2022/01/26 のログ
麝香 廬山 >  
「そうかな?君は斬りたいし血潮滾る戦いが好きなんじゃないの?
 おまけに、その……なんだっけ?まぁいいか。その"ナントカ"と
 斬り合うのは楽しかったんでしょう?熱情以て、他人の何かに執心する」

「気持ち悪いと言わず、立派な恋だと思うけどね」

何とは言わずと人と人とがつながり合う縁。
勿論それは一般的恋とは程遠い血生臭いものだ。
とは言え、その執心は"好意"と言ってもいいだろうし
既に興味以上の存在であることは違いない。

"恋"、等と宣うのは、ひとえに青年の"趣味"。
好んだ言い回しと言う他はない。

「さぁ?ボク、一回も恋したことないしさ。
 マシかどうかはともかく、切ちゃんより強いから扱いに困ってるんだよ。向こうも」

笑顔を絶やす事無く平然と宣う言葉には
真偽はともあれ絶対の自信がついている。
誰よりも強いと、陳腐な表現だが"最強"を疑わない。
自分自身に対する絶対な自信がそこにはあった。

勿論、自身が在ると言う事は裏付けがあるのだがさて。

「でもいいなぁ、ボクもそう言う相手現れないかな。
 切った張ったが出来るような運命の相手……あ、そうそう」

「罰ゲーム何が来るだろうね。ボクも後ろから見てるから楽しいものがいいなぁ~」

人の不幸は蜜の味。
人が受けるペナルティもまた甘いものだ。

追影切人 > 「斬りたいのは間違いねぇけど、血潮滾るっつーのはどうかね…いや、まぁそうなるんか?」

正直、斬り合いに夢中になっている時は常にハイになっているような状態だ。
幾分か記憶も飛んでいる所があるし、正直その時は目の前の相手を斬る事しか考えていない。
余計な思考はいらない、余計な感情もいらない、ただ斬る事だけに専心するのは――まぁ、楽しいのだろう。

「…いや、何か言いたい事は分からないでもねーんだがよ?
恋だと何だので表現されると気持ち悪いっつーか違和感しか感じねーわ。」

嫌そうに眉を潜めて。例え、それに近いものがあったとしても認めたくない。
彼なりの表現なのは何となく理解出来るが、それを言葉そのままに受け取るのは難しい。
そもそも――本来、ただ斬る事に恋だの執心だのは必要ないものだ。
ただ、斬るだけなのだからそこに余分なものが混ざれば切れ味が落ちる。

「あーハイハイ、テメェの俺が最強自慢は聞き飽きたっての。
つーか、テメェが出張ると色々面倒そうなんだよなぁ。俺とか後始末に回されねーだろうな…。」

もしくは、他の『リスト』に載ってる――主に二級監視対象の連中に尻拭いが回ってくるか。
妖精は我関せずだろうし、戦犯は例の鉄火の支配者が監督している。
もし、一級でこの愉悦男の尻拭いをするとなれば、消去法で己に回ってくる可能性が高い。

(…うわ、面倒臭ぇ。コイツの尻拭いとか最悪じゃねーか)

甘ったるいコーヒーを不味そうに飲みつつ。出来るなら二級の連中に丸投げしたいものだ。
彼と違い、この男は最強とか自負は無いし興味も無い。
ただ一つ――斬る事に関してだけは誰にも負ける気は無い。それだけだ。

「テメェの運命の相手とか、幾ら俺でも相手が気の毒に思うわ…あぁ?」

うるせぇ、人のペナルティーで愉悦やってんじゃねぇこのクソ野郎が。
と、言ってもこういう奴なので何を言っても何処吹く風なのも経験上分かっている。

「まぁ、取り敢えず退屈だからさっさと退院してーわ。
左腕の代わりもどうにかしねーとだしな…義手とかって何処で手に入れりゃいいんだ?」

甘ったるいコーヒーを一気に飲み干す…口の中が最悪だ。
取り敢えずやるべきは、さっさと退院する事と左腕をどうにかする事だ。
左目に付いては、そもそもが義眼だったから別にそっちはどうでもいいのだが。

麝香 廬山 >  
「でしょー?嫌がる言葉選んでるだもの」

そう言う趣味だから仕方ない。
生まれついてか、物心ついた時からなのか。
どうにも人の"嫌がる姿"というのに惹かれる。
そう言う意味ではこれも恋なのかもしれないが
邪恋ほど性質の悪いものもないだろう。

「自慢じゃなくて事実さ。切ちゃんだろうと、誰だろうとね」

「ボク、多分一番強いから」

この学園の誰よりも、と宣って見せる。
嘘か真か、真偽は彼の事を知るものにしかわからない。
少なくとも《無間山脈》の名は伊達や酔狂で付いたものではない。
古来より山とは聳え立ち、行く手を阻む。
登りくるものを理不尽に阻み、勇気ある者ののみが頂きを手にする。

その自信まさに、山の如し。

ぴ、と人差し指を相手へと向ければわざとらしく自身の髪をかき上げた。

「────勿論、切ちゃんにボクを斬る事は出来ない」

絶対に。
何ともわかりやすい挑発だ。
絶対の自信からくるこそ、言ってのける。

「ま、切ちゃんはまだ仕事も多そうだしね。
 ボクの相手をしてる暇も無いだろうけど……んー」

「そう言うのって医者とか学者の仕事じゃない?
 切ちゃんにくれる"許可"がくだるかは知らないけどね」

「いっそのこと、義手を猫の手にするってのはどう?」

にゃーん、なんて手首をまげて猫の手ポーズ。
それならすぐに用意して上げれるのになぁ~、残念だぁ~。

追影切人 > 「…テメェはそういう所が何ていうか……まぁ、いいか。」

こういう奴だから何をどう言おうがあんまし意味は無い。
面倒臭そうに廬山を一瞥してから、盛大に溜息を漏らして。
他の2人も苦手だが、矢張りコイツが一番第一級の面子の中では苦手な気がする。

「そりゃ良かったな――まぁ、テメェの場合はただの虚言じゃねぇのが尚更タチが悪い。」

第一級に指定されるのは能力だけが判断基準ではない。
だが、その能力も考慮されるのは間違いのない事だ。
――少なくとも、己の場合はその能力が大きな所で、わざわざ『封殺』されている。

彼の自信に溢れた言葉に、ハッ、と笑って。
「そりゃお互い能力も何もかもきっちり使えねーとな。」
と。別に能力無くても斬るけど。
この男もまぁ、冷めているというか興味無さげだが負けず嫌いな所はある。
挑発されれば乗りたくもなろうというものだが、第一級同士は例え模擬戦であろうとやり合うのが難しい。
――と、いうより意図的に第一級の4人はあまり同じ場所に集わないようにされている。

まぁ、今回はただの見舞いの名目だとしても監視は常に目を光らせている訳で。

「まぁ、そんなに強さ自慢したいならいっそ特級の目隠し女にでも喧嘩売ってみたらどうだ?
まぁ、アレは監視じゃなくて隔離対象みてーなもんだから、面会まず無理だろうが。」

特級監視対象――自分や、目の前の最強を自負する男より『危険』認定されている女。
確か、今は公安管轄のどっかの牢獄?か何かに何重もの監視体制で幽閉だったと聞いたが。

「ざけんな、それなら隻腕のまんまの方がマシだっつーの。
あー、再生医療とかも待ったが掛かりそうだし、面倒だな…。」

義手といっても、相応に高性能となると限られてるしそもそも認可が下りないだろう。
まぁ、どうしようもなければ別に隻腕のままでも構わないといえば構わないが。

「…つーか、何でオレだけ毎度扱き使われてんだかな。お前ら3人も扱き使われてろよ。」

と、ぼやきつつ空き缶は無造作に病室内の缶専用のゴミ箱にダストシュート。

麝香 廬山 >  
青年にとって退屈は何より嫌いだ。
だから、この限られた自由で最大限の愉悦を探していた。
このろくでもない人生の中で、刺激を貰えるとすれば
それは嫌悪か、彼の様な"切れ味"位だ。

────そんな目で見てくれるなよ。

と、口で言えたらどれだけ自由な事か。
お互い許可も無ければ出会えないような間柄。
妙な絆意識さえ愛しく思えてしまうもの。

「それもそうだ。いやぁ、切ちゃんくらいだよ。そう言ってくれるの。
 ほかの二人はなんていうか……まぁ、性悪だけど"盲目"なんだなぁ」

性格の悪さだけで言えば人の事を言えたものじゃない。
とは言え、あの二人は明確に焦がれるものがある。
それ自体は良い事だと思うが、悪く言えば"腑抜け"だ。
だからこそ"いやがらせ"の一つをしたくなるものだが

悪知恵の働く大人の"悪戯"ほど性質の悪いものはない。

青年はそれを自覚しているからこそ、見透かされているからこそ
制約を受ける身にもなっている。悪戯の代償は命。
生憎、そこまでのスリルは求めていない。
ふ、と何処か気の抜けたように鼻で笑えば踵を返した。

「冗談。寧ろボク等が会えるはずもない」

こうやって互いに顔合わせるのも大変だと言うのに
"あんな奴"相手に会う許可が下りるものか。
勿論、それでも自信が揺らぐ事は無い。
要するに、"売れるなら売ってる"と言う事になる。

「いっそのこと、義手の下に刀でも仕込んだら?お似合いだよ」

尤も、お互いただでさえ不自由な身。
武器を携行ともなれば、そうそう簡単に出来るものでもなさそうだが。

「そんなの決まってるでしょ。一番切ちゃんが使いやすいからだよ」

核弾頭や不発弾なんかよりも、刃物の方がよほどわかりやすい。
おまけに扱い方を間違えた所で、被害も前者よりよほどまし。

「ま、コキを使われるような事案を待ってるから精々しくじってよ」

「今日は楽しかったよ。じゃね♪」

青年は振り返ることなく、病室を後にするだろう。

追影切人 > 好奇心は人を殺すが、退屈も人を殺すには十分だ。体は問題なくても心が腐っていく。
彼は限りある自由で愉悦を求め、一方でこの男は斬り合い――斬り甲斐のあるモノを求める。
求めるものも方向性も全く違うが、”刺激を求めている”という意味で括れば案外似たようなものか。

――まぁ、別に他の連中に仲間意識も友情も何も全く持ち合わせていないが。
――だからこそ、こいつらに遠慮はしないし少なくとも男の方は余計でまだるっこしい言葉は用いない。

「――っていうか、絶対に向こうからテメェとかち合うの避けそうな気がすんのは俺だけか?」

俺達に相性も何もあまり意味は無いが、ノリやら気質やら考えと言ったものを含めれば。
全員が全員、見事に擦れ違いで噛み合わないのは分かりきった事だ。
まぁ、面倒くさい事にこの山脈野郎に自分はある程度の愉悦対象認定されているようだが。

「――まぁ、テメェがあいつらにちょっかい出すのは好きにすりゃいいが自己責任だかんな。
こっちに飛び火だけはさせたりすんじゃねーぞ。」

そういうのは単純に面倒臭いし面白くも何とも無い。
ひらひらと右手を振るようなジェスチャーで、そういうのは勘弁、とばかりに。

踵を返す男に、「まぁそうだろうな…」と。そもそも特級と面会なんて絵空事に近い。
まぁ、特級相手でも俺が最強だという自負は揺るがないコイツも大概だが。
まぁ、自分も斬る事に関してだけは誰にも負けないという自負がある以上、人の事はあまり言えない。

(――仮に、”あの女”とコイツが遣り合うとしたら色々やべーからな。)

そういう感想を抱く程度には、実現は絶対にさせてはいけない対戦カードでもあり。
もっとも、あの女と第一級の面子が邂逅するのは公安や風紀としては絶対に避けるべきだろう。

――何故なら、ロクな結果にならないのが『確定している』から。

「仕込み刃物って強度がいまいちなんだよなぁ…。
まぁ、義手にするか、手を尽くして再生医療頼るか。
その辺りは追々考えるとして。」

今は取り敢えずさっさと退院したい。『三度目』の斬り合いは――流石に難しいだろうが。

「俺は便利屋かっつーの…扱き使うならもうちょい行動の自由度を緩和しろって話だ。」

行動の制限はきっちりされつつ、それでパシリのようにあれこれ使われる。
慣れているといえば慣れているが、だからといってそれに納得はしていない。

(――せめて、第二級の奴らに割り振れよって話だが)

第二級の面子も個性やら能力やら癖が強い連中ばかりと聞いているから難しいか。
だからといって、何で自分がやらなければいけないのかが矢張り納得行かないが。

適材適所――斬るだけの仕事を任せられるなら、まだ納得もしようが。

「うっせぇ、テメェこそ一度扱き使われてみろ愉悦野郎。
ああ、とっとと帰りやがれクソが。」

と、悪態を零しながら男を見送れば、不貞腐れたようにベッドへと寝転がり。

「……ほんと、色々と面倒臭ぇな。」

呟いて隻眼を閉じれば、束の間の眠りへと落ちていく。

ご案内:「常世総合病院 病室」から麝香 廬山さんが去りました。
ご案内:「常世総合病院 病室」から追影切人さんが去りました。