2020/11/20 のログ
ご案内:「演習施設」に照月奏詩さんが現れました。
ご案内:「演習施設」にリタ・ラルケさんが現れました。
■照月奏詩 > 先日ゲームをして、今日改めて第2ラウンド。こちらの攻撃からということで約束をした。
腹部を軽く触る。全力で戦闘というのは難しいが。今回のように攻撃だけに集中すればいいのなら全快の時と全く同じ調子で動かせる。
「今回ばかりは無駄にタフに鍛えたのに感謝って所だな。さてと」
到着したのは少しばかり早かった。もう少ししたら彼女も来るだろう。
それまで軽く体を伸ばしておいた。ここ数日動いていなかったので体が固まっている
■リタ・ラルケ >
今日の自分は、演習施設に足を運んでいた。もちろん理由は先日に行った戦闘訓練の続きである。
前回はこちらが攻撃側として彼に挑んだわけだが、今回はというとあちらが攻撃側である。
――前回を通して、わかったこと。
それはすなわち、防御側といえどいかにイニシアチブを掴ませないかが重要であるということである。
そういう意味では、自分は少々苦手だ。ただでさえ体力もそこまでないというのに、攻撃ができないルールもある。さらに言えば彼は機動戦に長けているようで、"土"とは相性がよくないということもある。
「……まあ、やるしかないか」
そう独りごちて、演習施設の扉を開ける。
見れば既に、彼――照月奏詩は到着していたようで、軽く体を動かしていた。
「ん、待たせちゃった?」
■照月奏詩 >
扉が開く音。そしてかけられる声。そっちに視線をやると軽く笑った。
「いいや、問題ない。見ての通り体動かしてたからな。少し動かさないと体バッキバキでうごかねぇの」
ハハハと笑う。別の理由だがそれは言わない。というより言えない。
今は全力で体を動かせるのは事実。だがそれはあくまで主観でしかない。それに嘘がないとしても自分が相手の立場ならば数日前から動いていないだとか怪我しているだとかそんな言葉聞きたくないから。
「とりあえずまずは……よく見つけられたな。自分で言うのもなんだけど、逆にこっちから見つけるのが先だと思ってたぜ?」
2級学生としてあまり目立たずひっそり学園に交じってる自分よりは彼女の方が見つけやすそうだしそうなると思っていた。まぁ結果は逆だったが。
トントンと軽く跳ねるとグルンとバク転。そして着地。
「よし、良い調子」
■リタ・ラルケ >
「ん、ならよかった」
問題ないと聞いて、こちらも軽く腕を回す。もちろん彼の体がどうなっているかは知る由もなく。
体を解しながら、彼の言葉に返す。
「まあ……あれからあんまり日も経ってないしね」
加えて言えば、元の世界で戦線に立っていた時のせいか、ひとの気配には割と敏感な方ではある。そのことを言うと面倒になるだろうし、そもそも聞いて気持ちいい話でもないので言わないが。
もちろん、目的が目的なだけに入ってすぐ姿を探したからというのもある。
「おー」
話しながらも彼が見せるアクロバットじみた動きに視線が吸い込まれる。着地の時には、思わずぱちぱちと拍手してしまったくらいだ。
「それだけ動けるなら、ウォーミングアップも平気そうだねえ」
今回は、本当にひどく手を焼かされるかもしれない。
■照月奏詩 >
「日がたってなくても中々難しいだろ。特に特徴がある容姿ってわけでもないしさ」
自称どこにでもいる男の一人である。少し青みがかかった髪以外は本当に珍しい物ではないし。そもそも学校の特性上髪の色ですら色彩豊かである。
自分で言っておいて複雑な顔をしていた。
「もちろんばっちり! といってもまぁ。今の動きが戦闘で役に立つかって言われたら絶対にNOだけどな」
空中でしばらく止まる上に着地ができる技など的も良いところである。だから絶対に戦闘ではまず見せない動きだ。
それからグルグルと肩を回す。
「そういうあんたはどうだい。ウォームアップの時間いるなら取っても問題ないぜ。それならそれで水飲むなりするしな」
首もコキリコキリと軽く鳴らす。
そうしながらも彼女の攻略法を考えている。正直言えば中々に厳しいのが現実だろう。
■リタ・ラルケ >
「まあ、それじゃあお言葉に甘えようかな」
幸い少し待っていてくれるらしいので、その間にちゃんと動けるようにはしておこうと思う。
軽くストレッチをしつつ、さてどうしたものかと思考を巡らす。
今回は防御側ではあるが、戦術としては二通りに分けられる。といっても大したことじゃない、避けるか守るかだ。
避けるのであれば"風"だが、あれは正直利便性が高すぎて――有り体に言えばよく使うので、訓練になるかと言われれば微妙である。何より自由な飛行能力というのは、そもそれだけで一部の相手は完封できる力である。
訓練のことを考えて、さらに相手を封殺しきらないとなれば、やはり"土"である。
しかし先に述べた通り、相性という観点からすればこれはあまりよくない。普段から相手の弱点を突く戦い方をする自分ではあまり――
(……いや)
だからこそ、か。不利な状況を経験しておくというのも一つの訓練である。さらに言えば、必ずしも常に自由な精霊纏繞を行えるというわけでもないのだし。
そう思案に暮れながらも、ストレッチは続ける。
まあ、これなら不自由もないかな――と思えば、適当なところで切り上げるだろう。
■照月奏詩 > 「ごゆっくりー」
と手を軽くヒラヒラと振るうと一口だけ水を飲む。あんまり飲みすぎるとそれはそれで辛くなるし。
そうして相手の動きを見ていた。考えているのはやはり速度によるインファイトである。
もしくは不意を狙った奇襲の一発というのもありかもしれないが。
さて、そうして考えていると相手が体の動きを止めた。そこで数歩前に。試合の距離に入る。
「じゃ、改めてルール確認。攻撃と防御に分かれての練習。防御側は攻撃は禁止。攻撃側は寸止めなりで相手に直撃させないように注意。今回は俺の攻撃からだ」
確認OKだなと確認と取るとダラッと両手の力を抜く。
そしてゆっくりと相手に目線を合わせる。
「じゃ、練習……開始っ」
そのまま前に倒れこむかのように一気に前へと飛び出す。縮地とも呼ばれる古武道の技法に酷似したそれである。
文字通り走る以外の力を完全に抜いた状態。酔っているかのようにも見えかねないほどにブレる上半身はそれ自体が目くらませの意味合いを持つ。
そうして近くに迫れば上すらがブラフ。本命は足。そのまま飛び上がり、空中横回し蹴り。右側頭部狙い。命中しそうな場合は足を引きただの回転になるだろう。
■リタ・ラルケ >
開始、の言葉と同時に、彼は倒れ込むように踏み込んできた。
予想はしていた。だからこそ対処できたことだろう。踏み込みに対して、自分はバックステップで避ける。どう来るかわからないから、体勢を崩す覚悟で、少し大きめに。
はたしてその読みは正解だったか、鼻先を彼の足が掠めていく。
あれこれ考えている暇はない。さっさと防御態勢をとる必要がある。
そうなれば、彼に対して言えば普通の精霊纏繞だと遅い。
「――瞬着!」
■リタ・ラルケ >
その瞬間、私の体を精霊が"走る"感覚がする。体全体が脈打つような、そんな衝撃が走る。
外からは私の体が縮こまったのと、その瞬間、スイッチが切り替わるかのように髪と瞳の色が変わったのが見えるだろうか。
「くっ……」
最後に"瞬着"を発動したのは――裏常世渋谷だったっけ。久しぶりの感覚に飛びかけた意識を無理やり戻す。
今はとにかく、防御だ。
「ロック……クラッチ!」
そう唱える。先日、彼を拘束せんと発動した魔術。しかし今回は、少しばかり違う使い方だ。
岩を周囲に生成し、拘束しようと狙うは"自分"。
私の体に岩が組み付いていき、そうして出来上がるのは。
「岩の……鎧だぁっ!」
私の得意とする戦術。即ち自らに岩の鎧を纏う持久戦の構えである。
■照月奏詩 > 「なるほどな。岩の鎧……考えたな」
彼女は近接戦はあまり得意ではないということを言っていた。だとすればこうなるにはある意味で必定ではあった。
そしてさらに言えばそれは自身にとってもかなり有効になりえる戦法でもあるわけで。
だが同時に一つだけ問題点もある。足に紫電を纏う。
「あぁ、でもそれだと有効か非有効かわかりにくいから。痛かったらごめんな?」
着地と同時に震脚。本来であれば足を痛めかねないほどの勢いだが能力で痛めることはない。
そしてその衝撃を前に移動する力、更に打撃に乗せる。
放たれる打撃の種類は肩を狙った掌底打ち。
外部を攻撃する目的である殴打や蹴りではなく、もとより衝撃を内部に浸透させる目的のそれを肩を狙って。
■リタ・ラルケ >
岩の鎧。物理的な攻撃に対して圧倒的な防御力を誇るが、弱点も決して少なくない。
一に、機動性・運動性の消失。つまりこれを着た状態じゃまともに動けないから、攻撃を避けるのは諦めてね――ということ。
一に、運動エネルギーを破壊力とした攻撃には滅法強いが、それ以外の攻撃には少なからず効果が落ちること。
しかし動きでは負けても、魔術を破壊力としては主として用いない体術相手ならば、これが効くだろうと。私はそう思っていた。
故に、思いもよらなかったのだ。
衝撃を内部に浸透させる技があるとは――そして彼が、それを使ってくるとは。
「うぁっ……――!」
私自身の肩に、予想以上の衝撃がかかる。
掌底を打たれた肩の部分に当たる岩は、崩れていくはずが――ほぼそのままの形を保ったまま、そこにある。
それはつまり、鎧の破砕に伴う運動エネルギーの分散が、行われなかったということ。
「それ、は……凄いなぁ……」
じんじんと、私の肩に痛みが走る。鎧の弱点を、完璧に――しかも予想だにしない形で突かれたこととなった。
■照月奏詩 >
「お、おおう」
手ごたえからいやーな感覚が走る。といっても能力でグローブのように手を保護していた為、正確にいえば戦闘慣れした直観ともいえる感覚である。
「有効打……で、いいのかこれ。なんかこう、悪い」
直撃させないルール一瞬にして崩壊である。まぁ一応は防御してるからセーフという見方もあるが。それでも中々に罰が悪い所はある。
体から紫電が消える。能力を解除した。
「な?防御オンリーってめちゃくちゃ難しかっただろ。俺も前やってみて異常な難易度に困惑したわ」
今回のケースでもそうだが。イニシアチブが常に相手の手の内にあるというのが想像以上に不味いのである。
今回だってもし双方が攻撃しあえる環境になるのならば射程の低い掌底打ちなど放つには色々と手順が必要になる。例えば蹴りや拳でフェイントを入れたり相手の攻撃を誘うなどである。
だがこのルールの上ではそれらを無視できる。
「これ、攻撃する側もやっておもうんだけどさ、これ防御側が訓練になるよな。しかもめちゃくちゃ濃度高いの」
■リタ・ラルケ >
「んー……まあ、ちょっと痛いだけだし大丈夫! 気にしないで、ねっ!」
着込んでいた岩の鎧を解除し、答える。実際、深刻なのはむしろ"瞬着"を使ったことによる体への負担の方である。もちろんだからといって緊急時に使うことをためらうべきではないんだけど、
なんというか、その。
「うーん、そうだね……やっぱり迎撃ができないのがきついかな?」
迎撃にリソースを割く余裕がない程の防戦一方という状況は、実戦に当てはめてみるとはっきり言って絶望的である。
まあ今回は鎧の弱点を突かれたこともあったのだけれど、それにしたってきつい。あの衝撃がなかったとしても、恐らく有効打を与えられるまでの時間が長くなったくらいだろう。
やっぱりある程度余裕を持っていた方がいいんだろうな、と改めて思う。
「でもまあ、確かに訓練にはなるかな? いかに攻撃をいなすか、っていうことについては」
あまりに長く続ければ、それはそれで物理的な体の耐久度の話にはなりそうだが。
■照月奏詩 > 「やっぱりそこだよな。それに相手がいけいけになるのが何よりつらい」
うんうんと迎撃ができないに同意する。
攻撃が来ないとわかっているのなら守りを捨てて攻めれるのだ。どんどん攻撃は派手になる。
これもしかしなくても攻撃側はあまり練習にならないのではないだろうかと自分で考えておいて思ったのは内緒。
「ああ、でももう少しルールに改良の余地ありって感じではあるな。今のままだと防御側が厳しすぎるし」
このルールの場合よほど受け側が実力が上、もしくは能力的な相性が無ければ防御側が圧倒的に不利すぎる。それこそ思ってしまう通り攻撃側の練習にほぼならないのではないかと思ってしまうほどに。
そうして橋まで歩いていくとかばんをガサガサ。彼女に投げ渡すクーリング用のスプレー
「一応これ渡しとく。使うなら使ってくれ……そういえば結構くだらないことだし言いたくないならいいんだが。なにか強くなりたい理由とかってあったりするのか?」
となんとなくの興味そのままカバンの近くに腰を下ろすとそんなことを聞いた。
「いやほら、すぐに見つけ出したし。もしかしてなんか特別な理由でもあってすぐにつよくなりたいとかあってすぐに俺さがしたのかなって、なんとなく気になってさ」
■リタ・ラルケ >
「ありがとっ! 偉いね、こういうのちゃんと持ってるんだ!」
投げられたクーリングスプレーを――万一にも握り潰さないように注意しつつ――受け取る。後でどうしてもダメそうだったら使わせてもらおう。
さてそれと同時に投げられた問いに対しては、
「ん、まあ――」
少しだけ、逡巡する間があった。あまり――この島に存在するという事実が、公式には認められていない――彼女の話題を出すのもよくないのではないかと思って。
しかして、まあ簡単に、ぼかして言うくらいならいいかと。
「私、友達がいるんだけど。その子に約束したんだ。死なない、って」
より正確に言えば、殺されてあげない、ということではあるけど。これも聞いてて気持ちのいいものではないので割愛する。
そうでないなら死んでもよいのか――と問われれば、それはそれで違うとは言うけれど。
「そう約束した以上、やっぱり強くならなきゃって思って、ね!」
強くなってどうしよう、というよりは――精々何があっても生きていられるようにしよう、というのがより正確ではある。
自分のために、そして何よりその子のために。
……少なからず自己満足の意が含まれていることには、否定しないけど。
■照月奏詩 > 「一応な、体術系だとどうしても痛める事多いし」
手首とかダメージくるのよと手を振るう。
そうして帰ってきた返答には一瞬眉が動く。
「なんつーか。すごい物騒な約束だな」
死なない、だというのに強くならなきゃとなるということは。
少しだけ肩をすくめた。
「ま、深くは聞かないでおくよ。訳アリっぽいしな。死なないって約束ならそもそも強さなんていらないわけだし本来は……でも強くならなきゃならないってことはそういうことだろ?」
危険に身をさらす必要がある可能性があるということ。
ならば深くは入り込めない。友人の関係ならばなおさらだ。だから一言だけ言うとすれば。
「俺も死なないように願っとくよ。知り合いになっちゃった以上死んだって聞いたらやっぱり悲しいしさ」
■リタ・ラルケ >
「まあ、そんな状況になるって決まったわけじゃないしね! 保険みたいなものかなっ!」
普段の"自分"なら――まあまず間違いなく、面倒事に巻き込まれるような場所には行かないだろうし。普通に暮らしていればそうそう危ない場所に足を運ぶこともあるまい。
あくまで、万が一の話――しかしその万が一が起こった時に、最悪な事態を招かないために。
「でも、ありがと。そう言ってくれて。キミって結構、優しいんだね! ……なんて」
こうしてここで訓練をしあった仲ではあるけれど、それでもこう言ってくれるのは素直に嬉しいものがある。
「ふふっ。キミも――」
刹那、息を呑む。そして、
「キミも、命が危なくなるようなことはしちゃダメ、だからね。お姉ちゃんとの約束ですっ!」
その言葉だけは。
何より心を込めて、そう言い切るのである。
■照月奏詩 > 「ちがいない。危険を避けながら目的を達成するのだって立派な強さだしな」
むしろそれを完璧にできる人物こそがどんな力を有した人物を差し置いても最強である。と自分は思っている。
それほどまでに難しい道である。
「優しい奴が子供相手にガチで掌底かますかよ……了解。まぁ俺はただの一般学生なんで危険に身をさらすことはまずないさ」
と言ってからというかなぁと苦笑い。
軽く肩をすくめる。
「お姉ちゃんってなんだよ。どう考えても逆だろ。俺のが絶対に年上だと思うぜ? まぁ見た目と年齢が一致しない奴なんてたくさんいるから何とも言えないけどさ」
■リタ・ラルケ >
「見た目がどうだって、私はお姉ちゃんなんですーっ!」
少しばかり不服そうに、頬っぺたを膨らませて言う。
――確かにこの島においては見た目と年齢が必ずしも合致しない存在だって多いけれど。
しかし悲しいかな、リタ・ラルケは正真正銘の12歳である。
閑話休題。
「ま、いっか。そろそろ戻ろっ。今度はゆっくり、纏繞解除ーっ!」
■リタ・ラルケ >
「――んーっ」
髪と瞳の色が、徐々に抜けて。元の白色にと戻っていく。
そうして精霊が体から抜けてしまえば、入れ替わりになかなかの疲れを感じた。まあ精霊纏繞の後、ゲーム形式とはいえ戦闘を行った後だから、当たり前ではあるけど。
「まあ、今日はこんなところでいいかな。それで……私はそろそろ帰るけど、どうする?」
まだ何かしらしていくにしろ、一緒にここを出るにしろ。一応そう声はかけておく。
■照月奏詩 > 「ま、そういうことにしておく」
と少し笑う。別にその辺は気にしない。向こうが姉が良いならそれでかまわない。
そうして彼女が元に戻ると目を細める。
「ホント面白い能力……ん、俺も戻るわ。夜飯も買いに行きたいしさ」
というとカバンを抱えて立ち上がる。
そういえばと付け加えて。
「今回は誘ってくれてありがとうな。じゃ帰ろうぜ」
それだけいうとこの場を後に歩き出すのだった。
ご案内:「演習施設」からリタ・ラルケさんが去りました。