2019/02/03 のログ
ご案内:「伊都波家・青垣山の自宅」に伊都波 凛霞さんが現れました。
ご案内:「伊都波家・青垣山の自宅」に伊都波 悠薇さんが現れました。
■伊都波 凛霞 >
「………」
ふー、と深呼吸する伊都波家の長女、凛霞
意を決したように、腕を持ち上げて、その意思を叩きつけるように…
コン、コン、と
2回妹の部屋のドアを、ノックする
「悠薇、起きてる?」
時間は22時過ぎ、夕飯もお風呂の時間も終わり
自らも部屋着の格好、もう寝ちゃっていなければ、返事があるはず…
■伊都波 悠薇 >
「え、あ、え、ちょっと、ちょっとまって! だめ、今開けたらだめだからっ」
ドタバタ、どんがらがっしゃーん、ぶおおおお、ドスン
すごい音が聞こえる
「…………ど、どーぞー?」
めっちゃゼェゼェはぁはぁ言ってるが。まぁ、多分大丈夫
■伊都波 凛霞 >
中から聞こえてくるすごい音にビクッとする
ご近所に他の家がなくてよかったね、と思いつつ
「は、入るね…?」
一応そう断りつつ、ドアを開けて……
■伊都波 悠薇 >
入れば。いつものキレイな部屋であった。
覚えている限りだと、馬の小箱が一つ増えたのと、そこからピンク色のコンセントが一つ、ぷらんっと飛び出ているのと。
あとは――ちょっと汚れた制服が目に入った
お風呂を済ませた後なのか、馬さんパジャマに着替えているようで――
「ど、どうしたの。こんな夜に。珍しいね?」
■伊都波 凛霞 >
「座るね~」
テーブルの側にちょこんと腰を降ろして
…汚れた制服にもちゃんと目が行く
訪れた用事は2つあるから、すぐに言及したりはしないけれど
「うん、えっとねー…」
よくみれば姉は部屋着、だけど学校に持っていくバッグを手にしていた
バッグを開けて、なかをごそごそしつつ
「ずっと何もつけてなかったみたいだから、これあげる」
はいっ、と取り出したのは、以前に悠薇が持っていたものとは色違いの、おうまさんストラップだ
包装はされているものの、中身は見えているのでひと目で何かはわかるはず
学校帰りに、例のお馬さんショップに寄って買ってきたのだろう
■伊都波 悠薇 >
ピタリ、動きが止まる
その後目を、右左と、右往左往――
「え。えっと、その小雲雀の代わりはいないわけでして。そのあの――」
受け取るのを、躊躇する……
「――二代目は、いらないかな」
■伊都波 凛霞 >
「そう?何もつけてないのも寂しくないかなと思ったんだけど…」
じゃあ、どうしようかなっと手元のそれを眺めて
自分で使うしかないかなー、と呟きつつ…本題
「そういえば今日、遅くなるよーって母様に電話したら、悠薇もまだ帰ってないみたいに言われたんだけど、どこか寄り道してきたの?」
ストラップの包みをバッグに戻しつつ、言葉を紡いで
バッグのジッパーを閉じる音が妙に大きく感じる、やがて栗色の視線が、妹の顔を見つめる
「危険なところに一人で行ってないよね?」
■伊都波 悠薇 >
「うん。あのときに、もう逝っちゃったから」
大げさなと、思うだろうが――大げさ、というわけでもなく
「――うん。寄り道。ほら、風紀委員も始めたし、少しずつ慣れていかないと思って」
答える。けれど――2つ目のに対しては明確な答えが帰ってきてない。でも――それは、妹も、分かってる
■伊都波 凛霞 >
「どこに行ってたの?」
まっすぐな視線
明確な答えを発しない妹
その言い分も、わかるけれど…
「…制服、汚れてるね。今度のお休みにでもクリーニングしないと」
■伊都波 悠薇 >
「…………場所まで言わないと、だめ?」
首をかしげる。前髪で表情は見えない。けれど――
あぁ、肝の座ってるときの――臨戦態勢の彼女だってことは、分かる
自衛の、言葉。ということは、絶対――後ろめたいことがあるとき
「うん。ちゃんと、キレイにしてもらうよ。だから”安心”して?」
■伊都波 凛霞 >
「言いたくない?」
質問に質問で返せば、それにも質問を返すことになる
目の前の妹は、あの時と同じ
自分も風紀委員に、と言った時と同じ空気を纏っている
制服が汚れてしまうような場所に行っていたことは明白なのだけれど…
■伊都波 悠薇 >
「言いたくない」
隠すと、明言する。なぜなら――それは姉もした選択だからだ。
だから――ズルいとわかっていながらも
「お姉ちゃんも、したことあるから、私の気持ち察して、くれるよね?」
自分は、隠されていることを識らなかったから。このとき、どんな気持ちになるかはわからないけれど
でも。今、言うわけにはいかなかった
■伊都波 凛霞 >
「……悠薇…」
言いたくない
それ自体は、予想し得る答えだった
でも
お姉ちゃんも───
その言葉が突き刺さる
妹には知られたくなかった、失望させてしまうかもしれない、きっと悲しませてしまう
そう思って辛いことにも耐えて………
湧き上がる感情に表情を、維持できない
「……ん、わかった…もう聞かない」
僅かに目を伏せて、それ以上は追求しないようにした
手が少し震えているのを悟られないように、ぎゅっと握りしめて…
■伊都波 悠薇 >
「うん」
その表情をさせるのは、覚悟してる。
傷つくのもつけるのも――覚悟してる
でも――でも。確証が得られるまで、告げるわけには行かない
あれが、なんであるのか。あそこでなにがあったのか
だって、きっと――今伝えたら。姉は――
「そういえばお姉ちゃん」
”無理”をするのは明白だ
だから静かに。呼吸して――
「そろそろ、バレンタインだよ? 今年も、私も作るからっ」
■伊都波 凛霞 >
「──……」
話題の切り替え
ふぅ、と小さく息を吐いて、気持ちも切り替える
結論が出て、終わった話題は蒸し返してはいけない
……そう思ったけれど
「そうだね。私は今年は何作ろうっかなぁ」
笑顔はぎこちない
無理に笑ってみせているのは明白
この姉の表情としては、きっとほとんど見せたことがない
──痛ましい、笑顔
■伊都波 悠薇 >
――我慢する、我慢する
「去年は……あの子からだったからなぁ……今年は絶対美味しいの、作るからね」
うんっと、微笑み
そこで――疑問に、思った。
”この程度”――?
この程度で姉は、こんな表情をするだろうか
「……まって。なんか、あったの? お姉ちゃん。私のこと以外に――」
じゃないと今までと”釣り合い”がとれない
■伊都波 凛霞 >
悠薇のこと、以外?
そんなものあるわけがない
自身を落ち込ませる、他の要因があったとしても
"今"この姉の心を揺らがせるのは妹の存在以外にありえないのだから
「───だからぁ!」
ぽんっ、と、決壊した
「なんで調べちゃったの…悠薇のバカ…。
絶対傷つくと思って、バレないように必死に我慢してたのに…」
姉がテーブルに突っ伏していた
その顔を見られないように、かもしれないし
もしかしなくても涙声だったので、そういうことかもしれない
どうやら姉なりに結構…というよりは派手に、ショックを受けていたらしい
「それなのに私には危険なところに一人で行くなって言って、自分はどこかに行ってるんだもん…
心配しても教えてくれないし聞こうとすればそのコト引き合いに教えてくんないし…ヒドいよ」