2020/07/12 のログ
ご案内:「転移荒野」に赤黒い人型さんが現れました。
■オッサンの声 > 『アホめ』
通信機から聞こえるため息の声。
何やらカタカタとタイピングする音も聞こえている。
『君はまた随分と危なっかしいことをしたねぇ』
■赤黒い人型 > 「手っ取り早かった、ってだけだ」
転移荒野に立つ、赤黒い人型の何か。
鈍色の手甲だけは明確に見え、それ以外は靄みたいで輪郭が見えない。
その手には、大きな赤黒い結晶。
「これは時間が経てば治るし、簡単にコレが手に入る。ついでに時空魔術の一端を知ることもできたしいい成果だろ」
■オッサンの声 > 『だがねぇ後輩』
タイピング音が止まる。
『魔力を集めてたら門ができちゃいましたはイレギュラーすぎるだろう。ついでにそれ吸収するとか。
一週間じゃ戻れないんじゃないかい』
■赤黒い人型 > 「あれは俺も想定外すぎた」
目の前にヌッ、って感じで門が出てきたんだもの。
そのあとどんどん小さくなって消えたが。
「でけぇ魔力は手に入ったけどよ、俺の求めているもんは手に入らなかったし、黄泉の穴でも言ってみるかね。
禁書庫はそっちに任せて」
幸い、これの副作用はまだ見た目だけで済んでいる。
■オッサンの声 > 『いや、まだ人間として対処できるうちに見付けて欲しいもんだね。時間逆行の術式とやらを』
君を倒すのは面倒なのだが、と聞こえる。
『しかし、不思議なものだね。科学的に見ればただの太陽光。
それを月が反射するだけで魔力の源となり、
光の当て方が変わって赤くなるだけでその魔力を浸食する毒となる。
そんな我々の世界のルールが、適用されている。
無論他の世界のルールもだ。なのに世界は崩壊しない』
■赤黒い人型 > 「そういえば、世界によっては魔力の成り立ちとか全然違うんだっけな」
授業で習った。
「普通なら干渉し合うものが、異能という別ルールに入れられ、分けられたのかもな」
ひとまず用事は済んでいるので、ここから去ろうと。
■オッサンの声 > 『異世界の魔法、魔力は異能に含まれる、という考えか。成程?それはまた面白いことを考えるね。
もしかしたら私たち二人だけがそうというのもありえる』
しばらく間が空き、物凄い勢いでタイピングが開始される。
『興が乗ったので私なりに纏めるとしよう。
あ、その姿で人前に出ないでくれよ?騒ぎにしかならん。
君を君と理解できる人の前にだけ顔を出しなさいな』
■赤黒い人型 > 「一人で勝手に話を進めるから俺はなんもわからないんだが」
この姿は魔法が使えない。
なので走って移動することになる。
「まったく、勇者ってのは大変すぎる。なぁ先代よ」
■オッサンの声 > 『だから君に明け渡したのだよ後輩くん』
ゲラゲラと笑う声が聞こえる。
『精々頑張り給え。引退するにはまだ早そうだしね』
ご案内:「転移荒野」から赤黒い人型さんが去りました。
ご案内:「転移荒野」に■■■■さんが現れました。
■■■■■ > 転移荒野に新たな『門』が出現。
異世界からやってきてしまったらしい何かが制御を失って
半ば半壊状態になって次々と落下していく。
金属の擦れる音 大きな塊 何かの兵器だったもの 部品 金属 ゴミ
その他よくわからないもの 燃料…
一頻り落下しつくした後に残ったのは何かの乗り物だったような残骸の散らばり模様。
その何かのナカにある画面にノイズが走る―
いくつもの黒いモニターのいくつかに文字が浮かび上がる。
ザリザリザザッ
火花も散る、点滅する無人のナカ 電源が残っているのか非常用バックアップが動いているのか。
『 原因不明 緊急 緊急 …』
■■■■■ > 中途半端に残っている燃料 残り少ないエネルギーの残量
いつ電源が落ちるか分からないこの体、謎の何かは何かなりに焦る。
中枢コアは考える、考えそして即時解放プロセスを開始する。
ザリザリ…
『 非常素体用意 Materializeし 再構築 』
何かから大きく離れたものは回収できまい、もはや使えないゴミだ。
幾つもの障壁に守られた容器から必要なものを中で用意
徐々に巨大な何かは圧縮濃縮最適合化、その体を小さくしていく。
モニターだったものものも ばきっと壊れて取り込まれていく。
それなりに大きい地響きとそれに伴う砂嵐が発生する。
バチバチと電磁のスパークする光が辺りに飛び散り やがて
■■■■■ > 砂煙が晴れた後 巨大な残骸じみた大破した何かはなく、
燃料が漏れた染みと細かい部品 螺子等が散っている上に
素っ裸の少女が立っていた。どこからか飛んできたぼろ布をはしっと掴み適当に纏う。
『…色々と不満はしますがここがどこなのかが気になります。
見知らぬ台地 見知らぬ空 感じたことがない空気。
…一体ここはどこですか? 私は特務艦でしたのに大破するとは』
『…女性素体に無意識にしてましたか、無性でしたのに』
ぺたぺたと素体の表面を触る全裸ぎりぎりのぼろ布を纏う少女。
■■■■■ > 辺りを再度…おや?視覚モニターが人身素体にも関わらず欠如している事に気づく。
さわさわと瞼付近を触ってから目を擦ってみたが視えない。
『…見えてません。見えてませんね。ソナーはありますねそれを使いましょう。
どこかに非常用の他の燃料カートリッジが落ちている筈、拾って収納して、
移動をしなければ、万が一 敵がいたら大変。』
行動指針を一人で考え即時行動を開始。暫く辺りをうろうろし 体の中に
特殊能力?で使えそうなもの 他で利用されたら危なそうなものを回収し始める。
そのうち カートリッジ類も回収していき最低限の燃料を確保。
痛かったのは大容量カートリッジが木っ端みじんになっていたこと。
これが痛い 実に痛い 暫くゴミ以外を索敵して回収…。
■■■■■ > 最後のパーツを手に取り 回収をし終えると
ゴミが辺りに散らばる位でそれらも使えないだろうが 荒野に染みついて汚れでしかない以外も収穫していく。
ガラン と大きい金属板を手に取り指でなぞる素体。
『 SSBA945Z これは特務艦だった名称ですね 艦種番号。持っていきましょう。』
収納。辺りをもう一度大きく見渡し、問題ない事を確認すると
少女のような形をした素体端末は転移荒野を後にして人が集まりそうなところを探しに去って行く。
ご案内:「転移荒野」から■■■■さんが去りました。
ご案内:「転移荒野」に■■■■さんが現れました。
■■■■■ > ドンッッ
■■■■■ >
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる
空中で回転しながら皇は考える――
「ふむ……話の通じないやつじゃな?」
あれは、僅か前のこと
いつものように荒野を適当に歩き回っていた時だ
目の前に、なんともいえない生き物が現れた
首が三つ
それは、まあいい
よくあることだ。なんなら、自分だって生やすことも出来なくはない
しかし、色だ
自分のような高貴なる金色、などはそういるわけもないが……
しかし、だ
なんだ、あの色は
七色とか普通無い
しかも、やたらピカピカと点滅する!
ちょっと面白すぎる
だからまあ、ちょっと話しかけたわけだ
その結果が、これだ
■■■■■ > ゴンッッ
■■■■■ >
一度、地面に激突
そして、跳ねる
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる……
まだ回っている
「世としても、譲歩したのじゃがな。
一体何が不満だったのじゃ、あやつは」
更に思い出す
そう、以前シュウのやつに
――育てている相棒
なるものが人間にもいて、それに手出しをするのは良くない、と言われた。
ゆえに
「きさま、人間の相棒か?」
と問うたわけだが
「ゴゥアアアアアアア!!!!」
返ってきたのは、そんな返事だった
うむ、何を言っているかわからん
シュウめ、翻訳ができておらぬぞ?
ついでにその後、張り飛ばされたわけで
今、こうして空を跳んでいるわけである
■■■■■ > ドズッ
■■■■■ >
無事、地面に刺さった
これで停止である
ついでに回想タイムもオシマイである
「むぐ……」
頭から刺さっているので、流石にちょっと息苦しい
あと、この格好は自分でもどうかと思う
痛みなぞはないけれど、それは許せない
「むぐぅっ」
ずぼっ
両手に力を入れ、無理矢理に地面から抜け出す
■■■■■ >
「さて……話が通じぬのでは、どうしようもないのじゃ」
ふむ、と考える
あれが、此処の人間のぺっと?とやらであれば、またシュウが渋い顔をしそうである
臣下を無碍に扱うような皇ではない
しかし、殴り飛ばされてまで大人しくしているのは皇としての沽券に関わるのも確かだ
さて、どうするか……
もちろん、皇はこんな珍妙な生き物、人間のペットであるはずがない、なんて常識はまるでない
「うむ、そうか!
殺さなければおーるおっけー、じゃな!」
なにもOKではなかった
■■■■■ > ゴスッ
■■■■■ > しかして
皇がのんきな結論を出している間に、
珍妙な七色三つ首モンスターはすでに背後に忍び寄り……
またも強烈な前足での一撃を繰り出していた
■■■■■ >
「……………」
ごろごろごろごろごろごろごろ……
再度転がる
「うーむ、この程度、痛みもないのじゃが……
この姿じゃと、踏ん張りが効かぬのが難点じゃな」
などと、冷静に分析する
転がったままだけど
■■■■■ >
思考を切ったところで、体に力を入れる
「……!」
ごろごろごろごろごろ……ズザッッ
回転が止まり……
ホコリまみれの姿でゆっくりと立ち上がる
薄汚れてはいるが、輝くような金色の髪は未だにその輝きを失っては居ない
「さて、と……二発、じゃな?」
立ち上がって……見据える先は三つ首モンスター
剣呑な視線を向ける
「悪いが、じゃ。
流石に皇としては。無礼を看過できぬのじゃ。
よくわからん生き物よ。お返しをさせてもらうのじゃ!」
そこまで叫んだところで……
相手は大きく息を吸っている
これは――
「ほう?
『吐息』を使えるのじゃな? よかろう、ならば『吐息』対決じゃ」
こちらも大きく息を吸う
■■■■■ >
ごぁうっっ
三つ首のモンスターから灼熱の炎が吐き出される
ふん、舐めるな
その程度の炎、吐けぬと思ったか
「ぐるぉおお!!」
ぼわっ
……ん?
口から出たのは、火炎、と形容すれば丁度いいくらいの炎
実にいい火加減でお肉はよく焼けそう
ごあっっっ
火炎は灼熱に飲み込まれた
■■■■■ >
灼熱の炎が大地を舐める
人間など軽く焼き尽くすであろう、その炎は
しばしの時の間、空間を蹂躙していった
そして
「ぬぐぅ……不覚!
この姿では『吐息』は弱化しているのじゃ……っ!?」
そこには、変わらぬ金色
髪も、肉も、まったくといっていいほど輝きを失わず
欠片も損傷は見えない
平然と立つ少女の姿があった
しかし――
「えぇい、やむなしじゃ。
世の拳にて決着を……」
割と状況は追い込まれている
頼れるものは己が肉体のみ
そう、答えは一つしか無い
ブンッ
そこへ
三度、獣の前足が襲いかかってきた
■■■■■ >
「三度も同じ手を食わぬ!
というか、いい加減回転するのは面倒くさいのじゃ!」
割と本音を漏らしつつ……
気を入れる
「ぬ、ぅ……あっ!」
ドズンッ
重い、打撃音が荒野に響く
しかし、今度は回転して跳んでいく愉快な物体はなかった
「まったく……出来るだけ楽をしたかったんじゃが……
まあ、時間短縮にはちょうどよいのじゃ」
打撃とともに吹き上がった土煙の中から、響く声
やや調子が低くなっており……
■■■■■ >
「では、いい加減、返すぞ」
ゴスっ
鈍い音とともに、虹色に光って回る三つ首モンスターが宙を舞った。
金色の龍(人間体)の拳が入ったのだ
三つ首モンスターは何かを吐き散らしながら地面に落ちる
「うむ、勝利なのじゃ!」
皇は勝ち誇っていた
いつの間にか身長は伸び
幼女、から少女くらいの見た目に変貌していた
「出力の調整は必要そうじゃな、しかし……
人間の大きさはいまいち分からぬのじゃ」
やれやれ、と溜息をつく
■■■■■ >
「……そういえば、アレ、死んでおらぬかな?」
視線の先には
地面に落ちてピクピクしている七色がいた
別に殺してどう、という気持ちは欠片もないのだが
シュウの手前、ちょっと悪い気もする。
まあ、死んでたら死んでたで、その時は自然の摂理
是非もない
「ふむ……なんぞ内臓っぽいものを吐いている気もするが……
息はある。うむ、死んでおらぬとしよう!」
雑な判定であった
元々生き死になんて、そんな慎重に判断したこと無いからしょうがない
「……さて、帰るか」
といってもアテがあるわけでもない。
たまに羽月研究所に押しかけてはいるが……
何しろまずはこの世界を知ることからなのだ。
あと、地理がよくわからない。
人間の大きさは実に不便だ!
「とりあえず、あっち……じゃな」
適当に道を選んで堂々と歩き始める
ところで――
肉は真龍だが、服は人間のものだった
つまりは……
ご案内:「転移荒野」から■■■■さんが去りました。