2020/07/23 のログ
マルレーネ > 「そ、そういうものなんですか!?」

信じそうだった。異邦人らしさ。
そうなんだー……なんて呟きがシャワーに流れて落ちていく。

「………じゃあ、こちらも何か用意しておきますね。
 身体のこと、ですか? ………………」

少しばかり、シャワーの音の向こうで悩むのが手に取るように分かるか。

「……身体というより、こう、心の回復がちょっと遅いかな、って思うんですよね、最近。
 一晩寝れば元気になっていたんですけど、最近はちょっと。

 まだ、環境に慣れてないからですかねー?」

言葉の響きだけは明るい。

神名火 明 > 「もしかして"裸の付き合い"をご存じない?私の故国では普遍的なコミュニケーションだよ~」

神妙な口調でそうやってひっそり心の隙間に忍び寄ってしまう私。嘘は言っていない。普通は温泉や大衆浴場でするものだけど都合よく捻じ曲げておく。

「ふううん。心の――かあ」

ドリンクをもう一口飲んで、氷の音をがらがらと立てる。こっちも少し考える。異邦人で修道院に一人暮らしで友達が少なくて無理をしてしまうタイプ。組んだ脚をぱたぱた動かしながらお友達としての意見を一つ述べてみる。

「心理学とかカウンセリングは専門外だからそっちの病院に罹って――って思うけどマリーさん、ここ最近誰かにそういうことを打ち明けたりした?疲れた~とか心がつらい~とか」

マルレーネ > 「………そ、そうだったんですね?
 ……じゃ、じゃあ、いいですよ……?」

凄く素直に騙された。
特に一度信用したからコロリである。


「………あはは、寝れば………。 二日寝れば治るかなって思って。
 とくには言ってないですよ。

 ああ、その、心配させたいわけではなくて。
 そういう時って何を食べたり、何に気を付ければいいのかな、って思いまして。」

大丈夫大丈夫、と明るく笑い声だけは隣から聞こえてくる。

神名火 明 > 「いいのぉっ!?」

思わず腰を上げかけちゃうのは無理からぬことでありましょう。しかし言ってしまったことはことなので此処で覆してしまえばむしろ信用を裏切ることになる。医者は時として往かねばならない。どきどきする胸を抑えて服を脱いで。

「そうだねえ…栄養ちゃんと取って、好きなもの食べて、程々に運動してちゃんと寝ましょうくらいしか思い浮かばないかなあ~…あとは」

異邦人の心のケアとなると落第街の事情とはまた違った話になる。彼女がこちら側の世界に"来てしまった"ストレンジャーだとするなら諸問題の根治療法を行うのは現実的に難しい。ぺたぺたと素足で床を踏み、シャワー室の中にお邪魔する。

「心を軽くするといえば、告白とか懺悔じゃないのかな~って思うけど」

どうでしょうか。何時もはそれを聞く側の修道女には釈迦に説法をするようなものかもしれませんが、自分の胸に許されるなら修道女を抱きしめて包み込んであげよう。カーテンの中は即席の懺悔室になれるかもしれない。ちなみにこうやってよく殴られるのでそこは覚悟をしておく。

マルレーネ > 「えっ?」

驚かれればこちらも驚く。これが普通なのでは。普通って一体。
哲学に入りそうになったところでやってくる女性、二人でシャワールームはちょっと狭いかな?

「………あはは、私は聞く側ですよ?
 ……時には、いいかもしれませんけど。」

殴るどころか、身長がちょっと高い彼女に抱きしめられれば、少しばかり恥ずかしそうにしながらも、照れた顔でへへへ、と緩く笑って。

「………でも大丈夫ですよ、こんな風に私の話を聞こうとしてくれた方は、向こうにもいませんでしたから。
 こっちに慣れるのも大変ですけど、………じゃあ、後悔しているかっていったら、上手く言えないくらいには。」

なんて、ぽてりと頭を預けてしまう。向かい合うように抱かれても、特に怒ったりはしません。

神名火 明 > 「でも心を軽くするための処方でしょ?マリーさんにも効く薬かもしれないし飲むだけ飲んでみよ~」

こちらは天国に導かれてしまいそうな心地ですが、しっかり抱きしめてあげます。よしよし。頭をぽんぽん叩いて慰めてあげる。間違いなく懺悔室の作法ではないのだが、狭さだけは似たようなものなので神様にはお目溢し頂きたいところでございます。清らかかどうかでいえば違うけれども受け止められる柔らかさはこちらにもあります。

「マリーさんなら大丈夫ってみんなに思われちゃってたかな?辛い時にもあんな風に笑うんだもんね、でも、こっち側の宗教だと、神に仕えるひとたちもみんな"迷える子羊"なんだから、いいんじゃない…こっちの世界のこと、好きになってくれてる…?」

だからって元の世界を振り切れるかとか、そもそも振り切りたいかという話じゃないのだろうと思うけど。無理に言わなくてもいいよと言いながら、優しく頭を撫でてあげる。

異邦人の受けるカリキュラムはこちらの世界に馴染むためのものだった筈。言わば帰化するための試験のようなものであって、"そうせざるを得ない"という事情のほうが多いのもよくわかる。そっと頭を撫でながら"痛み"を少しだけ和らげる。心理的なもの、胃などに来るストレスを和らげる程度の効能だが。

マルレーネ > お互いの柔らかい部分がぶつかるので抱かれるのにちょっと邪魔になるのは置いておいて。
こんなところを誰かに見られたら、とは思わなくもないが、それはそれ。

今はただただ、優しい感覚に浸るだけ。
頭を優しくなでられながら、目を閉じて。

「………………ああ、でも、一度ありました。
 こうやって、優しくなでられて、朝までこのまま。
 心がすーっと軽くなったのを、覚えています。」

目を細めながら、古ぼけた、でも大切な記憶を思い出す。
思い出しながら、そっと目を閉じて肩の力を抜いて。

「………好きですよ、この世界も、ここに住む皆さんのことも、とっても好きです。
 少しでもお返しもしたいですし、もっとがんばりたいんです………。」

流れ落ちる言葉は、愛。 愛だけを口にして、自分を奮い立たせる。
子供っぽいですかね、なんて、目を閉じたまま苦笑して。
シャワーを浴びたまま、ちょっとばかり体重を預けるように。

神名火 明 > 「自分が参ってることに気づかない患者さんが一番厄介なんだよね…気づいた時には手遅れになっちゃってたりして~」

身体の向き変えて、壁によりかかりながら彼女の身体を抱き寄せる。柔らかいなあ、なんて欲望ももちろん浮かぶんだけれどもそれどころじゃないし。聖母の真似事には届かないのはしょうがないが彼女の支えになるために受け止める。

「甘えたくなっちゃうなあ、赤ちゃんみたいに…愛が深いんだから。きっとマリーさんに関わる人にも、マリーさんのこと好きな人たくさん居るよね。私もそうだよ。でも忘れちゃいけないのは、あなたも生きてるっていうことだよ。傷がついたら痛いの。身体も心も壊れる時はあっさりだし、壊そうと思うと簡単に壊れちゃうこともあるんだよね」

お水を吸っちゃってだいぶふやけちゃったおでこの冷却シートを剥がしてあげる。前髪をかきあげてあげながら微笑みで覗き込む。愛を注ぎ込む。

「心が苦しいとき、私に頼って。駄目になっちゃう前にね。その人ほどじゃないかもだけどお友達としてなら受け止められると思うし。撫でてあげたり添い寝したりさ、だから」

祈りほど清らかじゃないかもしれないけど、その額にキスをするのは許されるかな?

「"お大事に"…ね」

マルレーネ > 「……大丈夫ですよ、私は参ったりしませんから。
 そりゃあ、人間ですから疲れますけど。……もう折れたりしませんから。」

不思議と、きっぱりと言い切りながら。
受け止めてもらいながらも、頑なに。

「………でも、覚えておきます。
 こんなに受け止めてもらえるんだってことも、ちゃんと覚えておきます。」

額にキスされれば、照れたようにちょっとだけ笑って。

「………今度はこっちの番ですね?」

なんて、よいしょ、っと引き寄せて抱きしめてあげましょう。
パワー系シスターから逃れられると思うな。
ちょっと身長差があるけれど、少し強引に。
今度はこっちが相手を抱き寄せながら、頭を撫でて。

神名火 明 > 「ボキッて折れる人がそう言うんだよもぉ~わかってよ~」

困ったように笑うけど強制することはしません。医者にはそこまでしかできない。駄目って言ってもやる人はいる。破滅したりもする。命はとっても儚いもの。

「忘れちゃったら友達としてと医者としてとで二倍怒るからね~?――うわっ、あっ」

抱きしめられちゃった。貴女の命もそれだけ儚いものなんですよ?そう教えるように今は出ていかないようにぎゅうっと抱き返しちゃう。これでも心配なんです。すりすり。撫でてもらえるのも嬉しいので身体も押し付けて。すりすり。

「でへへへ。柔らかぁ~い」

マルレーネ > 「大丈夫なんですー。」

笑いかける。 なぜかそこだけは譲らないまま、優しく撫でる。

何処まで行っても異邦人。不意に落とされた世界から、また不意に出ていく可能性だってある。
何処まで行っても一人ぼっち。周りにたくさん人はいるから、寂しくなんかは無いけれど。
だから、"簡単に折れてしまう自分"を許容することが、とっても怖い。

「………ええ、二倍怒ってくださいね。
 ……あと、その、柔らかいって褒めるのはちょっと恥ずかしいというか。」

抱きしめながら頬を赤くして、頬をぽりぽり。

神名火 明 > 「だって私やわらかい女の人大好きだから。マリーさんみたいな子は特に好みだし~」

顔を上げて緩みきった下心丸出しの笑顔を見せる。傷口に過剰に触れるなんて医者のやることじゃありません。せめてお大事にしてくれるよう自分を頼ってくれるよう、しっかり診ておくのが今の自分のお仕事で友達としてのお役目です。。

「じっくり鑑賞したいところではあるんですけどね~、そういうのは今度ゆっくりにしよっか~。上がろ? 心が軽くなったら次は美味しいもの、その後はゆっくり休むこと。美味しいお店知ってるんだあ~」

へらへらした笑いを浮かべながら身体はしーっかり見ておこうね。ちょっと離れてタオルで身体を拭いつつ、ケアプランをご提案。どうせこの後は暇だし明日はオフ。

マルレーネ > 「恥ずかしいって言ってるんですー!」

もー、っと笑いながら、それであっても楽しそうに頭を撫でて。

「上がりましょうか。 ずーっとシャワー出しっぱなしにしてましたしね。
 ……ええ、大丈夫ですよ。 じゃあ、一緒に?」

遠慮をすべきところだろうけれど、友人になろうと話したばかり。
相手の言葉に穏やかに微笑みながら………。

「………あんまりじーっと見ないの!」

もー!っと恥ずかしそうにタオルで隠しながら怒るのです。怒る時は怒る!

ご案内:「訓練施設」から神名火 明さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」からマルレーネさんが去りました。