2021/02/07 のログ
ご案内:「転移荒野」にマディファ=オルナさんが現れました。
マディファ=オルナ > 転移荒野に少女の姿。
この危険地帯に似つかわしくない少女の人影は、これまた彼女に似つかわしくない大剣を振り回す。
狼の魔獣をちぎっては投げ、と言わんばかりに薙ぎ払う。

「さて、後はお主だけじゃな」

逃しはしない、と睨みつける。
その視線の先には、他の狼よりも一回り大きく、左目の潰れた個体。
この群れのリーダーであった個体だ。
少女の一睨みに戦意が挫けたか、群れの仲間が一掃されて怖気づいたか。
視線の高さの変わらぬ少女相手にたたらを踏む。

「死ぬがよい」

少女はそう言って、飛びかかる。
狼が逃げるが、予想済みと言わんばかりに少女から噴射炎が放たれて距離を詰められて。
大剣が首筋に突き立てられ、狼の群れは全滅した。

マディファ=オルナ > しばらく後、開拓村の依頼主から報酬を得て。
転移荒野を歩く少女の姿。
小柄な体に、犬のしっぽを振り振りと……実に無防備。

「……しかしそれにしてもまあ、『松葉雷覇を見つけ次第殺せ』かの。
 随分と思い切りの良い雇い主じゃ、期待には応えんとのう」

マディファ=オルナ。
先日、神代理央に売り込みをかけ、契約成立となった傭兵だ。

「捕縛なら契約外じゃったが。
 あの凛霞をして大敗しておる以上、相当の使い手じゃろうて。
 相性もあろうがの」

あくまで傭兵としての契約である。
風紀委員でも特務広報部隊員でもないため捕縛や摘発は契約外だ。

マディファ=オルナ > 「……ま、一番の問題は遭遇できるかどうかじゃな。
 こればかりは時の運、というところかの」

ため息一つ、振り向きざまに大剣を振るう。
音もなく忍び寄っていた巨大な大鷲の魔獣を一刀両断。

「残念じゃったな。
 しかし、この巨体で音を立てぬとは……恐ろしい個体じゃの」

死骸の羽根を弄り、構造を確認する。

マディファ=オルナ > 「うーむ、儂に転用はできんようじゃな」

名残惜しく思いつつも、手早く解体。
骨と内臓を残して、その場を後にする。
離れてしばらくして、マディファに気付かれないように隠れていたつもりの魔獣たちが我先にと貪りだす。

「人の子ならまだしも、甘く見すぎじゃて」

マディファ=オルナ > そうして、マディファは転移荒野を後にしたのだった。
ご案内:「転移荒野」からマディファ=オルナさんが去りました。