2021/11/10 のログ
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」に『調香師』さんが現れました。
■『調香師』 > 昨日に引き続き、少女は寝転んでいる
(いがいと、快適...)
食事の必要がない、睡眠もこの部屋
彼女にとって、動く理由は朝に身を洗うシャワー着替え諸々
それよりも優先されて、彼女はぼーっとしていたのであった
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」に芥子風 菖蒲さんが現れました。
■芥子風 菖蒲 >
それは何時ものように、繁華街をパトロールしてる時だった。
風紀委員と言うのは何も、戦うだけが仕事ではない。
学生街ならともかく、この繁華街や常夜渋谷は何かと"気が緩む"らしい。
そう言った軽犯罪を取り締まり、注意する事も少年の仕事。
だから今日は、風紀委員の腕章を付けて人込みをひょこひょこ抜けていた。
「……?」
そんな時、偶然に鼻腔を衝く謎の匂い。
何の匂いかは、少年には今一わからなかった。
だから気になった。匂いを辿れば路地裏へ。
辿り着いたのは、ある一軒の店。
「うぃん……何?」
残念、英語は堪能ではなかったらしい。
でも、匂いの元は確かにここから辿っている。
躊躇なく、扉を押して店内へと入っていく少年。
「……あれ」
青空の様に青い両目が最初に捉えたのは、なんだか倒れている少女の姿。
思うに、椅子が傾いてそのまま転倒してしまったのだろうか。
不思議そうにじぃ、と見つめたまま首を傾げた。
「ねぇ、生きてる?」
何ともご無体な第一声だ。
■『調香師』 > ちりんちりん、聞きなれた鈴の音。応対開始のお時間
瞳を開く前に、答え合わせ
「これは...初めての人?」
クイズの時間。扉の前に止まった足音
この動きは大抵、看板を確かめる時の歩みだ!
あてずっぽう。開かれた扉、貴方の顔を見上げるには、
普段とは全く違う首の動きが要求されると、自認するには少し時間がかかりました
「初めての人。いらっしゃいませ!!」
寝転んだままだった
■芥子風 菖蒲 >
「…………」
青空がぱちくり瞬き。
どうやら生きてるっぽいけど、まさかの店員さんらしい。
倒れたまま出迎えされる初めての経験。
どうしようか。少女をじぃ、と見下ろしたまま思案し……。
「どうも」
ぺこり。とりあえず会釈した。
「そうだね、初めて来るよ。なんていうか、嗅いだ事のない匂いだったから……釣られて?」
ふらり、一人旅。
路地裏に店を構えてる、少年にとっては謎のお店。
一種のアングラ感を醸し出しているのは、所謂"知る人ぞ知る"と言う奴なのか。
それとも、ちょっとした犯罪者のたまり場か。
流石に疑い過ぎだろうか。膝を曲げて、視線は徐々に少女へと近づいていく。
「ねぇ、コレ。俺も寝転がった方がいい?」
おまえはなにをいっているんだ。
どうやら、寝転がるのが店のルールと誤認したようだ……どうして……。
■『調香師』 > 「あんまり、オススメはしないよ?
沈む香りは人の呼吸を妨げるからね
長くそうしていたら、普通死んじゃうって事だね」
あっさりと立ち上がり、身体の埃を簡単に払う
起き上がった高さは、しゃがみ込んだ貴方を見下ろすのに丁度いい位置
笑い、そして彼女はお辞儀を返す
「ここは香りのお店、『Wings Tickle』
嗅いだ事のない香りに誘われてきた人に、
ぴったりの香りを作ってあげるお店なんだよ
興味、ある?」
そして首を傾けました。愛想だけはある、鏡映しの様な態度で
■芥子風 菖蒲 >
「……要するに、それだけ危ないものを扱ってるって事?」
この漂う不思議な香りは、扱いを間違えれば命を奪うそうだ。
そんな香りには思えないけどと、スン、と匂いを嗅いでみる。
……何度嗅いでも嗅ぎなれない、不思議な香りだ。ちょっとくすぐったい気もする。
「そう言うアンタは、長く横になってみたいだけど、普通じゃないって事?」
他意がある訳じゃない。
その口ぶりからして、そう言う事なんじゃないか?
と言う純粋な疑問を問いかけただけだ。
本当に長く横になっていたかはわからない。何となく、だ。
「香りのお店……この匂い自体が商品、って事?」
何とも聞きなれない謳い文句だ。
知り合いが使っている香水とか、そういった類のものなんだろうか。
改めて店内を一通り見渡しつつ、視線はすぐ少女へと戻った。
何処となく色合いが、自称姉一人目と似ている。
「(ちょっと気を付けないと、クロエ姉さんと間違えそうだな……)」
気を付けないと、と内心独り言ち。
「うん、まぁ興味はあるかな。アンタがどういう仕事やってるとかさ」
こくり。少年は素直に頷いた。
少女の笑顔とは対照的に不愛想に口一文字。
■『調香師』 > 「ここに今漂っている香りは私が調合したものだから
その特徴も、きちんと覚えてるの」
ふふひ。そんな笑う声、表情は笑みから動かず
回答になっているかはあまり考えず、そんな風に返答をして
彼女は倒れた椅子を起こして、作業台の前に座りました
「何をしているのか、と言えばね。香りを作っているがメインだけど
例えば。あなたってどんな香りが好き?
それとも、何か気になる悩みとかあるかな?
聞かせてくれたら私は香りを使って答えを出す。そういうお仕事
興味、あると嬉しいな」
折角お店に来てくれたのだし?彼女は向かいの席に貴方を促します
■芥子風 菖蒲 >
「ふぅん」
自分で覚えているから、その扱い位分かって当然と言う事らしい。
筆を誤る弘法はいないと言う事だ。
少年は納得の相槌を打った。
「…………」
なんか笑い声が特徴的だなぁ。
そんな事を思いつつ、促されると一度ぺこりと会釈をし
促されるままに、向かいの席へと腰を掛ける。
肩の力は抜いているけど、視線はお店のあちこちへと右往左往。
やっぱり、そこら中に興味津々で少し落ち着かないようだ。
「どういうの、っていうと……うーん。
あんまりパッとは思いつかないかな。
俺、そう言う趣味とかあんまりないから」
所謂今時の若者が買うような香水やアロマ。
或いはワックスなんてものは興味が無い。
好きな香り、と言われてもそう言う方面だと思いつかない。
うーん、と思案に顔を顰めつつぽつぽつと語りだす。
「……んー、食べ物、とかは違うよなぁ……。
その香り、って言うのはその気になればどんな匂いでも作れるの?」
匂いと言う匂いを気にしたことがない。
少年は少し困っていた。
「悩みは無くは無い、かな。仕事上のって奴だけど」
■『調香師』 > 「...そんな顔をする人って、多いんだよ
つまり初めてに私を選んでもらったって事だけどね
いひ。やっぱり何度聞いてもそのお悩みは難しいし、そして楽しい」
職人気質、と言えばよいのかもしれないが
分からないという事は、相手の事を知るチャンスである
彼女はその事を、純粋に楽しんでいるようにも見える
...表情は変わらないのだけれどね
「例えば、あなたの思いででも
香りであればなんでも...って言いたいけど
材料がない物は難しいね。別世界のお願いとか
大抵なんでも、それが正解」
■芥子風 菖蒲 >
「いひ。何かヘンな笑い方」
いひ。さっきからなんとも特徴的な笑い方だ。
確かに、珍しい店柄と言うのもあって初めての人も多いらしい。
「思い出……」
そう言われるとぼんやり、と思考に耽る。
この常世島に来てから、色々あった。
いい思い出、悪い思い出。どれも大切なものだ。
そこまで長い期間いたわけじゃないけど、そう思う位には濃密で刹那的。
そんな駆け巡る思い出の中、脳裏に過る白い少女の姿。
「…………」
思わず目を見開いた。
「……クロエ姉さん、かな。匂い…って言うのは感じた事は無いけど。
何となく色々思い出してたら、一番印象的だったのがその人」
■『調香師』 > 「クロエ姉さん」
彼女は首を傾けます
思い出に更ける目から、移って見開かれた貴方
正面にした彼の印象は、やっぱりふんわりしたもの
強い特徴、という物が浮き彫りにはなっていない
その返答を聞いたも尚、彼女に分かる部分は無いけれど
「人が思い出?そう言われたのは初めてかも
でもだったら言い方を変えられる
その人へ贈りたい香りとか。そんな物でも作れるよ」
■芥子風 菖蒲 >
「思い出……うん、一番印象的に残ってる感じ、かな」
少年は強く頷いた。
少年の中では、余程その"姉さん"は印象的らしい。
空色の眼差しをじぃ、と相手の視線と交えたまま、"姉さん"について語っていく。
「姉さん、って言っても本当のお姉さんじゃないんだ。
この島で知り合って、弟みたいだからって俺は姉さんって呼ぶことになった人、かな」
淡々とした思いで語りではあるが、幾分声音は柔らかだ。
少年は不愛想ではあるが、余程好印象を抱いているようだ。
「……送ってみたいけど、もう何処にいるかは分からないんだ。
クロエ姉さんは、本当の弟がいるみたいでさ。その人を探してた」
「会えたかどうかはわからない。今は何処にいるかはわからない」
神出鬼没な少女だった。
気づいたらそこにいて、気づいたらいなくなっている。
その声も何処か遠くにいるようで、儚げな白い少女の姿は、今でも覚えてる。
会えないのは少しだけ寂しいけど、寂しがってばかりではいられないから。
「うん、弟思いで儚げな人……かな?
そんな人。なんかイメージとか掴める?」
■『調香師』 > 「それはそれは」
随分と好印象なのはわかる
それは貴方の言葉の機微を追わずとも
感情露わにしない表情の中で、その大きさが如何なるものか
彼はありありと伝えていた
問題はやはり、それ以上はきちんと考えなければいけない事だけれど
彼女は理解したように頷いたけれども、同時に首を傾けました
その首が立ち直るのに、数秒
「ローズマリーってご存じ?
愛と思い出の香り。迷迭香、入れ替わるものと変わらないもの」
■芥子風 菖蒲 >
「……長々と話しすぎちゃったかな?ごめん」
思えば、人の事をこんなに語ったのは初めてかもしれない。
少年はのらりくらりと過ごしていた。
人と関わりさえすれど、個人に入れ込む事は無いと思っていたからだ。
そう、自分でも驚いた。少しおどおどしつつ、少年は謝る。
初対面相手には、ちょっと語りすぎな気もしたからだ。
「ろーず、まりー?ごめん。オレ、あんまりそう言うの詳しくないから……」
今一ピンとこないので、首を傾けた。
愛と思い出はともかく、入れ替わるものと変わらないもの。
何処となく、心に引っ掛かる物言いだ。
「……替わったり、変わったりしてるのかな。オレ」
よくわからない、実感はない。
今は会えていないあの姉さんも、そうなのだろうか。
少し俯いて思案するも、すぐに顔を上げて視線を合わせる。
「……ローズマリー、だっけ?それ、どんな匂い?」
■『調香師』 > 「分からないな。変わっているのかどうか、初めましてだもんね
でも、これから分かるのかもね?
このお店に、また訪ねてくれるのなら」
答えられるようになる。彼女の考えは単純だ
「ローズマリーはね。ハーブだから良い香り
特に頭をスッキリさせるようなシャープさ
料理の香りづけに使える位の強い華やかさ
男の人が纏っても、調香次第では似合うのかもね
逸話の通り、気分転換に使えるような一品になるよ
別名は『海のしずく』って言うくらいなんだ...えへ、どう?」
説明から気に入ってくれたかな?と
彼女は立ち上がって、早速棚にへと向かっている
そこから彼の好みを続けて探ろう。どんな味付けが似合うだろうか