2020/11/07 のログ
ご案内:「学園区 中央駅」に赤羽 華楠さんが現れました。
赤羽 華楠 >  
『学園区中央駅 学園区中央駅
 お降りの際はお忘れ物のないようご注意下さい』

学園区に停車する列車から、数多くの者が改札口へと進んでゆく。
その中に、キャリーケースを手にした女性が一人。
美しい赤みがかった髪と、整った顔立ちのその女性は、つい視線を集める程の美しさと気品を兼ね備えているようにも見える。

「全く。
 この時代に列車、列車、列車だなんて…どれだけ時代錯誤な島かしら」

ふん、と髪を揺らし駅を見る女性は、どうやらここに来るのは初めてらしく地図を片手に回りを見る。
辺り全体、人だらけ。
それも普通の人間だけでなく、所々に人間と言っていいのか怪しい、異形の存在も混じっている。

「成程、噂にたがわず」

辺りから感じる魔力を肌で感じながら、駅のホームへと歩いてゆく。
既に”普通の街”とは様相を大きく異なるその場所に、目の前の女性が来た理由は当然、仕事だ。

「やりがいのありそうな土地じゃない。
 こういうの待ってたのよ、こういうの」

祭事局特別協力役。
少しその名の陳腐さに不満はあるけれど、甘んじて受け入れよう。
少なくとも私の力に目を付けたって点で、毛先程には見る目はあるのだから。

ふふん、と鼻をならし上機嫌に進んでいくその姿は、”異能の島”であるこの島に物怖じする様子を微塵も見せない。

「それにしても……」

ちらり、と地図を見る。
地図に書かれているのは、手続きの為に向かうようにと言われた、委員会街にある祭祀局への道。

「おかしいわね……ここで間違ってないはずなのだけど」

ちなみに委員会街は、ここから6駅前が最寄り駅だ。