2019/03/23 のログ
ご案内:「演習場 トレーニングルーム」にギルゲイオスさんが現れました。
ギルゲイオス > 「どうにもならぬな、基礎理論から考え直しっぽいのである」

(召喚陣のアレやコレを続けて、流石に疲れた魔王様。
現状では解決方法もすぐに見つかる感じでもなければ、とりあえず散歩でもして気分転換。
緩い足取りで、他の施設にもやってきた訳であるが)

「おー……随分速いのであるな。
え?アレでずっと走り続けてる?」

(感心の言葉をあげれば、近場を通りかかった一人から更なる追加情報。
へー、ほー。なんて呟きつつ、様子を伺いに近づいていく)

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > ――5km

徐々にルームランナーの速度を落とし、最終的に歩く程度の速さにする。
そのまましばらくクールダウンとして歩き続け、ルームランナーから降りる。
近くに置いてあったタオルで汗を拭いて、ペットボトルに入ったドリンクを一口。

「あの、何かご用ですか?」

結露で水滴が滴るほどに冷えていたドリンクも、すっかり室温になってしまっていた。
そんなドリンクを飲み下して、ようやく近づいてきた人物に声をかける>

ギルゲイオス > (走り続ける様子を暫くと観察していたが、その儀式じみたクールダウンが終わるまでは声をかけず。
ドリンクを呑み終えた辺りで、片手を軽くとヒラヒラ振った)

「いや、特にこれと言って用事はないのである。ちょいと気分転換に散歩しておったら、たまたま見かけたのでな」

(おおよそ、野次馬根性という奴だろうか。
改めて相手の様子をみやれば、それほどスタミナに優れた身体、という風にも見えない。
ちょいとばかりと、頭を横に傾けて)

「随分な身体能力の様であるな。此方の常人よりも、上に見える。
他の世界からきたクチであるかな?」

(外見上は、普通の人間とそう変わりはなさそうだが。とはいえ、別世界の人間、という可能性もある。
興味から、という感じの聞き方だ)

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「いえ、生まれも育ちも地球ですよ。
 もっとも、地球出身であるというだけで人間ではありませんが」

体力が並みの人間のそれとは違うと指摘されれば特に否定もせず頷く。
周りを見れば彼以外にも何やら野次馬―――
とまでは行かないがこちらを見ている人がちらほら。

「別に、空を飛んだり、火を噴いたりしてるわけじゃないんですから、
 人間でもこれくらいできる人はいるでしょう」

それこそ、マラソン選手とか。
とはいえ、体つきはマラソン選手とは違う。

「そういうあなたは生粋の人間、というわけではなさそうですけど」>

ギルゲイオス > 「地球、というのはこの星の事で合っておるよな。
ほう、そうなのか。それは失礼したのである。まぁ、人間の基準を何処で区切るかも難しい話であるがな」

(相手の姿は、ぱっと見れば人間の部類だろう。中身が違えば別ともいえるのだが。
突き詰めれば、哲学じみた話だ。
もっとも、『人外』と分類される存在は幾らでもこの島にいるので、気にしても仕方がない。例えば、彼女の目の前にいる存在とか)

「空を飛んだり、火を噴く人間もおるがな。
あんなに走り続けられるほど強靭な体には視えなかったのでな、ちょいと興味が、といった感じである」

(相手に掌を向けてから、その辺の通りがかり男性を示す。
あちらの方が、如何にもパワーありますよって感じだ)

「生粋に人間外であるよ。自己紹介が遅れたのである。
我が名はギルゲイオス、異世界の魔王である。以後お見知りおきを」

(唇で弧を描くような笑みを浮かべれば、何処か貴人じみた深い一礼を)

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「ええ、この星のことであってます。
 人類の平均を基準にするならまぁ…異能を持っていれば」

今の世の中、人類といっても異能を持つことがさして珍しくもない時代である。
異能を持たない人間から見れば自身もまま人並み外れた身体能力だろう。
しかし、何かしらの異能を持つ人間から見れば、自身の身体能力や異能はありふれたものだ。

「なんだ、あなたも人外じゃないですか。
 なら私なんてありふれた存在ですよ」

魔王、と聞いて少し困惑する。
いや、きっと本当なのだろうが、いまいちその凄みを理解できていない。

「えっと、、、私はラウラ・ニューリッキ・ユーティライネンです。
 一応、獣人ですが、ほとんど人間と見てもらって差し支えありません」

彼が自己紹介をすると、思い出したかのように自身も名乗る。
今まで訓練のつもりでいたので普通に話していたが、
いざこんなふうに自己紹介となると少し言葉に詰まった>

ギルゲイオス > 「そう人外にして、魔王である。人間から見れば異形異種たる魔族の国を統べる王である。
このたびは、此方の世界を征服すべく参上した――」

(口の端が大きくと上がれば、双眸を細め。背後には真っ黒なオーラが湧きあがり揺らめく)

「――という訳ではないので、安心してほしいのである。
此方の世界に従えば異邦人、ただの迷い子である。そもそも我の世界では、今のところ魔族と人間はそれなりに仲よくしておるのでな。敵意はないので安心してもらいたいのである」

(ぱっとオーラも消える、何時も通りに凄みの足りない魔王様)

「中々長い名前であるな。ラウラでよろしいかな?
ふむ、獣人……というと、耳やら尻尾やら?」

(とはいえ、そういうモノは見当たらなかった。
そして、魔王様の両手が不穏にワキワキと動く。そーっと頭とか触って、調べたくなっているご様子)

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「……なんです、悪い存在では無いというのだけはわかりました」

彼の半分コメディーめいた語り口調に置いてきぼりを喰らったかのように唖然とするが、
とりあえず悪い人ではなさそうだ。
敵意が無いのは言われるまでもなくわかっている。
今まで敵意と相まみえることの方が多かったのだから。

「はい、構いませんよ。ここでは皆ラウラと呼ぶので」

なかなか長い。そう言われると、嫌な顔一つせず了承する。
事実この国でこの名前は長いのだ。

「普段は耳も尻尾もありませんよ。
 獣人の血は1/8しか通っていませんから、異能を使った時しか出てこないんです」

もっとも、相手が魔王であってもセクハラ行為には
”相応の応酬”
を覚悟していただきますが。

そんな風にいう目は今までの一般人の目ではなく、
軍人として彼を見据えるわけで>

ギルゲイオス > 「お主、中々物静かなタイプであるな? 突っ込み力(ちから)が弱めなのである」

(さっくりとボケが流されて、ゆく当てのなくなった両手でろくろ回しをする魔王様。
もっとも、今までのやり取りで大体の人物が察せられるであろう感想なのだろうけど)

「ふむ、ではラウラで。
我もギルゲイオスでもギルでも、好きなようにしてくれれば構わぬよ」

(自己紹介を終えれば、コクコクと頷く。我ながら、この名前は此方の世界の響きとは違うようでもあるし。と)

「ふーむ、という事はほぼほぼ血は薄いのだな。異能というか、種族的な能力にも近いようには、思えるが。
ワーウルフの変身とか、そういう感じで――……ある、かな?」

(指が不規則に動いていた、の、だが。狼男の変身を想像した辺り。
ものっすごい、平たくいえば軽く人を殺せそうな視線が向けられれば、すーっと手が高度を落としていく)

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「物静かと言いますか、軽い人見知りでして」

訓練中とかならいいんですけど、日常会話になるとどうにも……
そんな風に言い訳をする。

「まぁ、もっと血が濃ければそう言うふうにもなるのですが、
 ここまで血が薄いと見た目の変化は耳と尻尾くらいです」

彼が手の動きを止めて下ろすのを見れば、
冷たく冷え切った視線は先ほどまでの視線へと戻っていく。
そういう切替は一般人と違う、二重人格を思わせる雰囲気だ>

ギルゲイオス > 「おぉなるほど、そういうのは人それぞれ個性であるな。
なんなら軽くとだけ手合せをしながら話すか?その方がやりやすいならであるが」

(あちょー、と。何かの映像作品にでも感化されたのだろうか。拳法もどきの様な構えを取る。あんまり強くなさそう)

「知り合いに思いっきり耳と尻尾が生えたヤツがおってな。まぁ、あやつもかなり人に近いタイプではあるが。
個人的には、とても興味があるところ、ではあるな。
もとの世界ではどうとも思わなかったのだが、此方の人間に感化されてしまったらしい」

(端的に言えば、萌え、という感情。
手は諦めた。代わりに、じーっと期待の籠った視線が向けられる)

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「私は格闘は専門ではないので、期待に応えられるかわかりませんが」

それでもいいなら軽く手合わせのお相手、しますよ。
彼がよくわからない構えを取ると、何かを面白く感じたのだろう、ふふっと、笑って見せる。

「きっとその知り合いの方が、私よりもよっぽど獣人と言えると思いますよ。
 もっとも、この島には獣人はたくさんいますけど」

自分はかなり中途半端な部類だ。
獣人とも、人間とも言えないから>

ギルゲイオス > 「気が合うな、我も単純なステゴロは余り強くないぞ?
直接ぶん殴り合うようなタイプではないのでな」

(器具や人のいない空白地帯まで先導して歩くと、腕をぐるんぐるとまわしてから。
やや腰を落とし気味に、右半身を半歩退く。先のふざけた構えに比べれば、随分とマシだ。
当然ながら、体格相当のリーチはある。力に関しても、50キロ以上はある剣を片手でブンブン振り回せるのだ、弱い訳でもない。
とはいえ格闘技術に優れている訳でもなければ、肉弾主体の異種程の身体能力があるという訳ではないのも、確かだ)

「比較的レア度は低いよの。
ふふーん、では我が勝ったら耳と尻尾を出している姿を見せてもらう事にしようか」

(視線はまっすぐと相手に向けて。
摺り足。じりっと間合いを詰めてゆく)

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「では、"人間として"相手をさせてもらいますね」

それなりに広い場所に移れば、お互いに構える。
彼の構えは先ほどの構えに比べればずいぶんと実用的だ。

「それでは」

少し間をおいて、動く。
単純な体格差だけで言えば、彼の方に相当に分がある。
いくら鍛えているとは言え、筋肉の量も、四肢のリーチも彼が数枚上を行く。
対してこちらの持ち味は、せいぜい身体の柔軟性と速度と言った程度だ。
武器も能力もない丸腰の状態では相当に不利。
しかしそれで諦めるほどヤワではない。

まず距離を詰めて初撃、身体を極端に落とし、上半身の筋肉をすべて使ったアッパー。
体格差の都合で当たれば拳は彼の腹部に入るだろう>

ギルゲイオス > 「そこは任せよう。
あくまで軽い手合せであるからな。不利になったからと言って、魔術ぶっ放したり肉体強化はせぬよ」

(左半身を前に出す事で、身体の中心を相手から遠ざけ、左面の腕や脚での受けを狙った構え。
代わりに右が下がる分、攻撃にはやや劣る。防御重視、或いはそこからカウンターにつなげるのが狙いだろうか。身軽に機動戦をする、という風でもない。
とはいえ、長身がジリジリと詰め寄ってくる様は、相応の威圧感もあるだろう)

「まぁ、基本はインファイトを狙うで、あるよな」

(体格差を考えれば、妥当な判断だ。同時に、初手から、更に振りの大きな攻撃となれば読みもしやすい所だ。
相手突き上げる拳に対して、迎撃に小さな動きで左肘撃ちでのガードを合わせつつ。
伸びあがる体の足元を狙うよう、脛に向かって軽めの左ローキックを放つ)

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「普段なら得物があるのですが、今はあいにく持ち合わせがないですから」

純粋な肉弾戦は久しい。
だからと言って、できないわけではないのだが。

こちらが放ったアッパーを受けられると、今度は下半身を狙ったローキック。
いくら素人とは言え、攻撃の仕方がわかりやすすぎただろうか。
ならば、今度は少し奇抜な動きをしてみよう。
右手を拳として振り上げた反動で下に落ちた左手、
姿勢を極端に低くしたおかげで左手が床をとらえる。
そのまま足を振り上げれば、彼のローキックを流すようにして、膝をガードしている腕へ。
いくら体格差があるとは言え、上半身に下半身の膝うちを喰らえば多少は響くだろう>

ギルゲイオス > 「まぁ、魔王が素手で殴り合うというのも、絵にならぬだろう?
持ち合わせているときは、相応にお相手するのである」

(くくっと、喉元で小さく笑う音がした。見栄えの問題であるが、王様としては見栄えも馬鹿には出来ないのだ。
各種耐性モリモリの豪奢な衣装を身に纏い、剣を片手になぎ倒し、魔術で木端微塵に吹き飛ばす。
こういうのが、おおよそ期待されている所だろう)

「おっと、中々……身軽なモノであるなっ」

(左腕には受け止める衝撃と、それでいて左足は――スカる。
蹴り脚が軽めだった分、体のブレは少ないが。ついで予想外の角度から飛んできた膝に、腕へと痺れるような感触と。
表情を幾分歪めつつ、ゆっくりと息を吐いて更に腰を落とし)

「ふんっ!」

(大よその構えは、今のままに。肘を曲げていた右腕、手の甲を顔側面を護るような位置へと。
蹴りに投げ出した足で地面を踏みしめ、気魄の声吐き捨て。相手の肘を受けた状態より、身を乗り出して肩口からぶつかりにいく)

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「いいじゃないですか。魔術なんか使わなくたってその身一つで強い魔王。
 絶対的な力は争いすら生みませんから」

装備を固めて魔術で攻撃して魔王になれるなら、魔王の中身は誰だっていいのだ。
そんなものがなくとも強い。それが魔王という絶対的立場に必要なものだと説く。

「――っと、さすがに力負けしますね」

さらに腰を落とし、足を踏み込んでぶつかってくる彼。
そのままぶつかれば身体が吹き飛んでしまうが、そこは柔軟に受け身を取ったようで一度距離をとる。
打撃が軽いためダメージが入らないのは非常に厄介だ。どう攻略しようかと試行を巡らせる>

ギルゲイオス > 「生憎と、魔王がおれば勇者も存在するのでな、絶対はありえぬよ。
魔術も力であるし、それに、力任せに暴れるのは王ではなくただの化け物ではないかな?」

(力だけであれば、そう間違った話でもないが。為政者となれば、その辺また違う話である。
まぁ話していないから行き違いも生じるが、力で支配する、なんて世代も既に終わっているのだ。
体当たりの体勢から呼吸を整えると、また元の構えへと戻ってゆく。
質量、体格は単純に強みだ。デカい=強いは基本的な公式である)

「ま、倒し倒されというよりかは、クリーンヒットが入ったらしまいにするかの」

(此方は防御を固めつつジリジリと攻めて詰めてゆけば優位。なので、提案した内容はどちらかと言えば相手に有利なものだろう。
トントンとつま先で床を叩けば、構えを解き。ぐっと身を落とせば、左手で床材に触れ――」

「では、ゆくぞ」

(よーい、ドン! 地面を蹴り出せば低い姿勢のまま、大柄が弾丸のようにまっすぐと。
意外にも軽めな足音と共に距離が詰まり、間合いの数歩外から、ダン、ダンッ、と重く踏みしめるような音に変わり。
最後、一足。床を踏み抜きそうな衝撃が響き渡ると、その勢いを乗せ。脇に構えた右腕が大きくと伸び。相手の正中線狙い。文字通りの正拳突き)

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「あら、別に暴れろと言っているわけではないんですよ?
 勿論知恵や知識はあった方がいい、それは力も同じ。
 片方だけと言わず、両方あるならそれに越したことはないわけです」

眠れる獅子、といったか。ひと昔の大国のことを。

「私の価値観ではクリーンヒットは死を意味するんですけどね?」

戦場でクリーンヒットはシャレにならない。
故に、こちらの一撃がクリーンヒットすれば場合によっては彼が死ぬことになるかもしれない。
さすがにこの場においてそれは大げさだが。

「腐っても軍人、正面からの攻撃は――カモですよ?」

正拳突き。実に強力な一撃だが、わかりやすい。
拳が突き出される瞬間、大きく上体を反らして仰け反れば、
鼻先を打撃がかすめていく。
そして右足を振り上げればその先は――金的。
多くの格闘技では禁則だが、あくまでこちらは軍人。
卑怯も卑劣も反則もない>

ギルゲイオス > 「争いを封じる程の絶対的力は、示さねば意味のないものだと思うのだがな。
持っておっても誰の目にも触れなければ、威とはなるまい。ま、我が言えた話ではないがな」

(自嘲気味に肩が揺れる。何時も通りに威厳のない魔王様だ)

「軽く手合せといっておるのに、何故命のやり取りに繋がるのか……」

(何とも言えない微妙な表情が魔王様をよぎる。
そのレベルで狙ってくるなら、此方も全力を出さざるを得ない。いややらないけども)

「無慈悲っ!?」

(腕が伸びきった辺り。盛大に風切り音がした辺り相応の威力だが、まぁそれだけである。
体格と勢いを乗せた一撃を放った直後に回避や防御にまわるのは、流石に素面の身体では無理と言うものである。
なんだかヤバい位置に向かって蹴りが――魔族とはいえ、ヒト型ベース、しかも男性型なので、当然弱点な訳で――身体と骨が軋むのを無視して、無理やり捻る、訳であるが)

「のぉおう!?」

(直撃は避けたが、掠った。ある意味、痛みという意味では一番強烈な部類だろう。
なんとも情けない悲鳴をあげれば、膝から崩れ落ち、悶絶する)

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「絶対的な力の誇示というのは、ある種平和への一番の近道だと私は信じています。
 その誇示の仕方に、配慮があるかどうかの問題です。
 ――言ってませんでしたっけ。私、これでも元は軍属ですので」

根本的に格闘技に対する考えが違うのだ。命は取らない。
でも、行動不能にする。
戦場で行動不能になれば死んだも同然。
つまり手合わせであっても、命を取らなくとも、膝をついたらそこで終わりなのだ。

「クリーンヒット、勝負ありましたね。
 慈悲なんてありません。じゃないと私の耳と尻尾、果ては貞操が危ぶまれますから」

やはり男を黙らせるにはこれが一番だ。
軍隊に居ても、軍隊を抜けても、この方法だけは間違いない。
クリーンヒットさせるだけならこちらに分があった。
不利を覆して叩きのめす。これぞ絶対的な力の誇示である。
そんなことを思う表情には、やや自信ありげなものが浮かんでいた>

ギルゲイオス > 「アレか、敵対する存在全てブチ殺せば平和が訪れる、みたいな感じであるかな? 極端な表現ではあるが。
配慮と言っても、それは単に都合の話で。暴力は暴力、殺しは殺し、戦争は戦争、ではないかな?
無論、必要に応じて行使することを否定する訳ではないが」

(魔王様の方が非暴力的な方向性を前提に話をする、なんだか不思議な光景である。
一国為政者として、必要な判断となれば躊躇う理由もないが。やらないに越した事がないのも、また事実ではある。
中々見た目に反して過激な事をいう様に、ちょいとばかり目を丸くした)

「おんのれ、狙う場所位加減するのである……まさか手合せでうっかり生殖能力奪われかけるとは思わなかったのである……」

(お゛お゛ぉ゛ぉ゛……と、怨嗟にも似たうめき声が喉から漏れる。男の子の弱点だからね、仕方ないね。
元の世界に戻った時、魔王様が玉無しになってたら騒ぎとかそういうレベルの話ではなくなってしまう。
急所を抑え込みながら暫くゴロンゴロンとしていたが、うめき声から絶え絶えな呼吸になり、そして深く繰り返して整える)

「見せるだけの話が何故貞操に……まぁよい、負けは負けである。
……という訳で、何かリクエストはあるか。飯ぐらいなら奢るのであるが」

(なお、まだ地面に横たわったままの魔王様)

ラウラ・ニューリッキ・ユーティライネン > 「ええ、その通りです。
 一度の戦争で敵が滅ぶか、従属すればこの上なくわかりやすい。
 話し合いができない相手にはそれしかありません。
 話し合いで済めば力の誇示など要らないのですから」

そう、怖がって誰も手を出してこないくらいが、お互いに不干渉でいいのだ。
獣人も、本来ならそうやって怖がられて、山の奥でひっそりと暮らすはずだったのだ。
力の拮抗は優位を求めて争いを生む。

「その程度でどうにかなるくらいヤワな身体ではないでしょう?
 それに、あの正拳突きだって当たっていれば人間の身体じゃ骨が粉々ですよ」

今まで幾度となく繰り出してきた金的、加減はわかっているつもりだ。

「どうせ見せれば触りたくなるんでしょう?
 さっきみたいな手つきをする人に見せればそれだけで危険ですよ。
 私はこの後予定がありますから、リクエストとかは特にありません。
 それでは、この辺で」

そう言って、ドリンクを持てば軽く頭を下げて、その場を後にするのだった>

ご案内:「演習場 トレーニングルーム」からラウラ・ニューリッキ・ユーティライネンさんが去りました。
ギルゲイオス > 「まー、此方を殺す事しか考えていない化け物の群れを相手にするのであれば話は別だが。
理性を持ったモノ同士であれば、武力は交渉へと持ち込むための手段と我は考えるがな。
話しあいで済ます為の力、であるよ」

(それこそ、全方位に針を向けて独立独歩を進むのであれば、彼女の言い分でも良さそう、ではあるが。
どちらかと言えば融和政策実行中の魔王様。思想の交わらなさに、ちょいとだけ首をかしげた)

「粉々とまでは言わんが、軽く吹き飛んではおっただろうな。もっとも、今までのやり取りからモロには喰らわないだろう、という予想の上であったが」

(しかし、この急所はヤワとかそういうレベルの部位ではない。女性には、分かりにくいと思われる。
何か防御策でも仕込むべきなのだろうか、とさえも思ってしまう有様で。
回復までは、たっぷりと時間がかかった)

「……見事に取り付くしまも無かったのである。物静か、というよりも冗談が通じにくいタイプであるかな?」

(やっとこさ色々落ち着いてきたので、仰向けにコロンとなる。
発言からして単純に人見知りとか、物静かとか、そいういうのとはまた違う感じであった。
まぁよいか、と上半身を持ち上げて。よっこらせっと起き上がって。
……違和感の残る部分を軽く摩った後、奇妙にひきつった歩き方でその場を後にするのだ)

ご案内:「演習場 トレーニングルーム」からギルゲイオスさんが去りました。