2020/07/29 のログ
ご案内:「修道院内-シスターの私室」にマルレーネさんが現れました。
ご案内:「修道院内-シスターの私室」に神名火 明さんが現れました。
■マルレーネ > 「何も無いんですけどねー………」
あはは、と苦笑いしながら客人を招き入れるシスター。
教会としての客人は数多くあれど、個人的な………逆に修道院でなくてもいい、という要件はそこまで多くも無い。
ちょびっと恥ずかしそうにしながらも、いつも通りの修道服姿の女性は、修道院の奥の扉を開いて。
「………まあその、何か足りないものがあったらすぐ買ってきますから。
何を飲まれます?」
約束通りにやってきた客人に微笑みかけながら、一応片付け残しが無いか、きょろきょろと。
この修道院の管理保守をしている異邦人シスター、マルレーネ。
■神名火 明 > 「うふふふ、マリーさんが居てくれたらそれだけで嬉しい~。懐かしいなーココ。入学したばっかりの頃はさあ、勝手に礼拝しに来てたよお」
私室に上げてもらうとわかりやすい上機嫌顔を見せちゃう。綺麗な人や格好良い人のお部屋にご訪問に胸を高鳴らせないほうが可笑しいわけだけど、テーブルに置かせてもらうずっしりした診療器具の鞄が色気を台無しにしちゃう。だからせめて友達らしく小瓶と菓子の包みも持参してきた。
「みてみてハーブティー。あとはマドレーヌ。教えてくれてる人程は上手じゃないんだけどね。いま淹れるから座ってて~」
自分でやってくれようとする彼女を一先ず椅子に座らせてお茶の準備をしましょう。白衣を脱いで椅子の背もたれにかけて身軽になった。背中を向けてお茶を煮出そう。
「お墓のお仕事まで引き受けたんだって~?」
■マルレーネ > 「私の今の家ですから、そりゃいますよー。 ……そうなんです?
ここ、綺麗にして使ってね、と言われた時からちょっと使われてた気配はしてたんですけど、明さんだったんですね。」
週1で診療に来てくれるという申し出に、友人として来てくださいと言っておいたのだけれども、持ってきた道具の量に苦笑はする。
まあ、確かに健康に気を遣わない方だからこそ、ありがたくないわけではない。
生来の身体の強さだけで何とかしてきた方だ。
「………あ、ぁあ、はい。 なんだかこう、家主のはずなのに……ごめんなさい。
……いぇ、あ、ああ、はい。」
仕事の内容まで突っ込まれれば、思わずびく、っとする。
……よく知ってますね、なんて呟きながら。
どの埋葬手段も撮れない共同墓地、そこを流石に一人では無理ではあるが、保守管理のメンバーとして掘ったり整備したり草をむしったりと、仕事は続けている。
■神名火 明 > 「忙しくなってからは全然だけどね~。不信心ものだよ~。礼拝したり友達と来たり――ああ、色々。見違えるくらい綺麗になってるよ」
沸騰させてから火を弱めて戻ってくる。お茶が出来るまでは時間がかかるから、椅子を引いて彼女と対面に座ります。隈は相変わらず浮いてるけどにっこり笑う。
「お仕事柄色んな人と会うからね、これマリーさんの事だなってわかるようになったの。最近なんか――あったらしいじゃない?そういうなんかの色々は私みたいな実習生には回ってこないんだけどさ」
もっとヤバい事はきっと「なんか――あった」事すら判らないようになってるんだろうなあ~。なんて考えながら手を消毒しながら向き合った。
「まずは腕からちょっと見せてね。もう治ってるだろうとは思うけど」
■マルレーネ > 「あはは、それを言ったら半年くらい旅に出て戻ってこなかったりとかするんですから、私の方がよっぽど。
……綺麗になっているならよかったです。
割と細かいところは気が付かないタイプというか。」
顔を見合わせててへ、と舌を出して笑いつつ、相手の言葉に目を細めて。
「そうですね、私も後処理ばかりではありましたけど。
………少しだけは聞きましたが、それはそれ。
私の周りは何も変わらないですよ。ちょっと海に行ったくらいで。
明さんの周りもお変わりはありませんか?」
袖をめくれば、すっかり傷も塞がって、包帯すら巻いていない腕が見えるかもしれない。
海に行ったという割には日焼けもしていないけれど。
■神名火 明 > 「熱中症の患者さんがちょっと増えたかな~。夏休みも休めないから辛いよ~。此処、本土よりも暑いんだよね。マリーさんもくれぐれも気をつけてね?」
保護シールを貼ったあたりを指で触って確かめてから満足げに頷いちゃう。力仕事で傷がまた広がることもあるだろうから心配だったのです。椅子にもたれて彼女の顔をじっと見て、この前の小型顕微鏡とは違う装置のついた眼鏡を顔にかけると立ち上がり、顎をそっと両手で支えて。
「ちょっと上向いてね。瞬きしないように」
じーっ。眼鏡ごしにシスターさんの綺麗な瞳を見つめちゃう。
■マルレーネ > 「そうですよね………。 こちらは割と、頼っていらっしゃる方も少ないというか。
今日もお掃除だけで終わってしまったところもありますから、お医者様は大変ですよね。
……ふふ、ありがとうございます。
でもこう見えても、そういったものには一度もなったことはありませんから、大丈夫ですよ。」
自分の胸をぽーん、と叩いてえへん、と自信満々に。
それでも、そっと顎を支えられれば瞳をじ、っと見つめられ、………。
……ちょっと顔が近いまま、まじまじと見つめられるその状況に恥ずかしくなってしまって、頬が赤く。
「………え、ええ、っと………。」
言われた通りに瞬きを我慢しながら、じぃ、っとレンズを覗き返して。我慢し続ければ目が痛いのか涙がじわっとたまる。
■神名火 明 > 眼鏡のフレームに装着されている装置が静かに駆動する。よく見れば鏡文字になった光の羅列がレンズに写り込んでいる。何かの情報を読み取るための医療器具です。すぐ傍だから吐息も聞かせて心拍ももしかしたら。頬を赤らめ涙ぐむ姿には思わず赤い舌で舌なめずりしちゃうのですが我慢我慢。
「はいありがとう~。もう大丈夫だよ。ふふふふ、可愛いお顔~。瞬きしぱしぱしてね」
ほっぺをぺちぺち叩いてあげてにっこり笑顔。眼鏡を外してケースに仕舞うと、白衣を脱いで自分の椅子の背もたれにかけてハーブを煮出しているポットの方に足を進めた。背中を向けて濾しながら語りかける。診療は終わりっていう感じ。
「本当に健康優良児さんだね~マリーさん。体でおかしいところとか今も無いでしょう。関節の具合とかはどうかな?」
■マルレーネ > 「……やーめーてくださいよぉ。」
何いってるんですかもう、と言いつつ、目を閉じてぐっと指で押さえて。
しぱしぱする。
「……え、今のでもう分かっちゃうんですか?
ああ、まあ、……今は本当に痛いところも無いですし、元気と言えば元気ですけれど。
関節も大丈夫ですよ。
こう見えて関節は柔らかい、ってよく言われますし。 痛みとかもありませんし……」
頑丈な身体。柔軟性もあるならば怪我も少ない。
だからこそ、ずっと働き詰めだったり、走り詰めだったりもできてしまうわけで。
■神名火 明 > 半透明の藤色のハーブティーでコップを満たす、爽やかな甘い香りがふわふわと室内に香る。お洒落なカップとかには拘らないので、テーブルに置いてから向かいに改めて座り直す。
「ううん?ぱっと見てわかるよ。本当に凄いお医者さんになると遠巻きに見ただけで全部当てちゃったりするよね。あとは個人的に触診させて欲しいかなってくらい」
両掌を胸の高さに上げてワキワキと両手の指を開閉してだらしない笑顔を見せるの。矢張り随分立派なものをお持ちだ。さてお茶を味わおう。あきくんの淹れる奴程じゃないけど美味しくなってる筈だし。化粧っけのない唇を潤した。
「元気なのはいいこと。だからって無理しすぎちゃうところがありそうだけどね。今まで健康なだけだから、暑さには本当に気をつけるように。じゃあマリー。これは友達としての質問なんだけどいいかな~?」
■マルレーネ > 「……ぱっと見。………もー、何言ってるんですか、冗談ばっかり。」
ほぉー、と感心していたところで触診などと言われて、もぅ、とくすくす笑いながら肩をつつく。
完璧に冗談だと思っているのか、恥ずかしがりもせずにお茶に口をつけて、ほ、っと穏やかに吐息をつく。
「うーん………私、お茶を入れるの、そこまで上手くないんですよね。美味しいです。
………ん? はい、何でもいいですよ。」
友人としての質問、と言われればカップをことん、と置いて相手の言葉に首を傾げて、質問を待つ。
■神名火 明 > 「あきくん――小鳥遊先生はもっと上手だよ~。植物学の先生ね。受講したら喜ぶと思う~。役に立つよ。食べられたりする野草とか、色々使える薬草とか教えてくれるの。お茶の淹れ方も教えてもらってるんだ~」
楽しそうに公私共に仲良くしている教師の事を語ってみる。自分があんまり受講しに行けないのもあって、興味がありそうな人にはとりあえず声を掛けて見るようにしている。旅に出るなら有用な知識だと思う。医療にも役に立つ非常に専門的な知識もあるし、フィールドワークはマリーさんに向いてると思った。
「え~っなんでもいいのォ~?じゃあウフフ、凄いことも聞いちゃおっかな~」
菓子包みを開いてマドレーヌを一口。どうぞってマリーさんにもお勧めしておく。美味しい。
「ちゃんと眠れてる?」
■マルレーネ > 「……先生の割に友達みたいに呼ばれるんですね?
悩むんですよね、それは考えたんですけど。
また旅に出たいなあ、なんて思ってしまうと困るじゃないですか。」
苦笑をしながら、ぽろりと本音を漏らす。
私、普通にどこかに出て行って戻ってこないとかありますよ? なんてぺろりと舌を出しつつ………。
マドレーヌを一口したところで質問をされて、ぴたりと止まる。
本来ならすぐに「大丈夫、と言いたくなるところだが、何でも見通されているような気がして。
「……時々眠れないことはあります。
できるだけ動くようにしていて、疲れてすーっと眠れるときはよく眠れたりするんですけど。」
本当のことを隠さずに口にしながら、マドレーヌをもう一口。美味しい。
■神名火 明 > 呼び方について聞かれちゃうと、にこぉ~って笑顔を返すの。
「旅か~、島の外に? その時は連れてってもらっちゃおうかな~」
にこにこ笑顔のまま。違う世界にって言うなら神様は残酷な性格だね、って思っちゃうけどあえて言わない。心配なの半分、一緒の旅路は楽しそうだな半分の気持ち。きっと嬉しい事故とかもある筈だし。
「健康な人って眠るのが上手な人なことが多くてさ。マリーも普段はそうでしょ。短い睡眠でもちゃんと回復できたり寝たい時にすっと寝れたり。眼球…おめめの状態が今日はちょっと気になって。心配事とか嫌な夢見るとか?」
鎮静作用のあるハーブと甘いもので幾らか楽になればいいんだけどね~。少し心に不健康の影がちらつくのは初めて会った時からちょっとあった。
■マルレーネ > 「こっちの世界だと、旅といってもほとんどの世界が地図に載って分かっているはずですから、同じような気持ちになることは難しいとは思いますけどねー………。
それに、なんだかんだいってお仕事はされるんでしょう?」
つん、っとにこにこ笑顔の明の額を突いてやりながら。
「………あー、そう、ですね。
逆に今寝ないといけない、ってプレッシャーが減ったからかもしれません。
この2時間で睡眠をとらないとダメ、とかが無くなって。
そのせいか、夢も確かに、見ますし。」
悪い夢も時々、やけにリアルに見ることもある。
目を伏せながら、その夢の記憶を振り払って。 にへ、と緩い笑顔を向けながらお茶に口をつけて。
■神名火 明 > 「なるほど冒険がしたいんだ?ロマンチックだな~、んぅっ」
突っつかれたおでこをさすってこっちもふにゃっと苦笑い。
「此処の医者を辞めても私が医者で居られるならそうかもね~。やっぱり疲れるからな~。もし私が旅に出たくなっちゃったら付き合ってくれる?」
医者は仕事で医療は全力。でも自分が医者をやりたいかは正直ちょっと判らない。向いてるとは思う。でも「お大事に」してくれる患者さんが此処は特に少ない気がするから色々疲れちゃうし。きちんと警告しても駄目になっちゃう人が居る。やっちゃう人が居る。マリー。目の前のあなたはどうでしょうか?
「生活リズムか。気候、重力や酸素とかも異邦人さんの元の世界によっては問題になる事もあるけど、緊張感が無いのが逆にみたいな感じか。そうだね、じゃあ今日は一緒にベッドで寝よう」
■マルレーネ > 「ロマンチックというか、勝手に入ったらダメなところばかりですよね。
……私、絶対問題を起こす気がしますし。
もちろん、旅に出たくなったらいつでも。 でも、ここで友人として島にいるのもいいな、と最近は思っていますからね。」
なんて笑いながら、よいしょ、と頭を撫でていきましょう。突くだけじゃなくて、優しい手つきも。
「…………どうしてそーなるんですか。
いいですってば、長椅子と毛布はたくさんありますから! 私は昔はよくそこで寝ることもありましたし!
………い、いやまあ、確かに二人でいけますかね……?」
立ち上がってベッドのそば。幅を手で測りつつ。
「……二人で寝ます?」
ちょっと恥ずかしそうにしながらも、相手から促されれば……割と素直に。
■神名火 明 > 「大丈夫、大丈夫!私って悪いコトも好きだからさ~。うふふふ、そっかそっか嬉しい。でも卒業間近だからね。外の病院にーなんてことになったらそうも言ってられない。もう出家しちゃおうかな?」
医者以外になるなんて考えた事も無かった。でも相手に要らない負担を強いることもない。友達同士の他愛ない遣り取りで満足。撫でられたら子犬みたいに嬉しそうにしちゃう。
「あのね~、睡眠の話しておいて医者がそんな事出来るわけないでしょ~?」
ほらほら!同衾を促して背中ぽんぽん!ベッドの方に。見ちゃうとむにゅむにゅ欠伸を噛み殺し。明日はお休み、爆睡出来ちゃう。本当の休日はそれこそ激しい事をする日なんだけど、友達が出来たからしょうがない。彼女が不承不承と承諾してくれたらもう笑顔が花みたいに咲いちゃう。
「えっへっへっへ~。でへへへ~。マリーが壁のほうでいいよ。私寝相良いから~」
■マルレーネ > 「二人で行ったら、いつか追い掛け回されるようなことになりそうですね?
いーんです? 私どっちかというと腕力で何とかするタイプですけれど。」
なんて、苦笑をしながら相手の夢に付き合いつつ。
二人でベッドの端へと。
「………あっ。」
あっ。
何かに気が付いたような顔で一瞬硬直する。
………視線を右に。 そして左に。
「………明さんはいつも寝る時はどんな格好されてますー?」
へへへ………へへへー………。こっちも負けず劣らずに何かありそうな笑顔と冷や汗を浮かべて、問いかける。
パジャマ持って無いのよ。
■神名火 明 > 「へ?」
すとん。スラックスを落として靴を脱いでワイシャツ一枚の姿に。
■マルレーネ > 「………あっ。」
何かを察した。なんか似たような感じだわ。
少し安心。
「……いえ、何でもないです。……それじゃあ、寝ましょうか。」
修道服を脱いでしまえば、下着姿にシャツ一枚。
まさに部屋着といった………部屋着にしてもちょっとゆるくない? って感じの恰好で、ぱふん、っと壁際のベッドに横になる。
……あ。
寝転がってから気が付いて、んー、っとブラを外し始めて。 リラックスしていることがよくわかる所作。
■神名火 明 > スラックスとネクタイも白衣のかかってる椅子のほうにぽーい。
「うん、寝よ寝よ~。私ってさ~、昔…あっ」
ベッドに乗り上げる。どうにか二人で眠れそうな感じ。こちらもまじまじとシャワーの時に堪能した肢体を視線でじっくり味わっていると戒めが解き放たれた。首をごきりと回す。そうだそうだ。
「マリー、私の外して~?」
ベッドの上で身体寄せて、ほら背中背中。ワイシャツ越しに頑張って貰いたい。
■マルレーネ > 「昔? なんですか?」
二人してベッドの上でもぞりと転がりながら、背中を向けてくる相手。
むしろ素直にワイシャツを捲りあげて、その中に腕を突っ込んで。素肌の背中に触れながらホックを外そうとする。
特に気にせず、ぷつり、っと外してあげれば一気に引き抜いて。
「………あー、よかった。 ちゃんとしたパジャマ持ってないんで、ちょっと緊張しちゃいました。」
背中側から安心したような声を出しつつも、捲りあげたワイシャツを戻してあげる。
掛け布団を軽く持ち上げれば、二人で一枚の掛布団。
■神名火 明 > 「ひゃ…!だ、大胆だねマリー…!そんなに行き成りは私も想定外っていうか神様が見てるっていうか…ああうんありがとうそうだよね」
特になんもなかった。興奮はちょっとがっかりになったけど笑顔のまま。そしたらほいって身体を乗り出して、彼女の頭の下に腕を敷いてみる。そんでもって前髪をシャワーの時のようにかき上げる。
「私けっこう大きくなってからも恐い夢見ることが多くてさ、そういう時お母さんが添い寝してくれてたんだよねこうやって。恥ずかしながら。だから一緒に寝ようって言ったの。でも暑いから却って寝苦しいかな?」
額に接吻を落とす。祝福と友情の場所。
■マルレーネ > 「……? なんです?」
とても残念なほどにおっとりとした気質の女。
当然のように何もないまま、腕を枕のように頭の下に入れられる。
髪の毛を掻き上げられれば、少しだけくすぐったそうに微笑んで………。
「……ん、大丈夫ですよ。
こうして寝るのはそれは、それで。 …………よく眠れそうな気が、します。」
ふふふ、と笑いながら額にキスを受けて、こちらはそのまま相手の二の腕に頭をのせたまま、こつんとそのまま頭を胸元に預けるように。背中に手を回して、自然に抱き枕にしてしまいつつ。
「……むしろ、暑かったら言ってくださいね?」
■神名火 明 > 「なんでもなーいー!」
なんでもあるけどー!弱ってる所につけ込んでアレコレなんて自分の主義に反している。変な事して嫌われてしまうのは絶対にイヤだ!なので色々な物を我慢しながら彼女を胸に受け止めた。母親がしてくれた事を彼女にしてあげる。よしよし。
「ゆっくり寝ていいよ。明日のご用事が何時から?起きれたら起こしてあげる。朝は残りのマドレーヌにまたお茶を出して、何かあるもので作ってあげるね。お母さんの料理程上手くはないけどね、栄養は満てんなの作るからね」
頭を抱きかかえてあげる。静かな心音を聞かせてあげる。害されるなら私が守ってあげる。
「おやすみなさい、マリー。良い夢を」
■マルレーネ > 夢を見る。
■マルレーネ > 暖かい、柔らかい感触は、安心を与える。
安心するということは、心が無防備になるということ。
だから。
彼女は牢獄の夢を見る。
心の緩みを見透かすように、すり潰された記憶が無理やりに蘇って。
心と身体を、丁寧に壊れた記憶が蘇って。
「………っ……」
知らず知らずのうちに、隣で寝ていた明の身体を抱きしめながら、びっしょりと汗をかいて震えていた。
もう、寝入ってから3時間近い。
■神名火 明 > 「う――ぐぅ…、はっ…」
圧迫感で目を覚ます。あまりに強く抱きしめられていたから暑気によった発汗で渇いた喉が鳴く。目が覚める。気づけば時間はもう深夜。体内時計で分かる。甘い時間を過ごしていれば起きたまま来ていたかもしれない時間。覚醒する。異変に――気づかないなんて!
「マリー…?」
起こそうとしたわけではなくまずはその様子を観察する。しっかり抱き返してやりながら圧迫はしないように。発熱を確かめ、震える身体が病症でないと判断する。
「マリーッ!起きて、大丈夫。大丈夫だから!」
呼びかけた。お迎えの天使って柄でもないけど。明らかに悪夢を見ている状態だ。
■マルレーネ > 「ひっ………!」
声で目が覚めれば、びくり、っと身体を震わせて身を縮こまらせ、何かの暴力に怯えているかのようなリアクション。
顔色は青く、……覗き込もうとすれば、さっと視線を逸らして俯いてしまって。
「………ご、めんなさい、起こしちゃい、ましたね。」
ふー、ふー、っと荒い吐息。ぐっしょりとシャツが濡れているくらいの発汗のまま、取り繕うように普段通りの言葉を発して。
首を二度、三度と横に振る。
■神名火 明 > 「マリー…」
眠るように死ぬという事もよくある。眠ったまま戻ってこれない症例も覚えがあるから、覚醒に安堵はしたけれどそれどころじゃない。怯えの様子を見て大きい声を上げてしまった事を悔やむ。無理に視線は追わずに、頭を軽く撫でてあげる。よしよし。恐かったね。
「…マリー。謝らないで。私を友達と思ってくれてるなら謝ることなんて何もない。深呼吸。目は瞑らずに…ゆっくり」
胸に抱きしめたのは落ち着いたら彼女から顔を上げてくれると思ったからだ。喉は渇いていないかという言葉を言おうとして飲み込んだ。何が彼女の恐怖心を煽るかどうか判ったものじゃなかったから。
■マルレーネ > 「…………大丈夫、大丈夫です。
ちょっとだけ、ちょっとだけ………変な夢を見ただけ、ですから。」
何度も、何度もゆっくり深呼吸をしながらも、抱きしめられるとお互いの柔らかい身体が重なり合って、………小動物か何かのように心拍数が跳ねあがっているけれど、……次第に、次第にゆっくりと。
「………普段は大丈夫なんですけどね、ちょっと、こんな風に寝る経験が少ないんで、昔を思い出したんですかねー。」
あはは、と笑いながら顔を挙げて、ふう、と少し大げさに汗をぬぐう仕草を入れる。
いつも通りの彼女に戻りながらも、ぎゅ、っと抱きしめてくる腕はそのままで。
■神名火 明 > 「大丈夫じゃない時に、大丈夫って言っちゃ駄目…!」
荒らげそうな声を必死に押し出そうとしたから不格好な声になっちゃった。駄目だと言っても駄目な時もある。自分も冷静にならなきゃいけない。深呼吸をする。彼女を包み込んでいた。自分が彼女に夢を見させたのかもしれない。気遣ったつもりが仇になった。母親との添い寝という対症療法は自分だから効いたものでしかなかったんだ。
「…ごめん。椅子で寝るね。何か欲しいものあったら持ってくるよ」
優しく撫でてあげる。優しく撫でてあげることしか出来ないのがもどかしかったが、自分が冷静にならなければならない。少し落ち着くまで待っていよう。椅子に居れば彼女が眠っている姿を観察出来る。何かあってもすぐに動ける。
「なんでも言って」
■マルレーネ > 「ここにいてください。」
撫でられながら、腕を離さない。ぎゅ、っとくっついたままに頭をこすりつけるような所作まで見せて。
ダメでーす、なんて、少しだけ笑いかけ。
「何でもって言うなら、このままがいいです。」
相手を医者としての使命に目覚めさせてしまった。
申し訳ない、なんて気持ちが逆にこっちの気持ちにも火をつける。
お互いのことばかりを考えながら、逃がすか、とばかりにごろん、と抱き合ったまま転がって馬乗りのように上になって。
「……これで逃げられないですよー?」
手首を掴んでベッドに押し付けながら、ふふー、っと悪戯っぽく笑う。
修道服を脱ぐと、ちょっぴり悪戯っぽくなるのだ。
■神名火 明 > 「ええっ?」
勿論お医者さんとして身体能力も鍛えてはいるけど彼女には叶いません。ぐるんと視界が天井に向いてさっきの診察の時とちがい、自分が彼女を見上げる形になってしまう。
「えっえっ。ええっ。え、いや、いいけど、こういうの嬉しくってドキドキしちゃうけど」
見上げた顔は赤くなっちゃって視線があちこちに動いちゃうけど、彼女の心が治ったわけじゃない。潤んだ碧眼は今はマリーだけを見ていた。嘘だなんて言わないけど虚勢が混ざっちゃってるのはわかる。今度は頬、親愛の場所に接吻。
「逃げないよ…逃げないようにしなくても。マリーの事、放って置いたりしない」
■マルレーネ > 「ちがいーますー。」
頬にキスされれば、ちょっとだけ青かった顔に朱が戻ってくるのだけれども。
それはそれとして、とっても不満そう。
「………今のままだと、私が守られてばっかりじゃないですか。
そういう経験が無かったのもまあありますけど。
がんばって同い年くらいなんですから、………一緒にいる時くらい、対等で眠るくらいはしたいじゃないですか。」
もう、と不満げに言いながら、今度はこっちから額にキス。
しようとして、直前でぎこちなくなる辺り、自然にやろうとして失敗したのが見え見えなんだけれど。
■神名火 明 > 額に受けた慣れない接吻がどんな祝福をくれるかはわからないけども、此方が叱れなくなっちゃう。
「だって、こういう時じゃないと、マリーは…大丈夫じゃないって言えないでしょ?」
ちょっと拗ねたような口調になってしまうけど、友達相手の顔にしちゃう。ベッドに身体を沈み込ませてマリーの体重を受け止めて。汗じみた肌を撫でて髪の毛をかき抱く。
「用法用量を守って"大事に"して欲しい」
事前にそう言ってもやってしまう人たちが居る事はずっと変わらない。胸が痛い。信仰と優しさという薬を服用し続けた超人がその果てに死んでしまう事が、その甘い滅びには行って欲しくない。こっちも逃さないためにぎゅって抱きしめちゃう。何処にも行かないでなんて言わない。でも悪夢を見ないようにはなって欲しい。
「私の事も受け止めてくれるなら、マリーの気持ちも今は受け止めてあげる」
■マルレーネ > 「こういう時だからこそ、大丈夫って言いたいんですよ。」
「………でも、そうですね。
まあ、自分で言うのもなんですけど、アレを見せといて、いきなり大丈夫って言っても信用しづらいですよね。」
あはは、と笑いながら頬をぽりぽりと掻いて。
自分でも無理があると判断したのか、ぎゅっと抱き着いたまま頭を撫でて。
「そりゃ、見ますよ。 悪い夢の一つ二つ。
嫌な気持ちにもなりますよ。
そういう時に、雪山の上に一人ぼっちとかだと、もういいかなーって思っちゃったりとかするんですよね。」
「今は思わないんです。もうちょっとこうしていたいんです。
………これが今の私の気持ち。」
囁きながら、耳にも軽く唇を当てて。
「……えへへ。」
やっといて照れた。