2020/09/15 のログ
ご案内:「訓練施設」に伊都波 凛霞さんが現れました。
■伊都波 凛霞 >
最近、此処に来ることが増えた気がする
週に一回はルギウス先生の教会施設で眠ることにしているのもあって、
朝に実家の道場での日課が出来ないタイミングが増えたのだ
道着袴に着替えて、いつものように畳の敷かれたスペースへ
夏季休暇も終わって、周辺も含むとそれなりの賑わい…というか喧騒
──こういう時はこれ幸い、精神統一。心頭滅却すればなんとやら
ゆっくりと畳の上へ膝を降ろして、膝の上に両手を添える
静かにその両の眼を閉じて…まずは、瞑想──
心を無にする、その過程で
最近あったことや、自分を取り巻く環境の変化などを整理するよい機会にもなる
■伊都波 凛霞 >
眼を閉じ集中していると、色々なことが思い出され、浮かんでくる
無に至るためにはそれらを整理し、片付けなければならない
まず考えること、…とりあえず学業
学生の本分であるし、疎かには出来ない
といっても新学期がはじまったばかり、課題も多くはなく…
比較的ゆとりをもって取り組めているはずだ
次…風紀委員のこと
いつもながらというか、なんというか…落ち着かない
夏季休暇前あたりから波乱の連続、といった感じだ
件の事件に関連した戦闘での負傷者が気になるけど……
落ち着いた頃に、連絡をいれてみよう
……でもアフロじゃない山本くんは今度こそ見ておきたいような…おっと、不謹慎
■伊都波 凛霞 >
次…呪いのこと
ルギウス先生の計らいと、呪いの経路を断ち切ることで仮対策
サイコメトリーと明晰夢の応用で、どこからそれが発生しるかの特定も完了済み
本来ならこの時点で何もしなくてもいい、のだけれど…
図書館の禁書を取り返さなくてはいけないという問題がある
約束の彼…紫陽花さんに協力を仰ぎ、そう遠くない内に対処が必要だ
■伊都波 凛霞 >
……最後、自分のこと
彼の顔がチラつく
待つ、待つ、待つ……待って、どれだけ待てばいいのかわからない
でも本当に自分から距離を詰めて、触れて良いのかどうかもわからない
理央くんと沙羅ちゃんを見て、…いいな、と思った
たくさん苦い思いをして、色恋なんて当分いいや、と思ったのに
そんな程度のことで想いが揺らぐ、決意が鈍る
やっぱり『待っているだけ』ではダメなんじゃ…?
自分は待てる女だと思う、けど…ただ待っているだけが良い女じゃないんじゃ…
…でも、潜在的な恐怖が抜けきらない
また、いなくなってしまうんじゃないか…という疑心暗鬼
他人のことならいくらでも勇気が出るくせに、自分自身のことになると、なんて情けない
■伊都波 凛霞 >
自己分析、自己整理
瞳を閉じた暗闇の奥で、少しずつ周囲の騒音はカットされてゆく
心を無にする、瞑想に入る…というのも案外難しい
それら雑念を取り払う作業は、自身に絡む蜘蛛糸が多ければ多いほど、大変だ
ふー…と長く、大きく息を吐き──脳裏から雑念を捨て去る
想うべきこと、考えるべきことの整理は完了した
ひとまずいまこのタイミングで思慮すべきことはない───
少しずつ、少しずつ。無我へと至る
■伊都波 凛霞 >
しん…と、少女の周辺からすら音が消える感覚
遠めに少女を見る生徒達の中にはその佇まいに息を呑む者すらいたかもしれない
道着袴に身を包んだ凛霞の姿は、普段の快活な彼女とは違いやや近づき難い、
どこか遠くから眺めていたくなるような…物静かながらも力強く、凛と咲く花のような印象を与える
──数分の瞑想の後、ゆっくりと、その双眼を開いてゆく
ご案内:「訓練施設」に水無月 斬鬼丸さんが現れました。
■水無月 斬鬼丸 > そんな中に響く、ぷしーっと自動ドアの開く音。
少し猫背気味の少年があたりを疑うように顔を出す。
風紀委員の…葵さんといったか。
その人の口利きのおかげで、自分のような異能でも
とりあえずここで訓練させてもらえるようになったわけだが…
どうもなれない空気。
キョロキョロとしてる視線の奥に見える人影も
その空気をまとっていると言うか。
こぇえ…
「しつれぃします…」
尻すぼみ気味の挨拶をしつつ恐る恐る踏み出した。
■伊都波 凛霞 >
ゆっくりと片膝から立ち上がって、とりあえず形稽古からでも…おっと、その前に柔軟かな…
そんなことを思っていると、視界に見たことのある顔が映り込んで…
「──あれ、君」
視線を向けて、顔をよく確認する。間違いない
「やっほー、久しぶりだねえ」
手をひらひらと振りながら、挨拶
いつもどおりの、人懐っこい柔和な笑み
張り詰めていた空気が一瞬でゆるいものへと変化した
もっとも、同時に別の場所の空気は張り詰めたが
なんだあいつ何話しかけられてるんだよ…
どういう関係なんだよあいつ…
といったようなオーラを感じさせるフィールドが形成されていた
■水無月 斬鬼丸 > 声をかけられるとビクリと肩を跳ねさせる。
というか、知ってる声、知ってる顔だ。
なんで気づかなかったのか。
それは、挨拶をくれた女性…
リンカ先輩。
今までずっとまとっていた空気のせいか
別人に見えていたからだ。
忘れていたわけではない。
「へ?あ…リンカ先輩?
えーと、どうもっす…」
なんか周囲から色々ぶっ刺さる視線を感じるが
先程の先輩がまとっていた空気に比べれば温い。
むしろ、知り合いがいるとも思っていなかったので
間抜けな返事になってしまったのが悔やまれる。
■伊都波 凛霞 >
なんとなく話したことのある、知った顔を見るとテンションがちょっと上がってしまうのがこの先輩
人と話すのが好きで、楽しくて、嬉しいのだという雰囲気を全身に纏っている
「君も訓練に来たの?あ、ここ使う?」
畳が張り巡らされた一角
どういった訓練に使うのかは明白は場所だろう
にこにこと笑みを浮かべたままの凛霞と話す斬鬼丸少年
誰なんだあいつはいったい…といったような視線がほうぼうから向けられているが…
そういったところには鈍いのか、気にしない性質なのか、凛霞はまるで調子を変えることなく話を続けていた
■水無月 斬鬼丸 > 視線超痛い。
当たり前である。
自分のように冴えない男子生徒がこの…
美人で
可愛らしくて
背も高くて
優秀で
おっぱいもでかい
そんな、リンカ先輩に話しかけられているのだからあたりまえ。
「あ、ええ、まぁそっすね……えーっと、失礼します」
とりあえずこのまま話すのもいたたまれない気持ちではあるが
かと言って他所に行ってしまうのも不義理…
というか、視線のヌシたちにちょっかいかけられそうなのでそれも避けたいし
なにより、知り合いがなれない場所にいるときは頼りたいものだ。
靴を脱ぎ捨て畳にあがることにする。
■伊都波 凛霞 >
「ふふ、あがってあがって。私の場所ってわけでもないけどー」
貸切状態だった畳エリア
多分凛霞がいたのでみんな近づき難かったのだろう
そんなところへ招き上げるようにして…
「斬鬼丸くんは此処でどんな訓練するの?
異能?それとも基礎体力づくり?」
世間話のように気軽に、そんなことを問いかけながら
自分自身は立ったままできる軽めのストレッチをこなしてゆく
少年がそのエリアに立てば、周りの視線も友人なのだろうとすごすご引き下がっていったのか、数が減る
■水無月 斬鬼丸 > 「あ」
名前、覚えられていた。
まぁ、前も確か覚えてもらってたし
それはそうだろうけど、なんか嬉しい。
「チョットはじめてここにきたんで…
異能の方といいたいところですけど
贅沢を言うならどちらも欲しいと言ったところで…」
努力をずっと『控えていた』分、体力も学力も
一般的な男子学生並みと言ったところ。
だが、守るべきもの、守りたいもの
それらを守ろうと思う意思。
そういったものが、自分をそのままにしておいてはくれない。
紫苑は渋い顔をするだろうが…。
■伊都波 凛霞 >
「?」
あ、と声をあげる少年に不思議そうな顔
少女は人の顔と名前はしっかりと覚えられるタイプである
一度会っただけの生徒や、しばらく会わなかった誰かの名前だって覚えている
頭がいい、というのもあるのだろうけれど、人によっては意外に思われる部分なのかもしれない
「そっかそっか。はじめてなんだね。
じゃあ、色々教えてあげる!」
にこやかにそう宣う少女に再び視線が降り注いだ気がするがそれはそれ
「結構広くって、異能や魔術の訓練に使う人が多いかな?
迂闊に使うと人が怪我しちゃう異能の力とか…そういうのをうまく扱えるように練習してる人が多いかも。
先生と一緒に講習って形でやってる人たちもいるね」
施設のおおまかな説明なんかをしつつ、視線を巡らせながら
体力づくりだけなら基本的なトレーニング機器が揃ったエリアもあり、休憩室やシャワールームなんかもあるよー、と言葉を続ける
「このエリアなんかは生徒同士の模擬戦もできるよー。もちろん大怪我とかさせちゃ、ダメだけど…」
■水無月 斬鬼丸 > リンカ先輩くらい記憶に残りやすい人物ならともかく
自分のように地味ーなどこにでもいるような男子学生を覚えているとは。
意外さで声も出るというものだ。
「あ、うす…
よろしくおねがいします」
キリッとしていれば美人な先輩だが
ニコニコと朗らかに笑っていると、やや幼気な顔立ちなのがわかる。
降り注ぐ視線に、言い方ぁ…とはおもうものの
教わりたいのはよく分かる。はじめてではないが。
「あー、ええ、なるほどぉ…
俺の異能って、つかえばなんか壊すし
人に使えば確実に大怪我させちゃうもんなんで…ここ立ち寄らなかったんスけど…
葵さん?が口利きしてくれて、使わせてもらえるようになったっていうか…」
先輩の説明を聞き、彼女の視線の先をこちらも目で追いながら
ここほんとにつかって大丈夫なのか?と不安になる。
■伊都波 凛霞 >
「ふむふむ…。
でもそっか、なるほどね。
そういう異能の力を持ってるのなら完全に自分の制御下に置くための
訓練は必要かもしれないねえ」
自身の持っている力が危険なものである、と語る少年に頷きを返しながら
「大丈夫。此処はそういったトレーニングのための施設もあるよ。
デコイ…いわゆるダミーを使った訓練で、正しく自分の力をコントロールするために使ってる人、結構見るかな」
風紀委員だと神代くんなんかがよく利用してるのかな?と思い出す
今、自分達がいる場所からは少し離れたエリアだ
「人を怪我させる心配もないし、大きな力に悩んでる生徒ってたくさんいるから。…頑張って!」
そう言って、不安そうにしている斬鬼丸少年の肩をぽむぽむと叩く
■水無月 斬鬼丸 > 「今のところは制御は…」
不安がないとは言い切れない。
今まで制御をはなれたことはないし
リミッターもかけてもらったことを考えればその心配は不要とも言えるかも。
でも、絶対ではない。
万が一まさに、万回に一回だけでも、その一回が自分の好きな…
守るべき人たちに向かって振るわれたらそれで終わり。
ふるふると頭を振ってから、深くうなずく。
「それで、えーと…ここは…?」
畳張りの一角。
よくよく見れば道着姿の先輩。
道着…?でいいのか?
柔道や剣道とは違う…
自分が剣術ならってるときに着てたやつとも少し違うか?
■伊都波 凛霞 >
「ここは見ての通り、多目的に使える道場っぽい場所かな?
主に体術や剣術なんていった武道の鍛錬ができるように作られてるところだね」
言いつつ、膝を降ろして畳を撫でる
「風紀委員の基礎講習とかにも使うことがあるかな。
捕縛術なんかには体術が含まれるから。
私は実家が道場な関係で、たまーに利用させてもらってる感じ」
■水無月 斬鬼丸 > 「道場」
ふと思い出す。
そういえば、雨の日に見せたブラーのかかった動き。
あれ異能とかではなかったのか?
武術やってたからああいううごきが……
いや、そうはならんやろ。
そしてもう一つ思い出した。
「っは!そ、そうだ!!」
慌てて駆け出して訓練場からでていく。
1・2分もしないうちに戻ってくるも、その手には薄く四角い箱。
「話の腰おってすんませんけど、タオル!!かえします!!」
きっちりと包装された真新しいタオル。
雨の日に借りたもののお返しに。
買ってからいつ会えるかわからずずっとかばんの中にしまって忘れかけていたが…
今思い出した。
■伊都波 凛霞 >
「え?あ、あぁ…気にしなくていいって言ったのにー」
真新しいタオルの箱を受け取りながら、苦笑
律儀な子だなー、なんて想いながら
「でも、ありがとう。使わせてもらうね」
苦笑を満面の笑みに変えて、お礼を言う
あいつは何なんだ?何かを渡してあんな笑顔を向けられてるアイツは…
そういった視線がバシバシ飛んでくる中、凛霞は気にした様子もなく、ゆっくりと座りの柔軟運動をはじめる
ぺたー、っと両脚が180度近く広がるような、人によっては裂けて死ぬのではといった身体の柔らかさ、靭やかさ
「あ…運動前のストレッチ、せっかくだし二人でやる?」
■水無月 斬鬼丸 > 「もらいっぱなしってのもわるいですし」
視線が質量を持って襲ってくる気がする。
っていうかキミら自分の訓練しなよ!
笑顔の先輩可愛いけど!
先輩は先輩で、なんかすごいことし始めてるし。
自分だったら裂けて死んでる。
ストレッチ…まぁ、体を動かすなら柔軟は必要だろう。
しばらく鍛錬してないならなおさらに。
スポーツ育成ゲームとかでもストレッチを噛ますと怪我をしにくくなっていたっけ
「あ、そっすね。はい、おねがいします」
このときは普通になんのけなしにそう答えた。
■伊都波 凛霞 >
「よーし、やろやろ!じゃあ座ってー。あ、上着とか脱いどいたほうがいいよぉ」
よいしょ、と立ち上がって変わりに座るように促す
「それじゃまずは開脚からかな。股関節と膝は柔らかくしておかないと、一番怪我しやすいトコだからね。
限界まで広がったら、背中押してくね!」
普段から柔軟をしていない一般人には実はこれがそこそこキツい
凛霞なんかはそれこそフルに開脚したまま額を畳に押し付けるレベルまで可能だが、さて
■水無月 斬鬼丸 > 「うす、よろしくおねがいします」
上着…一応スポーツウェアなのだが
それを脱ぐとTシャツ一枚『唐揚げからage』と書かれたやつだ。
取り敢えず、言われたとおりに座る。
長座の姿勢。
「えーっと…そんじゃ…」
足を広げていく。
この姿勢では90度もひらかない。
まぁ、柔軟してないのでこんなものである。
普段体つかってる人と比べてはいけない。
■伊都波 凛霞 >
「はいそれじゃーそのまま前屈ー」
斬鬼丸の背中をぐーっと押しはじめる
足の広がり具合を見て、痛すぎないあたりを想定して、押して行く
ぐいぐい
「もう無理、ってなったら言ってねえ。
こういうのも毎日やってると結構すぐ柔らかくなったりするんだけど、あんまり運動とかしてない感じかな?」
■水無月 斬鬼丸 > それじゃあスタート
といったところで……
「いっだだだだだだだだだ!!」
開始五秒で悲鳴が上がる。
ぐいぐいされるも手がつま先まで届かないレベル。
■伊都波 凛霞 >
「あはは…身体かたいね……」
悲鳴に慌てて手を離す。なかなかの身体の硬さである
「じゃあ次は開脚したまま、右足と左足それぞれに横倒しになる感じに身体を…」
これは比較的楽じゃないかな?と、準備が整えばぐいぐい、再び背中を押したり…
他にも数点、様々な二人でやるストレッチをしてみたものの…
「少しずつやったほうがいいね。身体が硬いまま運動すると怪我はつきものだから」
体力づくりをするにも、結局必要な部分である
悲鳴をあげていた斬鬼丸の身体をいたわるように、肩や腕、太ももをマッサージしてゆく
これは多分いたくない、むしろきもちいい、はず
■水無月 斬鬼丸 > 「すんません…」
我ながら情けない。
先輩のあれを見たあとだと余計に。
「左右に横……倒し?」
左右に体を少し曲げる…くらいだと思っていた。
むしろ横倒しってできるのかそれ…体へし折れない?
大丈夫?っていうか先輩やってましたね。
あれ?ああ、むり。
色々と手伝ってもらいながらストレッチをするも、どれもすぐに悲鳴が上がる。
「ほんと、申し訳ない限りで……」
正直メチャクチャに足を引っ張っているだろう。
周囲の視線を今まで以上に痛く感じる。
マッサージされているからではなく、自らの不甲斐なさのせいで。
マッサージは気持ちいいが、少し頭を垂れる。
だが、凛霞は気づいているかも知れない。
痛みで悲鳴を上げていたが、もう一度同じストレッチをやると明らかに可動域が広がってきていることに。
運動をしてきてない人間のそれを遥かに上回るほぐれ方だろう。
■伊都波 凛霞 >
「謝ることないよー。斬鬼丸くんならきっとすぐできるようになるんじゃないかな」
一度目より二度目、二度目より三度目
明らかにその可動域が広がったことには少々の驚嘆
肉体的な才能(センス)がずば抜けているのか、他の要因かまではわからないけれど
「よし、っと…それじゃあ後はトラックを走るなり、スポーツ器具で鍛えるなり。
異能の訓練のほうをしたかったら、係員の人に施設の使い方を聞くといいよ」
引っ張り伸ばした痛みがなくなる程度にマッサージを終えれば、ぽんと背中を叩いて終了を告げる
「私はもうちょっと形稽古なんかやっていくから、気にせず自分のトレーニングしてきて」
そう言って、タオルは使わせてもらうねー、と改てお礼を言うのだった
■水無月 斬鬼丸 > 優しい。
そういえばあうたびにこの先輩の優しさに甘えてきたような。
自分に肉体的センスがあるわけではなく
異能…の副産物によるものなのであるが、現状まだ好意的に捉えてくれているようだ。
「あざっす…」
マッサージ、気持ちいい。
凹んでた気持ちもフォローしてくれたおかげで少しやわらいだ。
そのおかげで、先輩が体中マッサージしてくれてるのに少しドキドキ。
頬が少しあつくなる。
が、それもつかの間、背中を叩かれハッとする。
「あっ、はい、ありがとうございました。
えーと、その、もう少し柔軟してていいですか?
その、形稽古…?ってのも気になるし…」
結局甘えてしまっているが
これはあれである。
見知らぬところで見知った相手に出会った際、それらから離れることへの
無意識的な拒否反応。
陰キャならではのあれだ。
■伊都波 凛霞 >
「いいよー。見てて面白いものじゃないかもしれないけど」
にっこり笑って快く了承
少年独特の心運び
それに気づいているのかどうかはわからないが、
断る理由がなければ基本的に歓迎してしまうのが少女、凛霞の性格
その後は組打ちをイメージした型稽古を2、3種、
まるで流れるような舞踊のような、と形容されるもの披露し、ほどよく時間が経てばその日の鍛錬は終了
次に会うのがいつになるかはわからないけれど「またね」という別れの挨拶を、やっぱり人懐っこい笑顔でしてくれる
優しくて、頼りになって、なんかたまにどこか抜けてるような先輩との時間はほんの数時間にも満たなかったが、
少年に何かしら役立てたことがあったらいいなー、なんて思いながら、凛霞はその日の帰路を歩くのでした
ご案内:「訓練施設」から伊都波 凛霞さんが去りました。
■水無月 斬鬼丸 > 今日は結局鍛錬が終わるまで先輩のそばにいさせてもらってしまった。
というか、視線が怖くて1人で上がるもの流石に気が引けた。
柔軟をしつつも、まるで流れるような動きに見惚れて…
気がついていたらからだが右足の上に横倒しになっていた。
そうはならんやろ。
少し柔軟をやっただけだが、従来よりも成果が得られた
…まぁ、異能のおかげなんだけど。
程々にやるのはいいけど、やはり努力のし過ぎには気をつけねばと
改めて気を引き締める。
なお、先輩と別れの挨拶を交わせば、まるで逃げるようにその場をあとにした。
なんか因縁つけられたらコワイので!
ご案内:「訓練施設」から水無月 斬鬼丸さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」に池垣 あくるさんが現れました。
■池垣 あくる > 「今日は……よろしくお願いします」
そう言って、風紀の先輩数名に頭を下げるあくる。
今日は、対異能の稽古のために付き合ってもらうことにしたのだ。
ちなみに、流石に襲ったことのある人は避けた。そこら辺の分別は流石にあった。
そして、その数名の先輩からある程度距離を取り、槍を構える。
■先輩達 > 「風紀の連携見せてやるぜ!」
「当たっても文句言うなよ、新入り!」
「本気で行くからな!」
■池垣 あくる > そんな言葉を発しながら、三者三様に構えてくる。
それぞれ、遠距離に攻撃できる異能持ちの人に頼んだ。槍の間合いに入る前に迎撃されるシチュエーションを想定して、だ。
「はい。 ……参ります」
構え、そして待つ。
■先輩A > 「よっしゃいくぜ!!」
そこそこ遠い距離に構えた後輩に対し、火の玉を放つ。
炎を発生させて操る、オーソドックスな異能。いろいろできて便利だが、やはり戦闘向けだ。
いる場所をしっかり睨んで、狙いを定め。
「そりゃあ!!!」
火の玉を飛ばす!
■先輩B > 「ったく……」
直情的なAを見て溜息を吐く。
Aの火球は高速だが、直線だ。反応のいい相手には避けられる。
だからこそ、それを補佐するのが自分の仕事だ。
「『囲え』」
手をかざし、いくつかの岩石を後輩の周囲に浮遊させる。
そして、タイミングを合わせて。
「『潰せ』」
中に圧し潰すように岩石を操る!
■先輩C > 「そいで、オレで〆っと」
雷を纏い、突貫する。
ジグザグにフェイントを入れながら、囲い込んで動けなくなったところに電撃を纏ったパンチを叩き込もうと疾走する!
■池垣 あくる > 「(…………)」
応用できる。
最初の感想は、それだった。
この三人は、スリーマンセルで結構な数の違反生徒を制圧してきたらしい。
実際、良い連携だと率直に思う。点と面での同時制圧から、時間差を入れての変化の効く直接攻撃。
だけど。
「(気配が、隠せてません)」
A先輩は、視線の動きが露骨だ。加えて、わかりやすい発声があるから、タイミングが丸見え。
B先輩は、手をかざすせいでおおよそどこを狙っているかが見えてしまう。避けさせて囲うのではなく、避けさせないために囲う狙いが伝わってきてしまう。
C先輩は、ジグザグにフェイント……を入れているようで、ただワンパターンにジグザグしているだけだ。フェイントとして機能していない。
相手の細かい動作の起こり、気配、癖を観察し、把握し、それに合わせて動作を選択する。
武術的な、瞬間を奪い合うためのアプローチ。
異能に対して有効かどうか……というのは未知数だったが、やはり有効なのだと確信が持てた。
そして。
「ふっ!」
駆ける。
狙いはC先輩。
まず火の玉の着弾タイミングの少し前に、膝を抜いて起こりを隠す歩法を用いて倒れ込むようにC先輩の方に移動する。
■先輩C > 「いっ!?」
突っ込んでくる。この連携では、とにかく逃げようと最初の攻撃から逃れる奴はそこそこいた。
そこに向かって方向転換し、追い打ちをする。
それが必勝パターンだったのに、まさか突っ込んでくるなんて!
動揺しながらも、突っ込んでくるなら、それに応じて拳を振るう。
この速度なら、間合いも一瞬で詰まる。槍の間合いの中に入ってぶん殴れば、それで終わりだ!
■池垣 あくる > 「見えます」
ぽつ、と呟く。
動揺しての一瞬の減速、からの気を取り直しての再加速。
その接続部がさらに見切りを容易くする。
そして。
「はいっ」
服に、片鎌槍の鎌の部分を引っ掻ける。
神槍『天耀』。しなりやすく若干短めの片鎌槍。
その特徴は、多種多様な変化、そしてそこから生み出される技。
それを極めんとすれば、通常ならありえない……『槍での投げ』なんていうものも、成立する。
引っ掻けた瞬間に穂先を捻り、相手のバランスを崩しながら、力を流して放り投げる。
ついさっきまで、自分がいた個所に。
■先輩C > 「うわっ!?」
投げられる。
槍で投げるってなんだよ!?と驚く間もなく、そのまま地面に落ちて受け身をとろうと……
■先輩A > 「あっ」
■先輩B > 「あっ」
■先輩C > 「うわあああああああ!??!?!?!?!??!?」
したら、火の玉と岩石が襲ってきた。
回避?いや無理。間に合わない。
「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
もろに、受けた。
■先輩A > 「C--------!!!!!」
■先輩B > 「お、おい大丈夫か!?」
■池垣 あくる > 叫びながら、慌てて駆け寄ってくる先輩二人。
その二人に向かって。
「――それ、実戦だと絶対に、ダメですよ?」
連続で、槍を突き付けた。
「今、私は、C先輩を倒しただけ、でした。
でも……お二人が心配して駆け寄ってきたから、お二人も今、殺せました。簡単に、です。
それをやったら、全滅しちゃい、ます。ダメ、ですよ?」
■先輩達 > 「お、おう……」
「そう、か……そうだな……」
二人してコクコク頷く。
連携が崩されたこと、そして何より仲間がそれでやられたことに動揺してしまった。
相手が後輩だ、ということも忘れて素直に従う。
■池垣 あくる > 「ふぅ……」
息を吐いて、くる、と槍を回してひっこめる。
そして。
「ありがとう、ございました。試したかったこと、確認したかったことが、わかりました」
頭を下げる。
武術的な『気配を読む』アプローチは、異能戦術相手にも応用できる場合がある。
それが確認できた。これは、今後にも役立てられそうだった。
■池垣 あくる > その、ついでに。
「(……今度、どなたかに上申、してみましょうか)」
気配は、隠す技術がいくつも存在する。
ボクシングや伝統派空手道のステップ、タイ捨流の『衣紋振り』や北辰一刀流の『鶺鴒之尾』のように、常に動くことで気配を動きの中に隠し、また居付きを防ぐ方法。
古流空手などにみられる『膝の抜き』のように、自分の力みからではなく、自然落下のエネルギーを初動に活用することで予備動作を消し、気配を隠す方法。
剣道の踏み込み打突のように、動作のアクションを小さく鋭くすることで反応を追い付けなくしてしまう方法。
これらは全て身体操作の話なので丸々応用できるわけではないが、異能を用いるに際しても、気配を隠すことで優位を得られるということはありそうだ。
そう言ったアプローチを訓練に織り込めれば、風紀委員の戦闘における質を上げ、被害を抑えられるかもしれない。
乱戦だとあまり有効ではない技術ではあるけど、無いよりははるかにマシなはずだ。
そんなことを考えながら。
「それでは、医務室にご一緒いたします。参りましょう」
先輩達を手招きした。
■先輩達 > 後輩の言葉に頷き、ついていく。
若干後ろを三人でついていきながら。
■先輩A > 「だいじょぶそー、だな」
■先輩C > 「まーまだまだ信用できるかってーとだけど、悪いことしようって感じはしねぇな」
■先輩B > 「とはいえ、無邪気が一番厄介なんだ。監視は続けるぞ」
■先輩達 > ――池垣あくる。
その存在は風紀委員ならある程度の人数が知っている。
落第街などを主として、誰彼構わず襲い掛かっていた戦闘狂。
伊都波や持流に敗れ、その後何を思ったか神代の勧誘を受け風紀入りしたが、それを『どの面下げて』と捉えている人間もいなくはない。
だからこそ、稽古の中での態度を見て、見極めようと考えていたのだ。
狂気に呑まれ過剰な攻撃をするようであれば、拘束を上申するつもりだったが、今回は丁寧に、稽古の範疇で済ませていた。
――とりあえずは、保留。問題はなさそうではある。
その判断を共有しつつ、ついていくのであった。
ご案内:「訓練施設」から池垣 あくるさんが去りました。