2020/06/22 のログ
ご案内:「学園街のとある住宅」に楠間 和泉さんが現れました。
ご案内:「学園街のとある住宅」にエスティアさんが現れました。
楠間 和泉 >  
あの日の翌朝――
気が付けば日が沈むどころか夜が空けて、外は霞がかった朝焼けが広がっていた。

そんな中で、二人して同じベッドの中で隣り合って寝ていた少女は薄っすらと瞳を空けて…。

「んんぅ…ねちゃってた、のかな…。」

ぐっと身体を伸ばす仕草をして覚醒してぼんやりと隣に居たはずのかわいげなツインテールの後輩の姿を探す。

エスティア > 「むにゃむにゃ……。」

色々な意味ですっかり消耗してたのもあり、先輩の隣でグッスリと熟睡している。

寝相が悪かった訳では無いが服も微妙に肌蹴ていて、ツインテールも解けた状態の寝顔は完全に少女としか見えないだろう…。

楠間 和泉 >  
「…まだ寝てる、か。
こうしてみると、ホントに男の子にはみえないなぁ。」

そんな素直な感想を抱きつつ、熟睡している少年の頭を軽くなでる。

「…起きる前に朝ごはん、用意しようかな。」

いつまでもこうして寝顔を見ているのも悪くは無いなと思いつつも、長く寝ていたのもあり少々空腹気味でもある。それはこのまだ寝ているかわいい後輩も同じだろうと、ゆっくりと起き上がって食事を作るためにベッドから離れる。

エスティア > 「んぅ……?あれ……。」

暫くしてからゆっくりと身体を起こし、周囲を見渡す。

「。oO(……そっか、いつの間にか寝てたのか……って、先輩はどこだろ…。)」

いまいち覚醒してないぼんやりした頭のまま、現状を改めて把握し、小さく欠伸をしつつ、肌蹴たままの服装とツインテールが解けたままの状態でベッドから起き上がり、その後で先輩の姿を探す。

楠間 和泉 >  
ベッドから起き上がり寝室から出れば直ぐに別の部屋…リビングの方から何かを焼いているような音…恐らくは料理の音だろうか…が聞こえてくる。
ほんのりと香るスープやごはんの香りがその証拠だろう。

エスティア > 「。oO(……良い香りがする………。)」

寝室から出て鼻腔を擽る香りに誘われるようにリビングに歩を進める。

「。oO(……そういえば先輩って一人暮らし……以外ないか、逆に違ったら色々気まずいし、まぁ今の状態でもちょっと気まずいけど……。)

止むを得ない事情があったとはいえ、異性の、しかも先輩の家で一夜を過ごしたのを改めて自覚し、少々顔を赤くしたままその場に立ち尽くす姿が目に入るかもしれない。

楠間 和泉 >  
「あら…?おはよう、エスティア。」

ラフなYシャツの上にエプロンをつけた姿で、お皿を片手に少女がリビングに戻って来れば、ツインテールの顔を赤くした少年が立ちすくんで居るのを見つけ、明るく声を掛ける。

「よくねむれたかな?
とりあえず朝ごはん直ぐ用意しちゃうから、そこに座りなよ。」

エスティア > 「お、おはようございます……和泉せんぱ……ひぃ!?」

声を掛けられて反射的にそちらを向き、ラフなYシャツにエプロンをつけた姿を見て妙な声を上げる。

「え…ぁ…えっと…はい、おかげさまで熟睡してこの通りです……。」

中々破壊力のある姿に完全に顔を真っ赤にしたまま俯き、言われるがままに座る。

楠間 和泉 >  
「?うん、おはよう。
顔赤いけど、まだ熱とかあったり…?」

ちょっとだけ心配になったのか、顔を真っ赤にして俯き座った少年に近寄って、その手を額に当てる。
恐らく、熱はないだろうが念のためだ。

エスティア > 「ひぁ!!?だだだ大丈夫です、ね、寝起き!そう寝起きだから!!」

額に当たる手の感触でもう一度意識が飛びそうになるが、上擦った声で慌てて言い訳をする。

「こここ…この通り元気!元気です!!和泉先輩が介抱…してくれたの…で………。」

そう呟きながら昨夜の事を思い出して視線が下を向く、完全に墓穴を掘った形である。

楠間 和泉 >  
「あははは…うん、元気そうで安心した。」

その大いにあわてて下を向く後輩の姿に心底安心したような笑みを向ける。
よくよくみればそう言う彼女の顔をほんのりと紅いあたり、昨夜の事は彼女にとっても恥ずかしい事のようであった。

「じゃ、ちょっと待っててね。」

そしてそれを振り払うように、彼女は一旦キッチンへと向かい…ほどなくしてお盆を両手に戻ってきて、テーブルの上に朝ごはんを並べていく。
オニオンスープに、オムライス、そしてサラダ…と、洋風のメニューだ。

エスティア > 「。oO(………やっぱり気まずい…!!)」

ほんのりと紅い顔を見て、先輩も恐らく同じ事を考えたのだろうと思い、沈黙してしまったが━━━

「って……朝から豪華でビックリです……和泉先輩って料理も上手なんですね……。」

普段自分は朝食などパンと栄養ドリンクで済ませてるのと比べると雲泥の差だなぁ、と…目の前に並んだ朝御飯を見てそんな感想を浮かべる。

楠間 和泉 >  
「いやいや、腕前はたぶんふつーくらいだよ。
ま…一人だと手は抜いちゃうけど、今日はエスティアがいるからちょっと気合入れてね。」

普段の朝ごはんでは恐らくは簡単なおかずを一品とごはんで済ませてしまうところであったが、やはり誰かに食べさせるからには気合も入ると言うもの。ちょっとこったメニューになったのはそのためらしかった。

「って、そういうのはいいんだ。
ごはん、たべよっか?」

エスティア > 「そ、そうなんですか…?何か凄く気を使わせてしまって悪い気が…。」

何から何までお世話になりっ放しで本当に頭が上がらないな、と。

「あ…はっ…はい、それじゃ……頂きます……。」

少々負い目を感じつつも、空腹なのも確かなのでオムライスから手をつけ━━

「……!お、美味しいです…!僕…いつも料理とかもしないし、食事も簡単なやつで済ませちゃうから…他の人が作ってくれた料理を食べるのなんて何年ぶりだろ…。」

モグ、とオムライスを口に運び、じっくりと味わってから飲み込んだ後で味の感想と共にそんな言葉が零れる。

楠間 和泉 >  
「いいのいいの、気にしない。
…ふふ、美味しいならよかった。」

もぐもぐと、オムライスを美味しそうに食べる少年を見て口角が緩む。

「たくさん食べてね。
私もこうして誰かにごはんを食べてもらうなんて久しぶりだから、ちょっとだけ不安だったけど…それなら作った甲斐があったなぁ。」

そんな呟きをしつつ、自身も食事を始める。
スープから口にして、次にサラダ…と食を進める。

エスティア >  
こんなに親切な人も居るんだなぁ…という気持ちと共に、どうして自分なんかにここまで親切にしてくれるのだろう?と疑問を浮かべつつ、食事を進め━━

「………和泉先輩は優しいですね……今までこんな風に接してくれる人なんて居なかったからちょっと戸惑っちゃうというかなんというか……。

あっ……わ、悪い意味とかじゃないので気を悪くしないでくださいね…!」

なぜか他の人よりも話し易い先輩に、ついついそんな素直な感想を述べる。

楠間 和泉 >  
「そうかなぁ?
でも、私にとっては普通にしてるだけだから、気にしないでね?
むしろそういわれるのは嬉しいし、大丈夫だよ。」

そうして一通り食べ終わればご馳走様といって食器を纏めて…。

「…そういえば、このあとどうする?
一応、エスティアはあの時は家に帰るつもりだったみたいだけど…。」

エスティア >  
「………そうだと思います、少なくても僕はそう思います。」

その"普通"が出来る人間を見た事が無い環境で育ったせいもあってそんな言葉を呟く。

「と、とりあえず……今日はこのまま学校に行こうかと、今から帰ったら多分サボっちゃいそうで……。」

体調の方は良くなっていたのと、学校をサボったら少々不味い成績なのもあってそう返事をする。

「っと……その前に先輩にお願いが……ちょっと鏡貸して貰ってもいいですか…?髪結んでないとちょっと落ち着かなくて…。」

楠間 和泉 >  
「…ありがと。」

そう言われてしまえば素直に受け取るしかない。
実際、言われて悪い気はしなかった。

「ん、りょーかい。じゃあ一緒に学校行こうか。
鏡…うん、もちろんいい…けど、それなら私が結んであげようか?」

エスティア >  
「え……?そ、それじゃぁ…お願いします。」

思わぬ申し出に少々驚きつつも、この先輩なら自分の髪を触らせても別にいいかな…という気持ちもあって快諾する。

「……ツインテールにしてくださいね?髪が長いから色んな髪型に出来ると思いますけど……遊んじゃダメですからね?」

本人は至って真面目に余計な一言を言うが、どうするかは先輩の気分次第になってしまうだろう……。

楠間 和泉 >  
「はーい、お願いされました。
ちゃんとツインテールにするよー?」

くすくすと笑いながら少年の後ろに回ってその長く透き通ったさらさらの髪に触れ、髪を結ぶ。
あんな事を言われてしまえば遊びたくなってしまうが、それはまた今度、いまはまだ丁寧に注文されたツインテールに結んでしまおう。

「…と、どうかな?」

エスティア >  
鏡の前に座ったまま暫く大人しくし、髪が結ばれる様子をほんのちょっとだけ不安そうに見つめるが━━

「……だ、大丈夫です、むしろ自分でやるより出来が良い感じ……です、ありがとうございます…。」

髪を触られる感触に、少々ムズ痒いような感覚を覚えるが…しっかりと丁寧なツインテールを結んで貰って表情が緩むと同時に、ちょっとくらいならイタズラされても許しちゃったかもしれない、と思いつつお礼を言う。

楠間 和泉 >  
「ん、いい感じ、お気にめしたのならよかった。」

ツインテールを結び終わり、緩んだ表情を向ける後輩を見れば、やはり尚の事、この相手が少年である事が信じられなくなってくる。
自分よりかわいいのではないか?とまじめにそう思うのだ。

「じゃあ学校に…とそだそだ。
今日も勉強するなら、放課後、また図書館に来て?」

エスティア >  
「放課後…はい、それじゃまた放課後に図書館の方に行きます。」

確かに魔術の手解きを受けるなら人の少ない時間と場所の方がこちらとしても好都合なので、小さく頷く。

「先輩、その……色々良くして貰ったので僕に出来る事があったら遠慮無く言ってくださいね?出来る範囲でお礼するので。」

他意がある訳ではなく、純粋にお世話になったお礼がしたいという気持ちでそう呟く。

楠間 和泉 >  
「うん、図書館の方で待ってるね。
どういう風に教えればいいかとかもちょっと考えたからさ。」

彼の体質や必要なものを考えて、既に彼女はある程度方針を考えていた。
快く頷いてくれたようなので一安心であった。

「別にいい…って言うとこだけど、うん、その気持ちは受け取って置くよ。
何か手伝ってもらいたい事があったら、その時はお願いしよう。」

そしてその気持ちは素直に受け取る。
お返しを求めたわけではないが、お礼をしたいと言う気持ちは無碍にはできないだろう。

「よし…と、それじゃーいこうか。」

そうして食器洗いなどを含めて…一通りの朝の準備が終われば荷物も持って玄関へと向かう。

エスティア >  
「は、はい……その時はいつでも…。
こっちもとりあえず少しでも覚えれるように頑張ります…。」

まだほとんど時間も経ってないにも拘らず、其処まで考えてくれる先輩に頭が上がらず、今言える言葉だけ返す。

「はいっ…!でもその前に……食器洗いとか手伝いますね。」

そんな申し出をし、一通りの準備が終わった後で同じように玄関へ向かうだろう。

楠間 和泉 >  
「うんうん、勉強熱心だし、手順さえ確立すれば案外、直ぐ覚えられると思うよ。」

そしてこれは本音であった。
彼は恐らく勉強するための時間がなかっただけで、それさえあればきっと相応の才能はあるはずなのだ。

「ふふ、ありがと。
わりと家事手伝ってくれるだけでも助かっちゃうよ。」

ふふっと笑いかけながら準備を終え玄関を出る。
そうして二人して並んで学校まで向かうだろう。

ご案内:「学園街のとある住宅」から楠間 和泉さんが去りました。
ご案内:「学園街のとある住宅」からエスティアさんが去りました。
ご案内:「放課後の空間」に楠間 和泉さんが現れました。
ご案内:「放課後の空間」にエスティアさんが現れました。
楠間 和泉 >  
放課後の図書館。様々な本が立ち並ぶその室内。
少し背の高い少女は誰かを待つようにして本をいくつか手に持ちながら時折周囲を探っていた。

理由はもちろん、放課後の約束のため。
手に持っている書物も約束の勉強のためのものだ。

エスティア >  
放課後になり、先輩との約束の為に大きなツインテールを揺らしながら小柄な人影が図書館内をウロウロとしている。

「。oO(考えたら先輩と待ち合わせの詳しい場所決めてなかった……。)」

放課後に図書館、とは言ってたが、場所を決め忘れてたのをついさっき思い出し、迷路のように様々な本が並ぶ空間を極力静かにしながら先輩の姿を探す。

楠間 和泉 >  
「あ…いたいた、こっちこっち。」

その特徴的なツインテールが視界の端で揺れるのを見かけて、その小柄な人影を追うように静かに歩き、その背後から声を掛ける事となった。

「ごめんね、図書館のどこかまでは決めてなかったや。」

エスティア >  
「ふぇ…?あっ…!す、すみません……こっちもついさっきその事に気づいたので……。」

初めて声を掛けられた時と違い、背後から声を掛けられて振り向き、そちらの姿を少々緩んだ表情で見上げる。

「あっ…と……その、お待たせしちゃいましたか…?」

楠間 和泉 >  
「次からは場所決めないとねー。
ううん、そんなには待ってないから大丈夫。」

緩んだ顔の後輩を、ふんわりとした笑みで微笑み掻ける。

「それで勉強の方なんだけど…本を借りて私の家でやろうと思うんだけど…どうかな?」

エスティア >  
「ですね……、そうだ…僕の連絡先も後で先輩に教えますね。
良かった、待たせてなくて安心しました。」

その言葉を聞いて安堵しつつ、今度からこういう事にならないようそういう提案をする。

「先輩の家で……ですか?先輩がそれで良ければ僕の方は全然大丈夫です。」

また魔力に中てられてここで倒れたりしたら迷惑を掛けてしまうというのもあって、そちらの提案に快諾する。

もっとも、家で倒れたらそれはそれで大変かもしれない、という事は"先輩が魔術の勉強を見てくれる"という気持ちの方が勝ってすっぽりと頭から抜けていた。

楠間 和泉 >  
「あ、連絡先…それ教えてもらえば良かったね。
うん、後で連絡先交換しよっか。」

そうしておけば互いに連絡もできるし、予定の調整もしやすい。
長い付き合いになりそうなのだからしない理由もないだろうと提案を受け入れる。

「うんうん、私の方は大丈夫だよ。
家でならいざと言うときも直ぐに休めるしね?」

勉強はここでもできるが、この後輩の場合は体質による不良もセットだ。
体調不良になった際にここは少々不便なので、自宅を提案した形だ。

エスティア >  
「はいっ…!」

返事を聞いてパっと表情が明るくなる、もっとも普段から連絡を取り合う相手など居ないのでこういう体験が出来る事への嬉しさでもあるが。

「確かに……そ、それじゃあ本だけ借りて、先輩の家にまたお邪魔させて頂きます……。」

しかし改めて先輩の家でやる、となれば少々緊張した面持ちで小さく頷き、まずは適当な魔術書の借り出しの手続きをしてこようと。

楠間 和泉 >  
「あ、本はもう借りる手続きはしちゃたよー。
図書委員だからさ、そういうのはやりやすいんだ。」

借りる本もそこまで高度なもでもないため、簡単に手続きは住む。
後輩が来る前に、彼女はそれを済ませてしまっていた。

「だから他に気になる本がなければそのまま家に~って考えてるけど、どう?」

エスティア >  
「…………そういえば和泉先輩、図書委員でした…。」

すっかり忘れた、という様子で心なしかツインテールが元気なく下がる。

「他の本は…今の僕の技量じゃ理解出来ないやつも多そうなので、今日のところは先輩が用意してくれたものだけで大丈夫だと思います。」

ふむ、と思いつく辺りで必要そうな本を思い浮かべるが、今の自分にはまだそこまでの本は必要ないだろうと思い、今日のところは今借りてる分だけで大丈夫だと伝える。

楠間 和泉 >  
「あはは…一応ね~。」

実際あまり”らしく”ないと言う自覚は在るので、そこまで気にしないでいいと苦笑を浮かべる。

「おっけー、直ぐに帰って勉強だね。
じゃあいこうか?」

そのまま家に向かう事になればそういって手を差し出す。
その手を相手が取れば…そのまま家まで案内するように引っ張っていくだろう。

エスティア >  
「わ、悪い意味じゃないですからね!!」

苦笑いを浮かべる様子を見て慌ててフォローをする。

「は……はい、それじゃまたお邪魔しま……ひゅ!?」

手を差し出されて一瞬人間が発したと思えないような声が口から漏れるが、緊張で小さく手を揺らしながら先輩の手を握る。

楠間 和泉 >  
「分かってるよー、キミはそんな事言わないタイプだろうし。
…ふふ、緊張しすぎだよ?」

変な声が漏れている後輩を微笑ましく眺めつつ手を繋ぎで家まで向かう。
そういう反応は正直なところちょっとだけ楽しかったので、ついつい悪戯心がわいてしまうのだ。

そうしてしばらくすれば先日と同じ学生街の彼女の家までたどり着く。

「じゃ、あがってあがって。」

エスティア >  
「うぅ……ふ、普通は慌てると思うんですけどっ…!!」

頬を膨らませてささやかな抗議をする。
もっとも、普段一人で居る事も多かったのでこういうのも良いな…という気持ちもあってすぐに表情が緩くなるが。


「っと……お邪魔します。」

手を繋ぎながら先輩の家に着き、とりあえず中に入ろうと。

楠間 和泉 >  
後輩が中に上がればそのまま手を招いてリビングにまで案内する。
広々としていて整ったリビングで、目立つのは部屋の端に本棚が並んでいる事か。

「とりあえず飲み物もって来るね?なにがいい?」

背の高い少女は屈んでテーブルの上に借りた本を数冊置いて、それから飲み物を取ろうとキッチンへと向かう。

エスティア >  
今朝もお世話になったリビングに再び上がり、寝ぼけてた頭では気づかなかった本棚にふと目が行く。

「。oO(和泉先輩……本当に本が好きなんだなぁ…。)」

自分と違って勉強熱心そうな先輩にそんな感想を浮かべ━━

「ふぇっ!?あ…っ…と……それじゃ…先輩と同じ物で……。」

何が良いか聞かれてすぐに思い浮かばず、咄嗟にそんな返事をする。

楠間 和泉 >  
「おっけー♪」

軽く返事を返しつつ、しばらくして黄色いフルーティな香りのする飲み物を持ってくる。
いわゆるパインジュースであり、彼女が少々好んで飲んでいるもので、それをテーブルの上にことりと置く。

「はい、どーぞ。苦手だったら別の持ってくるよ。」

エスティア >  
「あ、ありがとうございます、これ……パインジュースですか?ちょっと珍しい…先輩が好きなやつだったり…?」

暫く待ち、飲み物を持ちながら戻ってきた先輩と、テーブルに置かれたジュースを交互に見る。
特に苦手という事も無いのだが、あまりメジャーな飲み物でもない気がしてちょっと不思議に思ったようで、好奇心からそんな質問を付け加える。

楠間 和泉 >  
「うん、すっきりした感じの味が好きでねぇ。」

ついつい見かけたら買って飲んでしまう味わいなのだとそう伝える。

「それじゃあ勉強しようか。
昨日の続きから…でいいかな?」

エスティア >  
「そうなんですか?なるほど………覚えておこうっと…。」

ふむふむ、と先輩の好みをそれとなく記憶に留めておく。
本当に他愛の無い会話だと思うが、それでも自分にとっては新鮮であり、何より目の前の先輩の事を知れるのは妙に嬉しさがあったり。

「は、はい、お願いします…!」

今度は倒れないように、と気を強く持ちつつ頷く。

楠間 和泉 >  
「ふふ、気を張り過ぎないでね?
じゃあまずここから――」

安心させるようなほほ笑みを向けて魔術書を開いて隣に座り、勉強を始める。
一先ず初歩的な基本の部分を特に重点的に説明をするだろう。
初歩的な部分さえ教えてしまえばいくらかの魔法も扱えるし…そうすれば多少の魔力行使による発散もできるだろう…との考えであった。

エスティア >  
「はいっ……!頑張ります…!

~10分経過~

「………頑張り………・。」

~更に10分経過~

「……………………きゅぅ…。」

結果的に言えば……一人で勉強するよりも遥かに知識が頭には入ってくるが、隣で微笑みながら教えてくれる天使のような先輩……の、とても主張してくる胸の方に目が行ったり、否応なしでも身体を蝕む魔術書からの魔力で意識が飛びそうになり、目の前のテーブルに顔面から突っ伏すように倒れる…。

楠間 和泉 >  
「あ、ぁ~…ええと、そろそろやすもうか?
えっと、大丈夫?」

一先ずは魔術書を手放させてすこし遠くに置く。
主に魔力のせだと思っているので、その視線が自身の胸へと行っていた事にはさっぱり気が付いて居なかった。

エスティア >  
「何とか大丈夫です……す、すみません………うぅ……情けない……。」

先日よりも幾分マシなものの、身体を蝕む倦怠感や頭痛でテーブルに突っ伏しながら顔だけそちらに向けて声を漏らす。

「………休憩のついでって訳じゃないですが……先輩の事とか……少し聞いても良いですか…?」

視界に入る立派なものを横目に、そんな質問をする。

楠間 和泉 >  
「いやいや、気にしない気にしない。
だいたい10~20分くらいが限界だって分かったしね。」

次からは15分ごとに休憩を取りつつ勉強をしてみようと考える。
そうすれば、結果的に今よりも長く確りと勉強もできそうだ。

「ん?なにかな、大体の事は答えられるけど。」

視線に首を傾げつつ、快くその言葉に頷く。

エスティア >  
「………和泉先輩って恋人とか居ないんですか?

……はっ!今の無し!無しでお願いしますっ!!」

脳が働いてないせいで一番気になってた事が遠慮無しに言葉に出てしまい、慌てて両手で口を押さえる。

楠間 和泉 >  
「はへっ…!?」

思いも寄らぬ質問に、そんなどこか上ずった声が零れる。

「い、いないよ?つきあった事もない、かなぁ~。あはは…。」

どういう意図の質問だろうと非常に気になるが…ひとまずは少々恥ずかしそうにそう答えて。

エスティア >  
「そ、そそそ……そうなんですか?先輩可愛いと思うんですけど…意外です…。」

ってか、答えてくれるのかー…と、そっちの方にも違う意味でビックリしつつ、とても気まずそうに返事をする。

「………変な事聞いちゃってすみません……。」

居ないし付き合った事もない、という言葉に不思議とどこか安堵しつつも、自分の容姿やその他諸々を考えれば一人で落ち込んだように溜息をつく。

楠間 和泉 > 「やっぱり身長とかのせいかなぁ…って。」

やっぱり小さいこの方がかわいいだろうなぁ…というのが彼女の感覚であったため、自信がかわいいといわれてもむずがゆさはあるが、いまいちピンとはこなかった。

「あ、大丈夫大丈夫…ちょっとびっくりしたけど。
……そういうエスティアはどうなの?」

エスティア >  
「身長……先輩は高くて綺麗だと思いますよ……?」

ふむ?と…テーブルから身体を起こし、不思議そうに首を傾げる。

「え"ッ"!?ぼ、僕にそれ聞くんですか……?ぼ、僕だって居ないですし、付き合った事も無いっていうか、それ以前に男って認識される事が皆無なので…あは……あはは……。」

自分で言っててとても情けなくなり、乾いた笑みを返す。

楠間 和泉 >  
「そうかなぁ?あんまり、そういう事は言われないから…。」

目の前の後輩は(うれしいことに)そう言ってくれてるが、やはりこれまででそんな事を言われた記憶は殆どない。
あったとしてもお世辞だろうと流したものばかりだ。

「あはは、だって私にも聞いたんだからいいでしょ?
けどそれもそっかぁ…男の子の方にモテそうだもんね。」

エスティア >  
「そうですよ……先輩は自覚が無いかもしれないですけど…。」

たまたま周りにそういう目で見る人が居なかったのだろうか?と思いつつそんな事を言う。
ある意味ライバルが居ないのは気が楽である、自分がそういう対象に入ってるかどうか怪しいという事を除けば…。

「それはそうですけど……ぼ、僕、見た目はこんなですけど男の人には興味無いですし、お付き合いするなら普通に女の子が良いなって……。」

モテそうと言われて困り気味にそんな返事を返す。

楠間 和泉 >  
「でもありがとね、冗談でも嬉しいよ。」

ひとまずはそう言って素直に嬉しさは伝えておく。
…冗談でも、と言うあたりに自身の無さが現れていた。

「ちゃんと男の子だもんねぇ、やっぱり女の子がすきかー。
事情が会ってその格好なんだろうけど…そういえばその…あっちは大丈夫…?」

エスティア >  
「む…、ぼ、僕……冗談じゃなくて本気でそう思ってます…!もうちょっと僕が男らしかったらもっと迫るくらいには………って、ひぁ!?せ、先輩変な事言って誘導するのはずるいです!ずるい!!」

勝手に自爆しただけだが、慌てて机に突っ伏して誤魔化そうとする。

「……そりゃ……男ですし……、たまに落第街でも可愛い男の人とか見ますけど……可愛いと思うのと付き合いたいって思うのは別というか…。

え…?あっ……は、はい……今日は大丈夫…です、わりと早めに休憩を挟んだので……。」

幼少から家の事情でこんな格好のまま育てられたせいで今もこのままだが、出来るならもっと男らしい格好などがしたいという気持ちもあるし、そういう人がカッコイイとも思うわけで、複雑な表情をするが……続く言葉から昨夜の事を連想し、顔が赤くなる。

楠間 和泉 >  
「は、へ…?本気…?せ、迫る???」

その少々大きな声とその内容に、どきりと胸が高鳴る。
自分でも分かるほどには表情も熱くなっていた。

「へ、へぇ…結構そういう人も居るんだねぇ…。
なんとなく言わんとする事は分かるけど…。

…そっか、それならいいんだけど…無理はしないで、ね?」

だから誤魔化すように赤くなった表情のまま話を何とかぎこちなく続ける。
そしてパインジュースを口元に運び、気持ちを落ち着かせようと試みる。

エスティア >  
「き、きき聞き返されると凄く恥ずかしいんですけどっ!!?」

返事の答えはしなかったものの、自分も顔が赤くなってるのが分かるほど熱を帯びてる事が嫌でも分かり、視線が泳ぐ。

「そ、そんな感じなんです、落第街だから気軽に来たりとかはアレですけど……もしかしたら他のところでも見かけるかもしれないですね…。

……む、無理しないようにって言うのは…先輩の方もですよ…、この間は助かりましたけど……その……僕みたいなのとそういう事するのは……良くないと思いますし…。」

先輩はとても親切だが……だからと言ってその好意にばかり甘えて、色々無理な事までさせてるのでは?という気持ちからそんな言葉が出る。

楠間 和泉 >  
「いいやぁ…だって…うん。」

どこかもじもじと言った様子で言葉を返す。
…そう言う目で見られているというのはなんだか、むず痒かった。

「あはは…あそこにはホイホイいかないよ、エスティアの家には一度くらいは行きたいけど…。

私はそんなに無理してない、よ?
…嫌ってわけじゃなかったし。」

だからついついそのような言葉を口走ってしまうのも無理はない。
ないったらないのだ。

エスティア >  
「………???」

身体を起こし、妙にもじもじとする先輩の姿を見て思わず頭の上に疑問符が浮かぶ、このツインテールの男子は変なところだけ鈍感だったらしい。

「ぼ、僕の家に来ても何も無いから面白くもなんとも無いと思いますよ……、それでも……先輩がそういうならいつか招待しますけど…。」

生活に必要な物しか置いてない自分の部屋が脳裏に浮かび、とてもじゃないが女性を招く部屋とは程遠いなぁ…と。

「………え?それって…その………うーん??うう~ん……。」

言葉は分かるのだが意味が一瞬理解できず、首を傾げる。
少なくても…この先輩が誰とでもそういう事する相手には見えなかったが、それなら尚更そんな言葉が出た理由が分からなくなり、段々眩暈がしてきて思いっきり背中から倒れる。

楠間 和泉 >  
妙なところで鈍感で分かっていない様子なのに、半分ほっと、半分もやもやといった感じでじいっと視線を向けていた。

「うん、いつか招待して欲しいなぁ。
なんとなく、どういうものがあるかとか気になるし…。

……って、だ、大丈夫?!」

背中から倒れたツインテールの後輩に思わず駆け寄る。

エスティア >  
「痛たた……、だ…大丈夫です……ちょっと眩暈がしただけなので…。」

下からそちらを見上げるが、胸のせいで先輩の表情が見えないままだがとりあえず大丈夫だと答える。

「って……、せっ…先輩が気になるような物は何もないと思います…!えっちな本とかも無いですし…!」

倒れたまま器用にそんな自爆をする。

楠間 和泉 >  
「ほっ…よかった。
魔力中毒で倒れたのかと…。」

ひとまずは一安心。
顔の上に胸元が来ているが本人は気にしていなかった。

「そうかなぁ?なにかしらある……へ、へぇ…?」

聞こえた言葉にどこか上ずった言葉が漏れて…。

「…興味本位で聞くんだけど、それってどんなの?」

どこか詰め寄るように、上から身体を追うような体勢になりつつそう問いかける。

エスティア >  
「そ、そっちで倒れてたら今頃こんな暢気にしてられないと思うので……、と、とりあえず大丈夫です…。」

そう言って身体を起こそうと思ったが、顔の上に胸元が来ていてすぐに諦めた。

「ど、どうしてそうなるんですかっ!?な、無いですよ、無いったら無いです!!」

本が無いのは本当なのだが、この状況でそれが通じるかとても怪しい空気のまま弁明を続け━━━

「きょ、興味本位でそういう事聞くのはダメだと思いますっ!!先輩は女の子なんですし、もうちょっとそこら辺は抑え気味の方が……って、近い!!先輩!身体が近いですっ!!」

上から覆うような体勢に思わずごくり、と思わず喉を鳴らすが、ここで欲情して幻滅されるのは避けたいという気持ちの方が強く、慌てて先輩を宥めようとする。

楠間 和泉 >  
「ほんとぉ?…でも、今まで一人でその…してたんでしょう?」

覗きこむようにしてどこか赤い顔でそう問いかける。
魔力の”処理”をしていたのなら、自ずとそういうものもあるのではないか…という発想であった。

「だめ、かなぁ?誰にでも聞いてるわけじゃないし…。
……こうして近づいてるのもキミだから…なんだけれど…。」

そうしてじいっと…熱い視線で顔を見つめる。

エスティア >  
「うぐっ!?し、してましたけどっ…!それとこれは違うというかその…っ!!」

そう、本は無い…紙媒体の本は無いのである、分かりに今は電子書籍という便利なものがあり、そっちの方にはたまたま先輩似の物などもあってバレた時の反応を頭の中で想像して勝手に幻滅される気がして青褪める。

「ひぁっ!?だ、ダメ…!だめじゃないけどダメですぅ!!ぼ、僕だから近づいてくれるのは嬉しいですけどっ!ボク男!!男って事忘れないでくださいぃぃぃい!!」

好意のある相手に熱い視線を向けられ、尚且つ身体がここまで近づいてれば色々と意識してしまう事があるわけで、微妙に身体も反応しそうになるのを必死で隠す。

楠間 和泉 >  
「……ああっと…言いたくないなら大丈夫、だからね?」

青褪めたのを見て、少々心配になって、あわててそう取り繕う。
気になってしまったら追求してしまうのは悪い癖であった。

「そこは忘れてないよー?
昨日、それはよく知ったし…なに隠してるの、かなー?」

そしてそれゆえに彼女は目ざとい。
隠そうとする様子も確りと観察していた。

エスティア >  
「あっ…その……えっと……そのうち、そのうち言うかもしれないので気長に……。

気を使ってくれる様子に妙に罪悪感を感じ、少々期待を持たせるような事を言ってしまう。

「わ、忘れてないなら尚更なんですけど…!?か、隠してないですっ!というか隠すようなもの無いっていう…ひゃ!?」

既にそんな言い訳が通用するとも思えないが、観察するような視線に思わずそんな言葉を返すものの……スカートの方が少々膨らんでるのが目に入ってしまうかもしれない。

楠間 和泉 >  
「…じゃあ、そのうちを気長に待とうかな?」

ほっとしたと同時に、どこか興味津々な声色でほほ笑みを向ける。

「えっとねぇ…家に呼んだのは一応、”そういうこと”も覚悟して、なの。
だからこそ無理して欲しくないと言うか…ほら、やっぱりおっきくなってる。」

つん…とスカートのふくらみに指先が触れる。
…そう、勉強するのを家にした理由はもう一つあった。
魔力中毒の治療を直ぐに行えるように…という、そんな理由だ。

エスティア >  
「そ、そうして貰えると助かります……。」

実際そうなった時の事は今は考えず、とりあえずこの場を凌げた事に安堵したが━━━

「え?えぇ……!?せ、先輩そんな事一言も言ってなかったじゃないですかっ!!言ってても普通に困る事には違いないですけど……って、せ、先輩!指っ!!突かない!!めっ!!!」

情報の処理が追いつかなかったが、指先が触れた感触で思わず背筋を震わせる。
そのせいで言ってる事全てに説得力が皆無になっている…。

楠間 和泉 >  
「言ったよ?どういう風に勉強するかは考えた…て。」

それは言っていないも同然ではあるが、彼女はそう、”治療も含めた勉強”を考えていたのだった。

「…だめ?でも、出した方が楽になるんだし…。
……嫌そうに見えないよ?」

つついていた指が今度はなぞるように、擽るように刺激を始める。
そうして次第に指だけでなく、それは手でさするようなものへと変わり…。

エスティア >  
「へ、屁理屈っ……!!!た、確かに楽にはなりますし、嫌でもないですけど……ひぅっ!?お、男としてそれはちょっひょ……ぉ!?」

刺激を与えられるたびに声が上擦り、抗議をするが……身体の方の反応は素直なもので、すぐに目に見えて分かるほどに形が変わってしまう。

楠間 和泉 >  
「事実だし、効率的、でしょう?
……本当に嫌なら、もうしないけど…。」

そう言えば、形が変わるほどに刺激をしたところでピタリと動きを止めてしまう。

「……ねえ、どうする?」

そうして…そんなどこか熱多い言葉を耳元で囁いた。

エスティア >  
「ひっぅ!?……たっ…確かにそうですけど……せっ……先輩が僕のそういう体質の為だけにするのは……正直嫌…です…!」

自分の弱みを武器にして、親切な先輩にそういう事をさせてたらそれは男として嫌だという気持ちがあって、仮に嫌われる事になっても構わないという気持ちでハッキリと自分の気持ちを伝えるものの━━━

「。oO(……い、言った……言ったけど……先輩怒るかな…それとも落胆するかな……、こ…後悔するくらいなら初めから言うんじゃなかった…。)」

実際は後悔の念が渦巻いててとても複雑な心境だった。

楠間 和泉 >  
「…確かにそれは…その通り、かも。
……じゃあ…、それだけじゃなかったら、いいの?」

動きを止めたまま、再び問いかけるように表情を見つめる。
怒っている様子もなく、さりとて落胆した様子でもなかった。

エスティア >  
「……え…っと……それって……。」

未だに自分がマウントを取られたような状態だが、先輩のそんな言葉を聞いてジっとそちらを見つめ返し━━━

「……ぼ、僕は……先輩の事が正直好きですし、先輩もそうなら断る理由なんてどこにもないです……けど……。」

どう答えるべきか少々悩んだものの、ストレートにそう答える。

楠間 和泉 >  
「そ、そっかぁ…うん…。もしかして…とは思ったけど…。」

これまでの反応。ポロリとこぼした言葉から、もしかして…とは思っていたが、直にそういわれればやはり改めて胸が高鳴るものがあり…。

「ええっとね、好きだとかそういうの、正直まだ私には分からないんだけどね。
……でも、キミにそう言われるのは悪い気がしないと言うか…うん、ドキドキして、なんだか嬉しいんだ。」

だからこちらも素直に伝える。
それがまだ彼女自身がどういう感情であるかを理解はしていなかったが故に、そこまで誠実に、素直に答える。

エスティア >  
「そ、そうだったんですね……。」

何となく、たまに見せる反応で少しは期待してる部分があったのも事実だったが、好きかどうかは分からないとしてもきちんと言葉として伝えて貰えた事に嬉しく思う。

「せ、先輩……その……いつかちゃんと先輩に好かれるように頑張るので、その時は改めて先輩の気持ちを言って貰えると……嬉しいです…。」

今まで自分に良くしてくれる人間など居なかったので少々駆け足になってしまったが、改めてそう呟き━━━

「……と…言う事で手を離してくれると助かります……良い事言った空気だと思うので……。」

ついでにこのままだと襲いそうなので理性が溶けないうちに身体も離して貰いたいなぁ、という雰囲気の視線と表情。

楠間 和泉 >  
「…うん、その時はちゃんと言うし…好きになるように頑張って欲しいな?
…なんて。」

くすりと、その言葉に互いに安心を伝えるような緩いほほ笑みを向ける。
…が。

「……いやその…このままここで止めちゃう方がなんか恥ずかしい気がして…。」

あははは、と笑いかけながらも彼女は身体を動かせずにいた。

エスティア >  
「は…はい…!頑張ります……、ちゃんと先輩に好かれるように……。
って先輩ばかり僕が恥ずかしがる事ばかり言うのやっぱりずるくないですか!?!?」

嬉しい事には違いないのだが、どうも言われてばかりなのは納得いかないようで下から抗議をし━━

「こ、このまま続ける方がもっと恥ずかしいですよ…!!それに今日はそこまで魔力に中てられても無いからこの間ほど急を要する感じじゃないですし……。」

かと言って無理に引き剥がすのも気が引けて、少しづつ身体をずらして身体を起こそうとする。

楠間 和泉 >  
「あはは…、なら恥ずかしがるような事を言い返してよ。」

恥ずかしがらせるつもりはそこまであるわけでも無いので、そんな返しとなり…。

「そ、そうかな?
それじゃあ…うん、今日はここで…。」

そこまで言われてしまえばおずおずと…併せるように身体をずらしていくが…。

エスティア >  
「え?言い返していいんですか?和泉先輩とっても優しいし綺麗で可愛いし、料理も上手で勉強の教え方も分かりやすくて凄いです、だから先輩の事凄く尊敬してるし大好きです。

……恥ずかしくて死にそうなので感想とかは要らないです…。」

言い切った後で我に返り、顔が真っ赤になる。

「は、はい……。」

多少名残惜しい気持ちが無い訳でもないが、早めに休憩を取ったのもあったのと、この空気のままそういう行為に及べるほど意思が固まってなかったのもあって自身もゆっくりと身体をずらす。

「。oO(……悪い事はしてないはずなんだけど、やっぱり物凄く気まずい…。)」

楠間 和泉 >  
「あ、うぅ…、もういい、いいよ…。
面と向かってそういうこと言われると顔が赤くなるの分かったから…。」

視線を逸らしたその表情は真っ赤であった。

「…うん……えーと、た、体調治ったなら勉強の続きする?」

そして気まずいのはこちらも同様。
ひとまずは話題を変えようとそんな提案をして見るのだった。

…一応、今回の本題は勉強なのだ。

エスティア >  
「はい……言ってる僕にもダメージがあるのでそうします……。」

でも恥ずかしそうな先輩も可愛いな…と言葉には出さないもののそんな感想を思い浮かべる。

「そ、そうします……、先輩もその為に色々用意してくれたのに時間を無駄にするのも悪いですから…。」

そう言って改めて本題でもあった勉強の方を改めて始めるだろう…。

楠間 和泉 >  
「じゃあこの話はこれで…。」

おずおずと視線を逸らしたままに、一先ずは話を終える。

「よし、それじゃあまた勉強しようか。
ここから再開だね…ええと――」

そうして再び本題の勉強へと戻るだろう。

ご案内:「放課後の空間」から楠間 和泉さんが去りました。
ご案内:「放課後の空間」からエスティアさんが去りました。