2019/02/04 のログ
伊都波 悠薇 >  
「……」

目をパチクリさせて――

「なんでって」

それは、姉の変化に気づいちゃったからで
隠してるのはわかっていたから

「――そりゃ調べるよ。お姉ちゃんの妹だもん」

しょうがないなぁって表情をする。そして……

「……私”は”言わないよ」

でも、調べるのは止めない
だって自分は調べたからだ

「ひどくないよ。私はお姉ちゃんと、同じことをしてるだけ」

なら――姉もまた……

そうしたなら、仕方ないと、諦めるしかないから
なんで調べたの、なんて言いもしないから

「ひどくないよ」

もう一度、そう告げた

伊都波 凛霞 >  
「………」

そう、これは過去の精算
自分がよかれと思ってしてきたこと
だから……今妹が自分にしていることも同じこと、ということなら
妹は、この姉の為に情報を隠している

がばっと、顔をあげる
その顔は泣き顔ではなくて、いつもどおりの、姉の表情に戻っていた

「…じゃあ、わかった。
 私は"同じコト"をした時に、悠薇には絶対に心配をかけたくなかったから…
 私も、悠薇のこと心配するのは止めにする……。その変わり、お姉ちゃんの力が必要になったら、ちゃんと頼ってね?」

じっ…と、その顔を見つめていた

伊都波 悠薇 >  
「もちろん」

いつだって、姉は自分の”姉―ヒーロー―”なんだから

「いつだって、ちゃんと頼るよ。不出来な妹だからね?」

なんて、冗談めかして

伊都波 凛霞 >  
「ん…悠薇の好きにやるといいよ」

そう言って笑う
おそらく、自分に関わる何か…
それに妹は触れようとしていて、今はまだ自分がそれに触れるべきではない
そう、妹は言っているのだ
だったら…そう感じている妹を信じるのも姉の務めだろうか

よいしょっと片膝を立てて立ち上がる

「さてと、それじゃお話も終わったし…」

おいとましようかな、と
ふと最初に部屋に入った時に増えていたおうまさんグッズに目が止まって

「あはは、前にきた時より増えてるなあ。なぁにこれ、小物入れ?」

馬の小箱に触れようとする

伊都波 悠薇 > 「――うん」

さて、そろそろお開きだというタイミング
見送ろうとした矢先。

姉の嗅覚を侮っていた

「だめーーーーーーーーっ!!!!?」

どんがらがっしゃーんっとスライディングするようにして馬の小箱を抱え込み、頭を壁にぶつける

「そ、そう、小物入れ、こものいれ」

抱え方は、アメフトで走る選手のようにがっちりである

伊都波 凛霞 >  
「うわあ!?」

突然の妹の奇行
目の前でものすごいスピードで物音を立てながら、妹が小箱を奪っていった

「あ、う、うん……そんなに慌てなくても…」

思わず頬に汗をかく
そんなに必死になるようなことなのだろうか

「それじゃあもういくね…?あんまり遅くまで夜更かししてちゃダメだよ?」

姉らしく最後はちょっとしたおせっかいを焼きつつ、小箱を抱きかかえる妹を尻目に部屋を後にする

バタン、とドアが閉じて……

「……何が入ってたんだろう」

答えの出ない疑問を抱えつつ、自分のお部屋へと戻るのだった

伊都波 悠薇 >  
「うん、おやすみなさーい……」

手を振りながら見送り――

「ふー……」

せーふっと、ゆっくり息を吐いて。
静かに静かに、小箱を奥の奥にしまいこんで

「――がんばろうね、お姉ちゃん」

なんて。そう、もともと独りでやるつもりは毛頭ない
だって――二人がいて釣り合いをとることができる姉妹なのだから

だから、お互いに頑張るのだ

ご案内:「伊都波家・青垣山の自宅」から伊都波 凛霞さんが去りました。
ご案内:「伊都波家・青垣山の自宅」から伊都波 悠薇さんが去りました。