2020/07/15 のログ
ご案内:「配信チャンネル」にエコーさんが現れました。
エコー > 「はーい、今日はゲームを作る特別配信授業でーす。
 常世島で私の授業を受けている生徒も、暇つぶしに見ている生徒も、特に関係ない教師でも誰でもフリーに見られる動画となっていまーす。
 もしよかったら『よいな』と登録よっろしく~☆

 ゲーム制作憧れるよね~。みんなこういうゲーム作りたいとか、エンディングのアンドユーとかで感動して俺もやってやるぜ! ってなったりするよね~。しないかな?」

 広々とした白を基調とする空間に大きなトリプルディスプレイのデスクトップPCが並べられている。傍にはなぜか冷蔵庫のユニットや観葉植物、ぬいぐるみや音の鳴るダックが添えられている。

エコー > 「最近ね、先生ゲームをい~っぱいやったの! テスト期間中なのになんでゲームしてんのって? 先生はゲームをするのがお仕事なんで~す。
 でねでね、チテイリムとかホワイトソウルとか、アクションゲームをい~っぱい遊んだの!
 あ、あとあとリトルウィッチノーベルっていう、ダイナマイトを投げまくる主人公を操作する魔法少女ものがイチオシでね! あれ可愛いよね~」

 大きなゲーミングチェアに腰掛けぐるぐると回転する。効果音や字幕もリアルタイムで合わせて表示されるこの生配信。演出・脚本・出演はすべてエコーでお送りしています。

「そういうわけで今日のテーマはアクション! アクションは身振り手振り、パンチキックその他いっぱい! 基本動作やちょっとしたビームを突き詰めたのは格ゲーで、もすこし間口を広めたのがアクションね。特にアクションはキャラが何より映えて導入として扱いやすいので、キャラ、そしてキャラの『立ち』から学んで行こ~」

エコー > 椅子回転を止め、自分のパソコンを操作しだす。無料配布されているゲームエンジンを起動し、あらかじめ作っておいた機能の読み込みを行う。
ちなみにこの授業の受講者には事前にダウンロードさせておいたものをそっくりそのまま渡してある。あとはエコーを真似て操作すれば終わりだ。
表示されたのはエコーそっくりのキャラクターが草原で佇んでいるアクションゲームっぽい画面だ。細かなモデリングの詳細が細々と区分けされている。

「自分で自分を描けばコストも安くて楽だよね。自画像なら著作権も気にならないし、頒布も出来る! こうしてオンライン配信で流してても問題ないもんね~。

 じゃあじゃあ、キャラクターの立ちを見てみよう。私じゃあなくてこの子の方ね!」

エコー > 「ドット、2D、ポリゴン、3D、リアル。等身は2~3のデフォルメから8等身のリアル系まで! 数ある描写はあるけれど、やっぱり難しいのはリアル系の高い等身。立つという動作だけでも人は気にならない範囲でも動いているよね、欠伸をしたり手を揺らしたり。片足を軸に体重を支えたり呼吸で胸が動いたり。ただの棒立ちでもそれぞれポージングがあって、没個性的でない限りキャラは特に象徴的な動きが求められやすい!」

ぽーんと飛び跳ねるように椅子から起き上がると、伊達メガネを掛けて指し棒を手に、どこからか出てきた黒板をノックする。

「私達電子世界の住人も無意識的にそうするようプログラムされているから人間の動きのトレースで無意識的反応をやりがちなんだけど、人って滅茶苦茶細かい生物なの、すごいよね~君達」

 いくつかの例題に立った状態の姿が自動的に白チョークで描かれていく。この世界では理不尽な挙動もめまぐるしい動きも自由自在である。エコーの授業は非常にスピーディなことで有名だ。面白い動きがある分、眼が追いづらい欠点がある。