2020/11/17 のログ
■リタ・ラルケ >
「ふふーん、どうだ!」
腰に両手を当てて、得意げに笑う。とはいえ岩で相手の動きを封じるのは失敗した。不意討ち気味の一撃ではあったけど、さすがに上手くはいかないということかな。
「でも、今のを避けるのは流石だよっ! だけど、まだまだっ! 今度はこっちから!」
そう言って両手に生み出すは、先ほどまで振り回していた、自分の身の丈を超えるほどの巨大な岩のハンマー。そのまま横に構えて、相手に向けて駆け、勢いそのまま横に薙ぐ。
小さい石は弾けても、これならどうかな?
■照月奏詩 >
「防御に特化してたから耐えれただけでガチ戦なら回避できてないってのっ!!」
彼女の声に反応しそう声を出すが、その直後に出てきた物質を見て目を見開く。
ハンマーの方向に両手を構え、更に腕に電撃を集中させる。
「流石にそれは洒落にならないってのっ!!」
すさまじい金属音。文字通り金属を岩で殴りつけたような音が響き渡るとその体は軽く吹っ飛んでいく。
だが逆に打ち付けた側からするとわずかに跳ね返されるような感覚があるかもしれない。
そして彼はというと、ガードそのものは成功する為ダメージは無いが思いっきり体制を崩される。さっきのを見ていた限り即座に岩で追撃というのも彼女としては可能なのだろう。
「岩で追撃受ければ勝ち目ないな……降参だ」
手を上にあげる。ここからの追撃を捌く方法が思いつかなかったからである。
それから少し笑う。
「あれだな、このルールでやってみてわかったんだが……これ攻撃無しってかなりきついな。常に相手にペース握られるから防御でも動きにくいったらありゃしない」
そういうと手足の電撃を解除する。本来であれば次はこちらの番。つけっぱなしでもいいはずなのだが。
悪い! と手を合わせた。
「時間になっちまった。この後バイトでさ……そっちの防御ターンはまた後日で構わないか?」
■リタ・ラルケ >
「うおっとっとおっ……!」
ハンマーが彼にぶつかる瞬間、大きな金属音。手ごたえ――だけれど、弾かれる感覚。
寸止め、という話ではあるから直前で少しだけ速度は落としたけれど、その見た目に違わずハンマーの質量は相当なものだ。どうやらバリアの強度は私が思っているよりも強いみたい。
とはいえ軽く吹っ飛びはした。大丈夫かなあれ。
「ん、お終い? おっけー! お疲れ様っ!」
降参の声を聴いて、ハンマーを消す。吹き飛んでいった彼に近寄って、念のため大丈夫か見てみるけれど、幸いダメージはないようだった。
そうして、彼の寸評に耳を傾ける。
なるほど確かに防御側とはいえ、攻撃できないのはきついかもしれない。守る側が己の火力を行使するというのは、相手の攻め手を削るという意味合いも多分に含まれているからだ。
「つまり、防御する側はどれだけ相手にペースを掴ませないかが重要になるってことかな。そういう意味じゃ、あなたが思いっきり近づいてきたのは正解なのかも」
今の状態がインファイトに持ち込まれても大丈夫な形態なのと、失敗したとはいえ岩の組みつきでペースを握れたのが大きかっただろう。
どちらかの条件が整っていなければ、結局翻弄されて決定打は打てなかったかもしれない。
「あれ、そんなに時間経ってた? いいよっ! それじゃあまた今度だねっ!」
さて今度は私の番か――と思えば、彼はどうやら入り用らしい。日を開けることになるけれど、まあむしろそっちの方がお互い万全な状態になるだろうし、承諾することにした。
■照月奏詩 >
相手のペースをつかませないというのには同意する。
「ああ、質量や遠距離だからできなかったが。それこそバランスを崩させるとか。そういう動きもしないと難しそうだ。次回までに色々と勉強しておかないとな」
と肩をすくめる。
相手が承諾してくれたのなら悪いなと手をもう一度合わせた。
「俺は1年の照月奏詩。もし用事なら1年の教室に来てくれれば見つけられる。はずだ」
人数が多いのではずというしかない。先生に聞くというのは立場上非常にまずいのであえて言わず。
「それじゃ、また今度な。その時はこっちの番からだ!」
そういうとこの場を後にし走って外へと向かっていった。
■リタ・ラルケ >
「照月くん、ね! 私はリタ! リタ・ラルケ! 同じ1年だよ、よろしくねっ!」
自己紹介をしてきた彼――照月くんに向け、こちらも自己紹介を返す。
1年は特に人数が多いし、見つけるのもちょっと苦労するかもしれないけど。
「はーいっ、また今度ねー! 待ってるよーっ!」
走って向かう彼を見送り、その姿が見えなくなったところで。
「……よし、おっけー! もう一度、纏繞解除っ!」
ご案内:「演習施設」から照月奏詩さんが去りました。
■リタ・ラルケ >
髪の色が白く戻ったところで、独り言ちる。
「……ふぅ。危うく完全に翻弄されるとこだった。何とかなったけど」
"土"の弱点の一つ、機動性のなさ。そこを完全に突かれかけた。
やっぱり、まだまだなところも多いか。もっと鍛えないとなあ。
「……それじゃ私も、そろそろ帰ろっと」
そう言って軽く汗を拭き息を整えたところで、自分も演習施設を後にするのであった。
ご案内:「演習施設」からリタ・ラルケさんが去りました。