2022/10/27 のログ
ご案内:「地区ごとの駅」に角鹿建悟さんが現れました。
角鹿建悟 > つい先日、どうも交通機関で”派手な事”があったらしい。
風紀でも公安でも、ましてや当事者でもない男に詳細は正直よく分からない。
ただ、インフラ整備もする生活委員会の一員としては、仕事が増えたという現実があるだけだ。

――そして、今もあちこち直して回っていて、今日何度目の列車待ちかも分からない。
多忙過ぎて――まぁ、自分からやっているのもあるが、お陰で時間間隔が狂い気味だ。

「………もう夜か。」

駅のホームの待合室にて、作業着姿で座り込みながらホームの時計を見て時刻を確認する。
慢性的な睡眠不足、栄養の偏り、異能の酷使による気力と体力の低下…と、地味に積み重なってキツい。
だが、それは”一切顔に出さない”のがこの男の無駄な痩せ我慢の強さである。

(……もうちょっと、異能のパフォーマンスを引き上げたい所だが、現状だと頭打ちか…。)

異能の代償がシンプルに気力と体力の為、その消費を出来る限りは抑えたい所。
一応、直す合間に試行錯誤しているが今の所は芳しい結果は出ていない。

角鹿建悟 > ふと、懐の携帯の振動に気付いて、気だるそうな仕草で取り出して画面を確認。

『角鹿、お前働き過ぎだからいい加減に休めよー』
『建悟君、本当にワーカーホリックぽいから心配だし』
『むしろ、俺らも頼れよ、同じ生活委員会の仲間だろ?』

同僚からのメッセージをザッと流し読みすれば、僅かに沈黙を挟んでから「…悪いな、それは出来ない相談だ」と呟いて。
返信をする事は無く、そのまま携帯を懐に戻してゆっくりと溜息に似た大きな深呼吸。

頭の中に浮かべるのは歯車仕掛けの大時計。
チクタク、チクタク、秒刻みに頭の中に響き渡る時計針の音。
能力のイメージは、それを逆回しにしたもの。力を使う時にイメージというものは馬鹿に出来ない。

(……時計の針をもっと”速く”動かせれば修復時間も短縮される…が、その分、消費は激しくなる。
消費を抑えるには、もっと能力を効率的に用いる必要があるが…現状、これ以上の最適化はハードルが高い…。)

異能のStageは暫定的に『2』、限定的に『2・5』評価。直す事に特化”し過ぎた”能力だから評価は意外と妥当だろうか。

角鹿建悟 > 「――我ながら、一度”圧し折れた”くらいじゃ変われないものだな…。」

二度とあんな失態を見せたくは無いが、自分の脆さを自覚はした一件を思い出して。
度し難い己の性根、それなりに捻くれているのは分かっているけれど。

(――一度足を止めて、考える時間も余地もあって”これ”とは…つくづく――)

角鹿建悟という人間は■■なのだろうな、と。
そんな、言葉にならぬ言葉を吐息で流した所でアナウンスが入る。
そろそろ電車が来るようで、ゆっくりと立ち上がれば待合室から外に出る。
流石に、秋も深まりこの時間帯だと多少肌寒く感じるようにもなってきた。

遠くに見える電車の明かりをぼんやりと眺めつつ、さて次は何を直すか――と。
そんな、どうしようもないくらいにまた『直す』ことを考えながら列車がホームに来るのを静かに佇んで待つだろう。

ご案内:「地区ごとの駅」から角鹿建悟さんが去りました。