2020/09/14 のログ
ご案内:「常世学園付属常世総合病院・個室」に角鹿建悟さんが現れました。
■生活委員会役員 > 「――と、言う訳だ。生活委員会傘下・第九修繕特務部隊所属の――角鹿建悟君。君は服務規程違反、及び幾つか”余罪”もある。…相応に重い処置になるのは理解してくれ給え」
眼鏡を掛けた生活委員会の上級役員らしき男が、その奥から怜悧で冷たい目でベッドの上の少年へと告げる。
「それと、風紀の――《嗤う妖精》からの進言により、君は暫く入院して貰う。
当然、仕事も禁止――更に、期限は未定だが異能封印処置もさせて貰った。君の手首のリストバンドがそれだ」
淡々と要件を告げながら、役員の男は少年の左手首に付けられた黒いリストバンドを指し示す。
ご案内:「常世学園付属常世総合病院・個室」に角鹿建悟さんが現れました。
■角鹿建悟 > 「―――……。」
銀色の瞳には全くと言っていいほど、覇気も生気も無い。死人の方がまだ”生きている”くらいには酷いだろう。
緩慢な動作で、左手首に付けられた黒いリストバンドを眺める…が、直ぐに興味が失せたかのように視線を逸らす。
「――”親方”や先輩方は――何か言ってましたか?」
その声は若干枯れ気味だ。ここ数日深い眠りと、突然絶叫と共に目覚めるのを繰り返している。
――結果的に満足に休めていないのが丸分かりだ。役員の男はただこちらを淡々と見つめている。
■生活委員会役員 > 「――”今は休め”。そして”自分を見つめ直せ”…と、言伝を受けている。それともう一つ。」
そこで一度言葉を切れば、冷めた視線が意気消沈している少年へと向けられたまま
「――”直す事だけがお前の取り得じゃない”ともな。偉く気に入られているようだ」
そう、肩を竦めれば踵を返して役員の男はそのまま病室を出て行く。
――最後に、一度だけ少年へと振り返り。
「――この程度で折れるならそれまでの男という事だ。”常世の直し屋”君」
そして、男は静かに扉を閉めて立ち去っていく。後には少年一人が残される。
■角鹿建悟 > 「―――常世の直し屋…か。」
――見事に自分を圧し折られたのに、それは最大限の皮肉だろうか?人が悪い。
肉体もボロボロで精神も折られ、そして能力すら封じられてこうしてただ時間を過ごす事しか出来ない。
――ふと部屋の一角にある鏡を眺める…死んだ瞳に目のクマも酷い。…誰だこいつは?…嗚呼、俺か。
「………これが俺の”末路”…か」
いや、末路には至っていないが、その手前という所か。どのみち今の自分は何もやる気が起きない。
食欲は全然沸かない。眠りは深くても毎度毎度”あの光景”がリフレインして起こされる。
――何処か冷静な部分が、ああ心を折られる、ってこういう事なのか…と、妙に納得していた。
窓の外を眺める――気が付いたら空はもう茜色だ。容態が多少落ち着いたので。面会謝絶は解除されたけれど。
ご案内:「常世学園付属常世総合病院・個室」に持流 童男さんが現れました。
■持流 童男 > どうやら、生活委員の一人が倒れたらしい。
誰かも分からないが。
だけどーーー倒れる程無茶をしたのだ。
見舞いくらいしたい。お節介である要は。
個室の扉を開けて、中に入る。お見舞いの物を持って
「某の名前は、持流童男。
お節介の風紀委員の童男でござるよ。
お見舞いをしにきたでござる。・・・頑張りすぎたお主への」
一言自己紹介をして
流れるようにしっかりと言った。
そして少年を見つめる。
「一応おせっかいで聞くでござる。どうして、そんなになるまで、がんばり続けたでござるか」
少年を見る。穏やかな表情で
■角鹿建悟 > 「―――…?」
個室の扉が開く音に、そちらへと視線を向ける。以前までの無表情と同じだが、変わっているのは、瞳に完全に生気がない…死人と同じだ。
持流童男――風紀委員…あの悪友と同じか。しかし彼の事はこちらは全く知らない赤の他人だ。
――どうやら、お節介という名目のお見舞いらしいが――もっと別の誰かを見舞う方が有意義ではないだろうか?
「――なんで初対面のアンタにそれを喋る必要がある?」
声は淡々としていて、死んだ瞳は全く反応が無い。幾ら砕かれてずたぼろでも、誰彼構わず吐き出したい訳でもない。
(…誰かに話して楽になる、とかそんなありきたりは別に望んではいないしな)
そもそも、吐き出した所で折れたモノは戻らない。一度瞳を閉じてゆっくりと息を吐き出す。
「――わざわざ見舞いに来てくれたのは感謝する…が、小耳に挟んだが風紀も何人かここに担ぎこまれたらしい。
――そちらを優先するべきだと俺は思うが?」
――そして、ゆっくりと死んだ瞳を開いて相手を眺める。
■持流 童男 > その死んだ目に、にっとにかっと笑う。
「そちらは別にふさわしい者たちがいくでござろう。
某には、別にいく必要ないでござるよ。」
そう冗談めかして笑う。
しっかりと見つめる。少年を。
この目、死んだ目は、知っている。自分もそうだったから
椅子に座りながらも、リンゴを向いていく。
「・・・おせっかいでござる。それに知りたいからでござるからな。
お主のこと。分かり合うにはまず、話し合いでござるから」
そう、真っすぐに笑う。
そして
「ちょっとは楽になるかもしれないでござるよ。
初対面でござるが。話してみるでいいでござる。
お主は子供なのだから。大人にどんっと。」
そう少年に、リンゴを向きながら言う。
■角鹿建悟 > 「――そもそも、俺の事は何処から?殆ど知られていない筈なんだが」
男は知らないが、今は自分の悪友や鉄火の支配者など有名人が入院している。
同じ風紀委員の面子であるなら、そちらの情報は手に入るとしても少年は生活委員だ。
「――相応しい、相応しくないはあまり関係ないと思うぞ…少なくとも、赤の他人の俺の所に来るよりは有意義だろう」
行く必要が無い、というのはその風紀の仲間を大事に思っているのだろうか?顔見せくらいいいのでは?と、いう素朴な疑問だ。
――まぁ、自分が気にかける事でもないか。今はあれこれ考えたくない。疲れる…。
「――いや、だから別に話す事は無いんだが…世間話でもしろって事か?」
少なくとも、初対面の男にあれこれ吐き出す程に口は軽くないし、そんな気力は無い。
――いや、この風紀委員会の彼は本当に何でまた初対面の自分の下に来たのか、さっぱり分からない。
しかも気が付いたら椅子に座ってリンゴを剥いていた…いや、じっくり話すつもりかこの人は。
「――大人とか子供以前に、今はそういう気は起きないんだよ…頼むから、根掘り葉掘りは聞かないでくれ」
まだ世間話なら多少は付き合うが、自分が”折れた”出来事を話す、というのは相応に苦しい。
今でも眠れずに飛び起きたりするのに、それを蒸し返すのは流石に勘弁して貰いたい所だ。
(…とはいえ、見舞いに来てくれたのを追い返すのも悪いしな…)
死んだ瞳を閉じて溜息…また、何で俺なんかの所に来たんだこの風紀の男は。
■持流 童男 > 「っとすまない!そりゃそうだ!!
お主いまいろいろとすさまじいことになってるでござるからな。
初対面の人に言われるよりはまだ、知り合いの人のほうがいいか。」
そうリンゴを向いていくうさちゃんだ!!!
立派なうさちゃんを皿に盛りつけつつも
「それは教えられないでござるなぁふふふふふふ」
そう冗談めかして笑う。というか伏せる。
某にも言えないことはある・・!
「じゃあ世間話でもするでござるか。」
話題を切り替える。世間話を向き合いながらもする
あの話がちょうどいいでござるな
「そういえば、この間、生活費をつぎ込んで、
エロゲを買いに行ったんでござるが。
少女殿に思いきり、財布を隠されたんでござるよ。
いやーまいったまいった。
だけどどうにか、財布を見つけてエッチなゲーム買いに行ったよ!」
はっはっはと快活に笑う。
■角鹿建悟 > 「――凄まじい、という程でもないさ…。」
少なくとも、あの先輩からしたら大した事はしていないのだろう。『脆いな――』と、意識が完全に落ちる直前に呟かれたのを覚えている。
――ああ、俺はこんなにも脆い。お陰で見事にこの様だ。物は直せても自分自身は全く直せやしない。
「――独自の情報網でもあるのか、アンタは?…まぁ、別に無理に聞く趣味はないが。(あと、何でウサギなんだ…)」
冗談めかして笑う男を、軽い嘆息交じりに死んだ瞳で眺める。食欲も殆ど無いのだがどうしたものか…、。
「――すまん、エロゲーというのがそもそも分からん」
死んだ瞳のまま、淡々と一言。残念ながら、この島に来てから6年間、直す事を最優先にしてきた。
サブカルチャーとかはかなり疎いし、流行も疎い。要するにあまり最近の話題は話しが合わない恐れがある。
彼が悪いのではなく、男がそれだけ色々切り捨てて直す事に傾けてきただけだ。
■持流 童男 > 「お、エロゲを知らないでござるか。
いいものでござるよエロゲ。やってみるでござる?
なかなか面白いでござるよ。お主がいいならいいでござるが」
そうにっと少年に語り掛ける。
サブカルチャーを知らないとは、うむむこれはこちらの道に入れなければ
にやりとしつつも。バッグからパッケージをちらっと取り出す
「お主にはこういったエロゲとか教えてくれる友達いなかったでござるか?
何もなかったわけじゃないんでござろう。」
そう少年に問いただす。バッグからリンゴを取り出す。剥いてみる
今度はかばさんに挑戦だ。
■角鹿建悟 > 「――いや、悪いが今は特に何かをやる気力が沸かないから遠慮させて貰う…まぁ、気持ちだけありがとう」
緩く頭を下げる。実際、今は何もやる気が起きない…暇さえあれば何かを直していたが、それすら出来ない。
――そもそも。今の自分じゃ例え能力が封印されていなくても、まともに何かを直せる気が全くしない。
ちらり、とバッグから覗くパッケージを死んだ瞳で一瞥するが関心は無さそうだ。
「――流石に居ないな。(英治にも流石にえろげー、については何も言われた事無かったし)」
問い質されても、年頃のあれこれを犠牲にして直す事に没頭していたのだ。
そんな思い出は”無い”。――まぁ、それが今ではこの有様だけれども。
(…まだリンゴを剥くのか…と、いうか意外と器用だなこの人は)
■持流 童男 > 「そうでござるか。お主は、一人ぼっちで頑張ってきたんでござるな。多分、推測でござるがな。」
倒れたという情報、そして友達がいないということ
それらはおそらく一人で頑張ったということだったと思う
「・・・お主の周りに、周りに何か止めてくれる奴はいなかったのか、心配してくれる奴はいなかったのでござるか。
某には、お主のこと何もわからないでござるけど。
こうなるまで無茶をしたのならば。」
そう、かばさんを作っていく。うん、うまくできたな。
ふたつのかばさんを皿に盛りつける。
「自己犠牲の末には何もない不幸しか生まないでござるよ。
某もそうでござったからな。
自分の内面と向かい会いなよ、そして君の周りをよく見てみなよ。
辛かったら頼りな。君の周りを。
迷ったら、君のオリジンを見つけるんだ。原点ってやつを
君が本当にそれを何でしたかったか、ていう、原点っていうやつを。
知った風な口を利いて悪いけどね。」
次は一匹のウサギの周りに二体のかばさんを盛り付けていく
りんごを向いていく、次は燕だ。
■角鹿建悟 > 「―――…別に、俺は単独で直す仕事をしていた訳ではないけどな」
そもそも修繕部隊、だ。服務規程違反で仕事も暫くは禁止、能力も封じられているが…そもそもチームの一員である。
――独断専行があったのは否定しない。少なくとも生活委員会の管理は問題ない。自分が悪い、とそう証言も既にしている。
――それと、友人は流石に居る。だが、それとこれとは別だ。直す事を”上”に置いてこの6年ひたすら直してきた。
「――…。」
彼の問い掛けには沈黙する。きっと、止めようとしたり心配してくれた人は沢山居た。
――だが、その全てを振り切って直し続けてきた。――そして、あっけなく止められた。
「――原点、か」
過去は捨てた。両親?”そんなものは居ない”。故郷だってもう記憶から消した。
――ああ、だけど。自分の原点は何だっただろうか――もう、それすら思い出せない。
「―――ご忠告痛み入るよ」
だから、淡々とそう答える。感情は出さない、思考も口にしない、何も表に出さない。
そう簡単に吐き出せたら、もっと早く自分は折れてしまっていただろうから。
そもそも、だ。――誰かに頼る?どうすればいいんだ、そんなの。分かる訳が無いだろう。
増えていくリンゴのアートを眺めつつ、死んだ瞳に光が戻る気配は全く無い。
■持流 童男 > 「くっくっく、感情を表に出さないようにしてるのバレバレでござるよ。
某でもわかるでござる。初対面の某でも。」
そうふっといいながらも、そうでござるな。
そう言いながらも
「お主にとっての、憧れはなんだったんでござるか。
独りぼっちじゃこうなるでござる。
だったら次はどうするでござる。」
そう、燕を作っていく。
そして燕を盛り付けていく
「人には限界がある。
だから手を取り合うために
補うために。
人を頼れ、友達に助けてって言えばいい。
仲間に泣き叫んで、助けてって言えばいい。
簡単なことでござるよ
そうすりゃ。」
そう言いながらも、3つの燕が完成していく
「いつの間にか、友達っていうのは増えてる。
お主に世話を焼きたい人も増えてるでござる。
そのうちの一人が某でもある。
そこに垣根なんてもんはないでござるよ。」
いつの間にかウサギさんの隣には、
2体のかばさんと3体の燕が
いた。
■角鹿建悟 > 「―――……。」
軽く目を閉じて一息。いきなり来たかと思えば、知ったかのように口にする。
――正直に言うなら不快だ。そのくらいの感情の動きはある。だが、完全に彼の言葉を無碍にも出来ないのは確かだ。
「―――そこまでだ。ただの世間話にしては”踏み込み過ぎ”じゃないのか?」
――だから、待ったを掛ける。そもそも、世間話というがこちらの内面を引き出そうとしているだろう、これは。
彼の見た目は明らかにこちらより年上なので、年の功というやつなのかもしれないが。
(――そもそも。今は何もやる気が起きないんだ…直す以外に俺に何が出来る?)
――”何も出来ない”。それが俺の”末路”だ。丁度今みたいに…。
「――悪いな、持流さん、話はここまでにしてくれ。…まだまだ体の調子が悪くてな」
言い訳、のように聞こえるかもしれないが体の調子が全然なのは嘘でもない。
そもそも、食欲不振に睡眠不足、突然眩暈や吐き気を起こしたりするし、今まで無理してきた反動が一気に噴出しているようだ。
(――今の俺に出来る事なんて何も無い。)
砕けて、沈んで、落ちて。今の角鹿建悟に出来る事は――…
■角鹿建悟 > 「――砕けた歯車時計に何の価値があるんだよ」
■角鹿建悟 > だから、一言だけ。静かに、淡々と、そして暗く死んだ瞳のまま、彼ではない何処かを見て口にするのみ。
■持流 童男 > 少しだけ笑う。
そして、その答えならすでにできている。
■持流 童男 > 「----お主は 人だ。 道具ではない。」
■持流 童男 > 「お主はお主でござろうが。」
■持流 童男 > 「まぁこれ以上は某がいうのはあれでござるな。」
そう少しだけ笑う。
「だけど、一言言っとくでござる。
今は休め。少年。それで。頼れ。
それで、お主が立ち上がって、
お主がをかっこよくピンチの時に駆けつけてくれるのを某は楽しみにしてるでござるよ」
「自分を見て周りもゆっくり見てみなよ」
そう席を立とうとする。
■角鹿建悟 > 彼の言葉を聞く。人であって道具ではない――確かにその通りだ。納得する。
だけど、納得はするし、理解はしても――直す事以外に自分に何の価値がある?
「――ああ、その通りだろうな…確かにそうだとも。」
けどな?
自分を道具にしてでも、
自分は”直したい”と、”直さなければ”と、
そう思い続けて――無駄と思われようが無茶と言われようが、6年間走り続けて――
(――ああ、俺は…いっそ最後まで走り抜けて砕けたかった)
だけど、それはもう叶わない事だ。今の自分はただの残骸みたいなもの。
立ち上がり方も、自分がどうしたいのかも、何も分からない。
「…アンタがお節介焼きなのはよく分かった…次はちゃんと他の風紀の見舞いに行ってやれ。」
肩の力を抜いたようにベッドに倒れこむ。疲れた。