2021/12/22 のログ
ご案内:「幻想生物学準備室」に暁 名無さんが現れました。
ご案内:「幻想生物学準備室」にセレネさんが現れました。
■暁 名無 > 「さて、そろそろかな……と。」
放課後、夕陽もそろそろ沈もうかという頃合い。
ようやく慣れてきた感じのする紅茶の用意をしながら、俺は時計を確認した。
紅茶というのは一から用意すると何かと手間が掛かるもので、
最初の内こそ不慣れ故に失敗が多かったが、最近ようやく人に出せる程度にはなってきた……と思いたい。
……と言ってもまあ、此処まで来て紅茶飲む人なんてそうそう居ないのだが。
「変なとこで凝り性なの、我ながら面倒だな……」
麦茶作り置きするくらいの感覚で居たらもっと細かかった。
ここまで細かいといっそ徹底的にやってやろう、という気になって今日に至る。
薬缶に温度計突っ込んでるの、冷静に見ると珍妙だな……
「とりあえず一旦火は止めといて、あとは来てからで良いか……」
慣れてきたとはいえ精神を使うのに変わりはなく。
ちょっとした疲労感を抱えて俺はソファに腰を下ろした。
そうしてほぼ唯一と言っていい、紅茶を所望する来客を待つ。
■セレネ > 適当な紙袋に入れた手土産を手に幻生研究室…基、準備室へと歩む月色。
昨夜作成したシュトーレン、
贈る相手は酒が飲めるのでラム酒に漬けたドライフルーツを練り込んだ生地。
口に合えば良いけれど、彼は基本何でも食べる方みたいだから問題はないのか。
部屋の前に立ち、ゆるりと扉を開ける。
「こんばんは、先生」
挨拶と共部屋に入ると、廊下とは違い暖かな空気に包まれる。
部屋主である教師はソファに腰を下ろしていた。
蒼を瞬かせてそれを見やり
「…随分お疲れのようですね」
実際どうかは分からないが、そんなように見えたので声を掛けつつ
扉を閉め、相手の傍へと近付いて行くだろう。
■暁 名無 > 「ああ、来たか。こんばんは、セレネ。」
扉が開かれるとともに外の冷気がふわりと室内に流れ込む。
それと同時に挨拶をされれば、其方へと顔を向けてソファから腰を上げた。
「なーに大して疲れてないさ。
それより、急に呼び出して悪かったな。」
例によって俺が居たという記録は全て抹消されている。
であれば連絡先なども全て消えているだろうということで、
昼休みに直接セレネを探して放課後この準備室に来るように伝えたのだが。
「こないだも言ったけど、バイトの内容が少し変わるから。
その説明をしとこうと思ってさ。……まあ、座りなよ。」
ソファに座る様促しながら俺は紅茶の準備に戻る。
割とすぐ北から別に火にかけっぱなしでも良かったかと思いつつ、再度お湯を沸かし始めた。
■セレネ > 「…いいえ、今日は特に用事もありませんでしたし。」
此方に返す挨拶と腰を上げる相手を蒼に収めながら
急な呼び出しに対する謝罪には首を横に振った。
「えぇ、失礼します。
…これ、シュトーレンです。もし良ければ食べて下さいな。」
ソファへと促されれば素直に従いながら、手土産をテーブルの上に置いて。
「それで、内容の変更とは…どのような?」
この世界で今の所唯一の収入源であるここのバイト。
雇い主は誰になるのかは己は把握していないが、変わるのならば聞いておかねばなるまい。
ソファに腰を下ろし、やかんに火をつける相手を眺めつつ。
■暁 名無 > 「シュトーレン。……ああ、そうかそうか。
ありがとう、どっかでセールしてたとか?」
クリスマスだものな、と少し懐かしく思う。
クリスマスと言えばシュトーレンかブッシュドノエルか、どちらにせよ海外を放浪した時はよく目にしたっけ。
……食べるのは更に久方振りだけども。10年振りか?
「いや、単純にやって貰いたい事が変わるってだけだ。
飼育関係は俺が手が空くようになったから、セレネにはも少し事務的な作業をして貰おうと思ってさ。
……論文の翻訳なんだけど、どう?出来そう?」
確かロシア語なら日本語よりも堪能なんじゃなかったか、と指定の温度に達したので予め茶葉は入れておいたポットに薬缶のお湯を注ぐ。
残ったお湯でカップを温めて、あとは数分蒸らすだけ……だよな?
「もちろんバイト代は多少上げるからさ。
ちょっと用語とか分かりにくいかもだけど、勉強にもなるだろうし。」
■セレネ > 「えぇ、偶々百貨店の食品売り場で売っていたので
手土産に良いかと思いまして。」
わざわざ手作りしたとは言わない。
買った物にせよ手作りにせよ、見た目は然して変わらないのだ。
相手の言葉に微笑みを浮かべて頷いておく。
「事務的な。…ふむ、ロシア語や英語ならこなせる自信はありますけれど。」
己は所謂トリリンガルになるので、そこらは恐らく大丈夫…ではあるが、
やはり日本語となると専門的なものはどうしても難しくなる。
「翻訳なら寮でも出来ますからね。
…私で良ければ受けましょう。」
分からない単語や専門用語は調べれば良い。
それならば、と承諾の意を伝えた。
■暁 名無 > 「そうか……悪いな、なんか。
あ、そーだ。だったら此処で食べてくか?丁度紅茶も淹れたとこだし。」
百貨店かあ、あんまり行かないんだよなあ。
忌避感があるというよりは、商店街とか異邦人街とかの個人商店の方が好きだからって理由だけども。
けどまあ、クリスマス当日前に一度行ってみるのも良いかもしれない。
「だよな?……一応英語圏とロシア圏のだけ回すからさ。
それだけでもだいぶ楽になるんだよ、助かるわあ。
用語の意味とか調べても解らなかったら俺に確認してくれて良いからさ。
あ。……連絡先、改めて交換して貰っても良いか?」
そんな話をしている間に蒸らし時間も終えて、ポットから茶葉を回収する。
カップのお湯も捨てて、水気を切ってから紅茶を注いでセレネの前に。
確か熱いのダメだったろうから、冷めるのを待つ間にシュトーレンでも切り分けようかと手に取って。
■セレネ > 「いいえ、美味しいものを贈りたいだけですのでお気になさらず。
…あ、それ洋酒入りのものですから私は…ちょっと。
紅茶だけ頂きます。」
相手の申し出は丁寧に断る。
一切れ二切れ食べたところで酔う身体はしていないが、折角作ったのだから
彼に食べてもらいたいので。
「…他の言語も、出来れば良いのですけれど、すみません。
……?連絡先を?」
人の連絡先など、頻繁に確認してはいないから。
相手のアドレスが消えているなんて知らなくて、不思議そうに首を傾げる。
カップに注がれた紅茶を受け取りながら、そのぬくもりで両手を温めつつ。
■暁 名無 > 「普段飯は一人で食ってるから、誰かと食う機会なんてこういう時くらいしか無いんだけどなあ……。
ふむ、洋酒入り……お前さんアルコール駄目なのか? ならしょうがないな……」
意外だな、ロシアの方の出身ならある程度耐性はありそうなものなのに。
とはいえ中にはそういう人も居るのだろう。国民性で一纏めにするのは良くない。
まあ、美味しい物なら尚更一緒に食べたかったんだが、まあ良いか。
「あー、それならジンジャークッキーはどうだ?お茶請けに。
こないだ買ったばかりだから、湿気ってたりはしないと思うんだけど……ちょっと待ってな。」
異邦人街で買ったから少しジンジャーが利き過ぎてる気もするが。
ともかくお茶請けの棚に仕舞っていたクッキーを取り出すと、数枚を皿に開けてセレネの前に。時期が時期だから人型だ。
「そんな謝んなって、英語だけでも範囲は広いから十分助かるよ。
そうそう、連絡先……交換っつったけど、とりあえず送っとくから、それ登録しといて貰えれば。」
ひとまずセレネへ俺のメアドと電話番号を送っておこう。
何で相手の連絡先は分かってるのかって?一時期そのアドレスしか見てなければ自然と覚えるもんですよ。
■セレネ > 「なら、今後同僚さんや後輩さんをお誘いして
一緒にお食事するのも良いかもしれませんね?
……えぇ、私、お酒は少し飲んだだけでも駄目なので。」
実際は真逆ではあるけれど、それをここでわざわざ言う必要もあるまい。
むしろ見目としてはお酒は飲めない方がらしいかもしれないし。
「ふむ、それならば頂きます」
空気が乾燥している季節だ、余程雨が続いていない限りは湿気る事はないと思う。
人型のジンジャークッキーを蒼に収め、微笑まし気に細めて。
「…よく私の連絡先を覚えてますね?
流石にちょっと驚きました。」
ピロリン、と届いた通知から相手のアドレスを再度登録しつつ
教えていないのに覚えていた事に若干の驚きを受けて。