2020/06/23 のログ
ご案内:「幻想生物研究室」に暁 名無さんが現れました。
ご案内:「幻想生物研究室」にセレネさんが現れました。
■暁 名無 > ──幻想生物研究室。
大仰な名前をつけてはいるが、実際のとこ普通の生物室とあまり変わりは無い。
俺、暁名無が実質ワンマンで常世島の幻想生物……生物にはもちろん植物も含まれる……その生息分布や行動習性、
および諸々を研究する機関である。ワンマンとは言うものの時々生徒にもバイトという形で資料整理などを手伝って貰っているし、
授業を選択して受講してる物好きはいわゆるゼミ生という扱いでパシって貰っている──そんな研究室。
「ふう、流石に校舎内は外よりは幾らか涼しいな。
大丈夫か、ちゃんとついて来れてるか?」
屋上から校舎内へ。更に数フロア分降りてたどり着く“生物学フロア”その端っこに位置するこの幻想生物研究室。
俺はもう慣れっこなのでどうという事は無い道程だが、編入したての生徒には少しきつくなかっただろうか、と俺は背後を振り返りつつ訊ねてみた。
■セレネ > 「…なかなか、遠い場所にあるんですね…。」
背の高い相手へ、遅れないようについていくので精一杯。
体力はそれなりにあるつもりだったが暑さもあってか少しバテ気味だった。
振り返って此方を見る顔には、己の若干の疲弊が見て取れた事だろう。
そういえば、己は碌に校舎を見て回った事は無かった気がする。
■暁 名無 > 「まあ、色んな移動手段があるからな。」
今回はあえて歩いてきたが、魔術を用いた移動手段もあれば動く床といった機械的なものもある。
俺が徒歩が好きというだけの理由で付き合わせたのは本当に申し訳ないと思いつつ、
「はっはっは、でもそのうち慣れるさ。
嫌でもこの建物の中で勉学に励まなきゃならないんだからな?」
まあ、外で受ける授業とかもあるけど。
その辺りは追々セレネ自ら知っていくことを尊重したい。
「さ、着いたぞ。ようこそ、幻想生物研究室へ。」
廊下の突き当たり、観音開きの扉を開く
■セレネ > 元の世界では、己自身が持つ転移魔法で
扉を開ければ目的の場所に着いていたので
あまり歩くという事はなかったのだけど。
…まぁ、良い運動になったと思えば良いか。
「他にもあるのに徒歩にしたんですか…?」
何故言ってくれなかったんですか?
それ以降の言葉は目で語ろう。
「勉強自体は好きだから良いんですけどー…
冷たい飲み物が欲しいです…。」
干乾びてしまいます、とぐったり。
両開きの扉、ノブに手を添え開く音。
初めて見る光景は、どのようなものだろうか。
■暁 名無 > うわあ、めっちゃ非難がましい目で見てくるぅー、ぴえん。
「いやあ、まあ、その……健康にも良いし?」
喫煙者の口から出てくる言い訳ではない、と俺も思う。
そして思った以上に疲弊しているセレネを見て、罪悪感がひしひしと沸いてくる。
「ああ、冷たい飲み物な。麦茶でも用意しよう。
中はもうちょっと涼しいだろうから、ほら入った入った。」
研究室の中──は、研究室と言われて想像する室内にはちょっと遠いかもしれない。
応接室と事務室を併せたような内装、それと数台のパソコンデスク。あとは背の高い本棚がずらっと並び、大きめの窓にはブラインドが掛かっている。
とてもじゃないが何かを研究しているような印象の部屋ではないだろう。
エアコンは回しっぱなしで室内から室外へと冷ややかな風が流れている。
■セレネ > 「健康を考えるのなら喫煙は辞める事ですね。
禁煙のお手伝いでもしましょうか。」
慣れてるので。
相手が喫煙している理由など知らないからこそ言える事。
「アイスティーはないのです…?
出来るなら紅茶が良いですね。」
イギリス人ではないけれど。
100%ロシア人ですけど。でも紅茶は好きなんです。
そんな我儘を言いながら、入れと催促されれば一歩、踏み出して。
「…ふぅん。」
室内に入り、見回しては。
案外きちんと整頓されていそうだし、不必要に物がごちゃごちゃしている雰囲気もない。
「…まぁ、アレは特殊だしな…」
遠い記憶の中にある研究室は、常に魔術書や薬品が雑多に置かれていたし。
――なんて事を思い出しては地味な頭痛に襲われた。
■暁 名無 > 「あー……まあ、そのうちな。
紅茶ぁ?……あるけどそんな高価なもんでもないぞ、コンビニの紙パック紅茶だからな。」
禁煙手伝いの申し出はそれとなーく受け流す。
そもそもどんな手伝いをしてくるのか想像もつかない。四六時中付きまとわれるのも流石に……ねえ?
俺は備え付けの冷蔵庫からコンビニ紙パック紅茶を取り出すとグラスに注ぎ始める。
「大して面白いものも無いだろ?
生き物、文字通り生きてるものを取り扱うからなー、あんまりごちゃっとさせらんないのさ。」
誤飲誤食、あるいは破壊。
こちらが気を使わないといけない事はごまんとある。
だからなるべく余計な物は置かず、整理整頓を心掛けている。
………まあ、仕事が詰まって来た時はその限りじゃないけど。
「……ん?どうした、軽度の熱中症でもなったか?」
紅茶入りグラスをセレネへと運んで来れば、なんだか顰め面になっている。
外との温度差で頭でも痛くなったのだろうか。
■セレネ > 「平時ならまぁ、良いですけど。
怪我をしている時は禁煙して下さいね?怪我の治りが遅くなりますし。
…まぁ、早く治したいなら私を頼ってくれても良いのですが。」
禁煙については流されてしまった。
喫煙も一つの娯楽だから、少しずつどうにかしていけたらとは思うのだが。
「え、茶葉ないんですか…?!」
信じられないというような驚愕の顔。注がれる紙パック紅茶に、視線を注ぎ。
「いいえ。
生き物達が怪我でもしたら大変ですしね。」
己が居た孤児院では小さな子が振り回さないよう、
刃物類や危なそうな物は高い所に置いていたものだ。
だからそうしなければいけない理由もよく分かる。
「……いえ、大丈夫です。
たまにある事なので気にしないで下さい。」
”己の物ではない”記憶が、時折こうやって表に出てくる。
暫くすれば治まるだろうと、かけてくれる声には問題ないと首を横に振って。
とりあえず適当な椅子に座ろうとした。
■暁 名無 > 「ほいほい、肝に銘じておくよ。
まあ、滅多に怪我するような事なんて無いけどな、危ないとこもあんま行かねえし。」
たまに、いや、稀に?ともかく全く行かないわけじゃないけど頻度は低い。
けども、セリネに頼るって……どういう意味だ?
「無いよ、そんな贅沢な物は無い。」
日本茶ならあるが、正直淹れ方はあんまり詳しくない。
コーヒーも同じく。大抵インスタントだ。
だからそんなに驚かれても、無いもんは無い。
「そゆこと。
ああ、座るならそこのソファに座りな。上着もソファの背にでも掛けときゃあいい。」
大丈夫、と本人が言うなら大丈夫なのだろう。
それ以上の追及はしない。大丈夫じゃ無さそうなら見れば分かるし……。
■セレネ > 「平和と健康が一番、ですしね。」
どういう意味かは、聞いてくれたら教えるかもしれない。
教えないかもしれないけれど。
「…茶葉って此処では結構なお値段したりするんですか…?」
相場がよく分からない。
欲を言えば蜂蜜とジャムも欲しかったが仕方ない。
無いと言われてしまえば残念そうにしょぼん。
「ん、分かりました。」
ソファにとの言葉を受けると、座りかけた椅子を元に戻し。
其方へと歩いて改めて座る。
モヤモヤした頭痛、嫌だなぁ。
治癒魔法かけた方が良いかなぁ。
一人悩み中。
■暁 名無 > 「ああ、まったくだ。
そうでなくても忙しさに殺されそうな時期が近いってのにもう……」
セレネがソファに座ったのを見て、ふぅ、と一息つく。
そう、もうすぐ試験期間が訪れる。毎年毎度忙殺されそうになる時期が。
「ああ、いや。茶葉を買うだけの予算が無いってだけの話だ。
そんな顔するなよ、わかった、今度用意しとくから。」
まったく、この研究室の家計簿を見せてやろうか。
火の車で火傷するぞ。
「ふむ……お、そうだ。
こんなのどうだ、ミスト送風機。めっちゃ涼しくなるやつ。」
少しは頭痛の軽減につながれば良いんだが、と俺はセレネの前のテーブルにミニ扇風機の様な物を置いてみる。
小型のペットボトルタンクからの水を霧状にして風と共に送り出す夏場の必須アイテムだ。
精密機器の傍で使うとちょっとえらいことになるやつ。
■セレネ > 「……忙しくなる時期ってありましたっけ…?」
座っていても、背凭れに背を預ける事は無く。
ピンと真っ直ぐに伸ばしており。
そしてそんなのあったっけなんて暢気な事を。
「あぁ…成程。生き物を飼うってだけでもお金かかりますからね。」
でも用意しておくなんて言葉が聞こえればぱぁっと表情を明るくさせて。
「へ?
…あー、これですか。でも、先生は暑くはないのです?」
己への気遣いとして、目の前に置かれる小さな扇風機。
有難い気持ちはあれど少し申し訳ない気持ちになってしまって。
少し悩んだが、目の前で魔法を使って見せよう。
目を伏せ頭の中で式を構築、発動させれば己の身体はほんのりと月色の光を帯び。
少しして淡い光が霧散すれば、頭痛は消えてなくなっていた。
…魔法の力も問題なく発動出来そうだ。
目を開けて相手の反応を伺ってみる。
■暁 名無 > 「試験だよ。試験期間がもうすぐなの。
あれは忙しいんだ、試験監督したり採点したり、直前の授業が詰め込みにならないよう計画編んだり……」
うへえ、と自分で言ってて嫌になる。
それでも自分が受け持つ科目はペーパー試験を受ける生徒は少ない。どちらかと言えばフィールドワークが試験になるからだ。
夏の農業区に生徒たちを平気で放り込む鬼畜生、と陰で言われてたから希望通りに放り込んでやった事もある。まったく。
「そういうこと。下半期の財源確保しないとなー、はぁ。」
もううんざりしそうな話題は止めたい。やめよっかこの話。
「俺は平気。暑さにはそこそこ強いのもあるし。
いいからいいから、遠慮すんなって……の?」
送風機のスイッチを入れようとして手を止める。
何だか急にセレネが輝き始めた。え?何?進化でもするの?
しかし進化も変態もしないまま光は霧散し、何も変わらないセレネがそこに。
えっと……どういうこと?ときょとん顔でセレネを見つめる。
「……今、何かしてたか?
あ、ちょっと顔色よくなった?」
■セレネ > 「あ、そっか。試験があるんだっけ…。
生徒達も大変でしょうけど、先生方も大変なのですね。」
お疲れ様です、と労いの言葉。
幻想生物、気にはなっているがやはり触れ合うというのもあってか外での取り組みが多い為、太陽が苦手な己にとっては歯痒い思いをしている。
だって日焼け止め塗っても焼けてしまう肌をしているのだ。
「そ、それだけ難しいのなら無理に茶葉は買わなくても…。」
必要なら己が買って持っていけば良いだけの話なのだから。
と、そういえばお金の為に仕事をしないといけないというのを忘れていた。
「先生、此処でお手伝いしたらお金もらえたりします?」
絶賛火の車へ更に油を注ぐ言葉。
「ぁ、ぇ、と…はい。
その、私…実は魔法を扱えまして。」
驚かれただけで済んだ。
良かった…と内心安堵しながら説明をしようと。
■暁 名無 > 「そりゃあお仕事ですから。楽ってもんじゃないさ。」
だからこそこうして女生徒と気楽なお喋りをしたり、目や心の保養をしたりしてるわけだ。
つまりこれは戦闘前の軍事補給と言える。言えない?だめ?
「まあ紅茶の茶葉くらいなら然したる出費でもないし……」
率先して置いておきたいものではないから無かっただけで。
生徒が必要だと言うなら、まあ置いとくことも吝かでは。
「んー?
お金が出るお手伝いと出ないお手伝いがあるけど。」
お金が出るお手伝いはまあ、それこそお手伝いというもののバイトに近いし、見合った作業量はある物だ。
お金が出ないお手伝いは本当にお手伝い。まあ、飲み物と座り心地の良いソファでごろごろ出来る、のが報酬といえば報酬か。
「まあ、そりゃな……こんな学校来るくらいだから、魔法くらい使えてもおかしくはない。
俺も初歩の初歩とか、変なのとか、使えるしな。」
変なのは本当に変なのだし、碌なもんじゃねえけど。
■セレネ > 「仕事は何処でも大変ですね…。
お気持ちとてもよく分かります。」
目的はどうあれ、己が何か役に立っているのなら
それで良いと思っている。
相手ならば恐らく変な事はしないだろう、というのもあるかもしれないが。
「なら、折角置いてくれるのでしたらまた来なくてはいけない訳ですね。」
他の子や先生がわざわざ茶葉から抽出して紅茶を飲む行動をするかも分からないし。
「…なるべく陽の当たらない所での作業であれば、恐らくお手伝いできると思うのですが。
そんな都合の良い事ってないですよね。」
勿論、お手伝い=バイトとして問いかけた質問だ。
「他にも扱えたりはするんですけど…その、周りの目とか考えると使いづらくて。
先程の魔法は治癒魔法…回復魔法とも言いますが、私、その魔法を使って働いていたんですよ。もともとは。」
此処に来る前の話になりますけど。
「――先生も魔法、扱えるのですね?」
意外。驚いて目を瞬かせた。
■暁 名無 > 「ホントなら先生なんてやらないで常世島のあちこちで研究に没頭したいんだけどね……」
やれやれ、と肩を竦める。
出来れば働きたくないのだけど、まあこうやって女子高生と接する機会があるから仕方なくだ。ホントに。
「まあ、来なくてもそのうち無くなるとは思うけど……
折角だし頻繁にとはいかなくとも、ちょいちょい顔見せてくれると嬉しいな。」
これも何かの縁だろう。知り合いの生徒は多いに越したことはないのだから。
「ふむ……となると、日光が苦手なチビーずの放飼係、とかかなあ。
休日前の日没後から大体日付が変わるくらいまで、で時給1500円くらい。」
さほど重労働ではないけど、拘束時間が割と長い。
しかも生徒たちの評判はあまり宜しくない。ゆえに割と高時給。
「ああ、外だとまだ偏見とかも残ってるもんな。地域にもよるが。
なるほど、ヒーリングを生業にねえ……うん、イメージとしてあんまり変な感じはしないな。」
しっくりくると思う。いや、昨日今日で知り合った相手の事を何が解るんじゃと言われると困るが。
「初歩の初歩、魔力消費がめちゃくちゃ少ないちゃちいやつをね。
体質上、回路の出力がもうざっこ雑魚でな。派手なのは無理なんだ。」
我が事ながら失笑しつつ、セレネの座るソファの背もたれに腰を下ろして。