分は医者そして彼女は患者さん。
「どーう?傷にお湯当たってる感じとかするー? 実はさーほとんど病院だからお友達とかも少なくて、お友達してくれるなら通っちゃうかなーって感じだよー、ついでに診てあげられるし、何か連絡手段があったら飛んでいけるんだけどねー」
着替え籠をご用意してから近くのベンチに座って声をかける。被覆材の処置は外傷に慣れているから十全なもので、剥がそうとしない限りは泡を伸ばしてもしっかり撥水をしてくれる。気持ちよさそうな声がする。そんなカーテンの向こうでは一体なにが起こっているのだろう――思わず声をかけてしまった。声をかけただけ。
「一緒に入っていーい?」
■マルレーネ > 「立派とか言わないでくださいってば!」
もー、っと恥ずかしそうに言い放ちながら、シャワールーム。
傷に当たらないように気を付けていたのが嘘のようで、汗をかいた後だし、すっきりする。
「……大丈夫です、すごいですね。 これ、すごく快適です。
………あ、そういうことなら、是非。 私もまだこの島に来たばかりで、友達が片手で数えるほどしか。 いつでもきていいですからね。」
相手の言葉に、返事を返しながら。
「………と、隣のシャワーとかそういう?
それはもちろんその、いいですけど。」
こっちは返事がちょっと遅れた。
■神名火 明 > 「友達と言ったらいっしょのシャワーを浴びるものではないでしょうかー?なーんて」
そんなことをする間柄のお友達はそうはいない。とはいえここで乗り込んでいったりはしないのです。ぐーっと堪えて我慢して、自分の分のドリンクで喉を潤す。新しい包帯を用意して、カーテンの向こうにあるであろうその肢体を幻視するのです。麻酔を処置する時のために相手の体つきや体重を正確に把握する技能は揃っています。悪用している気がします。
「美味しい紅茶とか持ってくねー。あとお菓子も~。甘いの大好きなんだ~私。術後とかすっごい甘いの欲しくなるし。それでー、なにか身体のことで他にお困り事はないですかー?」
足を組みくみぱたぱた動かしながら、ついでの問診をしておく。彼女の身体には多くの"無理"が残っている気がしてならない。