2020/08/03 のログ
暁 名無 > 「水着が……」

解けたな、と神妙な面持ちで頷く俺である。
着慣れてないと言ってたし、結びが甘かったんだろうか。
そんな事を考えて居たら、今度は唐突に此方へと飛び込んでくるセレネ。

「わっ、と。
 どうした、大丈夫か?」

しっかりと受け止めてから、腕の中のセレネを見下ろす。
さ、流石に近い近い。水着も解けたままだし、色々と危ういって。

セレネ > 解けないようにしっかり結んでいたし、相手に見せる前もきちんと確認していた。
だからこれは意図的に解かれたもの。
それに後ろに人などいなかったのに手で押されたというのもそうだ。

「大丈夫です…舌噛まなくて良かった…。」

己を受け止めてくれた相手に大丈夫だと示すよう首を細かく縦に振る。
でもびっくりした。
思わず潤んだ目で見つめてしまう。

暁 名無 > 「まったくだ。
 せっかく遊びに来て怪我したんじゃ台無しだもんな?」

着崩れた水着のままそんな潤んだ目で見て来ないでほしい。
あざとい。大変にあざとい。でも本人にあざとさの自覚は無いんだろうなあ……。
それにこう、濡れた肌のなめらかさとかが伝わって来て大変つらい。

「と、とにかく。先に水着を直した方が良いんじゃないか?
 まだ周りには気付かれてない様だし、早いとこ済ませちゃえよ。」

とんとん、とセレネの肩を叩いて促してみる。

セレネ > まぁ、怪我しても治せますけど。
言おうと思ったが至近距離の相手の顔を見ると何も言えなくなった。

相手の想像通り己に自覚なぞなく。
眉もしょんぼりと下がって。

「…さっき貴方、髪乱したので代わりに結び直してくれますか。」

自分でやるより他者から結んでもらった方が早いし。
離れるのは非常に惜しいけど、仕方ない。
水着が浮かないよう気を付けつつ離れては
くるりと後ろを向いて白い背中を見せた。

暁 名無 > 「ああ、はいはい。さっき髪を……え?は?」

はい?それ関係ある?
ていうか、え?俺が結び直すの?セレネの水着を?
いやいやいや、待て待て待て。

「俺がやるのか?いや、自分でやるのは大変だってのは分かるんだが。
 それにしたって、別に俺じゃなくても……って他に居ねえけども!」

背中を向けているセレネを見つつ混乱する俺である。
そもそも女性用の水着の着付けが出来るとお思いか。出来るけど。

一度大きく深呼吸をして、俺はセレネの背中と向き合う。
白くきめ細かな肌に、水が滴って非常に、非常に精神に悪い。
なるべく直視しない様にと手探りで紐を探せば、指先が柔らかな膨らみに触れた。

──見なきゃ見ないで危ないなこれ!

セレネ > 関係はないしこじつけだけども。
それは大いに理解している。

「紐結ぶだけじゃないですか。
…そう、ただ紐をしっかり結ぶだけです。
何も重労働ではありません。」

それとも紐が結べないのか。
そんな事は無いだろう。

何をしているのか、相手の手が己の胸に触れた。
びくっと肩を大きく震わせる。

「触るところはそこじゃないです…っ」

意識しないようにしていたのに…!
自分で言ってて恥ずかしくなった。
それともなんだ、触りたいのか。
後ろを見ていないから相手がどこを見ているかなど分からず。

暁 名無 > 「ごめんて!事故だ事故!」

指先が触れただけなんだから触った内に……入るよなあ。うん。
めっちゃ柔っこかったもんなあ。はぁ……。
などと思い返してる場合じゃない。早いとこ済ませてしまおう。

「まず紐を、紐がどこにあるのか……!」

解けた水着の紐を見もせず水中で探すのは割と至難の業だ。
端さえ見つかれば後は結んで終わりの筈だが、まずその取っ掛かりが掴めない。

──いや、水着から辿れば良いのか。
そう思い至ってセレネの水着を手探りで探すも、目測が狂っていたのか今度は指先どころか手の平でがっつりといってしまう。

セレネ > 事故?きちんと見てるなら事故なんて起きないのに?
水で眼鏡が濡れて見えてないのだろうか。
文句でも言いたかったが己から言ったのだから我慢我慢。

生身の手が探している。
混じるように水面から伸びた手もゆらゆらしている。
元凶はあれか…?

なんてじっと視ていたら。
唐突に鷲掴みにされて二度目の悲鳴。

「ちょ、ちょっと…っ!
わざとなんです?!」

相手の手の形に胸が変形する。
弾力のある感触が伝わるだろう。

暁 名無 > 「あ──悪い。
 流石に二度は無いな、わざとって事にしとくか。」

手から伝わる感触に僅かに自分の理性が負けるのを感じた。
水の中で浮力を得てなお重さも感じる様な、それを一度だけ両の手全体で堪能する。してしまう。

「っと……水着これか。てことは紐はこれで……
 こうして……こう、っと。
 ほら、出来たぞ。待たせたな。」

そして事も無げに紐を探り当て、結び直して。
ぽん、と背中を叩いて報せようか。

セレネ > 「わざとって…ひゃぅ…っ!」

ぐに、と一度マッサージされた。
再度震える肩に上がる悲鳴。どことなく甘さを帯びて。
幸いながら、周りが騒がしいから誰も気を留める事はなかった。

「ひ、人の…揉んでおいて…。」

人では無いけれど。
紐は無事に結んでもらえて良かったが。
背中を軽く叩かれる手は先程とは違いぬくもりがあり。
相手へと振り返れば恨めしそうに、涙目で上目遣い。

暁 名無 > 「だからわざとだって。
 ふむ、男子三日会わずば何とやらというけど、男子に限ったもんでもないな。」

振り返ったセレネの頭をぽんぽんと撫でる。
まあ恨まれるだけの事はしたけれど、そもそもプールへと連れ出したのはセレネなのだから。
これくらいの役得は無いと割に合わないだろう。うん。

「ほら、そんな顔してるともっと凄い事しちゃうぞ。
 これで多少緊張もほぐれたろ、ちゃっちゃと遊ぶぞ。」

ふふん、と笑みを向けて涙目を受け流す俺だった。

セレネ > 残念ながら諺やら熟語的なものは有名どころしか分からない。
だから相手が何を言いたいのかもよく分からないが。
わざとやったというのだけは分かった。

頭ポンポンされてちょっと絆されそうになる自分が悔しい。
ぐぬ、と唇を噛み締める。

「…む。」

余裕そうな相手が恨めしい。
悔しいなぁ、どうすればその余裕そうな表情を崩せるだろうか。
考えてもいまいち思い浮かばない。

「…凄い事って、例えばどんな?」

純粋に疑問を持ち、首を傾げて問いかける。

暁 名無 > 【一旦中断 後日再開予定──】
ご案内:「屋内プール施設」から暁 名無さんが去りました。
ご案内:「屋内プール施設」からセレネさんが去りました。