2021/12/30 のログ
ご案内:「トコックマーケット」に桃田舞子さんが現れました。
桃田舞子 >  
トコックマーケット。
それは人の創作の成果を出す同好の会。
トコックマーケット。
それは同人頒布物の展示即売回。

トコックマーケット!!
それは己が欲望と向き合う場所!!

 
物語は古書店街「瀛洲」の片隅で行われる熱狂の祭典から始まる。

桃田舞子 >  
私は今日、トコックマーケットに来ている。
水曜九時連続テレビドラマ『刑事x探偵』の
考察本、または行間を補完する日常本なんかあればいいなって。
決して年齢を誤魔化して18禁の本を買いに来ているわけではない。
私は風紀委員だ。風紀を守る存在なんだ。

『刑事x探偵』……デカとたんてい、通称デカタンは。
ベテラン刑事・船後エイジと私立探偵・長充持左のコンビが
事件を解決するために二人で悪の足跡を追う、そんなアツいアツいよアツすぎる物語が
原作小説も全部持ってるしドラマもフォースシーズンまで全部見たなぁー、
その上でこの世界に関するカケラが少しでも摂取したくなって
私はこのトコックマーケットにやってきたんだけど
もちろん、二人が恋愛関係?にあったとかそういう妄想も
アリといえばアリなんだろうけど私としては二人はあくまで相棒であって欲しい派で
そもそも私16歳で18歳未満禁止な本は買えないし
買ったら向こう側にも迷惑がかかると思うので私としては
あくまで、あくまでも考察! 行間補完!! そんなこんなの
良質な誰かの妄想を購入できたらいいなって

「あ、すいません」

人混みのトコックマーケットを口を半開きで妄想していたら
人とぶつかりそうになって謝った。
いけないいけない。少女よ正気に戻れ。

ご案内:「トコックマーケット」に芥子風 菖蒲さんが現れました。
桃田舞子 >  
まずは狙っていた日常本のサークルさんへGO!!
頒布は……まだしてる!!
本を手にサークルの売り子さんに札を震える手で渡す。

すると、去年のことを覚えていてくれたのか。
私にまた買ってくれて嬉しいです、と言ってくれた。

「いえいえ、お礼を言うのは私のほうですよ」
「前作のコメディチックに書かれた二人が休日にたまたま会ってたまたま買い物の方向が一緒で」
「そのまま二人であれこれ言いながら買い物を済ませる話とかホンットーに良かったです!!」
「なんていうんでしょう、戦士たちの休息っていうんですか?」
「あと去年のペーパーの4コマとかラミネート加工にしたいくらいの宝物です!!」
「あ、4ページ目のついつい事件が起きてないか目を光らせちゃうエイジさんとかあるあるですよね!!」
「ドラマも原作もかなり見てないと気づけ無い感じの!! それで」

つい話し込んでしまった!!
ぶんぶん手を振って本を厚手のバックパックに詰め込む。

芥子風 菖蒲 > ~~~前回のあらすじ~~~

『菖蒲ッ!トコマに行くわよッ!』

「え……?」

~~~前回のあらすじ終了~~~

何があったかわからないだろう。
大丈夫、俺もわからない。
少年は正直こういう文化とは無縁オブ無縁。
というよりも娯楽、というものにほとんど触れた事は無い。
人が其れで楽しむのを遠目で眺めて微笑むタイプだ。
では、何故此処にいるのか。その理由は一つ。
使いっぱしり<ファンネル>である。

ひょんなことからまぁ所謂お姉さま方のサークルに縁を持ち
気づけばまぁなんか駆り出されてるだのなんだのって奴。
その手には薄い本が厚くなるくらい入れられた紙袋。
リュックサックにはポスターがサーベルの如く刺さっている。
超絶不釣り合いなトコマスタイルだ。
おまけにお姉さま方の趣味でなんだかやたら多い、男同士の絡み。

「(美奈穂に行かせればいいのに……)」

そっちのが理解があるんじゃないか。
胸中、流石にぼやかずにはいられない。
手に持った買い物メモを眺めていたら、気づけばもう数冊程度らしい。

「確か、アッチか……」

もう片手に持った地図を頼りに進んでいると……。

「あれ……」

見た。ある意味見つけてしまった。
友人の後姿。

「舞子、何してるの?」

しかも躊躇なく話しかけた。

桃田舞子 >  
トコマであってはならないこと。
それは知り合いに声をかけられる。

「ゑっ」

まさか……まさか!?
あっちゃん!? どうしてここに!!
何故見てるんです!!
本当に裏切ったんですか!?

「わ…………」

サングラスを目深にかけ直して。

「私は船後サチコです……舞子なんて人は知りません…」

震える声、でも特にボイチェンなんてかけられるわけないし
そもそも見た目でバレバレオフラインなんだなぁ!!
なんなんだポニテにして!! 変装のつもりかぁ!!

はぁ、と溜息をついて。

「あっちゃんこそ何……? 風紀のお姉様方にパシらされてるの…?」

と観念した様子で言った。

芥子風 菖蒲 >  
「…………」

何か滅茶苦茶似てるけど別人らしい。
じー。サングラス越しに見てみるけど本人の様な……。
んー、と思考を巡らすも世の中似てる人多いしなぁ。

「……サチコ舞子って言うのが本名……って、コト?」

訝し気に何か宣った。
何言ってるんだコイツは。
今日のアイデアロールは絶好調だ。悪い意味で。
如何やら変に誤魔化したせいで、わけのわからんダブルアクションが脳内にリンクしたらしい。

「んー、風紀の人じゃない……と、思う。
 でもパシらされてるのはそう。サチ子も興味あるの?こういうの」

一体あのサークルは何者なんだろうか……。
その正体は一向に分からないが、まぁなんか素敵なお姉さま方の集まりらしい。
手提げ紙袋を掲げて首を傾けて適当に見せつけた。
とりあえずある意味で危機は逃れているが
ある意味で変な危機が訪れているぞ!

「……髪型も変えてるし、髪型も変えると名前とか変わるってコト?」

どんなことだ。

桃田舞子 >  
「いやそんなわけないでしょう! 桃田舞子ですッ!」

思わずツッコミハンドが入る。
相変わらず彼はワンテンポずれた会話でこちらを翻弄する。
最初に変なこと言ったのは悪かったよ!!
私が悪かった!!
でもこんなタイミングで彼と巡り合わせる運命はあんまりです神様ッ!!

「えっ本当にパシらされてるの!?」
「あっちゃん嫌なことには嫌って言わなきゃダメなんだよ……?」

髪と服を触って、サングラスをずらす。

「いや変装のつもりなの。あっちゃんには即バレしたけど!」
「それで何を買うつもりなの? さっさと買わないと売り切れちゃうよ」

ファンネルは大変なんだから、と専門用語を使いながらメモを見せるように要求する。

芥子風 菖蒲 >  
ビシッ。綺麗なツッコミが入るも動じない少年。
ではなぜわざわざ謎の名前を……?少年は考える。別に考えなくていいのに。

「……!」

此処で一つの答えに辿り着いた。ぴきーん。

「大丈夫だよ"サチコ"、オレわかってるから」

うんうんと頷く少年。
そう、きっと訳がある。わざわざ名乗った訳が在るはずだ。
そう、やむを得ない事情が。理解するのがワンテンポ遅い。
おまけにわかってますみたいな空気出されてる。
全てにおいて手遅れだ────……!
※おまけに偽名を名乗った意味合いは絶対に理解してないゾ☆

「でも、断る理由もなかったし……ま…サチコに会えたからいいかな」

頼まれたら断れない少年。
おまけに肉体派。ファンネルにはもってこいだ。

「ふぅん。結構可愛いと思うけどね、それ」

ポニーテールも良く似合ってる。

「えーっと……」

ちらりとメモを見やる。

「んー……『ボクと日常』『ラビリンス~愛憎と禁断~』かな」

読み上げおった。
大衆の前で本のタイトルを。
そりゃもうこっから先はR指定がないだけで濃厚なお姉さま向けの本である。
んー、と首を傾げ乍ら地図とにらめっこ。色々と相変わらずな少年である。

桃田舞子 >  
なにもかもズレている。
再度ツッコミハンド。

「いや偽りたかったのはあっちゃんだからね」
「偽名で謀りたかったのはあっちゃんだからね!」

わなわなと両手を震わせるサングラスの怪しい女。

「あっちゃん悪い人に騙されたりしたらダメだからね……?」
「飴とかもらっても知らない人についていったらダメだからね…………!?」

なんでこんなことを一歳年下のヒトに言わなくてはならないのか。
人生、それはわからん。
ただ、戦わなくてはならないのだ。

「あ……ありがとう」

髪に触って赤くなる。
次にメモを読む彼に動揺が広がる。

「タイトルは言っちゃらめぇ!」

しかも際どいやつは特に!!

「わかった、わかったから!! 買いに行こ!!」
「FZの06番からね!」

背中を流れる冷たい汗。
神よ、どうして私にここまで業を背負わせるのか。

芥子風 菖蒲 >  
「オレ……?」

青空がぱちくりと瞬き。
如何やら騙したかったのは自分らしい。
騙して悪いがこれも仕事なんでな。と言う事か。
わからない。どういうことだ。思考がぐるぐる。ぴきーん。

「つまり……舞子って名前が嘘……?」

即ちこれスパイの法則。
つまり彼女は公安委員のものの可能性がる。
そんなわけあるか。よりにもよって日常的な方に思考が傾いたぞ!

「騙されてるかはわからないけど、流石に知らない人に
 理由もなくついていったりはしないよ。知ってる人間ならわかんないけど」

つまり知ってる人間なら飴玉でも釣れる。
何と言う事だ。少年はフライ級ちゃんぽんよりフットワークが軽い。

「ダメなんだ……」

初めて知った。へー。
そう言えば名前読み上げた時に引き攣った売り手の人いたな。
どうやらそういうことらしい。南無、既に犠牲者が出ていた。

そんなこんなで連れられてやってきたお姉さま方の聖戦の地。
すれ違う人は比較的女性が多いが、そりゃもう腹に一物抱えてるんだろう。

こんにちはー、と迎え入れるサークル主とご対面。

「(タイトルはダメなんだっけ……)」

言ってはいけないらしい。
少年は学びました。じゃぁどうしよう。
んー、と思考しつつは、と気づけば
手慣れた動作でカバンからポスター(気だるそうな美男子がベッドに寝転がってるタイプ)を抜いて突きつけた。

「────読んでみるから、もっとよこせ……!」

──────恐喝だコレ!

桃田舞子 >  
がっくりと肩を落として三度ツッコミハンド。

「逆だぁーっ」
「私は桃田舞子です……そこに嘘偽りなく…っ」

どうして私はこの鉄火場の真っ只中で自分の名前を連呼しているのか。
私を知っている人がいて『風紀委員がトコマで騒いでいました』ってチクられたら一発アウトですよ!!
無名のモブでよかった!!

「え、私があっちゃんに『飴あげるからついてきて』って言ったら釣れるの」

ザリガニより簡単に引っ掛けられる風紀委員、芥子風菖蒲ッ!

 
そしてやってきましたFZ区域。
なんかもう流れる空気が違う。
貴腐人たちの戦地だこれ。

そして流れるように恐喝ムーブをする彼の腕を引いて。

「あかんやろぉ!!」

何故か関西弁(かつ半泣き)で彼を止めて。

「すいません彼は常識を今日は家に忘れてきたみたいで…」
「わ、私達使いっぱしりです、許してください……」

ガクガクと震えながら言う。

「というわけでこれ二部ください」

ドサクサ紛れで自分の分も買った。

芥子風 菖蒲 >  
「そうなんだ?」

如何やらそっちが本当らしい。
漸く正しい軌道に乗ってきたが、微妙に半信半疑。
今日という日に限ってアイデアロールは絶不調。
何故ここまで疑うのか……その理由は……わからない……!

「え、ついてくよ?」

言われたら拒否する理由もない。
飴も貰えるし、彼女なら大丈夫だろう。
無償の信頼、カエルを捕まえるより簡単な少年だった。

「え、違うの?だって戦場だって……」

自分をパシった方々は言っていました。
だったらこういう感じになるんじゃないのか、と。
腕に引っ付く舞子を困り顔で見つつ、首を傾げた。

……つまるところ今迄どうやって買い物をしてきたかと言えば……。

此処から先は想像にお任せしよう。(※お金は払ってきた)

そう言うお姉さまはと言えば微笑み崩さずありがとうございます~。
と新刊二冊渡してくれた。流石猛者、この程度には動じない。

「……舞子も欲しかったんだ」

さりげない二冊、舞子もこういうのが好きらしい。
覚えておこう。よりにもよって覚えられてしまった。南無。

そんなわけで最後のラビリンス。
そのサークルエリアまでやってきた。
設営されたスペースにはちょっと小柄なちっちゃな子。
しかし少年にはわかる。

「アイツ……強いな」

なんか変なところで戦闘力センサーに敏感だ。
対面する小さなお姉さまに青空を広げ、ポスターを抜──────。

桃田舞子 >  
ツッコミ疲れに目眩を覚える。

「あっちゃんの中で私という存在が揺らぎすぎでしょ…」

1/fのゆらぎと感情のフラッターとの波形について。
あ、今のフレーズいいな。いつか本を出したらどこかで使おう。

「あっちゃんの信頼が重すぎて舞子フレームが拉げそう」

実際には彼は信頼する人になら誰でもそうなのだろう。
あ、危うい。

「戦場で礼を失するのは捕虜として扱われないよう」
「今までもそれやってきたの!? め! めーでしょ!!」

半泣きマジギレで彼の腕を引いて。

「いや違うんですよ芥子風さん」
「これは今後の参考に……参考インパルス…」

私、腐ってないから。
仮に腐っているとしても発酵だから。

 
最後の戦場に来て、ポスターを抜こうとした彼の手を押し止める。
その反射速度、0.2秒。
身体加速(アクセラレイター)がなければこうはいかない。

「やめようね」

よくないよ。
そう言って彼の前に出る。

「これを1部とこれを2部ください」

さり気なく自分の分も、マシマシで買って。
ミッション終了。

「あっちゃん今日、私とここにいるのはナイショだからね」

芥子風 菖蒲 >  
「そうかな……そうかも」

何か本当に色々揺らいでしまったかもしれまい。
これもトコマが見せる魔物の仕業なのか……。
大体この少年のせいかもしれない。

信頼が重いかはさておき
事実余りにも人に信を置きすぎているのは確か。
きっと仮に、裏切られて刺されても
後悔はせず黙って倒れる位はあるんだろう。

「ご、ごめん……」

滅茶苦茶泣きつかれた。
如何やら此処にも相応のしきたりがあるらしい。
よくわからないけど、次来るときは彼女と一緒にこよう。
何とも迷惑な決意を固めた瞬間だった。

まだ少年に腐る腐ってないの概念は分からない。
分からないからこそファンネルを任されたのか……。
或いはその事を理解した時どうなるのか、それはまた別のお話。

「あ……」

止められた。
彼女にしては珍しく圧がある。
反射的に構えた事を反省しつつ後は彼女に任せよう。

そんなわけで無事にお使いを終える事が出来た。
なんだか両手の紙袋がとても重い。

「え、なんで?」

なんで?危ない。
言わなければ言いふらす所だった……!

桃田舞子 >  
「それじゃ私の名前を言ってみてください、どうぞっ」

マイクのように携帯デバイスを向けて聞いてみる。
モブ子って言ったら怒るからね。

色々あったけどあっちゃんは頼まれた頒布物を買えて
私も新規開拓できた。いい日だったなって思ってたらオォイ。
言いふらす気だったな!?

「いやここセンシティブなんで」
「センシティブフェスティバルなんで」
「言ったらダメだからね……末代まで祟るからね…」
「言ったら『菖蒲太郎ぬし、かくまでに我をば欺き玉ひしか』と叫び、その場に僵(たふ)れぬ」

なんで舞姫か。私が桃田舞子だからです。
ハイコンテクストなジョーク(甘めの評価)を言ってから彼に向き直り。

「さ、それを届けたら二人で打ち上げいこ」
「この近くに美味しくてリーズナブルなイタリアンのお店あるから」

芥子風 菖蒲 >  
「う、うん……」

何だか今日ばかりは圧が凄い。少年もたじたじだ。
落第街に居た頃よりもピリピリしてない?
とりあえず、今回の事は二人の秘密だ。
力強く頷いて、二人だけの初めての秘密(しょうもない)が生まれてしまった。

「うん。とりあえずそうしよっか。
 オレもちょっと疲れたし……、……ん」

今日は適当に飯を済ませたら帰ろう。
二人揃って帰路に足並みをそろえた時、向けられたマイク。

「…………」

芥子風 菖蒲 > 「船越モブ子」
桃田舞子 >  
ドスの効いた声で、

「いい度胸だなァァァァン!?」

と相手を詰った。いや私のどこからこんな声が出た!?
出した私にビックリする!!
焼け野原を想起させる声がトコマ1日目の終わりを告げるアナウンスと混ざってエコーした。

この後、ファミレスでデカタンの良さを日が暮れるまで語った。

ご案内:「トコックマーケット」から芥子風 菖蒲さんが去りました。
ご案内:「トコックマーケット」から桃田舞子さんが去りました。