2021/11/11 のログ
■芥子風 菖蒲 >
「それもそうだ。……正直、オレは香り?とかよくわからないけど
アンタの事は個人的に気になる。また遊びに来ても良い?」
まだこの趣味に嵌るかはわからない。
けど、目の前の少女の事が少年は気になるようだ。
お互いの事を知る、と言う意味では何度か足を運ぶのはいいかもしれない。
「頭をスッキリさせるシャープ……仕事に集中できる、とか?」
聞けば聞くほど気になってきた。
何処となく、少年の両の青も興味に輝いている。
ちょっとだけ、椅子から前のめり。
「オレは海よりも、空の広々とした感じが好きだなぁ。海も嫌いじゃないけどさ」
此の両目と同じように自由な空が好き。
青々として広く、何処までも自由さと長閑さを感じさせる、あの青が好きだ。
■『調香師』 > 「ふふ、そういう効果もあるね」
『遊びに来る』、と言う部分は一旦保留
こちらはお仕事、出来る事なんだからとさ
「空を広げたような香り。それは草原を吹き渡る青さ
草、風、透き通るようなクリアな空」
首をそちらに向ける。貴方が見つめているのはこちらの瞳
彼女の指先は迷いなく香りの瓶を拾い上げていく
そうして戻ってきた彼女は調香の準備
ビーカーと向き合って、スポイトで垂らしていく
「その空はどのように好き?
見上げるのが好き、飛ぶのが好き。それぞれかもね
だから気になるな。あなたのお仕事も
あなたに一番合う、香りの形を選びたいから」
■芥子風 菖蒲 >
「なら、興味あるな。ローズマリー」
仕事に集中できるなら少し興味がある。
何かと集中力を使う仕事だ。あるに越した事はない。
「どういう風に……」
瞳を見つめ返し、ぱちくり瞬き。
ふむ、と思案を巡らす。
「見上げるのは好き、と言うよりは羨ましいかな。
大きくて、自由で、何処までも広がってて、そう。自由な感じ?」
ずっとずっと、空の彼方まで広がっている。
果てなんてない位ずっと。誰にも縛られない自由さ。
「オレの仕事は……風紀委員。皆を護る事かな。
うん、そう。皆を見守る空のように、オレも飛んでみたいかな」
子どもっぽいけど、子どもらしいちょっとした細やかな夢。
空の様に自由で、何時か黒い翼が生えてはためく事が出来るかもしれない。
恥ずかしげになる事は無い。何時の間にか緩んでいた口元が、少年の楽しさを物語る。
■『調香師』 > 「風紀委員、ね?」
その返答に僅かな隔たり
その身が違法に所属する故...などではなく
同じ、風紀委員の彼の事を思い出したから
薄く開いた口が、『煙草』と口走りそうになったけれど
きっと、彼はそれを必要とはしていなかろう
そんな『悪い事』に手を染めなくても。彼は人を護れる筈だ
彼の言葉には、そう思わせる純粋さがある
躊躇いなく言ってのけ、遠くを想う貴方の言葉には、
言い知れぬ力強さという物が宿っていた
「...だったら、普段はちょっと効果が落ちるかもだけど
あなたには丁度いい形があるかも
例えば風を感じる時に、ふんわりと舞ってくれるような
そんな種類の香水を作る。うん、私には出来るよ」
貴方が『自由』を感じていたい時に
そのタイミングに一番効果を発揮する物を
また棚に戻って、新たな香りを持ってきては作業を続ける
■芥子風 菖蒲 >
「…………」
何となくだけど、その喋り方には陰りが見えた。
もしかすると、初めに入った時に思った"杞憂"が辺りなんだろうか。
敢えて、店を表に出さない理由。
秩序に加担する側としては、色々と"想像できてしまう"。
何処までも真っ直ぐな眼差しは、彼女の奥底まで覗こうとしているように見える。けど。
「大丈夫。オレはアンタの作るものを信じるよ。
初めましてだからわかんないけどさ。多分、自分の仕事には嘘を吐けないと思うし」
そこに確証はない。
それに自分は客で此処に来ている。なら、それ以上の事は何も言わない。
だから、それが"確証"に変わるまでは何も言わない。
何よりきっと彼女は、仕事には真摯的だと信じている。
所感では、あるけど。少年はそうだと信じた。
「風を纏う感じ、か。うん、面白そう。
走ってる時にさ、一番早く動いてるとそんな感じになれるから好きかも」
愛刀を担ぎ、黒衣を靡かせる。
その姿、黒い疾風が如く。
うん、仕事風景とマッチする。是非ともお願いしよう。
「……あ、そう言えばこういうのって幾ら?
オレ、相場分からないから。手持ち足りるかなぁ……」
曲がりなりにも商売だ。
ちゃんと聞いておかないと。
最悪、ATMにダッシュする事を考えなければいけない。
■『調香師』 > 「魔法由来の香りも使うからちょっと、お高くなるかもね?
ふひひ。なんだったら、今回はお話を聞いただけでさよならでも良いんだよ?
私はイメージが出来てるから
心の準備をして、また来たら完成してるという塩梅」
その笑みは少し挑戦的に見えたかもしれない
彼女の瞳をもしもそのまま知ろうとしたならば、
『人の為』との姿勢は違える物は感じられず
懸念との噛み合わなさが、混乱を招いてしまうと言えばそうなのだろう
「一回は一回。私はちゃんとカウントするから
それでもいいって、私は思うよ」
■芥子風 菖蒲 >
「魔法由来の……?そんなのまで使ってるんだ。
よくわかんないけど、払えるなら払うよ。お金は在るし」
理屈はどういうものかはわからない。
とはいえ、如何やら結構手が込んでいるもののようだ。
楽しみ半分、期待半分。出来上がりが楽しみだ。
命を張る風紀委員は給料も良い。趣味の少ない少年なら……余程法外ではない限り大丈夫だと思う。
「でも、そうだな。時間が掛かりそうなら出直すよ。
その時にとりに来るからさ。一応オレ、仕事中に寄っただけだし」
絶賛パトロール中の身。
ちょっとした休憩にはなったけど、余り職務を放棄するのはまずい。
よいしょ、と椅子から立ち上がれば、改めて少女を見やる。
「カウント?よくわかんないけど、ちゃんとお金は持ってくるから、楽しみにしてるよ」
折角出会えたことだもの。
その彼女の瞳に宿った姿勢を信じて受け取りに来る。
少年は一礼をし、一旦その場を後にするだろう。
彼女に作られる"風"に思いを馳せ、人込みへと戻っていった。
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」から芥子風 菖蒲さんが去りました。
■『調香師』 > 「お仕事は大事だよね」
彼女の本心。お仕事になる位に『出来る事』なら、誇りにすべきなのだ
彼の様な純粋な姿を見ていると
『弟』、なんて言いたくなる気持ちも分かるのかも
機械心、それはほんのちょっとだけれども
見た目の年齢的にあんまりだね、なんて一人想う
彼が立ち去る頃には作業の手を止め立ち上がって
表まで追いかけて、お辞儀
「またのお越しを!」
最後まで、変わらなかった笑みを向けて
貴方が見えなくなれば作業の為に店内に戻る
貴方は香りにどんな名前を付けてくれるかな
今から本当に、楽しみだった
ご案内:「歓楽街路地裏『Wings Tickle』」から『調香師』さんが去りました。