2020/08/20 のログ
ユラ > 「……樹が便利なんじゃないッス。樹が何でもやるわけでもないッス。
一緒に生きてて、見えてるもんがちょっと違うだけっていうか……
こっちの世界の飛行機っての、なんで飛べてるのかが俺にはわかんないようなもんで……うーん……」

説明に窮したらしく、言葉を紡ぐのが止まってしまった。
ちょっと複雑な問題が関わっているらしい。

「精霊とはまた別ッス。さすがに人とも違いますけど。
肉体もあれば年も取るし、魔力とかが無いと生きられないなんてことも無いし。
まぁ……ちょっと違っても、みんな同じですよ。人間も、エルフも」

ばりばりとピーナツをかじりながら答えた。
ファンタジーな世界の住民ではありそうだが、当人から見た普通の返答でしかなかった。
本人も楽しませようとしてる感じはなさそう。

アーテル > 「そこが、"樹がない"こちら側の技術ってぇわけだ。
 およそそちらの樹が万能じゃあねぇってのも理解はしてらぁ。
 …ま、そこに住んでる奴らの行きつく土壌が違うってーだけさ。」

樹ですべて成り立つわけじゃあない。できないことだってあるだろう。
それさえ一種のリソースと考えてしまえば、およそ不思議なことではない。

「……ほぉー……?
 いやぁー、いいねぇ。リアルって感じがすげーする。
 いやまあ、お前さんからしたらリアルもリアル、当たり前の世界なんだろうけどなー?」

香箱座りな恰好から、少し崩して前のめりに。
器用に前足を組むようにして、その上に顎を乗っけるような、そんな恰好。
後ろ足は少しまっすぐに伸ばして見れば、伸びた猫の出来上がり。

「色んな奴と話をして、色んなことを知っていく。
 俺ってばこーいうやり取りが好きでなあ。
 んだから、今こういう話ができててすげー楽しいんだ。」

楽しませようとして話をしているわけではないのも、その口調から察していた。
でも、こうして色んな話を聞けること自体が、とても楽しいと口に出さずにいられなくて。

「誰かにしちゃ、それが現実。誰かにしちゃあ非現実かもしれねえ。
 だが、そんなのどーだっていい。
 そいつが感じたことが全てだって、俺ってば思うのさ。
 そこに真実も虚構もありゃしねえ。その時ばかりは全て現実さ。」

ユラ > 「……進歩の方向性が違うんスね。
オレがこっちでびっくりしたことが多いように、他の人からするとうちの世界はびっくりすることだらけなんでしょうね」

しみじみと語る。
こちらで見た技術、食べ物、全てが衝撃だったことを思い出す。

「オレ、あんまりおもしろい話してる自信ないけど……
楽しんでもらえたならよかったッス」

ぺこりと軽く頭を下げた。
どことなく嬉しそうでもある。

「……オレもそう思います。
以前こっちに来た知り合いの話、そんなわけあるかよって思ってたこと多いんスけど……
実際に来たら、その意見も変わりました。
体験した人にとっての現実って、ホントのモノなんだなって」

アーテル > 「そりゃあそうさぁ。
 そうでもなきゃ、俺がこんなにワクワクしながら話を聞いちゃあいねぇもん。
 んだから、お前さんが気にするこたーない。
 俺が聞きてぇっつって、お前さんが聞かせてくれた…そーいうハナシさ。
 やー、まいったな。ショバ代にしちゃ貰いすぎたくれーだ。」

まるでそれがバロメータであると言わんばかり。
それはまるで誰かが話す冒険譚を、心躍らせながら聞く子供のよう。
口が回って止まらないあたりも、そのテンションの高さを表しているのだろう。

「そぉだろー?」

誰かにとっては虚構のように聞こえても、誰かにとっては現実。
その感覚を話の上で共有できたようで、ちょっと嬉しそうに尻尾を揺らす。

「百聞は一見に如かずとはいうがー…お前さんはここにきて、いきなり一行に触れたわけだ。
 いやぁーイロイロとぶっ飛んでて大変だったろーが……
 ……こういうワクワクも、悪かねぇだろ?」

ユラ > 「……まあ、ほんと。楽しんでもらえてよかったッス。
樹を探しにきただけなのに、いいことした気分ッス」

ついでにもうちょっとピーナツを転がしておいた。

「ワクワク……まだわかんないッスね。
美味しいものが多いのは嬉しいけど、まだちょっと……慣れないんで。
地元は周りのみんなが知り合いって感じだったけど、こっちではだーれも知らない人だし……
いいことも悪いことも、まだ……オレにはわかんないッス」

ふい、と一息ついた。
変わりすぎた世界は、どちらかというと気疲れの方が大きいのかもしれない。

アーテル > 「……ぉおー、なるほど孤独を感じちまってるワケか。
 さてはこういう旅みてーなことは初めてかい?」

転がったピーナツは、逃さない。
顎の下の前足が素早く伸びて、たしっ。
ころころ引き寄せて、もぐ、もぐ。

「……んぐ。
 んま、これもその内慣れてくるさ。
 まぁ……こういうのはアレだ。

 いずれどっかに旅立つんだから、と、心の柵作っとくと気が楽になるもんさ。
 そりゃあ、居続けなきゃいけねぇって思うと気苦しいところがあるかもしれねえがなー?
 ……実際んとこ、どーなんだ?お前さん、ここに住み続けるカンジなのかい?」

その辺りも含めて、気軽にとらえた方がよい。という、色んな世界を渡ってきたものだから言えたこと。
…そう簡単にいかないのも分かってはいる。それでも、言わずにはいられない。
尻尾がたしたし、木目の床を叩いていた。

ユラ > 「んーまあ、そんな感じッスね。
親に連れられて外に出たことはあったんスけど、一人ってのは無いんで」

最後にもう少しピーナツを転がし、残りを口に入れる。
ぼりぼりとかみ砕き、飲み込んだ。

「いえ。こっちは勉強と訓練しに来たって感じなんで……
まだ予定はわかんないッスけど、いずれは帰ります。
……そういう猫の兄さんは?」

尻尾の動きを見ながら聞いてみた。
話しているうちに気になって来たらしい。

アーテル > 「ほうほう……
 そんじゃあなんだ…こっちの言葉でいう、留学ってーやつか。
 いいねえ、未来を委ねられた明るき若人!っつー感じがありありとしてらぁ。
 ここはお前さんの知っての通り、渾沌の坩堝だからなぁ。
 精々ここでイロイロと吸収して、お国で発奮するといいさぁ。」

その身の上、帰る場所は変わらないのだと、彼は言う。
そのことを聞きながら、彼の将来の成功を小さく祈っておこう。
すると、こちらの今後を聞かれたものだから。

「……んー、俺?
 俺ってばー…そうだなぁ。」

ふと、天を仰ぐ。
ここにいるのは正直、気まぐれだ。いつ発っても構わない。
……構いはしない、のだが。


その脳裏に過るのは――――


「……ちょいと、知りたいことがあってなあ。
 まあ、その辺が分かれば、俺もまたどこかに旅立つかどうか…その時にふらっと考えるかね。」

なんて、寂しく笑いながら彼に答えるだろう。

ユラ > 「……まあ、オレの場合は自由やってていいんスけどね。王位継承権も遠いし。
こっちもまあ、変なことはありそうですけど……今んとこオレには関係なさそうなんで」

ぽつりとなんかとんでもないセリフが出たが、当人はさらっと流した。

「ふーん……じゃあオレと一緒ッスね。
やるべきことをやってからって感じで。
しばらくはお互いのんびりなんですかね」

相手の変化に気付いているのか居ないのか、しれっと話を流した。
ピーナツの袋をたたみ、ズボンのポケットにねじ込んだ。

「……そろそろ樹を探しに行きます。
ありがとうございました、猫の兄さん」

アーテル > 「………ま、やんごとなきお方の発想はちょっとなー。
 俺にも分かんねーことは多分にあるってもんだ。」

眼を細める。まあ、そういう相手だろうとこの常世の下では平等だ。
さくっと拾うが、さくっと流す。これが彼に向けられる自分なりの誠意だろう。

「…そーいやそーなるな?
 んま、俺の場合は学生じゃあないからさ?学園に忍び込んだりはするけど、にしし。
 なぁに悪いことしようってんじゃあないさ、烏や野良猫が入り込むのと変わりゃしねえ。
 ………。
 あっ、これナイショな?向こう側で騒がれちゃかなわねぇ。」

言っててあんまりよくないな、なんて思ったのか。
慌てて小声で彼にくぎを刺しておく。

「……おう、見つかるといいな。
 じゃあなあ、エルフの国の少年よ。」

そのまま床に身体を伏せた状態で、彼を見送る。
こちらはこのまま、廃神社にいるつもりのようだった。

ユラ > 「ネコが学校に入ろうとしてるーなんて話すようなことじゃないッスよ。
誰かに言いふらすことじゃないし、ネコが入ったくらい騒ぐことじゃないし」

手をふらふら振って、誰かに言うようなことを否定する。
それくらいは特別なことではないのだ。

「……ユラって言います。ユラ・リィヤ。
また会ったらそう呼んでください。
……それじゃ、また」

がさがさと木々の間を抜けるように、道なき道へ姿を消した。
暗さも山も、恐れなど無いように進んでいった。

アーテル > 「………おぉとも。
 俺ってばー……あーいや、喋る猫ってのはそう多いもんじゃあないか。」

まあ、それは次の機会にしておこう。
今はただの喋る猫の兄さん。それでいいのだ。

「おぉ、そんじゃな。足元気ぃつけろよー?」

彼が夜目が効くことなんて、知らない。
そもそもここまでやってきたのだし、遭難することも考えにくい。
それだけ彼の背中に言葉をかけて、ゆらりと揺れる尻尾と共に見送った。

ご案内:「青垣山 廃神社」からユラさんが去りました。
ご案内:「青垣山 廃神社」にアーテルさんが現れました。
ご案内:「青垣山 廃神社」にアーテルさんが現れました。
アーテル > 「……くぁ。」

再び、あくび。ごろんとその場でへそ天に。
誰も見てないなら、こんなもんだ。
さっきの彼は例外だったが、普段ここに人がくることなんて滅多にないはずだと高を括っているものだから。

「……んー………。」

さっき彼に言ってしまった、知りたいこと。
思い返すのは、すれ違い様に話すことができた彼の姿。

「……人を見ることがなかったあいつにいったい何があったのか、か。
 少しずつ探ってみるのもいいかもなぁ……」

ぼんやり呟いた言葉は、夜風に流され消えていった―――

ご案内:「青垣山 廃神社」からアーテルさんが去りました。
ご案内:「青垣山 廃神社」に水無月 斬鬼丸さんが現れました。
水無月 斬鬼丸 > 空気や空模様に秋の色がまじり
海にはクラゲが多くなった。
そのためバイトの時間は短くなり、まだ日のあるうちに帰宅と相成った。

「よし…と」

せっかく時間もあることだしと、やってきた廃神社。
何をしに来たといえば…

周囲に人がいないことを確認。
神社を背にして、くるりと見回す。
目についたのは木材のかけら。
あのあたりでいいか。

「………」

すぅ、と小さく息を吸う。
すると木材は横に真一文字に断ち切られた。
二分割された木材は双方更に横に真一文字に…
それが何度も繰り返される。
ほぼ一瞬で。

ご案内:「青垣山 廃神社」に日下 葵さんが現れました。
水無月 斬鬼丸 > 二秒の後にそこにあった木材は1センチ四方のサイコロの山に変わっていた。
切断の異能、斬《チェイン・リッパー》。
もはや見るだけで…自分の意のままに切断が可能になった異能。
断ち切る異能…

人間は首をおとされれば死ぬ。
だいたい…8割は死ぬ。残り2割は異能で死なないかも知れない。
でも大体は死ぬ。
見るだけで、殺せてしまう。

だからこそ、自分はこの異能の手綱をしっかり握る必要がある。
完全に制御しなければならない。
暴走しましたですむものじゃない。
そうなったときに…フェイが、沙羅が、ナインたちが
その2割である可能性にかけているようではいけないのだ。

つまり、異能の制御…鍛錬がここにきた目的と言えよう。

日下 葵 > 「だから、何だってこんなわけのわからない場所にいかせるんですかね。
 警邏部の人間と勘違いして私を使っているんじゃ無いでしょうね。
 そもそもこんな場所に人なんている訳――」

いた。
いや、時計塔と違って別に立ち入り禁止とかではないのでいてもいいのだが、
何だってこんな場所に……そんな顔をした。

「こんばんは~、ちょっと職務質問にご協力いただいてもよろしいですか。
 お時間取らせませんから」


そう言って何かの練習をしていると思しき青年に、
風紀委員の手帳を見せながら声をかける。

手帳には『風紀委員会”刑事部”日下葵』の文字。

何か犯罪をしているようには見えないが、
一応仕事なので給料分は働く必要がある。>

水無月 斬鬼丸 > 次は何を的にするか。
制御という意味ではもっと細かい物がいいかも知れない。
そこらの藪にある葉っぱ一枚だけとか…
あまり大規模にズバズバやっては、いくら廃神社だからって問題だろうし…

視線をあげ、的を探そうとしたその瞬間。
不意に声をかけられた。

「ひゃいっ!?」

ビクッと肩がはね、声の方向へと素早く振り向く。
そこにいたのは…まぁ、人だ。
しゃべる狐とかいたし、人じゃない可能性もあったが
見たところ人間だ。
性別は…女性のように見える。

「え、えーと、な、な…にか?」

だされた手帳、腕章…
見覚えがある。
風紀の人だ。

日下 葵 > 「ああ、すみませんね。驚かしちゃって。
 大丈夫ですよ、別に幽霊とか妖怪とか怪異とかモノノ怪とかじゃないので」

れっきとした人間ですから。
驚いて間抜けな声を上げる彼に簡単な謝罪と説明。
しかしその謝罪はどこかおちょくっているというか、
飛び上がった彼が面白くて仕方がないといった雰囲気がある。

「特に何か用事があるって訳ではないんですが、
 人気の少ない場所に夕刻一人でいるところを見かけたので。
 一応職務質問だけしておきたいなぁと。

 こんな人気のないところでいったい何を?
 あと何か身分を証明できるもの――学生証とか、運転免許証とかはお持ちですか?」

自分の手帳を仕舞いながら、声をかけた経緯の説明を。
そしてここで何をしていたのかを確認。
そして身分証明書の提示の要求。

ごくごく普通の職務質問の手順を踏んでいく>

水無月 斬鬼丸 > 「ぇ、あ、はぁ…こ、こちらこそすんません…
えー、人がいると思わなかったんでびっくりしちゃって…」

まぁ、あの驚きようではからかわれるのも仕方がないか。
ペコペコと頭を下げつつも
風紀の人へと改めて向き直る。
沙羅ちゃんやリンカ先輩…カギリ先輩とは違って
少しばかり緊張した様子で。

「あ、はい…えーと、何をしてたってわけじゃないんですけど…
その、なんていうか…まぁ、夕涼みみたいな…
あ、学生証?
はい…どうぞ」

廃神社だからといって、そこらにあるものを切り刻もうとしてましたとは
正直に言えるものではない。
とりあえずはごまかしつつ、相手の指示に従う。

日下 葵 > 「それはまぁ、無理はないですね。
 私もまさかこんな場所に人がいるなんて思いませんでしたから」

『たまに人が出入りしてて悪戯とかしてるから日下君、見回り頼むね』

クソ、人使いの荒い警邏部の上司の言う通りになってしまってなんだか癪である。

「夕涼みにしては――随分と辺鄙な場所にきているんですねえ?」

ちらり。サイコロ上に刻まれた木材をわかりやすく横目に見る。
それこそ、口には出さないが、”あれはなんですか?”と視線で質問してみる。

「水無月、斬鬼丸君ね。はい、ありがとうございます」

学生証を受け取って、名前やら学年やら番号やらを確認して彼に返却。
……水無月?あれ?なんだか聞き覚えがある。

「もしかしてもしかしなくても水無月って、
 水無月沙羅さんのご家族だったりします?兄妹とか」>

水無月 斬鬼丸 > 「ぁはははぁ…お、お手数おかけします、はい…」

人がいるとも思わなかったところで人に遭遇したのだから
言ってしまえば予想外の面倒…といったところだろう。
申し訳無さそうに更に頭を下げて

「このあたり人が来なくて風通しもいいんでよく立ち寄ってまして…
別になにか変な企みとかそういうのは、ええ、まったく」

相手の視線が語る。
刻んだ残骸…まぁ、そりゃこんなところにあんなもんがあれば不審に思うだろう。
だが、彼女の視線の問には首をブルブルと横にふって知らないと伝えておく。
見られてはいないだろうし…

「はい、ありがとうございます…あ、え?
ええ、そうですけど…」

受け取った学生証をしまい、風紀の人の質問に答える。
まぁ、沙羅ちゃんも風紀だし
知り合いの同僚がいてもオカシクはない。
正確には従妹だが、もう兄妹みたいなものだろう。