2020/09/30 のログ
ご案内:「常世学園付属常世総合病院・個室」に角鹿建悟さんが現れました。
回想:医師のありがたいお言葉 > 「――君はバカなのかね?やっと退院したと思ったら、今度は両腕と肋骨の骨折で再入院…生活委員会はそんなに物騒なのかと私は問い詰めたいね」

診察での医師の冷たい目線と言葉を思い出す。傍に居る看護師さんも流石に苦笑い気味だったのは記憶に新しい。

そして、手術も終えてまたあの個室に世話になる事になって2日目……不本意な『ただいま』、だ。

角鹿建悟 > 「――…いや、本当に何であんな無茶をしたんだろうな俺は…師匠の言う通り、大人しく避難していれば良かったのにな…。」

両腕をガチガチに固めたギプスと包帯を一瞥する。前回と違い、今回は物理的な負傷が原因の入院だが…矢張り両腕とも使えないと不便なのは言うまでも無い。

この前の朧車――と、呼ばれた怪異の討伐作戦を思い返す。自分は偶々神隠しにあって、あの裏常世渋谷に迷い込んだだけ…だったのに。

「――特別攻撃課の装備を無断拝借、ならびに無断使用。作戦への強引な協力……普通にクビになるな…。」

幸い、師匠が便宜を多少なり図ってくれたのもあり、長いお小言と書類提出だけで済んだ。
…まぁ、今の腕の状態では書類は流石に書けないので治り次第の提出だが。

「…裏常世渋谷…神隠し…怪異『朧車』…流石に情報量が多過ぎるな…。」

ベッドに寝転がりながら呟く。同時に、自分がやった馬鹿を思い返せば溜息しか出ない。

(――だが、許容できないものはしょうがないだろう)

破壊するだけの輩は、こう、衝動的に許せないのだ。こればかりは性分である。
かといって、自分がやった事は越権もいい所だ…そこは素直に反省せねば、

角鹿建悟 > (…まぁ、風紀委員会…いや、特別攻撃課からの聴取は避けられないだろうな)

師匠の便宜はあっても、やらかした事実は消えない。彼女の便宜に感謝しつつ、経緯説明などはきちんとするつもりだ。
もっとも、意図的ではなく偶発的に迷い込んだだけだ…それが免罪符になる訳ではないが。

「……しかし、怪異……か。初めて直に相対した気がするが…矢張り、ただの生活委員には荷が重いな…。」

恐怖心が無かった、と言えば嘘になる。そもそも自分は戦う側の人間ではないのだから。
それは自身が一番よく理解しているし、下手に戦えばむしろ足手まといや自滅しかないだろう。

――それでも、今は折れてしまっているが直す者としてアレは許せなかった。

(反省はする……だが後悔はしない)

ヤツを討伐する事が、結果的にこちら側の”誰か”を救う事に微力ながら繋がるのなら。

ベッドに寝転がったまま、顔を窓のほうへと向ける…茜色の空を眺めながら、どのくらいの入院になるんだろうな、とぼんやり考える。

角鹿建悟 > 「――最近、ゆっくりする時間が増えてきた気がするな……。」

まだ精神的に立ち直りきれていないし、自分としっかり向き合えていない。
いい機会なのかもしれないが、それが入院というのが何とも言えないが…。

(人と向き合う、自分と向き合う……やっぱり難しいな)

対人関係が不器用なのは明白だ。だから手探りで一歩一歩、今まで蔑ろにしてきたそれと向き合っていくしかない。
けれど、やっぱりゆっくりと過ごす時間はどうにも苦手というか慣れない…。

「……仕事中毒者(ワーカーホリック)極まれリ…か」

…僅かに微苦笑を浮かべる。…うん、やっぱり前回の入院の時に色々と会話を出来たのが助けになっている。

まだ、本調子には遠いがそれでも精神的に少しずつだけど立ち直れている気はする。

角鹿建悟 > ――だけど。




――――今でも、何度もあの”夢”を見て魘される。





―――――――きっと、精神が完全に立ち直れたとしても見続けるんだろう、と。






「…まぁ、仕方ない…この悪夢が歯止めになっているのも事実だし、な」

そのくらいの冗談を自身に告げられるだけ、そこそこ持ち直してきたのだと思う。
とはいえ、一度折れたものがそう簡単に完全に戻る筈も無い…だから。

「……やり直し…とはいかないが。もっと向き合っていかないとな…。」


その方法さえ分からない不器用だけど。何時の間にか瞳を閉じていた…また、悪夢で起きる羽目になるかもしれないが。

それでも、今はしばしゆっくりと眠りの淵へと沈んで行こうか。

ご案内:「常世学園付属常世総合病院・個室」から角鹿建悟さんが去りました。