2022/07/31 のログ
ご案内:「配信チャンネル」に北上 芹香さんが現れました。
北上 芹香 >  
今日は配信用スタジオを借りてみた。
配信、というものを試そうと思ったわけで。
色々と設定をいじってると配信が開始されたようだ。

「おっ、映った? っぽい?」
「どうも、一人でも#迷走中です」

アコースティックギターで切なげな旋律をてれれてれれと鳴らしながら。

「メンバー紹介しまーす」
「ドラム! 園田貴見ことキーちゃんはバイト中でーす」
「ベース! 神岸陽子ことヨーコちゃんはバイト中でーす」
「キーボード! 斎藤志保ことさっちんは熱中症でダウン中でーす」

「誰一人集まらなかったけど#迷走中ヴォーカル兼ギター」
「北上芹香ことキタセリがみんなに歌を届けようとね…思いまして」

てれれてれれてれれ。

北上 芹香 >  
「本当ならメンバー四人で楽器もちゃんと揃えて演奏(や)るつもりだったんで」
「いやー、中規模スタジオ借りちゃってさー」

「……本当…広いなって感じです………」

てれれてれれてれれと悲しく演奏をする。
これは一人で場をつなぐトーク力が鍛えられそうな気がする!
……そんな力、本当は欲しくない。

「それじゃね、歌っていきたいと思うのですが」
「初めましての方は初めまして!」
「#迷走中はライブハウス『クレスニク』で時々ライブやってるガールズバンドです」

「それじゃー早速歌います、『波動関数☆オブザーバブル』」

じゃん、とギターを鳴らして。
いつまで遊びを禁じられてんだ。明るくいこう!!

北上 芹香 >  
アップテンポにビートを刻む。
本当はエレキが良かった。本当はフルメンバーが良かった!!
なんでアンプラグドライブになったのか。

その憤懣、悲しみ、悔しみを乗り切ってみせる。

「アナタを見てる たった一人のエルミート演算子」
「気づいて欲しい 恋心を秘めたガールズ観測者」

理系ポップな感じを目指したのになんか湿度が高くなった。
そんな歌を明るく歌い上げる。

「ψ(プサイ)の内積 下校時、随伴アドゥジョイント」
「この純情を解き明かす解法を」

「離散的にならず完全系で求めよ」

ジャジャッジャーンとアコースティックギターをかき鳴らす。

「ラーブラブラブ 愛の基底」
「好ーき好き好き ベクトルは?」
「全域性のハートの実在 キミにだけ確度を増していくよ」

「キーミが好きっ」

ラストにメロディアスにかき鳴らしてフィニッシュ。

北上 芹香 >  
「『波動関数☆オブザーバブル』でした」
「突然、理系ポップを歌いたくなって二週間、量子力学の本にかじりついて考えました」

水を飲む。エアコンが効いてても歌うと暑い。

「正直、歌いたいと思ったことを後悔するくらいムズかしかったです」
「量子力学とは何か? そんなことよりラブソングに寄せたほうが早かった!」

私は詞先なので歌詞を考えないと歌が作れない。
そして歌詞を考えたヤツ殺すと自分を呪いながら曲をつけるのです。

「そんなこんなでねー……」

チラ、と視聴者数を見る。
二桁人。

「今、この配信を見ているみんなはクラスメイトも同然でーす」
「常世学園は単位制だからクラスメイトとかあんまないけどね……」

北上 芹香 >  
「最近、常世渋谷のストリートで歌うことが多いんですが」
「ウケたりウケなかったりがライブと全然違うことを多くの人から教わってます」

「それじゃストリートじゃ全くウケないけど個人的に大好きな歌を歌おうかなー」
「聴いてください、『ブルーバード・ヘル』」

苦笑いしながらヘヴィーなリズムをアコギで刻む。

北上 芹香 >  
SNS時代への警鐘。と言えば聞こえはいいけど。
自分自身はTokotter中毒です。
地獄から来たようなリズムが刻まれる。

「誰も彼もが知らんぷり」
「燃え盛るヒトは見ないフリ」

「あなたは燃やす側の人? ならばヨシヨシ踊りましょ」
「あなたは燃える側の人? ならば哀れだ黙祷を」

「140字の地獄へようこそ!」

ギターをかき鳴らし、怨嗟を表現する。

「廃人! 廃人! 青い鳥の後塵!!」
「聖者の行進、時代遅れのサーカス開演だ」

「狂信! 狂信! 燃やせ狂人!!」
「見事な足の引っ張り合い、拍手喝采、笑えや笑え」

「welcome to This Hell!! 唱えっ青い鳥っ」

じゃじゃん、と最後にギターをひときわ大きくかき鳴らして。

「というわけでですね」
「夜中にこんな配信を見ている人はこの歌を聴いてください」

笑顔で地獄を押し付ける。

北上 芹香 >  
そんなこんなで配信は続いていく……

ご案内:「配信チャンネル」から北上 芹香さんが去りました。