2021/10/28 のログ
ご案内:「はろうぃん幽霊とりしまり隊」に幣美奈穂さんが現れました。
幣美奈穂 >  
うぬぬ。
今年のはろうぃん、いつもより不法入島している怪異さんや幽霊さんが多い感じがします。
あそこのお店で『かんぱ~い!』としている大学生ぐらいに見える、吸血鬼さんやゾンビさん、お耳が映えた獣人さんとか。
こっちのお店で『いらっしゃいいらっしゃい。ハロウィンバーゲンですよ!』と呼び掛けている魔女さん。
空に浮かんでいる幽霊さんも数が多いです。
あっちでもこっちでも見かける怪異の量、きちんと届けがある怪異さんもいるのでしょうが、
その届け出は例年と変わらないようですが。
特に幽霊さんが多いようで――そう、どうやら誰かが幽霊が来る《隙間》を空けたのかもしれません。
とりあえず、悪戯したいという狼男さんに、鞘の先で脇腹つんつんして教育的指導です。
悪戯してはいけません!

というか、普通に見える美奈穂には、結構幽霊さんが多く見えます。
あっ、ぴこぴこなるそのお店、未成年は立ち入り禁止です!
と、しっしっ、と離れるようにと。
生身かどうか当たればわかる?
残念ながら美奈穂、幽体とかも普通に当てられます。
どちらかというと、幽体な幽霊さん、特に穢れがあるとダメージ大に。

「あっ、ここからっ!」

隙間が空きやすい裏路地とか、お店とお店の普通の人では通れないような狭い隙間。
そういうところ、要注意です。
淀みやすいと言いますか、普通の方の目がいかないので《生》があやふやになるのです。
結構おおきいっ《穴》です!
美奈穂、そんな狭い幅に入っていってみると、思ったより大きく、
そして奥にまだあるようです。
表で見つかりにくいならと、その中にのこのこ入っていきます。
そういう《ずれた》場所、神隠しなどの原因にもなるものですが。
普通の世界ならともかく、そっちの場所だと出るところに特に困らない。
結界などを襖を開けるように、気軽に通り抜ける美奈穂だからです。

幣美奈穂 >  
入ってきた《穴》。
その周囲に卓上塩を振っておいて封をしておきます。
無理矢理にと、力あるものなら敗れるかもしれませんが、そこそこは強力な封。
ここを通って現世に出て行かないように応急処置です。

「あ~、ここにも小さな穴が開いておりますわ」

きょろきょろしますと、映世に繋がっているような小さな穴。
ねずみ穴程度の大きさ。
こういうところ通って行ったりもするのねー、と。
覗いてみると、なんか倉庫っぽい中のようです。
穴、ぎゅっ、ぎゅっ、と閉めておきます。

距離も関係なく、どこに繋がるかは判りにくい。
まぁまぁ映世とどこはかとなく、という程度で、商店街から入りましたが、
隣の穴が農業区に繋がっていてもおかしくないのです。
いえ、もっと遠くだって。
ここは隠世と現世の間ぐらいみたいですね、あっ、こんにちはです。
ごとごとすれ違う、笠を被ったお地蔵様7体へご挨拶です。

「こっちは・・あっ、こっちはあの世の方ですからこのままでいいですわね」

さてさて、何か方向づけするなどしていると思うのですが、それがどういうものか。
知らなければ見つけるのはとても難しいです。
わかりやすーく、邪悪な儀式とか、バーゲンセールの様に押し合いへし合いしてたりとか、
そういうのがあればすぐわかるのですが。
ちょっと切っ掛けを与えるだけのようなのは結構、見つけるのが美奈穂でも難しいのです。

幣美奈穂 >  
次に覗いてみるのは、細長い隙間。
向こう側、暗いです。
それにちょっと埃っぽい感じ。
けほりっ。

う~ん、こういう隙間からよく幽霊さんが覗いたり、
無理矢理通ったりして現世に出たりしますけど。
どうしたものかです。
程よい感じなバランスが大事です。
大きな、おかしく開けられた《穴》なら判りやすく、そういうのは閉じちゃったりすればいいのですが。
自然なのは残しておいた方がいいことも少なくないのです。

1人幽霊見つけたら、30人は現世に出てきているといいます。
日本的幽霊さんなら脚があるなしで、で判りやすいこともあるのですけど。
最近は日本人でも足つき幽霊さんが増えた、とお年寄りからは聞きます。
足、飾りだって赤い人は言っておられましたというのも聞きます。
はろうぃんの間に見かける幽霊さんは、足がある方が多いです。
それもまるで生きているかのように生気があり、肉体的な存在感まである、
強いのか弱いのかわからない、まるで人そのもののような幽霊が多いです。

この隙間、向こう、どこかしら~、と。
もう少し見えないか、向こうの隙間が広がらないか。
本棚っぽい背中のそこを、鞘の先でえいえいごつごつ、ちょっとずらそうとしてみるのです。

ご案内:「はろうぃん幽霊とりしまり隊」に芥子風 菖蒲さんが現れました。
芥子風 菖蒲 >  
こういうイベントの時期は人が多い。
騒ぎたがるって言うのは、こういう島でも変わらないらしい。
少年はこれと言って祭り事に興味が無い。
ただ、楽しんでいる人を外側で見るのは好きだった。

「…………」

人込みをひょいひょい抜ける黒いそよ風。
騒がしいからこそ、トラブルの匂いがする。
そう言うのを取り締まる、または抑止と成るのも風紀の役目だ。
青空の様な双眸がきょろきょろと人々を見渡していると…。

「……ん……?」

そんなこんなしていると知り合いの後姿が見える。
何をしているんだろうか。なんか、何かの隙間を必死に覗いているような。
小銭でも落としたのかな。そそくさと近づいて、後ろから声を掛けた。

「ねぇ、美奈穂……姉さま?何してるの?」

幣美奈穂 >  
「えいっ、えいっ!」

いつも持っている、鈴の付いた刀の鞘。
その先、突いても大丈夫なように少し頑丈。
そこで、空間の向こうをつついてつついて。
あっ、ここ、あそこです!
美奈穂の知っている場所です。
急いで戻り、お地蔵様とまたすれ違いご挨拶。
ぐるりと回り、《穴》からするりと出て、こっちにも卓上塩フリフリで念のために封を。

そして、商店街を南に行き、幾つめかの路地に少し入れば、目指す自動販売機。
ここですここです、と、自動販売機と壁の隙間の暗がりをえいえいっ、とつつきます。
幾度目かで、霊的にすかっと奥にある穴が確かにあります。

「じゃあ、ここを・・きゃっ!?」

お声を掛けられて、ちょっと?びっくりっ!
小さく飛び上がるようにびっくりした姿を見せた美奈穂。
後ろを振り向けば、菖蒲様だというのがわかり、ほっとします。

「もう、びっくりしましたわ――お仕事です!
 ほら、ここの奥に。
 隠世と繋がっている《穴》がありますの。
 きっと、幽霊さんがにょろにょろ出てきている《穴》の1つですわ!」

ほらほら、と自動販売機の後ろを示すのです。
霊的な《穴》が見えるかどうかは人しだいでしょうか。

芥子風 菖蒲 >  
「…………」

なんだか何かを忙しなく突いているような。
ついでになんか撒いているような。あれは砂?
いや、砂ではなさそうだ。
なんだかはらはらと白いのが……砂糖?塩?

「………?」

少年は結構訝しげだった。
そりゃもう、傍から見ると中々不思議な事をしているものだから。
確かに彼女は、ちょっとこう、なんというか。
雰囲気が元々不思議な感じは在ったが、不可解な行動をするような子だっただろうか。
……ちょっとしそうだなぁ。少年の内心は結構失礼。

「ごめん、そんなに驚くとは思わなかったけど……穴?」

何、と言って自販機の後ろを見やった。

「…………」

じ、と目を凝らすと確かに"何か"の気配を感じる。
余りいい感じがしないのは、少年がまだ生者だからだろうか。
とは言え、あるのがわかるだけで見えてはいないようだ。
彼女の様に穴を突けるかどうかは、やってみないとわからない。

「んー……確かに何かあるっぽいけど、穴は見えないよ?」