2020/06/12 のログ
ご案内:「転移荒野」に戸田 燐さんが現れました。
ご案内:「転移荒野」から戸田 燐さんが去りました。
ご案内:「転移荒野」に戸田 燐さんが現れました。
■戸田 燐 >
なんだかんだで、釣り人は転移荒野外縁部に来ることがある。
だって、釣りスポット多いし。
その帰り道はちょっと危ないけど……
ごめん、ちょっとどころじゃなかったね。
私…今、敵対的怪異に囲まれてます。
身長は120cmくらい。
体が腐った魚みたいな皮膚に、長い耳まで裂けた口。
そして鋭い牙からは涎が垂れている。
引き裂く小人(ゴブリン)。
それも転移したばかりで気が立っている。
上に、すんごい数で私を取り囲んでいる。
ゴブリンは多くの場合その邪悪な知性を人間を残酷に殺すために使う。
この場合の残酷に殺される人間というのは。
■戸田 燐 >
怖い。死ぬほど怖い。
怖いけど、まぁ……腹をくくらないと死ぬだけなわけで。
逃げる、しかない。
あんまりやりたくはないけど、クーラーボックスは捨てよう。
逃げるに際し邪魔だし。
もちろん、囲まれている以上、逃げるには工夫がいるわけで。
「皆さん、お揃いでどうも~……パーティかしら?」
軽く手を上げて引きつった笑顔を見せて。
注目を手にひきつけたところで、足元を踏む。
するとまぁ、ゴブリンたちの間に細く氷の道ができた。
これが私の逃走径路!!
「お邪魔しましたー!!」
靴裏に氷のエッジを発生させ、スケートの要領で逃げるッ!!
ざざっと滑れば、あっという間にゴブリンたちは後方に…って……
なんか行けども行けどもゴブリンの群れじゃない? 詰んでない?
どんだけ転移してきてるのよ!!
ご案内:「転移荒野」に紅月 純さんが現れました。
■紅月 純 > 街を気の向くままに歩いていたら、拾い荒野に辿り着く。
どこまでも続く黄土色に、自分の世界と違うことを改めて実感させられる。
さて、この治安のクソ悪い世界にこんな場所があるのだ。
バイクに乗ったモヒカンの巣もありそうである。
「百歩譲って、世紀末がいなくてだ」
ここは異能モノの世界じゃなかったのか?
「いつからここはファンタジーになったんだ」
深くため息をつき、手に持った獲物のグリップを握る。
「……何でいるのかも群れているのかも意味もわからんから、憂さ晴らしに付き合え、世紀末の群れ」
ただムカついて、未知の生物の一体に対して、振りかぶる。
■ゴブリン >
バットを振り下ろされたゴブリンが一匹、
低めの身長を頭頂部陥没によりさらに低くしながら倒れこむ。
「ギッ!?」
周囲のゴブリンが血走った眼で鉈のような、血錆に汚れた得物を構えて純に襲い掛かっていく。
■戸田 燐 >
えっ!?
なんかあっちで騒ぎが起きてる!?
よく見れば……年の頃も近そうな少年が…
……凶相の少年が。
ゴブリンと戦ってる!!
「ああもう!!」
見捨てていけるはずがない!!
氷の道を作りながら彼の近くで降りて。
「コキュートス!!」
異能の名を叫びながら氷の矢を連続で射出、ゴブリンを射抜いていく。
「あなた、逃げ遅れ!? あっちは数が半端ないわよ!!」
リュックから釣竿が見えたまま眼鏡の位置を指で直す。
■紅月 純 > 「あ゛ぁ?」
襲い掛かってきたGOBを薙ぎ払う。
「なーにが『ギッ!?』だ!!!
現代モノとファンタジーが融合してんじゃねぇよ!!!あっちみたく世界分けろやぁ!!」
よくわからない叫び声を上げながらn本ノックの構え。
ボールはそこらにある。
と、やりたい放題暴れようとしたところに。
冷気。そしてGOBの断末魔。
見知らぬ少女、いやこの世界のほぼ全員を知らないが、彼女がGOBを減らしてくれたらしい。
助けに来たであろう彼女に対して、
「知るかぁ!!!」
八つ当たり気味に返答する。記念すべき10体目のGOBはホームラン。
今はとにかく、視界に入ってしまった気に入らんやつを殴りたいだけなのだ。
■ゴブリン >
猛打を受けて吹き飛ばされ、地面を転がる小鬼たち。
盾を持った中型のゴブリンが前に出て、後方からゴブリンアーチャーにより矢が放たれる。
矢は弓なりに。そして狙いもへったくれもない、数を頼みにこちらに降り注ぐ。
「ゲアアアアアアアアアァ!!」
戦争に酔ったゴブリンたちの猛攻が続く。
■戸田 燐 >
し……知るかって言った、今…!?
よく見たら襲われてるっていうより襲ってる!!
敵対的怪異の軍勢を!! 襲ってる!!
空から飛来する矢に歯噛みして。
「鬱陶しい!!」
冷気を放射状に放てば、凍りついた矢が軌道を大きく反らして落ちていく。
「あーもう、なんでか知らないけど戦うことになってるし!!」
足元を踏みつけると、氷の蔦が少年を避けて足元から伸び。
触れたゴブリンを凍結させていく。
しかし、盾を持ったゴブリンはどう攻略するべきか。
■紅月 純 > 「あーあーそうか。こいつらはどの世界でもこういうやつなんだなぁ」
数で押してくる、ゲームなら電源を切られるような状況。
「無双ゲームじゃねぇんだぞおい」
視線をずらせば、少女が攻撃で援護をしてくれている。
付き合わせてしまったようなので、彼女が動きやすいようにしたい。
「んでもって、この世界でRPGをするとは思わんかったわ」
滅茶苦茶嫌そうな顔をして、盾ゴブリンに急襲をしかける。
「『ATKーUP-1』、『DEF-DW-1』、邪魔だコラ゛ァ!!!」
魔法だろうか。
何かの単語を唱えてから、ゴブの盾を思いっきり蹴りつけた。
■ゴブリン >
蹴り付けられたゴブリンの盾が、まるで薄い金属のオモチャであるかのようにヘコみ。
そのまま足型を胴体につけて蹴り飛ばされながら中型のゴブリンが吹き飛んだ。
強化と弱体。これほど相性の良い組み合わせがあるだろうか?
それからも氷の蔦と少年の振るう至純の暴力にゴブリンが数を減らしていく。
そして。
イビツな形の王冠を被った一際大きなゴブリンが姿を見せる。
ゴブリンの王。その手に握られているのは、巨剣。
「ヴォオオオオオオオオオ!!」
吼え、純に向けて大剣を振り下ろす。
■戸田 燐 >
「親玉!? なら、チャンスかもね……」
あれを倒せば、敵の士気はガタ落ちというわけで!!
もちろん、アレは私たちを倒す力と覚悟があるから前線に出てきたわけで!!
ゴブリンキングに向けて大きな氷の鎌を作り出し、斬りつける。
それでも、相手の防御技術に阻まれて有効な攻撃を繰り出せない!!
単騎で出てくるのには、理由がある。
強大なりし王。
■紅月 純 >
「うるっせぇぇぇええ!!!」
こちらも叫び、圧に対抗する。
襲い掛かる猛威に立ち向かうも、少女の攻撃が防がれたのを見て、大きく舌打ちをする。
「毎度毎度、面倒くさいなぁおい」
バットを構え、深呼吸。
「持久戦だな」
迫る大剣を躱そうとする。
疲労させて隙を突くつもりだが、向こうは果たして。
ちらりと視線を送る。
■ゴブリン >
「ガァ!」「ガァ!」「ガァ!」「ガァ!」「ガァ!」
「ガァ!」「ガァ!」「ガァ!」「ガァ!」「ガァ!」
「ガァ!」「ガァ!」「ガァ!」「ガァ!」「ガァ!」
ゴブリンたちは吼えながら鉈のような刃物を天上に突き上げる。
誰も自らの王の勝利を疑っていない。
王が純に放つ剛刃をかわされると、口元を歪めた。
闘争の愉悦に笑ったのだ。
王は大剣を両手持ちにすると、足元の岩を巻き込みながら斬り上げた。
斬撃、風圧、岩石の銃弾の順に襲い掛かる複合攻撃!!
■戸田 燐 >
「!?」
咄嗟に後方に跳んで斬撃はかわしたものの、風圧によろめいて全身に岩を浴びる。
切れた額から血が流れた。
「あ……血…」
体のあちこちに痛みを感じる。
額に触れると手のひらにべったりと赤が付着した。
「………あんたらは…」
氷の大鎌を握ったまま怒りに震える。
「私の平穏に満ちた日常をッ!! なんだと思っている!!」
散華霧氷(コキュートス)最大出力。
レド・エクスキュージョン。
少年と自分がいる小さな円形の外に強烈な冷気の暴風が襲う。
次々と倒れるゴブリン、防御行動も何も関係のない凍気の奔流に半ば凍りつくゴブリンキング。
「殺れぇ!!」
怒りに満ちた声を張り上げた。
■紅月 純 >
「!?んなろっ!!!」
剣を避けるが、その次に押し寄せる風圧、飛散する岩石は全身で受け止める。
身を屈め、反撃に移ろうとしたところで、少女の暴風。
(こういうこともできるのかよ)
肩を軽く回し、グリップを強く握って笑う。
彼女の怒号に合わせて足は動き、
「言われんでも!!!!」
巨体の頭を殴り飛ばした。
■ゴブリン >
ゴブリンの王は少年に殴り飛ばされ、樹氷に背中から突き刺さる。
僅かに指を動かそうとするも、すぐに体から力が抜ける。
既に周囲は死屍累々。
残ったゴブリンも方々に逃げ出していた。
■戸田 燐 >
そのまま蹲り、額を手で押さえる。
痛いとかじゃない。苦しいとかじゃない。
「またやっちゃった……平穏と静寂が遠ざかる…」
周囲はすっかり雪景色。
これも暑気ですぐに溶けてしまうだろうけど……
大鎌の柄を支えに何とか二本の足で立つ。
さすがに最大出力は負荷が大きい。
少年にふらふらと近寄って。
「助かったわ……私は通りすがりの釣り人、一年の燐よ…戸田燐」
あなたは?と名前を聞いて。
■紅月 純 >
服の埃を払い、バットを肩に担ぐ。
「あぁ、いや、あれは時間が掛かっただろうからな……」
こちらこそ助かった、と言うところで止まる。
こいつ助けに来たんじゃないのか?元々あのゴブが目的だった?
というか釣り人って何。
(気にしないでおくか)
残る疑問にモヤッとするが、自己紹介を受けたので、返すことにした。
「俺は紅月 純。異邦人の一年だ。
……お前、大丈夫そうには見えないが」
額の傷や疲労具合、各部位の汚れを険しい顔で眺める。