2021/11/13 のログ
ご案内:「歓楽街のどこか」に大鋸 奏さんが現れました。
ご案内:「歓楽街のどこか」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > 歓楽街――普段は風紀の仕事…巡回警邏とかで歩き回るくらいであまり足を運ぶ事は無い。
今日は非番なので私服姿であるが、何でわざわざこの歓楽街に来たのかと言えば――…

「……まぁ、単純に武器のメンテなんだけどね。」

銃火器の一部と、短刀を整備できる人間が居るのがこの歓楽街なのだ。
今はそれらを預けて帰宅の途上。とはいえ、思ったより早く用件が済んで手持ち無沙汰だ。

(…どうしようか。何処かお店に寄っていくのも――)

所々に風俗関連のお店などが目に留まり、一瞬思考が沈黙したが直ぐに視線は逸らされて。

「…え、えーと、な、何か食べて行こうかな…。」

我ながらちょっと言動が挙動不審になってる気がしないでも無い。
これが風紀の仕事中なら別に気にならないのだが…プライベートな時間だと何故か気になる。
…と、いうか自然に視界に入ってくるのだ…さすが歓楽街である。

(…って、感心してどうするんだ俺。落ち着こううん)

軽く息を整えて、取り敢えず食べ物関係のお店でも探そうとブラブラと歩き回り。

大鋸 奏 > 「にゃーお……」
ぶらぶらと歩き回る彼に聞こえるように、猫の鳴き声が響く。

「んなぁーぉ……」
彼が動けばひたひたと音もなく後に続いて、まるで呼びかけるように声が響く。

「んぁーぉー…」
歓楽街に頻繁に来ているわけではないのだろう、周囲を警戒しながら進む相手を、
姿を見せないようにしながら追跡し、姿を見せないまま鳴いてみせる。

姿を見せないまま相手をこっそり追跡して、鳴き声を上げること数度…。
相手の足が止まった瞬間に物陰から飛び出た。

「猫だぞー!」
元気よく現れた姿は猫であった。
胸元からおへその下辺りまで布がないレオタード風の衣装に、両手足には肉球。 
そして腰には尻尾で頭には猫の耳である。

「与一くん、ここでなにしてるの? 探しものとか?
 それともー…うーん…与一くんが歓楽街に来そうな目的て思いつかないな…。」
大胆な姿でもまったく動じる事無く、問いかけてから小首をかしげて見せる。
尻尾を?の形に動かしながらじっと相手を見やった。

ご案内:「歓楽街のどこか」に飛鷹与一さんが現れました。
ご案内:「歓楽街のどこか」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > 「……んん?」

歓楽街をブラついていれば、唐突に背後から猫の鳴き声らしきものが聞こえて。
後ろを振り向く――猫は居ない。足元にも。
視線をあちこち向けると客引きのおねーさんにウィンクされた。いえ、遠慮しておきます。

「…気のせいかな。」

首を傾げながらも再び歩き出すが、少ししてまた猫の鳴き声が聞こえた。
再び振り返る…誰も居ない。否、正確には往来の人の群れで姿が見えない。

それを何度か繰り返し、また鳴き声に足を止めた所で―ー…

「うわああああっっっ!?」

え、何!?猫!?いや、そうじゃなくて!!
慌てて物陰から元気よく飛び出してきた猫、もとい人物を見遣る。

「………。」

暫くの沈黙を挟みつつ、真顔で相手の頭の天辺からつま先まで一通り眺めて…。
彼女が何やら口にして居るが多分聞こえていない。それだけ衝撃的な姿だったのだろう。
少なくともこの少年にとっては。で、フリーズしていた思考が再び動き出すと同時に叫んだ。

飛鷹与一 > 「いやいやいやいや!!アンタ何て格好してんですか奏先輩!!!」
大鋸 奏 > 「ちょっとー、おっきな声ださないでよー! 驚かしてごめんってば!」
猫耳を押さえながら言い返すように謝る。驚かせたのはこちらなのだ。
改めて相手の質問の意味を咀嚼すると、無言でくるりと回って見せた。 

「なんて格好って…猫だけど…。」
なにか変な事があったんだろうか? 自分の姿を確認する。
くるっと相手の前で回ってみてもおかしいところはない。
厚いミトンのような両手足には肉球が備わっているし、長くしなやかな尻尾は自在に動く。
頭に備わった三角形の耳は、相手のツッコミもしっかりと捉えることができる。
なにもおかしくない、猫の格好だ。

「もしかして、猫苦手な感じ…? だ、大丈夫だよ!
 この毛皮みたいなところ全部フェイクだし、アレルギーとかも出ないし…!」
相手の態度に申し訳無さげな表情を浮かべる。
たしかに、猫が苦手だったら大声をだすのも宜なるかなといったところだろう。
アレルギーだったらとっても辛いはずだ。 ほらほら、と相手に手のひら(肉球)を
見せるようにして、アレルギーフリーであることをアピールしてみせる。

飛鷹与一 > 「あ、いえ…すいません、大声出しちゃって。いきなりそんな姿で声を掛けられるとは思わなくて…。」

しかも同僚兼先輩に。…待てよ?考えたらこの人、前にコンビ組んだ時もたまーにコスプレで出陣してた気が…。
そういえば、目のやり場に困って狙撃支援でらしくもないミスをした記憶がある。

――みたいな事を、自分の姿を確認するように目の前くるっと身を翻して見せる先輩を眺めつつ考えて。
何か無駄に似合っているのはどういう事なんだろうか…スタイルが良いからだろうか?

「…はっ!?あ、いえ動物アレルギーとかは猫を含めて全然無いですよ?俺。」

だから大丈夫です、と気を取り直して笑いつつ右手を伸ばしてその肉球をふにふに。
……やたらリアルな感触なんだけど、再現性凄いなこれ!!

「…で、えぇとそうじゃなくて!何でまたそんな格好を…奏先輩がコスプレ好きなのは知ってましたけど。」

と、言いつつ改めて彼女の格好を眺める――うん、肌面積凄いですね。変な緊張してきましたよ。
あと、男の性なのか分からないけど、胸元に特に視線が向けられるのは許して欲しい所だ。

大鋸 奏 > 「まあそれほどまでに奇襲攻撃に驚いたってことだろうね。」
うん、と一人で勝手にうなずいた。 前にペアで動いていたときに、
ちょっと衣装を変えて出撃するたびにガタガタになった経緯を思い出す。

「あっ、そうなんだ、よかったー! てっきりアレルギーかなんかで驚いたものかと思ったよ。
 ふふふ、本物みたいでしょう、この肉球! 本物みたいに感覚もあっ…
 ちょっ、あっ、んんっ…! くすぐったいぃ…」
伸ばした手をとった相手が、確かめるかのように肉球を揉みしだく。
なんともいえない不思議な感覚が走り、小さく身悶えしながら小さく鳴く。
くすぐったさに頬を染めながら、ちょっと恨めしげに相手を見上げた。

「なんでって、だからええと…うーん、そうだなあ。 ええとねえ…。
 あっ、ええとね、この猫耳は呪いの猫耳で、呪いの猫装束なんだよ!
 このままではわたしの自我は猫に支配されちゃうんだ!
 呪いを解くには、わたしを可愛がって猫ライフを満喫させてくれる必要がある!うん!」
理由は特になかったのだけれど、相手の問いかけにぱっとひらめいたカバーストーリーをつらつらと述べた。
バレるかもしれないしそうじゃないかもしれないけどそこは問題ではない。
胸に向く視線に気づくとニンマリと笑みを浮かべた。

「あー、与一くんが猫の飼い主だったらな~。 飼い主なら猫を撫でても、何の問題もないのにな~?」
両手…肉球で胸にふれる。 たわわなそれが軽くたわむ様を相手に見せながら
チラチラと視線を送る。相手がどう出るか試そうと言わんばかりの態度だった。

飛鷹与一 > 「…いや、まぁある意味で強烈な奇襲攻撃でしたけど…。」

仕事中だったら反射的に銃か短刀で応戦する所だった。
ちなみに、コスプレ姿にチェーンソーで暴れまわる姿は遠方からでも凄い目立っていた。
――ソースは自分だ。お陰で連携が一部ガタガタになったのは正直黒歴史にしたい。

「アレルギーは食事も動物も花粉も無いですね俺は。
…って、何て声を往来で出してんですか先輩!!
むしろ、感覚が連動してるとか先に言って下さいよ!?」

再現性どころか高性能過ぎないか?最近の常世コスプレグッズは。
思わず、ふにふにと右手で彼女の肉球を弄っていた手を止めてしまう。
いや、そんな恨めしげに見られてもその情報今初めて聞いたんですが!?

「――成程、呪いの猫装束……何で変則レオタード風味なんでしょうか?」

取り敢えずそこに突っ込みは入れておきたい。
正直眼福なのは間違いないのだけど、突っ込みは入れておきたい!!
あと、彼女の咄嗟の思い付きカバーストーリーについては、まぁそれはそれとして。
過去に何度かコスプレ姿を見ているからか、その辺りについては悲しいけど慣れがあった。
――慣れててもドキドキはするんだよ人間だから。

で、視線の行く先に気付かれた。まぁ、女性は視線に敏感だと言うし。
それを抜きにしても、ここまでまじまじと見ていたらそりゃあ気付くだろう。
若干慌てて目を逸らすが今更遅いのは言うまでも無い。

「か、飼い主!?何ですかそれ、どういうプレ――ごほんっ!
…と、取り敢えず少し場所移動しません?さっきから人の目が気になるんですが。」

ちょっと咳払いして言い掛けた言葉を誤魔化す。
まぁ、年齢相応にスケベ心はあるんだ…察して欲しい。
とはいえ、流石に我に返れば周囲の目が気になる訳で。
…むしろ、何で先輩は堂々としていられるのか。ある意味で尊敬する。

あと、たわわなソレはやっぱり見てしまうのはもうしょうがないんだ。

「…ちなみにですけど、その呪いって具体的にはどうやれば解けるんでしょうか?」

あ、これは先輩は俺の出方を窺っているな?と、流石に察したけれど。
まさかここでいきなり胸タッチとかやる訳にもいかない。
一応風紀委員だし……待った、彼女も風紀委員だった。

大鋸 奏 > 「アレルギーがないのはいいね、なにするにも動きやすい…。
 えっ、だ、だって勝手に人の肉球揉みしだいたのは与一くんじゃん!
 肉球触ってる時の与一くん、めっちゃいい顔してたのにな~。
 まあ肉球はとりあえず感覚があるとして…。 じゃあ、はい尻尾。」
ツッコミを受けて大慌てで反論する。 自分のせいじゃないもん。
するりと長い尻尾を、相手の腕にするりと絡ませるように動かしてみせた。
触ってみろと言わんばかりの仕草である。

「うん、なんでだろうね、なんでかよくわからないね。
 でも呪われてるんだから仕方ないじゃない!
 ほら、さっきの肉球の件だってきっと呪いのせいだよ!ね!」
さすがのコンビ相手である。 丁寧なツッコミだ。
舌を巻きながらも必死に訴え、強引に”呪い”で突破しようとした。

「ふーん、与一くんはわたしを可愛がってくれないんだ。悲しいにゃあ~。 
 あー、語尾から猫に侵食されてきたにゃあ~。
 移動ねえ~、ふーん、移動…。 猫だから自由に移動したいにゃ~。
 もっとも、誰かが強制的に動かしてくれるようなら話は別だにゃあー。」
衆目が気になる。 かれの言葉は最もである。
相手の態度を見ると眼を細め…不器用な両手で相手に差し出したものは、リードであった。

「ん。」
赤い首輪が巻かれた首を晒すようにして、相手にアピールする。
リードをつけろ、という意味にほかならない。
もちろん、それを行えば彼のいうように”プレイ”の類として周囲に見られかねない。

「呪いはねー、いっぱい猫として可愛がってくれたら解けると思うにゃあ。
 例えば、頭を撫でるとか、遊んでくれるとか、あとはー、じゃれつくのに答えてくれるとか?」
どう?といたずらっぽい眼で相手に問いかける。
”遊ぶ”気満々だった。

ご案内:「歓楽街のどこか」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > 「まぁ、その辺りは確かに便利ではありますが。
…触ってみろって差し出したの先輩だし、感覚が連動してるの後出ししたの先輩ですよね!?
あと、どんな顔をしてたんですか俺…そんな情けない表情はしていないと思うんですが――…はい?」

と、いちいち律儀に反論するのだけど、それはそれとして何故かするりと猫の尻尾が腕に絡みついてきた。
…え?触れと?さっきの反応を見た俺に触れと!?

「…奏先輩。俺で”遊んで”ませんかね…。」

若干目付きが半眼――ジト目になりつつある後輩である。
ちなみに、腕に絡みつくような尻尾だが…ちゃっかり軽く触ったりしていた。
あと、この時点で『呪い』については、そういうのも有り得る島だから全否定はしないけれど。

(…奏先輩、悪戯好きだしなぁ……うーむ。)

伊達にちょくちょくコンビを組んでいた訳ではない。
彼女の性格はある程度はお見通しだ!!
…でも、この状況をどうすればいいかは正直分からない。

「いや、何処まで呪い(それ)押し通すつもりなんですか。
―――って。」

何かが肉球の手で差し出された。…リードである。
…目を閉じて軽く目頭を揉んでから目を開いてもう一度見る。
……リードだった。……え?

(…いや、リード!?首輪!?ここ歓楽街でしかも人がこっち見てんですけど!?)

ここに風紀の同僚が紛れていたら俺は死ぬ――!!
今更ながら、彼女が差し出した首元には赤い首輪があり。
手にとってしまったリードと彼女(と首輪)を交互に眺める。
あと、追い討ちで嬉々として彼女が告げるけれど今の俺には大ダメージなんですが。

「……先輩、フォローとかちゃんとしてくれるんでしょうね?」

同僚に目撃されたり、どっかから変な話が出た場合だ。
ややあって、諦めたようにリードと首輪を繋いで。

…まさか人生でこういうプレイをする羽目になるとは思わなかった。

大鋸 奏 > 「めちゃくちゃいい顔してたにゃあ。 でもわたしは触ってくれとは言ってないしー!
 『猫ちゃん可愛いでちゅねー!あと胸が割とありまちゅね―!』みたいな顔を…んー?」
尻尾を相手の腕に絡ませて遊ぶようにするすると動かす。
その尻尾に相手の手が触れるたびに、尻尾はぴくぴくと動いて、かすかに吐息を漏らす。
遊んでいるという指摘には、そっぽを向いてものすごく知らん顔の構えをとった。

「いやあ、呪いは怖いにゃあ~。 与一くんが助けてくれないかにゃあ~。」
じっと相手を見上げる。 手にはリード。相手の問いかけニヤリと笑うとうなずいて見せる。
かちん、と首元で小さな音がした、その時。

「……ぁ…♡」
得も言われぬ声を上げ、ぶるりと身体を震わせた。

「ふー、危ないところだった。 リードを繋いでくれなかったら、
 わたしの自我が猫に飲み込まれてしまうところだったよ!
 それで与一くん、どこに移動するってー?」
額を拭って、事は済んだというアピールをしてみせる。
一応なんとかなった…ということにしたのだ。
ペットらしく彼に身体をぴったりとくっつけ、リードを握る手に抱きつく。
両腕と胸ででしっかりと相手の腕を保持しながら、尻尾を揺らして問いかけた。

飛鷹与一 > 「んな顔してませんよ!!…あと、何を知らん顔してんですか貴女は!!」

この人はほんっっとーーーに、変わってないなぁ!!と、内心で頭を抱えつつ。
尻尾については、最初は恐る恐るといった感じだったが、無意識に触りまくり…いかん。
慌ててパッと手を尻尾から離しつつ。

「~~っ!!…先輩、変な声出さないで下さいよ!!」

リードと首輪を繋いだ瞬間、彼女がブルリ、と身を震わせながらあらぬ声を漏らして。
それを聞いて思わずこっちも”反応”してしまったが、何とか突っ込みは入れた。
…突込みを入れても事態は何も変わらないのだけど。

「ある意味でこっちの自我がヤバくなりかけましたよ!!
…本当は適当に食事済ませて帰るつもりだったんですが…。」

先輩を見る。手に持ったリードを見る。…そんな度胸は俺には無い!!
あと、リードを持つ手が気が付いたら彼女の腕と胸で挟まれていた…。

(やっぱり大き――違うそうじゃない!!)

童貞ではないのだけど、こういう事に関してはまだまだ経験が浅い。
ただでさえ、どちらかといえばからかわれたり弄られたりする側である。

取り敢えず、そそくさと先輩を連れて歩き出すが――周囲の視線が痛い。
時々、「うわぁ…」とか「あらあら…。」って声が聞こえるけど無理も無い。

(落ち着け飛鷹与一!…いや落ち着け無いから!!一先ず人気の無いところに…!!)

と、いう訳で歓楽街の路地裏の一つに逃げるように入り込む。
…ちなみに、周囲から見たら飼い猫プレイしていて更に路地裏に連れ込んだように見えるだろう。

と、いうかそうとしか言えない状況である。
勿論、少年自身は単に人目を避ける目的だったのだが…。

大鋸 奏 > 「にゃっ…これは呪いにダメージがはいったフィードバックだから!
 変な声でもないし、尻尾触られたからでもないから…!」
尻尾を撫でられるその感覚は、しびれるような心地よさとなって自分に返ってくる。
うっとりと表情をとろけさせながら、相手にぎゅっと抱きついて呻いた。

「与一くん、どうしたの~? あれか~?わたしの魅力で男子の本能が刺激されてしまったかなー?
 いや、わたしもなんか、割と尻尾撫でられたの結構ゾクゾクしたけど…。」
ぎゅっと相手にしがみついたまま問いかける。
ぐりぐりと相手の腕に自分の頬を、そして身体を擦り寄せながら、甘えるように喉を鳴らした。

「あっ、それで移動するんだ…でもどこに行くの、ねえ…。」
移動し始めた相手に確認をするけれど、そのまま一緒に歩く。
周りから「素敵なご主人さまだな!」とか言われたりするたびに、
元気に手を振って見せた。

そしてたどり着いた先は……路地裏である。

「与一くん…ご主人さま? あの、ここって…人気がないけど。
 まさか、まさかそういうことなの…その、するの?」
腕に抱きつき身体を擦り寄せたまま問いかける。
その声色はわずかに艶が乗り、その顔は上気したものだった。

ご案内:「歓楽街のどこか」に飛鷹与一さんが現れました。
飛鷹与一 > 「呪いのダメージにフィードバック…いや、普通に感覚が連動してるんでしょう…。」

見ればこの先輩、表情がうっとりしていらっしゃる。
いけない、妙な気分になってきたなと深呼吸を一つ。
ちなみに、ぎゅっと抱きつかれた事で密着度がアップする。
…つまり俺の心拍数がエラい事になっている。

「そりゃ、別に枯れている訳でも無いんで!!
あと、ちゃっかり先輩も反応してんじゃないですか!!」

ぐりぐりと腕に頬や体を擦り付けられつつ。理性メーターが色々とやばい。

ともあれ、人目を避けるように移動する――いや、誰がご主人様だちくしょう。
と、歯噛みするが今はグッと堪えて兎に角人目を避けようと路地裏に移動した訳だが。

「いや、ご主人様呼びしなくても――っていうか違いますよ!人目を避ける為ですって!!」

それはそれで誤解させそうな台詞だが、この少年にそこを省みる余裕は正直、無い。

と、いうか先輩色々ハードル低くないか?タチの悪い男とかに引っ掛かったりしそうだなこの人!
と、心配になるのも無理は無いと思う。

「…と、いうか仮に”そういう事”をするとして、先輩はそれでいいんですか?」

と、尋ねてみる――理性はまだ大丈夫…大丈夫かこれ?
ちなみに、体もとい下半身の方は…まぁ、察して欲しい。

大鋸 奏 > 「はんのう、し、してないっ…ひてない……んぁ、ぁ…っ…」
身体をぴったりとくっつけて移動した先の裏路地。
必然的に身体は近づくし、なにより相手にリードを持たれているのだから、
ぐっと離れることだってできない。
相手の腕を両手と両胸、そして両足で挟むようにして、
ぐりぐりと身体を押し付けることになるのだっておかしくはないはずだ。
呪いのせいかはたまた発情か、すっかりとろけた表情で足の相手に
相手の腕を押し付けるようにしながら、浅く早い呼吸を繰り返す。

「ううー、呪いのせい、呪いのせいで頭の中が猫になっちゃったんだぁ…。 
 与一くんがご主人さまに見えてきたぁ…♡ っはっ、ん、んぁ…♡ あえ…?」
気がつけば夢中で相手にぴたりと密着して、尻尾を揺らしながら
ぐりぐりと胸や身体擦り寄せていた。
問いかけにはぼんやりとした表情で一度動きを止め、うっとりと微笑む。

「与一くんは…ご主人さまこそ、いかがなんですにゃ…?
 わたしは我慢…がまん、でき、いぃっ♡ できるにゃぁ…♡」
瞳をすっかり潤ませ、頬を桃色に染めながら相手に答えた。
時折ひくひくと身体が震える様からは、
この言葉がまったくもってただの虚勢であることがすぐにわかるだろう。

飛鷹与一 > (せんぱーーーーい!!色々と逆効果なんですけど!!!)

おかしい、どうしてこうなった。
あと、うっかり忘れていたがばっちり片手でリードを持ったままである。
おまけに、先ほどから体を押し付けられて超密着状態なのである…マズい。
ちらり、と先輩の様子を窺うが――あ、完全に発情してらっしゃる、と即座に悟った。

「先輩!先輩!!何かトランス入ってませんか!?
ご主人様とかそもそも俺のキャラじゃないんですけど!!」

と、彼女の正気を取り戻させようと呼び掛けてみるが…
残念ながらこっちも色々限界が近いのである。余裕があまり無い。
そもそも、体や胸を擦りつけられて反応しない男が居るだろうか!?
…いや、まぁ居るかもしれないが少なくとも自分は反応してしまうだろう。

(あ――そろそろヤバいかもしれない)

理性メーターさんが限界突破寸前だ。ここは堪えるべきである。
そう、分かってはいるのだけど――悲しいかな年頃の男子なのであって。

「――…。」

無言でリードをやや乱暴にぐいっ、と引っ張って。
更に密着を高めようとしつつ彼女と顔を突き合わせるように。

「――奏先輩、どう見ても我慢できそうな顔をしてませんよね?…嘘吐きですね。」

間近で顔を見つめながら、小さく口元を笑みへと変えて。
そのまま、クルリと位置を反転させて路地裏の壁に彼女の背中を押し付けようと。

「…なんかもう、こう、理性的に流石に糸が切れたっぽいので――…。」

そのまま、リードを持っていない手で彼女の大きな胸を鷲摑みにしようと。

「――嘘吐きの猫には”躾”をしないとね?」