2021/02/17 のログ
ご案内:「幻生研究室」に暁 名無さんが現れました。
ご案内:「幻生研究室」にセレネさんが現れました。
暁 名無 > ──数日前

ようやく仕事も一旦の終了の目途がつき、ひとまず春先までは僅かな自由時間を得た。
とはいえ日々の授業はあるし、近頃はこの部屋に籠りきりだったために行えなかった研究の方にも手を付けなければならず。
忙しさで言えば然程変わりがない様に思えると言えば思えるのだけれど。

「ま、少しは好きな事出来るようになったのは僥倖だわな。」

すっかり馴染んだワーキングチェアに腰掛けたまま俺は大きく伸びをした。
さて、今日のところはだらだらと気力回復に努めて、明日からまた野外に出るか、とぼんやり考える。

そんな放課後。

セレネ > 一通りの学業を終え、学生各々の時間を過ごす事になる放課後。
通い慣れた幻生生物の研究室へ足を運ぶのは色素の薄い女生徒。

ゆっくりと扉を開け、こっそりと中を覗いて室内の様子を伺うのは最早癖のようなものだ。
室内には見た限り研究室の主一人。
他には人の気配はしなさそう。

「…こんにちは。」

そろーり、挨拶をしては己が通れるくらいの隙間を開けて中へと入る。
扉をしっかりと閉めて、後ろに何かを隠したまま彼へと近付いて行こうか。

「…先生、今お時間あります?」

なんて緩く首を傾げて問いかけを。

暁 名無 > とりあえず山か、それとも海か。
転移荒野も久しく行ってないし、たまには古書店を梯子して資料集めも良いかもしれない。
とにかく、明日は一日外に居よう。そんなことを考えながら窓の外を見る。うわすっげー寒そう。

「……んー?
 ああ、セレネか。」

室内、扉の方から声がして顔を向ければ女生徒が一人。
ノックくらいは、とも思ったがまあ別に突然来られて困るような事は基本してないし良いか、と。

「うん?今?
 ああ、ちょうど粗方仕事を終えたところだったからな。
 また何か聞きたい事でも?」

それならまたココアでも準備しようか、あいや、確かココアも今切らしてたっけな。
こちらへと近づいてくるセレネを見つつ、俺は首を傾げ返した。

セレネ > 己の問いに対しタイミングが良かったと答える相手に

「そうですか。
いえ、今回は渡したい物があって。」

今の所相手に聞きたい事は無い。
が、それでも此処に来たのは所謂プレゼント――時期でいうバレンタインの贈り物の為だ。

後ろ手に隠していた赤いリボン付きの小さな箱を差し出すと

「あの…これ、もし良ければ。」

それだけ言って半歩離れた。
中身は輪切りにした砂糖漬けのオレンジに、チョコレートを半分かけたオランジェット。
甘いものが好きか分からなかったので甘さは控えめにしている。

暁 名無 > 「──渡したい物?」

何だろう、と俺は眉を寄せる。
まあセレネは俺が年明けからこっち研究室に籠って仕事していたことは知っているのだから、栄養剤か何かの差し入れだろうか。
だとしたらまあ、フィールドワークで有難く使わせてもらうが。

「……ほ、う?
 わざわざ包装までして……?」

小さな箱を受け取り、ますます首を傾げる俺である。

「えっと……開けて良いんだよな?」

もしかしたら目の前で開封されると気恥ずかしい様な物かもしれない。
いや、流石にそれは無いか。具体的に何かも想像できないし。
とりあえずで断りを入れてから、俺はリボンを解き箱を開ける。

「……ほ、ほおぅ?
 こりゃまた、美味そうだな。」

えーと、何て言ったっけ。この、これ。菓子類はどうも疎くて何だか申し訳なくなってくるな。

セレネ > 己が思っていた以上に困惑している、ように見える彼。
てっきりこういった贈り物は慣れていると思っていたので内心驚きつつも。

「…?
えぇ、開けてすぐに傷むものでもないので。」

何故か断りを入れられれば己はどうぞというだけで。
いつ食べるかの予想もつかなかったから、なるべく日持ちしやすいものを作ったつもり。

「何を作ろうか色々悩んだのですが、ありきたりな物より少し凝った物の方が良いかと思いまして。
オレンジ、お好きなら良いのですけど。」

チョコレートの甘い香りだけより、オレンジの爽やかな香りも一緒の方が気分転換にもなろう。

「まぁ、日頃お世話になってますし?
…それくらいの贈り物はしても良いかなって。」

食べ物なら食べてしまえば無くなるから、嵩張らないし残らない。

暁 名無 > 「──作った?
 これを?わざわざ手ずからか?」

それはまあ……、何と言うか……。
セレネが菓子作りの趣味を持つなんて知らなかった。

「なるほど、なるほど。
 それなら明日からのフィールドワーク中に食わせてもらおうとしようか。
 それなりに日持ちはするんだろう?2、3日は持つと助かるんだが。」

まあ今は冬だし気温も低いから、そう簡単に悪くなるとは思えない。
野外調査中の糖分補給はかなり助かる。

「ありがとうな、セレネ。
 そのうち何か返すとしよう。手作りとまではいかないが……
 それより、こういうのが作れるならこれまでにも何度か持って来てくれても良かったじゃないか。」

ハロウィンの時なんて用意してたお菓子に文句までつけてたくせに。
いや、自分でそれなりのものが作れるなら市販品には文句も言いたくなるのだろうか。

セレネ > 「意外そうな顔してますね?
…料理だけじゃなく少しくらいのお菓子作りも出来ますよ、こう見えて。
尤も、私の師やラピス先生の腕前と比べると足元にも及びませんけど。」

市販の方が衛生面を考えると良いのだろうが、世話になっている手前市販の物だと流石に失礼かと思ったからだ。
腰に片手を当てては

「水分は飛ばしてるので多少の日持ちはすると思いますよ。
あげる人それぞれ別のもの作りましたし。」

材料費もだが何より手間も時間もかかった。
だがそれでもあげた人が喜んでくれるなら、とそれだけを思って作ったのだ。

「あら、お返しなんていいですのに。
…貴方が甘いものが好みか分からなかったので…。」

何か持ってきてくれ、なんて言われなかったしなんて片目を瞑って悪びれなく言いつつ。
それに確かにある程度の腕はあれど、自身がある訳ではない。
口に合うかも分からないから、今回の贈り物は結構恐る恐るだったりする。

暁 名無 > 「いやまあ、多少の料理の心得くらいはあるだろうとは思ったが。
 ここまで手の込んだものを作ってくるとは……しかもラッピングまでして。」

差し入れにリボンをあしらう必要は果たしてあったのだろうか。
いや、まあこういうのは気分によるものなのだろう。あんまり味気ないのは嫌だ、とかそういう事かもしれない。

「まあ確かに味の好みとは大して気にしないタチだがな。
 腹持ちが良くて安ければ良いやってカップ麺生活してたこともあるし……」

安くて量が多ければヨシ。それで美味ければ万々歳だ。
まあそれはそれとして、女子から食料を貰えると言うのは久方振りだし有難い。

「しかしまあどういった風の吹き回しだ?
 確かに催促した覚えはないが、ならなおさら今日突然持ってこなくとも良かったろうに。」

セレネ > 「手の込んだ物を持ってこられるのはお嫌いで?
…なら、来年はもっと簡素なものにしておきますね。」

それこそクッキーのような焼き菓子が丁度良いのだろうか。
彼の言動から察するに今の時期が何の時期かも忘れているようだ。
…それ程まで忙しいのか、単純に興味がないのか、までは分からないが。

「……貴方、食べられれば何でもいいというタイプで?」

栄養も偏るよなぁそれは、と以前藤巳先輩が心配していたのを思い出す。
質より量、という性質なのだろう。

「――気分ですよ、気分。
今日くらいは手土産でも持って行こうかなと思っただけです。」

気付いていないのなら、それで良いかと。
バレンタインの贈り物とは伝えずに。

暁 名無 > 「いや、そういうわけじゃないが……
 って来年?まだ今年になったばかりだぞ?せめて今年中に何度か……」

そう言ってデスクの隅の卓上カレンダーに目を向ける。
……1月ってなってた。いや、流石にまだ1月だとは……いや、今って1月か……?
ともかく、1年近く先の話をされるのは困る。うん、困る。

「流石に不味いものを我慢して食うような趣味は無いけどな。
 特別美味いものを食いたいって気も無い、燃料の質でパフォーマンスが変わるほど繊細な身体でもないしな。」

栄養は多少……多少は考えるよ。多少。野菜スティックとか暇なとき食べるし……
とはいえ頭を動かす時と体を動かす時で食生活が違うのは認めよう。

「気分ねえ……そうか。
 まあ何にせよ有難いこった。」

明日から外に出る際の楽しみが一つ増えた。良きかな良きかな。

セレネ > 「ならまた気が向いたら持ってきますよ。」

今年になったばかり。
確かにまだ二月だ。一年始まってまだ間もないと言えるだろうか。
相手が目を向けた卓上カレンダーに己も蒼を向ける。
…月が一つ前になっている。
変え忘れているだけだろう…多分。

「美味しいものは美味しい、不味いものは不味いと素直に言うでしょうしね、貴方。
繊細な身体じゃなければ幻生生物の教師なんて出来ないでしょうからねぇ…。」

己が知る中で二番目に身体が強そうだと思う。
健康面的な意味で。

「しかしてっきり、他の子からもこういった物貰ってるかと思いましたが。
…思った以上に寂しいのですね…?」

イベントに疎いのはどうあれ素直に受け取ってくれたのは己としても安心した。
受け取っているチョコが多かったなら渡さずに帰ろうかとも考えてたのだ。
どこか同情するような蒼を向け。

暁 名無 > 「おっ、そりゃあ嬉しいねえ。
 けどまあほどほどにな。顔見せてくれりゃそれだけでも十分だし。」

とはいえお茶やお茶菓子を持って来てくれるのは助かる。
買い出しに行くのが億劫というわけでもないが、結局のところ来客なんてそうそう無いから俺が食うしかないと思うと何だか空しくなるし。

「人が作ったものにまでそんな風に言わんからな?
 まあ、そういうこった。昔から身体だけは丈夫だし、でなきゃ教師と研究者の二足の草鞋なんてやってられんわ。」

ただ最近は睡眠時間だけは確保したいと思うようになってる。歳かな……。

「うん?……ここ一週間くらいはお前さんくらいしか来てないしな。
 セレネが思ってるよりもよっぽど来客は少ないからな。」

何だその目は。仕方ないだろ、絶妙にアクセスが悪いんだよこの部屋。

セレネ > 「流石に沢山持ってきたりはしませんよ。
消費するのも大変ですし。」

ホールケーキ丸々一個持ってきて消費出来るのはラピス先生が居る保健室くらいだろうし。
だから仮に此処に持ってくるお茶菓子は焼き菓子くらいの軽いものだ。
勿論事前に試作して、ラピス先生に味見して貰ってからだけど。

「場合によっては素直に感想を伝えて欲しい事もありますよ?
身体が丈夫なのは羨ましいですねぇ…いや、私が病弱という訳ではありませんが。」

まぁでも日中日傘無しでは外に出られない点では似たようなものかもしれないが。

「静かな方が何かと助かりもしますけれど…。」

人気がない方が捗る事もあるだろうし。
…と、そこで思い出した。

「そうだ。もし良ければ魔力を頂きたいのですが宜しいでしょうか…?」

満月は曇りで月光浴が出来なかったし、
魔力の消費を抑えるようにはしているが此処最近訓練で消費する事もあったし。
断られたなら引き下がるが、ダメ元で尋ねてみる。