2020/06/29 のログ
ご案内:「カフェ・テラス席」に伊都波 凛霞さんが現れました。
■伊都波 凛霞 >
カフェの外側席
心地よい涼しげな風、と木漏れ日の下のテーブル
香ばしい珈琲の香りが漂うそこで、テキストとにらめっこしている女生徒の姿
「ふ、ぁ……」
この完璧な生徒にしては珍しい、隙のある様子
ついうっかり欠伸をしてしまう様子からはやや睡眠の不足が見られた
ご案内:「カフェ・テラス席」に史乃上 咬八さんが現れました。
■史乃上 咬八 > 「……」
すん。と鼻を鳴らした。傍らを連れ歩く小さなビーグル犬が同様に鼻を鳴らしながら、飼い主と共に足を止める。
珈琲の香りに釣られているものもあったが、それとは別の何かを嗅覚に捉えたように、ぐるりと回りを見渡し、間もなくその姿を見留め、そちらへと歩み寄っていった。
「……伊都波さン。テス勉スか」
――季節もあってか、膝丈の黒いカーゴパンツと同色のランニングシューズを手ではたき、深青色のパーカーのポケットから飛び出したスポドリを、リードを握った左の拳で押さえて。
隣に座った犬と共に、一礼を挟んで声を掛けた。
■伊都波 凛霞 >
「ん…」
近づいて来る気配へ、視線まず送る
遠目…とはいってももうすぐに近い場所、にこっと、笑顔を浮かべてお出迎え
「や。カミヤくん。
そうそう、もうじき試験だからねー、油断せずちゃんと勉強しておかなきゃ」
トン、とテキストを揃えて、ちょうど一息つこうと思ったところだった
「カミヤくんはお散歩中かな?」
暑くなってきたから大変だねー、イヌのほうにも視線を向ける
■史乃上 咬八 > 「……睡眠時間を削るのは、次の日の集中力を削っちまいまスよ」
何かをくみ取ってのものか、或いはその片目が目敏くその眼の下の僅かな色合いを見分けたか。
……近づいてくる途中あくびをしているのが見えただけなのだが、兎も角そう告げる。
首を僅かに傾げながら、揃えられたテキストに目を遣る。
「あァ」と含むような声が出て、目を閉じて僅かの思案。
「……はい、日が強い時はアスファルトが熱くなるンで、今日くらいの気温ならと。
……"ボズヤ"」
『わんっ』と、ビーグルにしては控えめな一鳴き。ぴしっと綺麗なお座りは飼い主からの賜物と見える。
「うちの"ボズヤ"っス。まだガキっスから、躾に手こずると思ってたら、あっという間に名犬になっちまいました」
と、やや鼻の高そうな様子だった。
■伊都波 凛霞 >
「あれ?あはは、相変わらず目敏いねえ…」
誤魔化すように笑って、眉を下げる
「睡眠時間削って勉強してるわけじゃないんだけどさ。
なんだか最近あんまり良く寝付けなくって」
変な夢ばっかり見るし、と
心配してくれたのであろう咬八にはそう答えて
「ボズヤちゃんって言うの?
前の子もいい子だったけど、この子も懐いてるねえ」
一見して不良のような見た目の彼、けれど動物は正直というか
その彼のまっすぐな心根、優しい本質をしっかり見抜くのだろう
こうやって犬に懐かれている様子は実に彼らしい
姿勢を下げて、お手~、なんていいつつ楽しげに手を差し出してみたり
■史乃上 咬八 > 「缶詰で内容を頭に入れるのも大事ですが、時間に区切りつけて、その中で片づけちまった方が、気も身体も、楽っスから」
「体に障りやスよ」と、肩を竦める。
「……変な夢、スか」
気に掛かるようだったが、詮索をしていいものか、とやや悩む様子。
リードは腕に掛けたままだが、座ったままで尻尾を緩く揺らすビーグルはそれから離れる様子もない。
……差し出された手に、迷いなく小さな肉球が乗っかり、にぱっと笑顔の顔で『わぅ』と控えめに吠えた。
躾とは別の、犬自体の才覚も見える。賢いようだ。
「……前の犬達は、少し前の流行りの病気で、みんな」
――少し顔を曇らせる。その場に少しかがみ、お手をしたままのビーグル、ボズヤの頭を優しく撫でる。
「皆を、預かってたンスけど、ね。あの病は防ぎようもないと、居候させてもらってた夫婦の人たちは励ましてくれた、
……それから、家を俺に預けて、島外に。
墓はこちらなンで、また時々伺いにと言ってましたが……」
「"家族と同じ位に、きっと行けるだろう"、と」
そうつぶやくように言う顔は、暗く、滲むものがある。
■伊都波 凛霞 >
「うん。そーだね、気をつける」
向けられた忠告、というか心配の言葉には素直にそう言葉を返す
相変わらず、不器用そうだけど真っ直ぐに向けられる親切
「そ、まあすぐ収まると思うんだけどね。寝苦しかったりして結構困りものなんだー。
…あ、すごいお利口さんだねえー♪」
ぱっと乗っけられるぷにぷに肉球
おまけに愛想たっぷりだ。ご主人とは真逆かな?なんて思ったりして
えらいえらい、と頭をなでなでしながら…
「──…そっか」
ペットを飼った経験は自分はない
けれどそれは紛れもない、家族を失った心を苛む表情
「大変だったね」
なので、ただそれだけ、労いの言葉をかける
その一言に色々な、励ましの意思を込めて
ご案内:「カフェ・テラス席」から史乃上 咬八さんが去りました。
ご案内:「カフェ・テラス席」に史乃上 咬八さんが現れました。
■史乃上 咬八 > 「……大変、では無かったっスよ。罹ってから、時間もかからず、ですから」
首を振る。何時までもその顔を向けることは出来ないと、すぐに元の柔らかい顔に戻る。
撫でられてご機嫌に、飼い主の様子に気づいてないような、尻尾と他の足をぱたつかせるボズヤから、自分は手を引いて。
「何時までも引きずれませン。コイツが居ますから、前見ねェと。
……ボズヤ、おかわり」
『わぅ』とすかさずしゅぱっと置く足を左右変えての見事な一芸。
飼い主はそれを見せ、自慢げに笑ってみせる。
「……ところで、科目は何を。良けりゃ、手伝いますよ」
■伊都波 凛霞 >
「んーん、大変だよ。気持ちの整理も、無理してでも前を向くのって、結構しんどいんだから」
経験済み、とばかりにそう元気が出るような笑顔向ける
子犬はカワイイなー、なんて可愛がらせてもらいながら…
「ん、今は一般教養のまとめしてた。
不安なの教科は特にないんだけど、念には念をいれないとね」
見る?
とテーブルに直り、先ほどまとめたテキストをぱらぱらと開いて
物理、学国語、数学──まさにTHE・一般教養
■史乃上 咬八 > 「……敵いませンね」
小さく零れる声。その笑顔は、誰かの背中を押す笑顔だ。
愛玩動物としての働きを存分に発揮する姿を共に見守るのも兎も角と、
見せられるテキストの内容を開かれたところだけ追っていく。
「……その辺なら、数日で頭には」
しかし、教えるというより教えられそうでもある。顔がくしゃりと歪んだ。
「……教えるといや、"アイツ"への教育も大変ッスよ」
■伊都波 凛霞 >
「ん、さすがの秀才っぷり。ボズヤちゃんもお利口なわけだね~」
テキストをまばらにみた程度でそう言ってのけるこの頭のキレっぷり
やはり飼い主に似るということだろうか
「あはは…そのへんはほとんどカミヤくんに任せちゃってるからなあ…。
でも、きっと彼もそのほうがいいんじゃないかな…?」
■史乃上 咬八 > 「……」
秀才。そう褒められることは少ないと、視線を逸らしてやや赤い顔。褒められ慣れてない。
犬はやや不平そうだ。自分だって賢いんだぞ、と心なしかさっきよりもピンと胸を張るようなお座りになった気がする。
……任せきりなのは仕方のないことだ。
「……仕方が無ェっスよ。今後アイツには、さんざん眠ってた時間分を頭に詰め込ンでもらわねェと。
――えェ、泣かせてもやらせやスから」
ふかぁい、とてもふっかい何かの感情を押し殺すようなギラついて威嚇する狼犬のような形相で。
「……だからこそ、スかね。会えないの、淋しがってましたよ。
――いや、前みてェなアホヅラじゃなく、『教え方が拳混じりで痛ぇ、凛霞のほうがお前より得意だろうが』と」
■伊都波 凛霞 >
照れている様子を見て、思わずクスリと笑う
男の子のこういう仕草は可愛く見えるのでズルい
「だいじょーぶ。信頼してるよ。
だってカミヤくん達二人は私が間に入れないぐらい、いいコンビだったんだもん」
当時のことをやや思い出しながらそんな風に語って
「…じゃあ、会いに行こうかな。
私達の時間も、少しずつでいいから前に進めないと。
学生らしい色々なこと私とできるの、今のうちだけだぞー、って、発破かけに行っちゃおうかな…?」
■史乃上 咬八 > 「……伊都波さン」
勘弁してください。と内包した一言。
……それから続いた言葉に、珍しく動揺したような様子だった。
具体的には眼を見開き、それからリードを持つ手を離して、片手で頭をがしがしと。
リードは落ちても犬は不動。座ったまま二人の様子をしきりに見た後、その場に伏せて丸くなる。
これは人間的なあれそれだから自分には関係なし、というばかりで。
「……えェ」
それから出た言葉に、ゆっくりと頷いた。ついでに、
「それ、目の前で言ってあげたほうが良いッスよ。絶対そっちのほうが、"効きやスから"」とも。
「……伊都波さンも、今のうち、ッスよ」
■伊都波 凛霞 >
可愛らしい子犬の仕草を視界の端で捉えつつ、
動揺を隠せない咬八少年に視線を注ぐ
少し冷めた珈琲を口に運んで、ほっと一息
「あんまり、急かすものでもないかな、って思ってさ。
準備運動なしにいきなり泳ぐと足が攣っちゃうみたいなことも在るじゃない・
──でもまぁ、カミヤくんがそう言ってくれるなら大丈夫かな」
彼が太鼓判を押すなら、信じられる
それくらいに二人の絆は深いと、知っているから
「そうだね、私も今のうち。
時間だけは、後から取り戻せないもん」
そう言って、もう一度笑顔を向ける
■史乃上 咬八 > 「伊都波さン、ひとつ、進言しやス」
彼がそう言って、ちょっとだけ膝をつくようにしてしゃがみこむのは、多分そういう癖だ。
無礼の前の作法。こんなところでする事ではないため、略式にちょっと膝を折る位で。
「時には、歩くより先に走り出すことも、ありやスよ。
そうでなきゃ……間に合わねェこともありますから」
――それをよく知っている。目の前の相手だって、言われるまでもないことは、百も承知の上で。敢えて。
「俺の言葉で、そう思ってもらえたなら。
しかし、アイツは少々、手が遅く不器用スから。多分何か大きな発破が必要か、と。
……具体的にどう、とは、言えやせンが」
笑顔にやや目を伏せ、それから僅かに口角を緩めた。
「…今一度、あの大馬鹿にゃ1つ、キツい扱きを伊都波さンから、してもらえれば。
――よくも悪くも、伊都波さンの事には敏感で、一途ッスよ、"イヅル"は」
■伊都波 凛霞 >
「んー……んんんんん……それ、もしかして
"待ってるだけじゃ永遠に無理そう"みたいな…?」
手が遅い、不器用…言葉を選んではいるが、まぁ要するに"奥手"だということ
時が満ちるまで、彼が、イヅルがそう思えるようになる時まで…
ずっと待っていよう、いつまでも
待つことは得意だから、…なんて思っていたけど…
今の時間は、今しかない
学生のうちにしかできない経験だって、きっとあるだろう──
「そっか、それじゃあ…。
少しだけ我儘、言わせてもらうのもアリかな…?」