2020/06/25 のログ
暁 名無 > 「いや、それはその通り過ぎて何も言えなんだが。
 そうじゃなくて、そういうことじゃなくてな?」

場所が場所だぞ、と流石の俺もどんな顔をすれば良いのか分からない。
いや、ニヤけそうになるのを全力で堪えてるんだけども。
しかし、躊躇していれば急かす様なセレネの視線が突き刺さってくる。進んでも地獄、引いても地獄では?

「よ、よーし分かった。
 後で訴えるとかは勘弁してくれたら何でもするから──」

恐る恐る谷間……じゃない、小さな爬虫類へ手を伸ばす。
するとこの鱗野郎、身の危険を感じたか再び姿を消しやがった。
よほど俺が鬼気迫る顔をしていたのだろう、上側は危険と判断したか──?

セレネ > 「此処に”人”は居りません。
なので告げ口をする生徒も居ないでしょう、きっと。」

人は居ないけど人以外の者が居ないとは言っていない。
幻想生物の研究室だからか、比較的どこぞの生物の浮遊霊が多く見受けられる。

「今何でもするって言いました?
…ひゃっ!」

伸ばされる相手の指先に、危機を感じたか頭を引っ込めたトカゲ。
徐々に下がってくる感触に悩まし気に身体をくねらせる。

「せん…せっ、早くぅ…っ!」

下手をすれば何かの誤解が生まれそうな声で、そう急かす。

暁 名無 > 「それは分かってるけどね──!?」

心配なのは今目の前に居る当事者が告げ口をしないかということ。
まあ、そのつもりならわざわざ俺にやらせないで自分で済ませて俺の糾弾に戻るだろうし……
生きてる物以外の事までは流石に把握し切れていない俺である。だって担当は「生」物だからね!

「カッコ、何でもするとは言っていない──じゃなくて
 お、おいセレネあんまり動くな……」

早くしろと言われても流石にそこに手を突っ込むのは気が引けるんだぜ?前に一度やったことはあるけど!
しかし現状手をこまねいていても泥沼だ、とりあえず今は──

「セレネ、とりあえず奴の逃げ道を塞いでくれ、多分下から腕で持ち上げるようにすれば引き返して──」

そこまで言ってふと気づく。
もしかして、それは大変危険なことなんじゃないかなって

セレネ > 「私、これでも口は堅い方なので…。
それに、こんな事誰かに言ったら私の立場も危うくなりそうですし…。」

あらぬ誤解が生まれては困ると。
相手とは逆に、「死」担当な己です。

「だって、だってこの子が動くんですもの…っ!」

動くなと言われても難しい。
やった事があるなんて聞いた際にはゴミでも見るような目で相手を見上げるに違いないだろう。

「ぇ、ぅ、わ、分かりました…。」

言いかけた言葉。
素直に従って下から胸を持ち上げる。
ブラウス一枚、隔てた柔らかな肌が主張。

暁 名無 > 「確かに……!」

転入早々教師といかがわしい事をした、なんて噂が立てばセレネの今後はもう真っ暗だろう。
流石にそれは申し訳なさというか罪悪感が天元突破する。本当に申し訳ない。

「だろうなっ、分かる!分かるよ!くすぐったいよな!
 でも少し我慢してくれ、狙いが定め辛くなる……!」

それと非常に目に毒。間近でふよんふよんさせないでください。
他の生徒との出来事なんて口にするわけも無く、知らぬ間にゴミと同類にされるのは回避した俺だった。ほっ。

「わ、分からなくて良いから!
 お前そもそも何のために胸押さえて──」

隠すためではないのか。何を。“してない”のを。
それが今や自ずと見せつけるかのように迫り出されて……
ええと、ご、ご馳走様です……?

セレネ > だから、この出来事は秘密裏に行うべきなのだ。
傍から見れば狼狽える教師に色仕掛けをして迫っている生徒にしか見えないのだし。

「はぅ…うぅ…っ!」

羞恥心がない訳ではないのだ。
当たり前だ、こんな事が無ければ下着を回収して平手打ちの一つでもしているというのに。
ふるふると揺れるマシュマロに、唇を引き結んで耐え。

「誰のせいでこうなったんですか…!!
責任取って下さいよぉ…!」

己だって好きでこうしている訳では無い。
暑くなる顔は耳まで染まって。

暁 名無 > 今ほどこの研究室に誰も来るなと祈った事は無い。
日頃誰か来ないかなー来ないかなーって仕事してたのに、だ。

「も、もちろん!俺に出来る限りの事をするつもりだ!
 それで責任取った事になるなら、だけど……」

羞恥に染まった顔を直視出来ず、かと言ってどこに目を向ければいいのかも分からず。
視線を彷徨わせていては、捕獲の好機を逃すかもしれない。
となると視線の矛先は一か所な訳で。

「………っ」

改めて見ると大きくて肌も白い。マシュマロ、という表現がしっくりくる。あるいは大福。
ブラウス一枚に隔てられているものの、下から抱えあげられるように主張したそれは薄桜色のワンポイントまで見──

──余計なとこ見てたら再びカメレオントビゲッコーが谷間から顔を出した。

「今!!」

反射的に手を出し、首根っこ掴もうと指を伸ばす。
むにっとした変温動物ではない感触も指先にあるが、今は無心、平常心、俺は爬虫類捕獲マシーン……。

セレネ > 一応、周りに気配探知の魔法を展開して誰も来ていないかの警戒はしてはいるものの。
気配を消す異能を持った生徒等が来た場合は流石に探知が出来ない。あくまで魔術的なものであるからだ。
しかし、今の所は誰かしらが来ているという気配は感じられない。
…ならば、大丈夫か…?

「…。」

他の事で責任取らせるのも有りかなぁなんて、一瞬理性が働いた。
だってこの人生徒の下着剥ぎ取ったのだもの。それくらいしても許される筈だよね…?だよね…?
どれが”責任を取った”事になるかは己の胸先三寸で決まるのでは?

「んっ…!」

白人だから、日本の肌の白い人より肌が白いかもしれない。
なんだか見られたくないものまで見られた気がするが、この際仕方のない事。無理矢理己を納得させる。
そしてついに顔を出したトカゲが相手に捕獲された。

ぬるりと抜き出すトカゲ。
ようやっと解放された感覚に腰が抜け、ソファに尻を預けた。

暁 名無 > どうにか捕獲したゲッコーを、懐から取り出したカードでぺしり。
そのままカードに吸い込まれる様に消えていく爬虫類を見送って、大きく息を吐く。
なんだかすんごい心労が嵩んだ。禿げんじゃねえかなあ……俺……

「………。」

ソファに座り込んだセレネを見て、俺も何だか立っているのが億劫になってきた。
が、流石に俺が疲れている態度を見せれば、多分セレネは凄い怒りそうな気がする。
それに、

「ええと、本当に申し訳ない……」

上からの眺めは相も変わらず良好。謝罪の言葉を口にしながら言うのもどうかと思うが。

セレネ > 相手が取り出したカードに、吸い込まれていくトカゲ。
その様に目を瞬かせるも、問う気力も今はなく。

漂う沈黙に、思い出したかのように再び胸元を腕で隠した。

「……貴方のせいだけでは、ありません。
警戒もせず良しとした私も非があるので。」

謝罪にはそう述べ。
未だ拾われぬままの下着を拾いに行かなければいけないが、足に力が入らない。
力を入れようとしても、震えてしまって上手く立てないのだ。
情けないと深い溜息を吐く。

暁 名無 > 「じゃあ、ええと……
 この事は二人の秘密という事で……」

この手の悪戯は二度とセレネにするまい。
魔術の勉強をする事と共に固く誓う俺である。

「あー、ええと……取って来ようか?
 俺に見られるのは嫌だっていうなら、このまま見ないようにしておくけど。」

何の話かと問われるなら、下着の話と答えよう。
胸元を隠す仕草を見て、今更じゃないかなあ、と思ったけど口にはしない。
今更だからと恥ずかしくなくなる訳じゃないだろうし。

それにしても、取りに行くなら取りに行けば良いのに。
何を呑気にソファに座ってるんだろう、とセレネを見下ろして。

セレネ > 「お互い、人に言えない秘密が出来ましたね。」

秘密の共有というと聞こえは良いが、実際は恥ずかしい事なので猶更他言無用だ。

「……不服ですが、お願いします。
腰が抜けて立てないので…。
下着はなるべく見ないで頂けると有難いです。」

見られて恥ずかしい体つきでもないけれど。
人一倍恥ずかしがり屋だから、今更だとしても恥ずかしくて。

取りに行かない理由は、素直にそう話そう。

暁 名無 > 「あ、これをネタに強請るとかって事はしないからさ。絶対に。」

言わなくても良さそうな物だけど、一応念の為。疑われるのは流石に避けたい。

「はいはい……って、え?いいの?
 まあ、そうね。なるべく見ないようにするけど……」

難しくないか、それ……と思いつつセレネの下着を回収に向かう。
見ないようにする、とは言ったものの、流石に拾う時は見ないと拾えない。

……これが最近の女生徒のトレンドなんだろうか……

セレネ > 「…強請る?」

何を強請るかは分からない。
だから不思議そうに首を傾げた

「男性から下着を見られるのも別に、初めてではないですし。
罪を重ねたいのならお好きにどうぞ。命の保証は致しませんが。」

単純に拾うだけなら、恥ずかしいくらいで済む。
というか、怒る気力もない。

安心して欲しい。この少女が特殊なだけだと思う。

暁 名無 > 「だからしないって言ってるでしょうが。
 それだけ分かってくれればいいの。」

やれやれ、と肩を竦めると拾った下着を顔を逸らしながらセレネへと差し出す俺である。

「初めてじゃないって……いったいどういう人生経験して来たんだか。
 ……元の世界に恋人でも残して来たとか?
 流石に命の方が惜しいんでね、ちゃあんと見ないでお届けに上がったぞ。」

拾う時以外は。
これから時折顔を見る度に、澄ました顔してああいう下着つけてるんだろうな、って考える程度は許して貰いたい。

セレネ > 「やっぱり先生、真面目ですね。
普通可愛い子に対してならどんな手を使ってでも手籠めにしたいとか思うのでは?」

口は軽いけれど根は案外。
というのはこれまでの短いやり取りで何となくわかったので、小さく笑いながら茶化し。
差し出された下着は受け取って、相手に背を向けてさっさと下着をつけよう。

「恋人なら良かったんですけどねぇ。
……私がバツイチだって言ったら、先生信じます?
賢明な判断ですね。」

相手が己を見ていないのを良い事に、自嘲の笑み。
服装をきちんと正せば相手へ向き直り。

暁 名無 > 「知り合って間もない相手に、
 自分は手籠めにされるくらい可愛いんだと言い切れるお前さんよりは、確かに真面目だと思う。」

うんうん、と頷く。
まあ、自分で言うのもなんだけど、真面目というかヘタレというか……。
下着を受け取ってすぐさま身に着けようとこちらに背を向けるセレネに慌てて視線外す。
が、俺の視界に入ったのは、観葉植物の影に置かれた、滅多に使わない姿見。
ぽかんとした顔の赤毛のイケメンがこっちを見ている。そして……

「へ?あ?バツイチ?……ああ、いやまあ、驚きはするけど疑うほどじゃないな。」

慌ててさらに視線を外し、無事に事を終えてこちらを振り返るセレネを見下ろした。
妙な落ち着きというか、色気も納得ではあるし……。
しかしまあ、ホントにどんな人生歩んで来てるんだこいつは……?

セレネ > 「…今まで散々、人を可愛いだとか綺麗だとか言ってたくせに良く言いますよ。
でも先生以外にも綺麗だーとか可愛いとか言ってくれてた人は沢山居るので…まぁ、嫌でも自覚はしますよね。」

視線を外した相手が、姿見に反射する己の白肌を見て何を思ったかは分からないし、そも己は気付いていない。

「本当です?」

だって16歳ですよ?
そんな女がバツイチなんてって思わないのかと首を傾げ。
相手が思っている以上に色々あった人生を送ってきているけれど。
それもいつか話せる日が来るだろうか。

暁 名無 > 【あとちょっとだけ続くんじゃ:To be continued→】
ご案内:「幻想生物研究室」から暁 名無さんが去りました。
ご案内:「幻想生物研究室」からセレネさんが去りました。
ご案内:「幻想生物研究室」に暁 名無さんが現れました。
ご案内:「幻想生物研究室」にセレネさんが現れました。
暁 名無 > 「確かに言ったけども……!
 やっぱり、お前さん生真面目そうに見えてどっか抜けてるよな……。」

思ってても自分で言うような事じゃないだろう、という話なんだが。
着替える姿が姿見に映っていても気付かないあたりとか。
いわゆる、【天然】というタイプに属するのだろう。いやまあ、悪い訳じゃないけど。

「本当に。
 よその国、あるいはよその世界じゃ結婚適齢なんてそれこそ色々だろうしなあ。
 生まれる前から婚姻関係にある、とかそれこそ色んな場面で聞く話だ。」

まあ創作も含めての話だが。
しかしまあ、今の話が本当ならセレネの属性がなんかもう大衆食堂学生向けメニューなみのてんこ盛り具合だと思うんだが。

セレネ > 「そんなに私、駄目な子ですか…?」

また抜けてるって言った。
しょぼんと眉をハの字にさせてしょぼくれる。

「あまりに若く結婚すると、世界によっては白い目で見られる事もありますけどね。
…まぁ、今はもうフリーなのでまた一から振り出しに戻る訳ですが。
彼氏募集中でーす、なんて。」

ついでに言えばまだ言ってない事沢山あります。
作り話でもなんでもなく、本当の事だから質の悪い話。
ウインクしては悪戯っぽく言って見せたり。

暁 名無 > 「抜けてるのと駄目な子は違うぞ、多分。
 まだ駄目な子と言えるほど徹底した抜けっぷりじゃないから、大丈夫だ。」

ただ、ちょい駄目、くらいにはなってると思う。
そもそも抜けてない子は俺の頬を平手で真っ赤にしてこの部屋から出てってる。
評価を真に受けてしょぼくれたりしないのだ。

「まあ、それも場所によりけりだろうなあ。
 そんなハードな経験もしてて、まだ彼氏を募集できる余裕があるのか……
 男性不信にくらいなりそうなもんだが。」

それともアレだろうか。
一度人の女になるという経験を経た事で渇きが早く──いやいやいや、ないないない。
生徒に対して考える事じゃないわ。反省反省。

セレネ > 「…それって本当に大丈夫なんですかね。」

冗談を冗談と見抜けない所も一つの天然の要素であろう。
余程の事がない限り人に暴力は振らないから、過去でも一度しか平手打ちをしていない。
今回は、相手が全て悪い訳ではないと己が判断したから出て行く事もなく此処に居るのだ。

「私を捨てて行った方ですもの。
後悔するくらい、私が幸せになってやるんです。
それが私の復讐です。」

相手から視線を外せば、真剣みを帯びた声色。
だがすぐに相手へと戻し

「これくらいで男性不信になる程、メンタル弱くありませんし。」

一時期かなり落ち込んだ事もあったけれど、周りの人達のお陰で何とか元に戻せた。
彼らには感謝をしてもし足りない。

暁 名無 > 「大丈夫、大丈夫!
 先生を信じなさいって!お前さんのそれはまだ可愛らしさがあるぶん長所に近いもんだ。」

こちらを見上げるセレネの頭を撫でようと手を伸ばす。
今言った言葉に嘘は無い。場合によっては長所どころか武器にもなる。
たとえば、さっきの着替えでブラウスのボタンが盛大に掛け違えられてたりとか。……無いよね?

「あー……そういう……
 なるほどね、なるほど。いやあ、強いなセレネは。」

思わず言葉に詰まる。それほど鬼気迫る声だったから。
思った以上に過酷な人生を送ってきているのだろう、お気楽万歳な俺には想像もつかないような人生を。

「いやー……何と言うか。
 随分とこう、込み入ってるんだなぁ……
 ま、うん。それら含め素敵な女性だと思うぞ、セレネは。」

不埒な想像までして本当にごめんなさい。先生穢れきってた。

セレネ > 「長所になり得る事なのです?」

え、そうなの?
と不思議そうに見上げていたら、再び伸ばされる手を受け入れる。
残念ながら、掛け違える事なくしっかりとボタンは閉じられていました。
ただ全て閉じるとやはり暑いし苦しいので、第一ボタンだけ開けているけれど。
首に下げているペンダントのチェーンがほんのりと見えるかもしれず。

「そうです、私は強いのです。
もっと褒めてくれても良いんですよ?」

ドヤ顔。
そして得意げに胸を張る。

「また、そう言って。
先生は誑しな方ですね。」

素敵だなんてさらりと言えてしまう相手に、頬を赤く染め。
人の心を読めるような能力は持っていないから、想像だけならば問題はないだろう。…恐らく。

暁 名無 > 「時と場合を選ぶけど、な。
 自覚の無い必殺の不意打ち、アサシンスキルみたいなもんだ。」

ド天然少女からの会心の一撃……物理でも概念でも凄く効果ありそう。
手を頭に載せたはいいものの、如何撫でれば良いか悩んで、結局ぽふぽふと軽く叩く様な形に。
それとなくブラウスに目を落せば、確りとボタンは留まっており、ほっとしたような残念なような……ん?
ペンダントなんてしてたのか、とチェーンを見て僅かに眉根が寄る。
……姿見で見た時に気付かなかったのは一生の不覚っ

「もっと褒めろったってなあ……
 悪いな、俺の貧相な語彙力じゃ期待に添えられそうもない。」

ドヤ顔をするセレネを見て、少しだけぐりぐりと強めに頭を撫でてみる
そして体勢上どうしても視界に入る胸。蘇る…ってほど昔でも無いけどな記憶。
あの胸があの下着に納まって今お出しされてる……いやいやいや。

「あー、いや……今のは割と本心から……
 というか、一度結婚を経験してるのにそのウブな反応は何なんだ……」

やっぱり属性が渋滞起こしてないか、と少し心配になる。

セレネ > 「アサシンスキル…。」

よく分からなくてハテナが増える。
頭ポンポンされれば嬉しそうに目を細め喜ぶ表情。
相手の顔を伺っていれば、少し歪んだのに気付いて

「…どうしました?」

と、問いかけた。どこか痛いのだろうか。

「褒めるのは何も言葉である必要はないんです。」

気持ち強めにグリグリされれば髪が乱れるも、悪い気はしない。
もっと撫でろーと満面の笑み。
体勢を其方に傾けているから、胸も自然と相手側へ寄る。

「恋愛を経ての結婚ではなかったんですー。
…一つの手段として選んだから、そういう言葉はあまりかけられてこなかったので。」

そりゃあ、己だって好きで恥ずかしがっている訳ではない。
属性と言われても魔術的なものしか浮かばないし。

暁 名無 > 「ああ、いや。何でも無い。
 ええと、綺麗なピアスだな、と思ってさ。」

今は服の中にあるだろうペンダントの事を問うのは流石に不自然だろう。
なので代わりに目につきやすい方を挙げてみる。
しかし、なんだろう。そんなに撫でられて嬉しいんだろうかって思う様な顔するなぁ。

「なるほどな。
 セレネは撫でられるの、好きなのか?さっきから凄い嬉しそうだけど。」

どんどん良い笑顔になってくセレネ。そして無防備に。
純粋に喜ばれるとなんだかくすぐったくて、照れ隠しも交えて何だか悪戯したくなる。
そういえば、と置いたままにしていたミスト送風機を空いてる手でスイッチオン。
ゆるやかな風と共に心地良いミストがセレネへと……と思ってたけど、ちょっとミスト量多いな?

「あー、なるほどー、そういう……
 悪い、あんまり思い出したくないだろう事をさっきから……」

先生猛反省。そしてさらに増えてくセレネの属性。
とりあえず薄幸若奥様姫系天然巨乳女生徒って事でおk?

セレネ > 「ん、これですか?
えへー、有難う御座います。」

ピアスの事だったのかと、見えやすいように髪を耳に掛けて。
撫でられるのは好きですので。

「えぇ、とっても。
勿論誰にでも頭を触らせる訳ではないのですが――
って、きゃっ…!ちょ、ちょっと…!」

唐突につけられたミスト扇風機。
ぶわぁぁと霧状の水が己に掛かり、服が濡れる。

「いいえ気にしてはいませんし、言いたくない事なら初めから言わないのでお気になさらず。
聞かせても良いから、話しているんですよ。」

気付けばいつの間にか増えていた属性。
強ち間違いではないのだけどそれって果たして良い事なのか…?

暁 名無 > 「この島で買ったのか?
 それとも昔っから着けてたもの?……昔っからっぽいな。」

ここ数日で買ったものには見えない位には年季が入ってそうだ。
よほど気に入ってるものなのだろうか、「えへー」だって。

「うわととと、悪い。こんなに霧が出るとは。
 生徒が作ったーって置いてった代物なんだけどさ、壊れたかな……」

慌ててミスト送風機を停める。
セレネの顔にはあまり飛ばなかったようで一安心というか……
……ま、まあ、しっとり系(物理)美人で悪くは無いんじゃないか?……むしろ良い。

「それでも、なあ……何だか申し訳ないと言うか……
 こういう事は気にしておかないと、いつ本命の地雷を踏むかと分かったもんじゃないしな?」

ご理解いただけるだろうか。
一応これでも相手の心情には気を払う男なのである。うんうん。

セレネ > 「まぁ、昔という程昔でもないのですけれど。
どうせならお洒落したいなーって思って探してたら良いのがあったので買ったんです。
貴方はピアスとかはしてないので?」

相手も男性にしては結構な長髪だから、耳が隠れてしまっていて分からない。
徐に手を伸ばせば片方の耳を曝け出そうとその赤褐色の髪に指を差し込もうとして。

「……誰かさんのせいで濡れたんですけど。タオルとかありますか。
このままじゃ風邪引きます私が。」

えぇ、しかも胸元に全部かかったせいでブラウスが透けてますよ。
両腕で隠してはジト目を向けた。

「言う程私、言われて傷つくような事はあまりないと思うのですけど。
でも、気にしてくれて有難う御座います。」

地雷と言われる程のものは恐らくないと思う。
というのも、今までそういった話をしてこなかったのもあるのかもしれない。
だからこそ自分の地雷が分からない。
しかしそうやって気を遣ってくれるのは、悪い気はしないなぁ。

暁 名無 > 「なるほど。
 まあ、あまり派手なので無ければ校則にも引っ掛からないだろうし……ん?
 え?俺?……俺はあんまりそういうのは。生き物を相手にするわけだし……って、こら。」

俺の耳を探ろうとしてくるセレネの手を緩やかに払う。
少しだけ髪に触れられたが、男の癖に絹みたいな手触りで変だと思われなかっただろうか……
髪質ばかりはもうナチュラルボーンで良過ぎるんだが、手入れしてるとか思われないかな……
とかとか色々考えつつ、

「拭く物な、ええと、タオルタオル……」

的が大きかったからかなあ。とか呟きかけて踏み止まる。
今のは純然たる事故だから俺ジト目される道理なくないか?
近くにあったスポーツタオルを手に取り、セレネへと差し出して

「礼を言われるほどの事じゃないさ。
 褒められるのには弱いのに、まったく、変な耐久性だな。」

柔いのか硬いのか。
不思議な奴だな、と笑ってセレネを見下ろす俺だった。

セレネ > 「派手なのは私も好みではありませんので。
私は撫でさせてあげてるのに貴方は逃げるんですか?狡いですよそれ。
不平等ですーというかさっきの前科もあるのですから大人しくして下さいよ。」

手をそっと払われてしまえば不服そうな顔。
己が知っている男性の髪質は大体が手入れされていない髪質ばかりだったから、
ほんの少しでも触った相手の髪がとても触り心地が良くて驚いた。
己と負けず劣らずの髪質してない?

「…髪、そのままだと暑いでしょうし結んであげましょうか?」

相手がタオルを探している間、己は片手でスカートのポケットから青のリボンと櫛を取り出して。
差し出されたタオルに、隣に持っていたそれらを置いて受け取った。
そして相手になるべく見せないよう、ポンポンと軽く叩きながらタオルに水を吸収させていく。

「鉄壁なんてないのですよ。
強い部分もあれば弱い部分だってあります。」

所謂弱点ってやつ。

暁 名無 > 「うぐっ……確かに俺ばかり一方的な気はするが……。
 分かったよ、でも結わうのはまた今度な。次の授業にリボンしてくわけにもいかないだろ。」

タオルで服の水気を拭っているセレネを横目でちらり。
別に野郎の頭触っても楽しいもんじゃないだろうに……はぁ。

「ほら、まだ立てないだろ。これで……触れやすい、か?」

櫛入れくらいならされても良いかなあ、と思いつつセレネと向かい合う様にしてしゃがんでみる。
さながら姫に傅く騎士みたいな構図である。柄にもない。
というか、この体勢は……良ポジでは?

「なるほど、強い部分もあれば弱い部分もある。
 固い部分もあれば柔い部分もある、か。」

目の前には大変柔らかそうな、んっんー!

セレネ > 「ふふん。貴方はさっきの事をネタにしてゆすらないと言いましたが、
私はそうは言っておりませんのでこれからも意地悪しちゃうかもですねー?
髪形とか変えれば生徒達の話題の種になるじゃないですか。
悪くないと思うのですが。」

男性だろうと女性だろうと、
人の髪形とか整えるの好きですけどね!

「ん、お気遣い有難う御座います。
…何だかこれ、お伽噺みたいな構図ですね。」

片膝を折ってしゃがむ相手。
近付く距離に満足げな顔をすれば
折り畳み式の櫛を使ってそっと梳かしていこうか。
片手はタオルで吸水中だから使えないけど。

「先生にだってそういう所あるでしょうきっと。」

肉体的な意味じゃなく精神的な意味で。

暁 名無 > 「先生で居られなくなる様な事はさせるなよなー?
 そりゃあ確かに話題になるけどな……んー。
 後で解くときになんだか勿体無くなるだろ。だから駄目だ。」

人に髪を弄られる事などあまりないわけだし。
風呂に入る時とか、解くのが惜しくなるのは間違いない。

「俺もちょっと思った。まあ、柄でも無いなって思ったけど。
 いや、セレネは割と悪い気はしてないんだろうけどさ。」

髪は櫛をするする通す。
二、三徹しても煙草の煙まみれになっても、潮風に当たっても絹糸の様な柔らかさを保ち続ける髪。
原因は多分、体内で飽和状態に陥った魔力がうっすらと髪をコーティングしているかじゃないかと俺は睨んでいる。

「あー、まあ、あるっちゃあるかなあ。」

今まさに、目の前に。
これが弱点でしょう、と言わんばかりにででんとしたものが絶賛吸水中で。
いやあやっぱり良ポジですわあー。

セレネ > 「勿論です。
流石にそこまでの意地悪をしてしまっては倫理的にも問題ですし。
――へ?勿体無い?」

意外な言葉に目を瞬かせる。
思わず梳いていた手が途中で止まった。

「…じゃあ、惜しくないようにまた髪結んであげますから。
これだけ良い髪なんですもの、先生が良ければまた触りたいです。」

相手の言葉に尚も食い下がる。
毛先はよく髪が絡まりやすいというに、一度も引っかかる事なく櫛を通していく。
よくよく見れば、相手の魔力が髪の一本一本を包み込んでいるように見えた。
成程これが正体か。

「柄でもない?
そうですかねぇ…お似合いだと思うのですけども。
それはもう、悪い気分どころか良い気分ですよ?
男性から傅かれるなんて滅多にないですし。」

頭を撫でられた所から、己の心は割と上機嫌だ。
案外単純にできているかもしれない。
いや、もしかすると相手が女性の扱いが上手いからかも…?

「でしょう?」

相手が己のどこを見ているかなんて、やっぱり思考の外。