2020/07/20 のログ
レナード > 「……ふー……」

生い茂る木の隙間から、夜空がぼんやりと覗いている。
空を仰げば、星の瞬く光景が眺められた。

「…身体自身は鍛えられずとも、やっぱり異能を強化する術はあった……」

研究所に通い、科学的なアプローチによる日々の特訓を受け、
彼の発電能力は改善の一歩を辿っていた。
…とてもステージが上がるほどではないが、
少しずつ、少しずつ、発電効率の向上と連続発電時間の延長が認められていた。

「…………。」

それに、彼のお世話になっている新エネ研から繋がった、"非常に興味深い話"。
その運用に向けて、今の彼は充実した日々を過ごしている。

「…よし、もうちょい休憩したら……また走るし。」

ご案内:「青垣山」に雨見風菜さんが現れました。
雨見風菜 > ふらりと散歩に出た風菜。
何かを感じたのか、青垣山までやってきた。
そこで見知った顔が汗だくで休憩していたのを見つける。

「こんばんわ、レナードくん。
 鍛錬ですか?お茶、要ります?」

すい、と麦茶のペットボトルを差し出す。

レナード > 休憩していると、声をかけられた。
鍛錬に夢中で周りに集中できないのは悪い癖だと思いながら、
声の主へと顔を向けると…

「……んあ。
 げっ!!あの時の!!!」

絶叫した。

「………。
 貰うけどー……これ、未開栓なわけ?」

疑ってる。
めっちゃ怪訝そうな表情で、ペットボトルと彼女の顔を交互に見やって。

雨見風菜 > 「げっとは失礼ですね」

レナードの反応に苦笑しつつ。

「未開栓ですよ。
 流石に開けたものを他人にすすめるような不義理はしません」

よく見ればリングが分離していないので間違いなく未開封である。

レナード > 「そりゃおめー。
 こんなとこで露出狂の変態と遭ったら叫び声の一つくらい挙げるもんだし。」

酷い言いようではある。
が、黙ってその場から去ったり逃げたりはしない辺り、
話はできる相手だという認識なのだろう。
未開栓だと聞いたものだから、彼女に近づいて…

「…ま、そういうなら信じるけど。
 ありがと。」

頂くのだから礼は言う。
掌を見せるように、手を差しだした。

雨見風菜 > 「そんなー」

冗談めかして言う。

「まあ実際今日は露出する気分ではないですし」

酷いこと言われるのは自分の性根からしてまあある意味で当然なのだが。
そして伸ばされた手に、未開封の麦茶のペットボトルを渡す。

レナード > 「できればずっとその気分でいてほしいもんだし。」

露出にも気分があるのか…なんて、苦笑い気味に答えつつ。
麦茶のペットボトルを受け取ると、そのまま栓を開けて……

「……でも、実際喉が渇いてたとこだし。
 そういう意味じゃ、ちょーどいいとこに来やがったし。」

口をつけて、くぴり。

雨見風菜 > 「いやぁ、そうなると私じゃないでしょう」

クスクスと笑いながら。
渡した麦茶は、そして今新たに自分が飲むために出した麦茶はまるで今まで冷蔵庫に入っていたようにキンキンに冷えている。

「あらあら、私は給水器とかじゃないんですけれども」

レナード > 一度飲んで、舌先で転がすように味わって…
問題なさそうだと判断したら、ぐび、ぐび、ぐび、ぷはーっ。
一息で半分くらいなくなった。

「……あーっ、んまい。
 こういう時に身体を冷やす飲み物はほんっとキくし……」

ほお…と息を吐きながら、染み渡る清涼感に浸ったりして。

「ま、変態よりは給水器の方が外面はマシになるとは思うし?」

雨見風菜 > レナードの体の汗を、『液体収納』で回収する。
服に染み込んだ汗も、それに溶け込んでいる皮脂や雑菌ごと回収して即破棄。

「あらやだ、そのどちらかなら変態のほうがいいですね」

クスクスと笑って。

レナード > 「………ん?」

なんか、違和感。
いきなり除湿器にでも当てられた気分になった。
だけれども、それが何によるものかよくわからない。
湿度が変わったのかな、程度の認識でしかなかった。

「……えー。
 いいじゃん、給水器。みんなの役に立てるわけだし?」

やっぱり変態に拘るんだ、なんて思いながら彼女の顔を見てると…

「………。
 あれ、やっぱりその首輪も…趣味なわけ?」

首元のそれに気づいた。

雨見風菜 > 「いやですよ、変態は私のアイデンティティです」

見た目は清楚なのに本性は痴女である。
そして首輪に言及されれば。

「ええ、趣味です」

レナード > 「………。」

言及しなきゃよかった、と言いたげな苦笑交じりの苦々しい表情。

「ま、まあ、なんだし。
 変態にもいろいろいるとは思ってるけど……
 おめーみたいにオールラウンダーなのはちょっと初めて見るし。」

雨見風菜 > 「あら、オールラウンドと言うよりは」

言いかけて、考えて。

「まあ、被虐趣味の方ですよ」

本当に、何処までも痴女である。

レナード > 被虐と聞いて、首を傾げた。

「……見せるのはどっちかってと加虐だと思ってるけどー…」

レナードが知るこの痴女は、人に自分の痴態を見せることを趣味とする変態であるという印象が強かった。

「首輪が被虐ってことは、鞭で打たれたりとか…言葉で責められるのとか好きなわけ?」

よせばいいのに、なんとなく気になったことを聞いてしまったのだった。

雨見風菜 > 「あら、見られるのって被虐だと思うんですが」

ああでも、積極的に見せに行くのはそうかも知れないなと思い。

「ええ、大正解です。
 もしかして、興味あります?」

レナード > 「ねーし。」

即答だった。
…ただ、耳元で囁いたりするのは興味があったりするけれど、
それをこの女に伝えると絶対にロクなことにならないので、言わないことにした。

「流石にいてーのとか、ぼかぁ嫌になるだけだし。
 ……でもおめーは、そーいうのが趣味ってわけ?」

雨見風菜 > 「ええ、痛いのも罵られるのも好きです。
 まあそのあたりは個人の素質ですからね」

クスクスと笑って。

「それにしても、なんだかんだ言ってもやっぱり男の子。
 エッチなことに興味津々なんですね」

レナード > 「はっ!?」

えっちなことに興味津々ときたもんだから、つい言葉を荒げたりして。
…その脳裏には、図書館であったあんなことやこんなこと……
あれ?よくよく考えたら自分、図書館でえっちなことにあう可能性、高くない??
そんな疑念を払う様に、ぷるぷると首を左右に振って。

「そんっなことねーしっっ!!
 おめーと一緒にすんなし!!」

雨見風菜 > 「いえいえ、男の子としてそれは普通のことですからそんなに恥ずかしがらなくても」

腕を組み、その腕で乳房を持ち上げるように強調する。

「例えばこのおっぱい。
 女性の胸はセックスアピール部位です、そりゃあ目が奪われるしセクシーさを感じるのは当然です」

レナード > 「ぶふっ」

突然その場で乳房を持ち上げるようにアピールし始めた痴女に
直視なんてできるわけもなく、思わず顔を逸らして。

「い、言わんとすることは分かるけど!!
 わざわざ言葉にして意識させんじゃねーし!!!」

雨見風菜 > 「わざわざ言葉にして意識してもらおうとしているんですけど」

今度は揺らしてきた。
まるでブラジャーを付けてないかのような揺れ。

「なんなら、私で童貞卒業でもします?」

見た目は完全に月明かりに照らされる清楚な少女なのだが、言ってることが全くの正反対だ。

レナード > 「こ、こいつは…ッッ……」

飲み物をくれた下りでは普通にいい人扱いしてた過去の自分を、思わず殺してやりたい気分にさせられつつ。
揺らされてるのが視界の端の方で僅か捉えられる。
…まるで何にも縛られていないような自由さだった。
やはり意識させられると、苦々しい表情のままに頬だけは紅潮するもので。

「するかあぁぁっっ!!!」

するとそんなお誘いがきたものだから、少年は吼えた。

雨見風菜 > 「きゃーこわい」

咆哮に棒読みで返す。
そのウブな反応に微笑ましさを感じる。

「まあ、嫌なら無理強いはしませんよ。
 初めては好きな人と、というのもあるでしょうし」

おすすめはしませんが、と付け加えて。

「……ふぁ。
 流石に眠くなってきましたね。私はここで御暇します。
 鍛錬、頑張ってください。そして、夜道にはお気をつけを」

そう言って、風菜はもと来た道を引き返していくのであった

レナード > 「……まったく。
 とんでもねー野郎だし………」

相手は野郎ではないが。
こう言い捨てるのさえ快感なのかな、なんて思ったらドツボにハマりそうだから。
適度に考えるのを止めつつ、言葉だけでの応酬を楽しんだ。

「……好きな人って言ってもなー。
 僕、そういうの、まだよくわかってねーし。」

頭を指先でかりかり。
自分に嘘をつき続け、余裕のなかった少年に、人への好意はまだ理解できていないようだ。
なんて言ってたら、彼女が引き返すらしいので見送ることにした。

「………ん。
 そっちこそ、不審者に気を付k………いや、一般人に迷惑かけんなし?」

ご案内:「青垣山」から雨見風菜さんが去りました。
レナード > 「……………。」

彼女は去った…それを確認して。
くぴり、貰った麦茶に再び口をつける。
ほお…と息を吐くと、目を細めた。

「……もう少しだし……」

少年は薄く笑う。
まるで、よからぬことを企む悪役のように。

「もう少しで、始まる……
 それまでに牙を研いでおかないと……」

飲み干した後のペットボトルを、くしゃり、片手で握り潰した。
くしゃくしゃと丸めて、ズボンのポケットに無造作に突っ込むと、

「……さ、もうひとっ走りだし―――」

再び、世闇に包まれる山の中を駆け始めたのだった。

ご案内:「青垣山」からレナードさんが去りました。