2019/02/17 のログ
天導 シオン > 「なんだか、凄いダンジョンとか、ロマン溢れる古代の道具とか、金銀財宝とか降ってきそうじゃん?」

時空が歪んでいるとは聞いているが、どこを見ても曇り空。特に何か際立つ異変には全く出くわしていない様子。
ここに転移して来るものも法則性が全くない事から、膨大なスケールを持った御神籤程度の楽観的な考えしか持ち合わせていない。

「まあ、その転移とやらで出てきた一つが私なわけだけど…。
あれからどれくらい経ったんだっけ」

見知らぬ世界に放り出されて混乱だらけの数日で、記憶はすっかり絡まっている様子。
しかし、明白に覚えている事は、自身はこの足下にある建設物の残骸と同じように空間から吐き出された人物である。

ご案内:「転移荒野」に御輝 炎華さんが現れました。
御輝 炎華 > 考査が終了し暇を持て余して──というほどでもないが──いるため風紀の役目を果たすのも兼ねて転移荒野をふらつく。

転移荒野は中々に退屈しないところだと考えている。
異世界からやってくる異世界人や道具──腰の刀、神紅もその一つである──、化物や知識。
それらを探す時間は中々に楽しいと思っている。

何か見つかれば儲け物、見つからなくてもまぁいい、そんな気分で雑に荒野を歩き回っており。

「…こんなところに人がいるとはな…まぁ人の事を言えたタチではないか」

岩の上で脱力し体を岩に全身で密着させれば後ろに向いた視線の先に一人の少女を捉え。
特に何かを企むようには見えないし少し観察していようと体を半回転させて岩に肘をついて眺めており…

天導 シオン > ただ一点から目を逸らさずじっと見上げる続けている。まるで夜景に流れる星を待ち望んでいるかの如く…。
当然、なんの成果も変化もなく。それどころか星も見えなければ月を探すことも出来ない。
首を痛めるだけなので、一旦瓦礫に寝そべって脱力しているが

「何だか、監視されてる気がするな…。一体誰が?」

長年の経験で培われた五感は鋭いらしく、はっきりと姿を捉える事は出来ないが、ぼそりとそう呟いて身体を起こせば、何の変哲もない岩陰に目を移した。

御輝 炎華 > 「…見つかったか。それなりにはやるみたいだな」

とは言うものの何も無いようであれば戦う気はない。
見られているようだし見つかっているのだろう。
このまま隠れているのもいいが元々見つかったところで困る事をしていたわけでもなく興味本位で眺めていただけともあれば隠れるのをやめて立ち上がり、大人しく岩陰から出て天導の方へと数歩歩み寄り、

「敵意は無い!興味本位で見ていただけだ!」

と、叫ぶ。
万が一攻撃された時のため刀をすぐ抜けるように注意はしており。

天導 シオン > 「あ、ほんとにいた」

なんて野生の動物や、人気のない場所に一般人が居たという程度のごく自然で素朴な口調である。
相手も立ち寄ってきたところではあるし、手をひらりと振りながら此方からも距離を縮めてみるが

「えっと…ちょ!武器!!」

第一声の叫び声に飛び上がりそうな高い悲鳴を上げた後、手元にあるのは刀。
敵意は無い事を見せつつ、仰天はするが、こちらも身体を半身にして無意識に警戒態勢に入っており。

御輝 炎華 > 「あぁ、すまないな。警戒させる気は無かったが一応自衛にな」

そう言って、警戒をとこうと刀から手を離し腰に戻せば相手が警戒している事を考慮し5m程度の距離を置いて立ち止まり。
相手が距離を詰めてくるなら構わない。

「こんなところで一人で何をしている?変なことでないのなら構わないしそうも見えないが一応、な」

私的な疑問を交えつつ風紀としての職務を果たそうと質問を投げかける。
どう転べど退屈凌ぎ程度にはなるだろうし良い話が聞けるかもしれないと表にはほぼ出さないが若干の期待を込めており。

天導 シオン > 「辻切の類かと思ってしまったわ…。でも、確かに武装するに越したことはないっか」

相手が手を引っ込めてくれたのなら、こちらも構えを解く。
過剰なまでに反応してしまったが、思えばこの地は非常に不安定な分危険性が高い。武器の形態も当然だと今更ながらに

「んーまあ、暇潰しに…宝探し?成果全くないけど」

暇を持て余して散歩していたところ、何気ない思い付きでここに来たらしい。
転移荒野と呼ばれ様々な物が来るというのならば、と興味本位で待ち続けてはいたが、全く成果はないみたいで。

御輝 炎華 > 「風紀が辻斬りなどやるわけがないだろう…プライド云々はどうでもいいが辻斬りなぞ悪でしかないからな。」

相手が構えを解いたのを確認して万が一の注意を解く。
本当に万が一があったとしてもその時は避けるなりすればいいと考えており。

「なんだ、私と同じか。たまに素晴らしいものがあるからなここは。」

相手も宝探し、自分と同じ目的で来ていると知れば少し親近感のような、同類だと感じる。
気のせいだとは思うが。
転移荒野は掘り出し物がある、といえどそれは本当に稀だ。
不確定要素を求めて歩いているということは自身と同じく暇なのだろうと推測し。

「ところであなたの名前は?私は御輝 炎華だ。炎華でいい」

敵意もなく話も合いそうとなれば名前ぐらいは知っておきたいと思い尋ねてみる。

天導 シオン > 「ああ、風紀委員か…。なら疑ってますます悪かったね」

真っ向から否定した相手の立場を知り、納得すると共に自身の非礼を苦笑交じりに詫びた。

「へえ、一応あるんだね?ねぇ、何か良い物拾ったことあるの?」

半信半疑ではあったが、そう聞けば胸を期待で膨らませる。
しかし、何があったか具体例は誰からも一切聞いたことがないみたいで、期待しているような眼差しで問い掛けた。

「私?私は天導 シオン。常世学園1年生!」

そういえばと改めれば相手に丁寧に頭を下げて、活気あふれる目に、自信に満ちた堂々とした声で自身の名を名乗った。

御輝 炎華 > 「まぁ風紀といっても人それぞれだ。疑いは持っておいて損はない。きにするな」

実際そんなやつがいるかどうかは知らないが疑うのは大事である。
風紀だからといって無条件で信用して痛い目にあわれては気分も優れないだろう。

「ああ、この刀だな。多分ではあるが転移荒野産だ。触ったら蒸発するから触ったらダメだからな」

転移荒野で拾ったというだけだし発見時の焼死体のいずれかの持ち物だった可能性も否定しきれないのだが。
期待する彼女には悪いが自分で見つけたのはこの刀が大当たりだったもの以外は大したものではなかった…

「そうか、ちなみに私は4年だ。年功序列とかは気にするなよ」

そういえば、ほら握手だ、と手を差し出す。
本来はしないが彼女の表情に気圧されたとだけ言っておこう。


天導 シオン > 「そんな所属する団体を悪く言っちゃダメでしょ。
って、そんな怪しい人が存在するワケ?」

風紀委員は、自分の世界でいう所の騎士や自警団。つまり治安維持に携わる立ち位置という認識である。
それなのに警戒とは?と首を傾げたくなった。
汚職や差別でも陰で起こっているのだろうか。それならば頷けるが、ありふれた話故に何処の世界でもそれは共通かとため息をつきそうに。

「そんな立派な刀が落ちているのか。…なんか物騒だなぁ。
それに、金とかそんなのは無かったと?がっかり」

興味深そうに聞いてはいるが、掘り出し物が刀で妖刀級の物騒な代物ならば、喜ぶよりおぞましさが強い。
リアクションに困っているうえに、他は成果無しだと聞いてひどく落胆した。

「ありがとう。上下関係とか堅苦しいのは苦手だからね!」

とガシリと固く握って、友好的であることを示した。

御輝 炎華 > 「いや、居ないとは思うが…いたら嫌だろ?」

それだけである。別に内部で何かそういうものがあるわけでもなく──あっても気付かずにいそうだが──しかし居る可能性も否定しきれない。何と言ってもここ、常世は広いのだ。多少荒っぽい風紀であれば何人かいるであろう。
まぁ…空を見てる人に突然斬りかかるような風紀は居ないとは思うが。

「物騒だが非常に役にたってくれている。悪意を感じると伝えてくる刀が禍々しいものなわけあるか。
それと、金品なら違反部活でも襲えば集まる。
風紀ならおおっぴらに連中を襲えるが…どうだ?」

神紅に対して誤った想像をされているのは誠に遺憾である。
そして風紀は常時人出不足だ
彼女が戦えるかどうかはわからないが勧誘しておいても損はないとふんで。
確か今日も鉄火の支配者が出る筈だ。

「さて…どうしたものか」
しっかりと握手を交わせばさて、と腕組みをし、眉を潜め。
何。悩みは簡単なものだ。退屈凌ぎである。

天導 シオン > 「まあ、嫌だね。せめて手順は踏んで欲しいな!」

相当大きな組織なのだろうか。相手でも完全には把握が出来ないみたいだ。
同情するように首を縦には振るが、ずれてるのはこの先
ちゃんと襲うという意思表示さえしてくれれば、個人的には何とも思わないらしい。挑戦者ウェルカムな性分で、闇討ちで一度命を散らしてるので、然るべき手順は踏んで欲しいと。

「何とも特殊な刀なんだね?でも私、あまり目は肥えてないからさぁ…。

おっと、スカウトかな?でも私は平気!
お金には…悩んでないし、忙しそうだからさ。こうやってのんびり、時にはやるってメリハリが欲しいんだ」

申し訳なさそうに訂正はするが、扱った経験がない以上良し悪しがさっぱり分からないみたいで、悩ましそうに唸る。
風紀委員の存在意義は日が浅くても、明白に理解が出来ているが。それほど絶大な立場の組織だと分かっているからこそ、あまり乗り気ではないみたいだ。
その日その日を気紛れで過ごしたいらしい。

「まあ、掘り出し物の確率なんて知れてるものだと分かったからね…ほんっと冷めてきた…」

結局のところ、宝の存在なんてのは幻レベルで期待薄らしい。
散歩とは言え当分は変わり映えの無さそうな景色だとも予想付けば、悩ましそうに

御輝 炎華 > 「手順…?………まぁいいか」

手順と聞き「何の」と思ったがきっと戦闘狂的なものなのだろうと仮定して聞き流す事にした。
確かに戦うなら奇襲されるよりはしっかり宣戦布告された方がやりやすい。

「ああ。素晴らしい刀だ。名前は神紅だ。
…そうか。まぁ強要はしない」

目が肥えていないというのならこの刀、神紅の素晴らしさについて少し語ってやりたいところだ。別に刀好きというわけではないが神紅には愛着がある。
そして、風紀への勧誘をことわられ、それをやんわりと修正されれば僅かに肩をおとす。
風紀へのイメージをむやみに悪化させるべきでは無かったと落胆しつつ反省もしており。

「強いやつや異世界人ならそれなりの頻度で見るのだがな…こっちにはない物質の武器を持ってるやつとかもいるからそれを含めればお宝はそれなりに流れ着くのだが…まぁお宝単体は稀だ」

しょっぱいことには変わりない補足を加えつつそこら辺の石の上に座って再び腕組みで考え込む。

天導 シオン > 「一言名乗るとか、立ち会う前に宣言するとかね。いい加減周囲に警戒するのも疲れるんだなこれが!」

理解はされていないようだが、その仮定は半ば正しい。
もっとも、そんな半端にマナーの良い者は全く存在しないわけだが。

「粋だねぇ!武器に名前を付けてあげるなんて。こいつなんか全くないんだからさ。
まあ何かあったら加勢はするよ。それとも不用かな?」

その名前を反芻した後ににっこりと笑って称賛を送る。
と、同時に自身の手に装着しているグローブは古惚けて、悲壮感すら漂う錯覚を起こした。

無所属な分フットワークは軽いので、重大な事が起きれば力添えはするつもり。だったが、治安維持をメインとしている組織なら相当な手練れが揃っているのだろう。
意気込みはしたが、恐らく出る幕は無さそうだ。

「人なんか会っても…ねぇ?何を話せば良いんだか?」

自信も異世界人の一人。結構な頻度で自身と同じ境遇の住民は見るらしく。これが一番流れ着く可能性が高いのだろうと、相手の話を聞いて予想付くが、それならば何も知らない人間に第一声何と声をかければ良いか。非常に厄介で複雑である。

御輝 炎華 > 「名乗る、か…私の記憶の中にはそんな事してきた律儀な奴はいなかったな…望み薄だと思うぞ」

彼女もわかっているとは思うが教えておく。
わざわざ名乗ったりするのは形式上の試合などだけであり実戦において名乗るのは隙を晒す馬鹿な行動だ。
お前は何時代出身だと突っ込みたくなる。

「そうか?ただの刀や剣では区別もしにくいしな。番号だけでも振っておけばいいと思うのだが…
加勢か…敵に水系の異能力者がいるような場合でも無ければいらないな…」

神紅には愛着もあるが名前は区別の意味もある。
そして自身の異能や魔術、武器を鑑みるによっぽどの強敵が数をなして襲いかかってくるような事態にならない限り一人で制圧可能である。
そのため頼むことはおそらくないだろう。

「私は風紀だからな。現状を伝えて連れて行くだけだ。」

それ以上もそれ以下もしない。
敵対の意があれば焼くが

天導 シオン > 「でしょうねー……。一つの修練だと割り切るしかないかな」

自身の生涯においても同じだ。
すんなり否定されればこちらもあっさり認めて。
正々堂々をその手の連中に説いても意味はない。というよりそんな猶予が無い。

「名前が無くても手が覚えてくれるのさ。この武器だって、私は目を瞑っても分かるよ。  多分ね!

ああ、そう。まあ外野の余計な心配だったね」

対して、触れば分かるという理論を曖昧に展開する自身は謎のドヤ顔を決める。実際は探り当てる事が可能なのだろうが、そもそもそんなシチュエーションに立ち会ったことがない。

熱を帯びる武器となると、当然ながら結び付く弱点。しかし、それ以外なら問題ないと豪語する相手に歯を見せて笑った。余計な心配だったのだと

「流石、しっかりしてるなぁ…。けど、お手柔らかに頼むね?」

案外当然転移されると気が動転するものだ。
おまけに聴取に入ると隅々まで聞かれるものだから、思い返すだけで気が滅入る。どうか優しくとだけ異世界の人間なりの助言を伝える。

「さて、ここまで話して異変ナシ…か。
夜も更けてきたし、私は一足先に失礼するよ!」

思い返したように周囲を見渡すが、相変わらず何も落ちている様子は無かった。
観察もそろそろ切り上げて、最後に会釈しながら別れの挨拶を交わし。そのまま街へと向かって歩き去っていった。

ご案内:「転移荒野」から天導 シオンさんが去りました。
御輝 炎華 > 「都合良くいかないことの方が都合よくいくことの倍以上はあるからな。試練と言うよりかは世の理…いやそれが試練か」

戦いも人生も同じようなものだ
突然思いもしない事態に直面したり相性のよくない相手に遭遇したりと…
戦闘は人生の縮図的なことを偉い人が言っていた気がする。

「…私はまだまだ未熟、そういうことか…
手伝ってもらうこともあるかもしれない、その時は頼む」

ドヤ顔に若干の苛立ちを覚えるが一瞬で掻き消える程度である。
自分でも敵わない相手は少なからずいるであろう。
そういう時に手伝ってもらえれば非常に助かると言えていればいいのだが…

「混乱する奴が多いからな、そんな高圧的や雑には接さないさ。
ある程度の無茶な手段はとることもなくはないが
…まぁ心の片隅において置く」

異世界人に対する気遣いは大事である。それ以上を要求、というよりかは望んだ彼女は異世界出身だったのだろうか。

「あぁ、気をつけて帰れよ」

夜も更け、結局宝探しも何の成果も無く会話は終わりを迎えた。
走りゆく彼女の背に手を振って空を見上げれば。

「私はもう少し回ってから帰るとするか…異世界人も見つかれば実践してみよう」

と、夜中の転移荒野を再び歩き出した。

──ちなみに結局その日はお宝も異世界人も見つからなかった。

ご案内:「転移荒野」から御輝 炎華さんが去りました。