2022/01/24 のログ
ご案内:「常世総合病院 病室」に霧島 孝介さんが現れました。
ご案内:「常世総合病院 病室」に芥子風 菖蒲さんが現れました。
■芥子風 菖蒲 >
「陽キャ?何ソレ。暖かい人って事?」
名前からしてなんだか明るそうな感じはする。
それが何か問題なんだろうか。
別に人物的に明るい事は悪い事では無いはずだが……。
そう言えば、目の前の先輩は初対面だと結構キョドってた。
もしかしたら、明るいのは苦手なのかもしれない。
昼間に外を出ていた気はするけど
きっとまぁなんかそれはそれとしてって奴かもしれない。
「なんか大変そうだね、先輩」
陽キャの単語を知らない少年。独自解釈が止まらない!
変な同情されてしまった。
「オレもそう言う使い方をする気はないけど
そう言うのが"作れる"って言うのは、オレからすれば羨ましいかな」
「逮捕できる手段が増えるって、便利だよ」
勿論人殺しに酔う事も他人を痛めつける趣味もない。
だが、前線を張る風紀委員だからこそ分かる事がある。
ここで違反者になる連中はバケモノ揃いだ。
それこそ並みの武器じゃ、"逮捕"出来ない。
ハッキリ言ってしまえば、ただ鎮圧するだけなら簡単だ。
それこそ風紀も公安もいらない。
生徒会と言う"絶対"が暗部さえ取り締まり弾圧すればそれだけでいい。
けど、そうじゃない。
風紀委員会は決して"殺戮部隊"ではない。
違反者を取り締まり、更生を促しより良い学園生活を送ってもらうものだ。
勿論それは理想だ。現実は強大な力に対抗する為、"致し方なく"殺害するケースも少なくない。
あのダスクスレイもそれが顕著だ。
風紀委員会も愚かな組織ではない。
拘束が不可能とみれば、"排除"に動くはずだ。
「だから、いいよね。コースケ先輩の異能。
その気になれば誰も傷つけずに捕まえられる」
それは彼がそう言う人物だと信じてるから言える事。
両目の青空で彼を見てきた回数なんて、それこそ少ないけれど。
なんとなくわかるよ。この人はいい人だって。
真っ直ぐ見上げる青空のまま、少年は頷いた。
「そう。一瞬でもいいから止まってくれればいい。
あるなら作ってほしいな、先輩」
「────オレはアイツを『止めたい』から」
風紀委員が本腰を入れる前に、自分が『止める』
それが己の役割だから、その為ならどんなものでも使う気だ。
■霧島 孝介 > 「あ…まぁ、うん、そんな感じ…」
まさか陽キャを知らない!?
いやまぁ、この後輩、話していると何か抜けている、というか
世俗のそういう単語に疎いのというのが何となくわかってきた。
「あぁ…そうなんだよ…大変なのさ」
と、多分独自解釈からの同情だと思うが…訂正するのも億劫だ。
大変なのは事実、否定せずに、遠い目で肯定する。
「んー、創造系の異能って、珍しいから羨ましがられるけども…
俺の異能は皆が思ってるほど便利でも万能でもないぞ?
ま、確かに逮捕できる手段は多いかもだが…」
汎用性が高く、自由度が高いとされる創造系の異能。
他の創造系異能がどうかはわからないが、自分のは中々どうも扱いが難しい。
しかし、ちゃんと使えれば風紀委員会にとって即戦力になるだろう。
それこそ、バケモノすら逮捕できる道具さえ作り出せるかも…
問題は、その異能を持っている青年が、風紀委員に加わろうと考えていないことだろうか…
(誰も…傷つけずに…)
「ははは、そうだな!!」
いつか、落第街でオッサンに言われた事と正反対の事を言われて、面を食らう。
自分の異能は人を殺せる。容易に。
でも、少年は自信の異能の可能性を見出してくれて、捕まえるという方向で捉えてくれた。
そのことに、一瞬だけ間を置いた後に笑って、青空を向ける少年に対し目を細める。
「んん、そうだな…止めれる確証は無い…
というのも、アイツの持ってる刀が何処まで切断出来るかわからん。
コンクリートや鋼鉄をバターのように斬るのは知ってるけど、光や電気まで斬られちゃ、事実上拘束は不可能だ」
顎に手を添えた後に「よし」と小さく呟いて、手の平に蒼い粒子を舞わせて
「止める、か…お前なら本当に出来そうだ
…待ってろ、今作るからな」
少年の決意に満ちた言葉ににっこりと笑って
蒼い光の粒子で形を作ろうと試行錯誤する。
■芥子風 菖蒲 >
「そっか」
暖かい人らしい。あってた。
余り表情の変化があるわけではないが、何処となく得意気。
無表情だけどちょっと得意気な雰囲気を出していた。
「そうかな?出来る事が限られてるよりはいいかもしれないよ」
それこそ自分の異能のように、身体強化するだけとか
よりはよっぽど出来る事もあって羨ましいとは思った。
隣と芝生は青い、なんて言葉があるけれど
少年にとってはそう思わずにはいられなかった。
"たられば"にどうなんて言わないけれど
戦わない自分もいたのかな、と今は思わずにはいられない。
「……?うん」
何を面を食らったかはわからない。
当然道具は使い方次第、容易に人を殺める事は出来てしまう。
でも少年から言えば、道具自体は本当にただの道具でしかない。
だから、異能自体に殺意はなく、道具自体は人を殺さない。
だから少年は言う。
その異能は人を殺す事では無く、生かす異能だ、と。
それは彼の善性を信じているからこそそうなっていると信じているからだ。
「やるよ、オレは。根拠とかはないし、何となくだけど……」
「やってみせるよ」
それは自分に出来る事だから。
己の役割を果たす時だ。
作ってくれると言った先輩にありがとう、と頷きながらその仕事っぷりをご拝見。
手のうちに集まる蒼い粒子、揺蕩い集まり揺らぐ姿。そう、まるで……
「海みたい……」
全てが生み出される、母なる海の如し、と。
■霧島 孝介 > (なんだ…?何で得意気!?)
訂正しなかった事から、合ってたと解釈したのだろうか?
人の雰囲気とかを読み取るのは得意な方だ。
この後輩君、無表情だけど感情豊かなのかもしれない。
「まぁ、そうなんだけどね
一々作るものを考えなければいけないから、頭使うのよ…」
自分にとっては戦闘中に頭をフル回転させなければならない異能で、消費カロリーが高く
直感的に使える身体強化とかの方が使い勝手が良いなんて思ったりしている。
まぁ、やれることの幅が広いのは楽しいので、今の異能が要らないか、と言われれば違うのだけども。
少年が自分の異能を、生かす異能、と捉えてくれたのが嬉しかった。
この島に来る前もある人が教えてくれた。
お前の異能は、人を助けるための優しい力だ、と。
優しく、人を生かす異能ならば、少年のためにその力を発揮したいと
そう思った。
だから――――
「はは、海って言われたのは初めてだよ」
綺麗だとか、キラキラしているとか、色々言われるが少年のような表現は初めてで
笑いながら、蒼い光の粒が形を作っていく。
形が決まり、発光。そして、出来上がったのは3個の白い球体が三角状にくっついたような装置。
球体はよく見れば溝のようなものが掘られていて、球体の一つだけには黒いスイッチが付いている。
大きさは掌より少し大きいくらいだろうか
「大丈夫、芥子風。信じてるよ
だから、これを託す」
その装置を少年に渡す。
■芥子風 菖蒲 >
「……そうだよね。なんだか難しそうだなぁ」
そう言えば作れるものは彼の理解と知識に比例すると言っていた。
と言うとは彼は実際頭がいいと言う事なのか。
眼鏡は知性の証(※諸説あり)と聞いた事がある。
成る程、まさにぴったりな異能だな、と思った。
そして出来上がった装置は球体三つの三角形。
白いお饅頭がトライアングルを作ったような不思議な形。
「何これ?」
受け取ったそれを掌で軽く弄び、まじまじと見つめる。
ネット……という感じじゃなさそうだ。
投擲武器、という感じもしない。
球体の一つについてるのは多分起動スイッチだ。
これで何かが起動するのではないのだろうか。
上に、下に。初めて買ってもらったおもちゃのように観察している。
「これは何?どうやって使うの?」
と、一通り見終われば先輩に尋ねた。
■霧島 孝介 > 「難しいけど…慣れだな…
ある程度、作るもんを決めちまえば簡単だけども」
成績に関しては上の下、中の上くらいの自分。
眼鏡をかけているのは単純に夜中にゲームやアニメを見すぎて視力が低下してしまったからだ
しかし、この異能はある程度の想像力が大切。
アニメやゲームを見て、その発想を用いて武器を作り出した、というのは結構多い。
「あー…名前は、電磁ネットってしとこうか」
頬を掻いて、そのように命名する。
見た目上はネットではなく、まんじゅうがトライアングル状になっただけだし
違和感があると思うが、作動すればその名前の由来が分かるだろう。
「その黒いスイッチを押して、ダスクスレイに投げつけるか
直接ぶつければ作動する。3つの弾が分離して、間に電磁気力場を形成して…
あー…要するに、ワイヤーを使わないネット、的な?
流石に電磁気は斬れないだろう」
長い説明を始めようとしたが、彼にそんな説明は不要だろうと判断して
要約して伝える。要するに電気や磁力を使った拘束具。
作動すれば、ダスクスレイを中心に三方向に展開して相手を拘束すると、説明する。
「まぁ…その装置が斬られたら元も子もないけども」
と饅頭を指さして説明する。
■芥子風 菖蒲 >
「電磁ネット……へぇ、よくわかんないけど便利そう」
要するに切れない糸で相手を拘束すると言う事か。
確かに電気を斬った、という報告はない。
正直言ってる事はあんまりよくわからないけど
これなら効力はありそうだ。相手がしびれている間に
此方の"秘策"を叩きこめば効果は期待できそうだ。
「……奴ならやりそうだ」
剣技だけじゃない。
人間離れしたら力もそうだ。
もしかしたら彼は、もう人間では無くなっているのかもしれない。
本当に"怪物"であるならば、"駆除"されるのが妥当だ。
この異能も、新たに手に入れた力も、本来はそうだ。
力を以てねじ伏せる事がありようだ。
きっとそれは最も簡単で、多分それもまた望まれるやり方だ。
ただ、それじゃあ"ダメ"だと今は分かる。
「ありがとう、コースケ先輩。
絶対アイツの事捕まえてくるよ」
飽く迄"風紀委員"としても、個人として。
一度アイツと関わった以上はもう放っておけない。
少年はきっと、怪物に成り果てそうなあの斬奪怪盗の仮面の奥まで見据えていた。
だから。
「帰ったらまた一緒にゲームしようね」
だから、必ず戻ってくる。
最良の結果を、自分なりのやり方で。
少年ははにかみ、確かな決意を口にしたのだ。