2022/01/25 のログ
■霧島 孝介 > 「あぁ、ここぞって時に使えば、ちゃんと効果を発揮する…かも」
最初は鋼鉄製のワイヤーとか、そういうのを考えたのだが
斬られる可能性を考慮して、電気に焦点を絞った。
痺れさせる効果がどれだけ続くかわからないが、
「一応、1、2個だけでも作動はするけど、効果が薄くなる。
3個だ。アイツの化け物じみたフィジカルを拘束するためには3個生きてなきゃいけない。
これは覚えといてくれ」
指を三本立てて、説明をする。
実際に相対したから分かる。アイツの身体能力は異常だ。
普通の人を拘束するなら、こんなもの使う必要はないが、相手はもはや怪物。
だから、少年もここまで本気になってるのだろう。
「あぁ…無茶するなよ?」
ニッコリと笑って、少年の背中を軽く叩く。
彼の決意を、行動を信じる。
だけど、生きて帰れる保証もないから…無茶するな、とだけ伝えて
「もっちろん!ってかさ、次のガチャ引くの?」
っとゲームの話になればパアっと顔を明るくして
笑顔になってガチャとかキャラの話に移る。
そうして、面会時間が終了するまで話を続けて、帰路に着いた際に
次に少年とゲームができることを信じて、歩き出した――
ご案内:「常世総合病院 病室」から芥子風 菖蒲さんが去りました。
ご案内:「常世総合病院 病室」から霧島 孝介さんが去りました。
ご案内:「常世総合病院 病室」に追影切人さんが現れました。
ご案内:「常世総合病院 病室」に麝香 廬山さんが現れました。
■追影切人 > 斬奪怪盗との二度目の死闘からはや数日。
あの時に負った傷は思いの外、深かったようでまだ退院の目処は立っていない。
それでも、”三度目”があるやもしれぬからここでジッとしているのも苦痛ではある。
「……ホント、こういう無機質で何もねー空間苦手なんだよなぁ。」
ベッドの上でぼやきながら一息。病院着の隙間から見える首筋や肌は殆ど包帯で覆われている。
顔も左半分を義眼ごと切られたので、きっちり包帯が巻かれていて。
…そして、自ら切断して自爆攻撃に用いた左腕は肘から先が綺麗さっぱり無い。
「…んー、やっぱり片腕だとこう、バランスも悪ぃっつぅか締まらんつぅか…。」
左腕の袖口をヒラヒラと振りつつ。再生医療に頼るか義手でも調達して貰うか。
とはいえ、監視対象にそんなご丁寧な福利厚生が適用されるかは分からんが。
「あー…さっさと脱走してあの野郎を今度こそぶった斬りたい所なんだがなぁ。」
ここの看護師連中、何故かやたらと猛者ばかりで脱走しても即座に御用となってしまう。
■麝香 廬山 >
ガラ、そんな病室のドアが開いた。
開けたのは赤メッシュが似合う青年。
その手にはTOKOYOMAXと言われるクソ超絶甘党向けのコーヒー缶だ。
青年はや、と親しげに手を上げてご挨拶。
「なんだ、切ちゃん起きてたんだ。
ダメだなー。けが人なんだからちゃんと寝てないとダメだよ」
「治るものも治らないよぉ、それじゃ~」
なんともとぼけた喋り方をしながら病室へと入ってくる。
同じくして第一級監視対象の名を持つ青年である。
今回は一応許可を得てのお見舞いである。
当然窓の外にも部屋の外にも監視付き。
まぁ、正直視線が気になるのは今に始まった事じゃないので
青年にとっても恐らくそこで寝ている彼にも何時もと変わらないものだとは思う。
「随分派手にやったね。切ちゃんにしては珍しい。飲める?」
へぇ、とまじまじと見やる乍ふる缶コーヒー。
黄色の缶ってだけでちょっと甘さが漂いそうだ。
■追影切人 > 「……あ?今日は面会のアポとか無か――うげっ、てめぇかよ廬山…。」
扉が開く音に、今日は面会の予定などは聞いていないとばかりに顔を向ければ。
赤いメッシュが特徴的な無駄に爽やかな好青年ぶりが目立つ男がそこに居た。
――第一級監視対象『無間山脈』。…妖精、戦犯、そして凶刃と同じ立場の男だ。
彼は親しげに手を振るが、対してこの男は露骨に嫌そうな表情を浮かべており。
「つーか、見舞い第一号がテメェとか最悪なんだが…あと、もう十分に寝たっつーの。」
実際は、寝たというより昏睡状態が長引いていただけなのだが、それも彼の中では睡眠と同じらしい。
…あと、その手に持っている缶コーヒーは何か見覚えがある…確かクソ甘いと評判だったような。
「別に、治らなかったら治らなかったで構いやしねーっての。
それよりも、二度もやっておきながら奴をきっちり斬り殺せなかった事の方が問題だわ。」
と、真顔で返すこの男は本気で実際にそう思っている。
怪我はどうでもいいが、斬ろうと決めた奴を二度も取り逃がすのは屈辱でしかない。
監視の目は――まぁ、お互い今更というか慣れたものでいちいち気にするのも馬鹿らしい。
「むしろ、こんくらい派手に斬り合えなきゃな。一方的に斬るだけじゃつまんねーって。」
そして、その逆も然り。ワンサイドゲームの何が楽しいのか。斬り合いだって白熱する方が良い。
流石にクソ甘い缶コーヒーは微妙ではあるが、それでも渋々受け取るあたりがこの男の性格である。
「で、わざわざ見舞いに来たって?暇人だなテメェも」
■麝香 廬山 >
「そう、ボク。いやぁ、その顔が見たかった。
ボクといる時は大体そう言う顔をするけど、嫌がる元気はあるんだ」
青年は人に好かれにくい事を自覚している。
特に彼のような人物とは相反する自覚もある。
そして、自分が如何に"嫌な奴"かも。この台詞もそうだ。
とは言え、青年自体もそう言うのに"好意的"なものだから宜しくはない。
まぁ、悪いこと程程度の差はあれど人間は愉悦を覚えると言う事だ。
「美人さんじゃなくて残念。マコっちゃんもアマちゃんも
君の大好きな女の子を連れてこれればよかったんだけどなぁ~」
「いやぁ~ゴメンねぇ、切ちゃんムッツリだもんね?
ちょっとくらい気を利かせて女の子一人連れてくればよかったかな」
これは失敬、なんてわざとらしく肩を竦めた。
口から出る出まかせばかり。因みに女の趣味は知らないし
此処で上げた女性には誰一人声をかけなかった。
かけたらかけたで、後で面倒だし、当然。
監視対象故肩身の狭さは致し方ない事。
にこにこと笑顔を絶やす事無く、ゆるくゆるく、缶を揺らす。
「へぇ、随分とお熱じゃん。斬奪……なんだっけ?
そう言うからには結構満足出来た?切ちゃん。ボロボロだけどね」
文字通りの切った張ったの殺し合い。
見る限りとても勝者とは言えない姿だが
青年は彼が楽しいなら自分も楽しいとも言える。
監視対象同士の勝手な仲間意識とも言うべきか。一方通行なのは間違いない。
「そりゃぁ暇人だよ。出来る事は限られてるし
ボクは切ちゃんよりもお呼びがかからないし、下手に異能使ったら……」
「"ボンッ"て感じだしね」
自身の胸元で、大きく手を広げた。
文字通り、言葉通りの意味合いだ。
監視対象此処の制約は色々あるだろうが、青年の場合は異能が大きく制約されている。
下手に戦闘にでもなったら、ヨーイドンでお陀仏だ。
「あ、所でコレお土産なんだけど飲む?
敢えて嫌いそうなの選んできたんだけどさ」
にこにこ。
■追影切人 > 「そもそも、体はこの有様でも、精神的にへこたれてる訳でもねーよ。斬り殺し損ねた悔しさはあっけどよぉ。」
嫌がる元気は勿論ある。体はまだダメージが色濃いが精神的には何時もの男だ。
と、いうよりそもそもこの男とは性格的な反りが決定的に合わない気がしている。
(まぁ、どっかの妖精とか戦犯も絶対に俺とは気が合わねーだろうが。)
と、一人内心で呟く。むしろ、第一級監視対象の4人が意気投合したらちょっとした事件だ。
で、それよりもこの爽やか馬鹿は何をいきなり抜かしてやがるんだろうかと。
「あぁ?…つーか女好きじゃねーよ別に。それは二級監視対象の方に一人居ただろ…何ったっけ…あー…。」
肝心の名前やら呼称を忘れてしまったのか、隻眼は爽やか男から宙へと向けられて。
実際の所、女の好みとかは『無い』。そもそも、そういうのがよく分からん。
「…ま、いいか。そもそも顔も知らんし。んで、そんな無駄な気遣いはいらねーっての。
そもそも、俺らの立場からすると面倒でしかねーだろうが、んなもん。」
と、肩を竦めて言うが廬山の奴もそこは分かっていて軽口を叩いているのだろう。
癪に障るが、御互いの性格はある程度理解しているのがこう、何とも言えない。
「――ハッキリ言って仮面野郎そのものはつまんねぇ。だが、あの虚空?っつぅ剣は斬り甲斐がある。
…どのみち、ありゃ長くは持たねーだろうよ。遠からず自滅すんだろうが…。」
だからこそ歯痒い。どうせくたばるなら俺がきっちり引導を渡したいものだが。
ご執心、といえばご執心だが――仮に、あの男と剣が終わってしまうとなれば。
――また、次の斬り甲斐がある誰かを、何かを探すのだろう。
男はそういうもので、そもそも何かを斬る事が生き甲斐なのだから。
「――テメェは異能の制約だっけ?俺は異能そのものが封殺されてるが、まぁ大した違いはねーか…。」
とはいえ、異能だけが自分たちの危険性の全てでは無い。異能だけが危険な連中なら他に幾らでも。
そもそも、第一級監視対象になった理由は”全員バラバラ”だ。
正直、男は目の前の男を含めたほかの3人の第一級に指定された理由を知らないのだ。
…と、いうかぶっちゃけ興味が無い。どいつもこいつもやらかしてんだなぁ、くらいの軽い認識だ。
「テメェは本当に、無駄に爽やか面で嫌がらせが好きだな…!」
と、言いつつ引っ手繰る様に受け取るんだろうけど。
■麝香 廬山 >
「どうせなら"オレが殺したかった"……って、奴?
熱いねぇ、まるで恋じゃん。ボクには無縁の感情だ」
それだけ夢中に興味を抱けるなら立派な恋である。
燃える薪は惰性と好奇心。尤も、彼の中では熱は冷め始めているご様子。
何方かと言うとその恋は怪盗紳士よりも剣の方。
彼らしいと言えば彼らしい。
斬った張ったの血走りあい。恋と言わず何というか。
「持ち主はともかく、随分といい剣みたいだねぇ。
どう?斬られた感想は。気持ちよかった?」
笑顔を絶やす事無く訪ねていく。
傍から見ればなんて質問だと思わなくもないが
"そう言う趣味"と、恋とは得てして理解しがたいものだ。
「正確には戦闘禁止?使えなくはないけどねぇ。
自己防衛、正当防衛とか理由がないといけないし
それでも必要以上に使ったたら心臓ドカーン!って感じだけどね」
故に彼ほど"気軽に"お呼び出しはかからない。
山脈は不動。故に聳え立つ。
この異能を知れば納得されるかもしれないが、言う気もない。
自由に使えない異能<サイノウ>に何の意味が在ると言うのか。
「うん、特に切ちゃん達の嫌がる顔は最高だね♪」
実にご満悦である。
■追影切人 > 「…いや、何か気持ち悪ぃなそれ…恋だの何だのって俺にもさっぱり分かんねーっての。」
実際本気で分かっていない。或いは自覚が無いだけかもしれないが。
そもそも、相手が人だろうが化物だろうが無機物だろうが何だろうが。
楽しく斬り合いが出来て、それできっちり自分が斬り殺せたらそれで満足だ。
男が愉悦の感情を覚えるとすればそれくらいで、後はただ人間の”フリ”をした機械みたいなもの。
こうして他愛も無い軽口を開いているのは彼自身の性格ではあるが、同時に本質とは程遠いもの。
「あ?…まぁ切れ味は流石にやべぇな。そこらの業物程度じゃあっさり砕かれるだろーよ。
…つーか、別に斬られて嬉しい訳でもねーんだが。俺は斬りたい側だし。」
ただ、斬り合いが白熱してくると斬られようが何だろうが痛みは感じなくなるが。
少なくとも、男は別にそんな趣味は無いと思っているが、さてどうなのやら。
「…つっても俺みたいに一切使えねぇ訳じゃねぇだけマシ…まぁ、そりゃ個人の考え方によるか。」
肩を竦めて。能力が使えない代わりに、適度に凶悪な刃物を持たされて始末屋紛いをさせられる。
既にそういう事を何度もしてきたし、今回の斬奪怪盗との戦いもつまりそういう事だ。
生け捕り、捕縛、戦闘不能にするとかは生温い。確実に斬り殺す、そういうオーダー。
(ま、二度も取り逃してる時点でこの後のペナルティーが…あークソ、考えたくもねぇ。)
溜息と共に、片手でプルタブを空けてコーヒーを一口…途端に凄い微妙な表情になる。
そもそも、男は甘い物は人並みには食えるがこれはちょっと…まぁ、口に合わない。
「だと思ったよ愉悦野郎!…つか、他の連中にもやらかしてんのかテメェは…。
……あーいや、テメェはむしろ嬉々としてやる奴だったな。」
本当にコイツ苦手だわ、と改めて思いつつ不味そうにコーヒーをちびちびと飲む。
何だかんだでちゃんと飲もうとしている辺り、妙な律儀さである。