2019/02/24 のログ
ご案内:「開拓村」に暁 名無さんが現れました。
■暁 名無 > 「あー、はいはいなるほど。となるとちょっと厄介だな。」
転移荒野の端、開拓村と呼ばれる幾つかの集落の一つに暁名無は訪れていた。
激務を果たし、ほんの一日の休息日を過ごし、そして今日は本業──学者としての立場でこの地に赴いている。
つまり、幻想生物に関する調査。その為には転移荒野は御誂え向きで、開拓村が調査拠点となる事もままある。
「単身向かうのはちょっと危険が過ぎるか。
ありがとうおばちゃん、後で物資の配送手続出しとくから。」
酒場の前で給仕の女性相手に最近の主な変化などを聞き込み、その足で簡易研究所へと向かう。
研究所、などと呼んではいるものの、実質どう見てもバラックだ。
■暁 名無 > 「新造、しなきゃ駄目かねえ。やっぱ。」
様々な要因から、他の場所よりも10倍近いスピードで劣化していくトタン壁のギリギリ建造物を眺めて名無は呟く。
ここに建てた際には他にも同様の建物が複数あったが、
撤去したのか撤去せざるを得なかったのか、それとも自然に撤去されたのかは分からないが、気が付けば周囲から消えていた。
「魔術による補強が無かったら1年と持たないだろうな……」
やれやれ、と首を左右に振ってから、改めて開拓村を振り返る。
以前よりも少しだけ活気が落ちた様な気がして、名無は小さく溜息を零した。
■暁 名無 > 「ま、リフォームか立て直しかは帰ってから考えるとして、だ。」
トタン壁に寄り掛かりながら腕を組む。
先刻、酒場の給仕から得た情報によれば最近飛竜種の目撃が増えているらしい。
一体二体であれば、まあ、この地域ではよくある光景として受け入れられるが、どうにも群れを成しているとのことだった。
「近くに営巣地でも作ったか……或いは、徒党を組んでないとヤバいモンでも居るのか。」
どちらにせよ、近々調査隊を編成しないとならないな、と名無は天を仰ぐ。
この年度末も近付き忙しい時期に面倒な、と表情が雄弁に語っている。
■暁 名無 > 「先遣隊として俺が見てきた方が良いかもしれないな。
……護衛を付けて少数精鋭で行くか。」
幸いにも声を掛けたら付いて来てくれそうな人間には心当たりがあった。
問題はどう連絡を入れるかだが。
「ま、そういうことは中で考えるか。」
考え事をしている間に周囲の空が暗くなってきている。
転移荒野の方を見れば、此方へと巨大な竜巻が向かって来ていた。
次々に建物内へと避難する住人達に倣って、名無も避難する事にして研究所の中へと入っていった。
ご案内:「開拓村」から暁 名無さんが去りました。