2020/07/21 のログ
ご案内:「常世島電脳世界 VR決闘場」にエコーさんが現れました。
■エコー > 「私のターン!」
今日もVR決闘場には高らかな声が響き渡る。
ここ仮想世界の決闘場は多くのカードゲーマーたちが集まっていた。元はTCGから成るゲームがデジタルでも遊べるように構築されたこの空間。
奇抜な髪形をしたなりきりアバターがひしめき、キャラデッキを駆使してロールプレイをしたりするなど大いに盛り上がっている。
「私は白金郷のエルドラットを特殊召喚! そして根の国の守衛像を発動! キミのモンスターの攻撃力を0にする。そのままアタックだ!」
■エコー > 特にキャラになりきったりなどせず、いつも通りのアバターで決闘して遊んでいるエコーは前のめり気味にディスクを構えながら相手を指さす。
「ダメージは3500、この攻撃が通れば……!」
■決闘者 > 「それはどうかな」
■決闘者 > 「罠発動! 《不変のバリア-ミラーアウト-》!
お前の表側表示のモンスターをすべて破壊するぜ!」
■エコー > 「あー、私のエルドラットが~~~。
で、でも根の国の守衛像は罠モンスターとして私のフィールドに残る! このカードを守備形式で特殊召喚して、エンド処理!」
新たなるカードをデッキから補充し、壁モンスターを残しつつ相手にターンを渡す形となった。
■エコー > ちなみに彼女が使っている《エルドラット》は《白金郷エルドラット》という獣族モンスター一体のみを主軸にしたデッキである。エルドラット以外のモンスターを投入せず、複数のカテゴリから成るテーマを組み合わせてデッキを構築し、モンスター一体だけで戦い抜くオーソドックスなビートダウンデッキである。
「ふ、ふふーん。私ビギナーだけど良い戦い方するでしょ~? こっちに来てからカードゲームなんて知ったけど面白いね~」
自分の体力はまだまだ余裕がある。これなら負ける筈もない。
■エコー > 「えーっと、《城を守る翼竜》を召喚から《チェンジ・ザ・マジック》で……ああ、守護像が突破された~~。さらに効果で特殊召喚されて……あ、あれは!《シャドウ・マジシャン》!」
対戦相手のデッキが得意とするマジックコンボ、そしてエースカードの召喚! あえなくエコーは敗北を喫した。
「きゃああああ!?」
相手の攻撃がダイレクトに伝わり、風圧で己は吹き飛んで壁に叩きつけられる。セーフティネットがある場所で比較的安全な場所での対戦だったが、背中は痛むし衝撃波でびりびりとした感覚が支配される。
■エコー > 「うぇへへ……いった~い!」
その割には元気そうにたちあがりながらワンピースドレスの裾を叩く。
「楽しい決闘だった! また遊ぼうね~」
対戦相手と握手を交わし、相手が決闘場からログアウトしたのを確認してから座り込む。次の対戦相手を待ちつつ、デッキ調整を行う心算だ。
「エルドラットは手堅い布陣を組めれば強いのに中々揃わないね~。攻撃的過ぎるかな、サポートカード入れたら良いかな~」
決闘者の恒例、『デッキをどういう風に構築しようか悩む』フェーズへと突入した。
■エコー > 《白き久遠の富士山》と、《黒き久遠の逆さ富士》は三積みするでしょ~? でもリソースが足りないからパゼストマパーツを組み込んだり……でもアクセス先が増えても私の展開には合わないし~。
獣ベースならメルヒェンリルデッキの複合とか!……それもうメルヒェンリルで良いよね案件だよね、しょぼんぬ」
地べたに座り込みながらあーでもないこーでもないと頭を悩ませている。理想のデッキ構築ならばAIの専売特許だろうが、こうした未知のゲームとなるとエビデンスが足りない。もっと学習する為に大いに悩まなければならないのだ。
■エコー > そうしてぶつくさと考え抜いてようやくデッキが完成した!
「やったー! 私のエルドラットデッキ! これでまた決闘をやるぞ~!」
続けて、丁度良いタイミングでやってきた対戦相手と決闘を始めるのだった。
ご案内:「常世島電脳世界 VR決闘場」からエコーさんが去りました。