2020/09/26 のログ
ご案内:「歓楽街の小さなホテル(過激描写注意)3」に伊都波 凛霞さんが現れました。
ご案内:「歓楽街の小さなホテル(過激描写注意)3」に出雲寺 夷弦さんが現れました。
伊都波 凛霞 >  
──薄暗い部屋に明かりが灯る
照らし出された下にいたのは、しっとりと全身ずぶ濡れた少女の姿

彼…夷弦に歓楽街の案内をしていたら唐突に夕立に降られ
とりあえずの雨宿り、そして服を乾かす場所、シャワーもある…となると
まぁこんな施設がとりあえず目の前にあったわけで

「ひー…びしょびしょ……朝の予報では曇りだったのになぁ…」

ぴったり顔に張り付いた髪を手で退けながら、ぱたぱたと雫を滴らせながら、とりあえず部屋の中へ

そこまで広い部屋ではない、テーブル、椅子、大きめのテレビに
丸いベッド

「とりあえず着替えなきゃ、風邪引いちゃうね」

後について入ってくるであろう彼へと、そう言葉を投げかける
…こんな場所に、濡れてあちこちが透けた制服という格好ではあるものの、それなりに落ち着き払っているようだった

出雲寺 夷弦 > ……同じ部屋に、また全身ずぶ濡れの男子。

一緒に入ったこの施設、その場所の"本来用途"について、知らない程の年齢でもない。

「……そ、う、だな。うん、えぇと、着替え……ねぇと……」

――当たり前と言えば当たり前だが、濡れて透けて大変なことになっている相手の姿を、直視出来る訳もない。
が、かといって何時までも拉致が明かないのでは風邪を引く。

落ち着き払っている相手に、何時までも動揺しっぱなしでもいられないと、部屋へ入ってくればその足は速やかにバスルームのほうへ向かった。

「とりあえず、こっちにタオルがあるから、それでまずはある程度……」

――洗面台の上に置かれている幾つかの"あんなものこんなもの"を視界に入れないようにしながら、丁寧に畳んで置かれているタオルを数枚拝借し、それを持ってきて差し出す。

「もう雨の時期終わったんじゃねーかと思ったけど……年々ずれ込んできてるんだなぁ」

伊都波 凛霞 >  
「ん、ありがと…」

タオルを受け取って、とりあえず顔と髪を拭き取って…
身体は…さすがに服を脱がないと拭けそうにない

──彼、夷弦が動揺していることが伝わってくる
無理もない
制服はばっちり濡れ透け
下着は透けて見えているしスカートもぴったり張り付いて形の良い桃がくっきり浮かんでいる始末
それを除いても…こんな場所で二人きり、なんていうのは特別だろうから

「仕方ないね。天気は気まぐれだし…。
 えーっと…バスローブはあるだろうから…先にシャワー浴びる?」

それとも自分から入るほうがいいのだろうか
思いつつ問いかける
…内心、一緒に入ろうとか言われたらどうしようとか僅かな期待?をしつつ…

出雲寺 夷弦 > 「……」

流石にこれは、もうどうしようもないくらい隠せない。
青年としてのごく当たり前の動揺であり、反応であり、感情であり。
相手がタオルを受け取り拭う間に、自分は背中を向けて頭をがっしがっしと拭いている。

自分もそうだが、それ以上に凛霞のほうがまずい。
まずいというのは、ともかくまずいのである。
というわけで。

「……えと、いいよ、先浴びてくれ。俺は後で……」

"彼女がシャワーを浴びた場所と同じところで自分が後で浴びる"

「……」

"自分が先に入ればその逆。"

「…」


"――なら、一緒に――"





「さッ、先入ってくれ!お、俺はお前がシャワー浴びてる間にっ、タオルだけでどうにかすっからッ!!!」

どんな想像スイッチによるものか。顔を真っ赤にしながら、1200%の動揺による声量で叫んだ。
一番ましな状態を選ぶ。そう、それが今んところ一番"まし"だ。

伊都波 凛霞 >  
「あ、ははは…うん、じゃあ先に入るね。
 でもちゃんと夷弦もシャワー浴びないとダメだよ。風引いちゃう」

声量いっぱい
たくさん考えた末の答えなのは、見ているだけで理解できてしまった
苦笑を浮かべつつ、じゃあ先に入るね。と言い残して凛霞はバスルームへと向かう

更衣室で、ぐっしょりと濡れた制服を脱ぎ去って…一息

「──大丈夫。冷静、私は冷静」

ぽつりとこぼすように、自分に言い聞かせる
彼と一緒にこんな場所に来て冷静でいれるわけがない
頑張って平静を装っているけれど内心は色々と、あるもので…

──凛霞がバスルームへ向かってしばらくの後、シャワーの音が部屋のほうへも、聞こえてくる

出雲寺 夷弦 > 「……」

――相手がシャワーを浴びに行って間もなく、

「ッ冷……静ッに、なれ、俺、俺……っ!!」

タオルに顔面を押し当て、両端をグイィィィィィッッッッと引っ張ってムンクじみたことをしていた。
耳から何か噴出しそうなレベルで頭が熱い。

シャワーの音が聞こえる。

「……」

聞き耳。……をしている場合ではない!!

速やかに上の服を脱ぎ、アンダーウェアだけになったらあとはもうその上からででもタオルでぐいぐい水気を拭う。
多少冷えるが、もうなんか後は自己発熱でもすればいい。
やろうと思えば筋トレでもなんでも方法はある。
落ち着け、自分は冷静だ。正気だ。





「ッッ……無理……」

――身体を拭き終えるや否や、床に崩れ落ちてベッドのへりに顔面を押しあてた格好で燃え尽きる。
燃え尽きる時間は数秒、その後は急いでハンガーを適当にコートラックとかから拝借してエアコンの傍に引っかける。
予備のハンガーもある、後で凛霞の服も干せるようにする。
対応、対応、対応。
頭をどうすべきかで埋め尽くす。

「――……」

――そうして凛霞がシャワーを終えて出てくる頃。

夷弦はプランクトレーニングをしていた。上半身の制服は脱いでいるが、下の服は結局そのままだ。水気はある程度取ったようだが、
彼は明らかに隠せない動揺をどうにかするべく、奇行に走っている。

伊都波 凛霞 >  
「……ふぅ」

結局、シャワーを浴びている間も雑念だらけだった
きゅ、と水を止めて、バスタオルで髪と身体を拭き取りながら…
…鏡に映る自分の姿を改めて見ると…そう、彼と一番長く過ごした時期には、まだ自分には幼さがあった
今は違う
育ち、熟し、成長した彼を受け止められる身体に、なっている
…だから?今日のこれは突発的な事故のようなもの。彼にだってそんなつもりはないのだと言い聞かせよう

バスローブを纏って、部屋へと戻ると……

「おまたせー…って、な、何してるの…?」

彼がどう待っているか想像していなかったわけではないが、想像していたどれとも違っていた
一方で凛霞といえば素肌にバスローブのみ
普段ポニーテールにまとめている長髪もストレートに流したまま
湯上がりのほこほこと上気した肌。普段とは全く違う雰囲気を醸し出していて

出雲寺 夷弦 > 「……プランク」

体幹トレーニングのアレ。と添えた。
努めて冷静な声を出しているが、そもそもシャワーを浴びていた相手を出迎える姿勢ではとてもじゃないが、無い。

――ゆっくり起き上がる。逞しい背中だ。肌着越しでも凄まじい躯体であるのが浮かび上がる。
が、それより上、首、耳、もう真っ赤っか。男子の情緒エンジンは全開そのものだ。

「……ぇ、えぇと、服、あの、ハンガーあったからさ、エアコンの近くに干せば、多分ちょっとは早く乾くと、思うから……ッ」

――背中を向けたまま器用に方向を維持して、シャワールームのほうへ。
なんというかまぁ、実に、露骨に、貴女のその姿を映さないようにする涙ぐましい頑張りが伺えるのだが……。

「……って、そういや凛霞、お前着替え――」

――風呂から上がったらとっくに着替えてる。
いや、着替えなんてあったか?
「バスルーム」にはあるもので、

……「風呂場」にはないもの。

彼の実家は一応、『寺』だ。こじゃれたバスルームなんて、
風呂の延長線上になるようなものは、
もしかしたら彼にとって中々珍しいものなのかもしれない。
故に、上がったら着替えてる。まぁせいぜい濡れた髪と、
上気した肌と、少々危うい別の恰好をしてるものだと。
――何故思ったんだろうか?

「――は……」

直視した。

伊都波 凛霞 >  
「そ、そっか…努力家、だね…」

こんなところでも鍛錬を欠かさないなんてまさに武人…?
うーん、もしかしたら色んなモヤモヤを吹き飛ばそうとしていたのかも…
なんて都合良いことを考えながら、言われた通りに濡れた服をハンガーに広げて…乾くまではしばらく時間がかかりそう

「さすがに着替えはもってきてないよぉ…バスローブはいっぱいあるから、乾くまでのんびりしよ?」

言いつつ、シャワールームに背中を向けて器用に移動する彼を見て首を傾げる。何その動き
…というのも、丸いベッドに腰を下ろして一息と言った時にその釘を刺すような視線を受けて理由を悟るのだが

「…こ、これしか着てないからあんまりジロジロは、恥ずかしいかな…」

思わず裾の部分を両手でぎゅっと引っ張ってしまう

出雲寺 夷弦 > 「――――ぁ、ご、ごめッ……」

色々と透かされたように狙いを当てられる頃。
直視、そしてその言葉に、ばっと背中を向ける。

「……」

――鼓動が、五月蠅い。
滅茶苦茶になりそうなくらい、頭が、顔が熱い。

深呼吸を何度挟んで、か細く。

「……ぉ、俺も、その、浴びてくる、から……」

と。そう言い残してシャワールームへ入っていく

――直視してからの彼の様子は、切り替わったように"静"になっている。
が、動揺は明らかにさっきよりも大きくなっている。
それはつまり、いよいよ。
照れるだとかどうだとか以上に、相手を【異性】として、この状況で。
見つめ始めてきているということだ。

伊都波 凛霞 >  
「う、うん……」

シャワールームに姿を消す彼を見送って…

すー、はー……すー

大きく深呼吸だ
落ち着こう、こんな場所とはいえ雨宿り
服が乾くまで休憩するだけ……するだけ!

……──まぁ別に?彼とそういうコトがあるのがイヤってワケじゃないけど…

みたいなことが頭を過ぎると途端に顔が赤くなる

「───」

ぼふっ!とベッドに顔からダイブしてもだもだしていた

出雲寺 夷弦 > ――――成熟、していた。

自分が知っていた頃、そのころはそのころで。彼女は、そう、女性として、なんというか。

……だけど。

――何だろう。それは、余りにも、自分が知っている姿と比較にならないくらい、とても、とても、『    』なのだ。


熱いシャワーを目一杯浴びる。
どれだけ熱くても、今の自分の頭には、及ばない。


一瞬だけ見えた。その膨らみも、柔かそうな、線。
バスローブの下は、一糸纏わない姿。

自分と、こんな場所で、二人きりの状態。


――――震える。

出雲寺 夷弦 > 「――――は、ぁ」


――出てきた彼は、全身から湯気が上がっていた。
バスローブを羽織った格好、自分の着ていた服は、とりあえず畳んで持ってきて、干すつもりで。

ちょっとぼやっとした目は、やや逆上せているように見える。
無論、はっとした時には彼は視線を逸らすのだが。

「……こ、ここのシャワー、結構、熱い湯出るんだな……ちょっと、シャワーだけでも、だいぶ……」

そそくさ、ハンガーに掛けていく。
相手の着替えも見えたが、速やかに視界から外した。
そうして、ベッドに座り込み、斜め上を向きながら上擦った声がかかった。

伊都波 凛霞 >  
「!」

出てくる気配を感じて慌てて起き上がり、ベッドに腰掛けなおす
ベッドに突っ伏してもだもだしているところを見られるのはちょっと恥ずかしい…

出てきた彼と、隣り合わせるように座って…
投げかけられるなんてことない言葉、会話
本当になんてことない内容だったのは、きっと彼の精一杯の──

「そ、そうだね。でもおかげで風邪は引かなさそう。部屋も空調が聞いているし……」

「……………」

なんとなく、会話が途切れてしまう
やや薄桃色の部屋の照明の下、お互いに見慣れたはずの、見慣れない姿…
ちらりと視線を横に向ければ…こんなにガッシリした身体してたんだ、なんて思ってしまって、慌てて視線を戻す

「──あ、え、…と……」

どうしたことか、あれだけ話したいことがあったにも関わらず言葉がなかなか出てこない…──そうだ

「えっと、ほら。今度引っ越すかも…って話、したよね?
 その…どこかいい感じの部屋を見つけたら……さ…」

言葉を一旦切って、すー、はー、また深呼吸

「……夷弦。い、一緒に…住ま、ない?」

かー、っと、顔が赤くなる
熱が上がっていくのが自分でもわかってしまう

「ほ、ほら私も学校に近いところのほうがいいし、カミヤくんにいつまでも夷弦のこと丸投げにしておけないっていうか…」

フォローのつもりで続けた言葉はどこか言い訳がましくなってしまった…

出雲寺 夷弦 > 「……そ、うだな」


なんか相手も相手で動揺してたような気がする。いやしているんだろうな。
……ベッドに遺る皺を見て、悟っていた。そういう風に、自然と見てしまうスイッチが、
まぁ手合わせ以外で発揮されるのは時に妙な弊害を被ることになることを痛感する。

例えば今。相手も、意識しているんだと気づいてしまったんだから。


「……」

ほんの少し、少しだけ。横を見る。
――座高のせいで、もろに上から覗き込むようになるんだ。
豊かな双山が視界の六割を埋める俯瞰図。照れる顔も見える。
心臓の奥が、一際大きく音を立てる。

「っ……ぁー……」

――何か、何か話をしないと。空気が、空気が耐えがたい。
恥ずかしい。意識してしまう。
なにか、なにかと。

そんなところに、凛霞が口を開く。

「あっ、あぁ、そういや、何処か良い場所を探してるとか、聞いてたけ、ど――――は」


出雲寺 夷弦 > 「い、一緒に…住ま、ない?」
出雲寺 夷弦 > 『一緒に住まない?』
出雲寺 夷弦 > ぶち抜かれるって、きっとこういうことなんだと思った。

何度も耳を疑うが、いいや聞き間違うなんてありえない。

同居の申し出。言い訳が色々聞こえるけど、いやそんなことは別にもうどうでもいい。



「……一緒に、って、凛霞と?お、俺……二人、で、か?」

それ以外ないだろうが、一応、確認の為に。

「……その」

――――その反応は。

両手で顔を押さえ、後ろにのけぞり、そのまま仰向けにベッドに倒れながら。

「……い、いい、けどぉ……ッ!ま、まて、悪い、その、違……嫌じゃない、じゃないんだけど、待ってくれ今、ちょっと、顔……いや、熱……っ!!!」

伊都波 凛霞 >  
「…そ、二人で……」

言った
前には言えなかったけど、言った

「…だって、もっとたくさん夷弦と一緒にいたいもん」

顔を真赤にして俯きながら、小声でそんなことを言う
今まで全然会えなかったから、話もできなかったから
待ってた時間が長かった分…合間に、たくさん色んなことがあった分
たくさんの感情を凝縮して、勇気と共に送り出した言葉だった

「…だめ、もう待たない」

待ってくれという彼に、そう言葉を手向けた

「…ちゃんとした答え、聞くまで。だめ…!」

仰向けに倒れ込んだ、その顔を覗き込むようにして、顔を突き合わせる
…その顔は見るも真っ赤、耳まで赤い──けれど、まっすぐ見据える鈍色の瞳は真剣そのものだった

出雲寺 夷弦 > 「……凛、霞」




そんなの、自分もそうだ。
――嗚呼、でも、口に出すことを、随分躊躇した。
そして、揚げ句に、先に言われてしまった。
……言わせてしまった。

完璧超人、なんて評判ばかり立つ、目の前の、"普通過ぎる女の子"に、
勇気を振り絞らせて、自分は――なんて臆病なんだと。

目の前の顔。もう、身体も触れあっている。
柔かい、細い。組み手で見せたあの技の数々を、こんなにも普通の女の子が持っていて、
――それなのに。ずっと、ずっと!!

「……凛霞ッ」

『此処で黙れば、自分は何も変わっちゃいない。』

『独り善がりで全てを置き去りにしていった、出雲寺夷弦のままじゃないんだ。』

『俺は、この女の子を、凛霞を、二度と一人にしない為に、鬼になっても。』


――顔から離した手、腕。それを、目の前の女の子の背に回し、優しく、けれど強く抱き寄せようとする。
色々まずいとか、そんな建前で遠ざけるのは止めだ。
返事より先に、すべきこと。伝えること。言葉じゃ絶対に表せないこと。

『俺は、凛霞が大好きなんだ。だから、その恋で、愛で、死だって乗り越えたことを示すんだ』






「――っ」

抱き寄せたら、目の前の女の子の唇に、自分の唇を重ねる。
答えを、言葉だけで終わらせるなんて嫌だ。
その勇気に、自分がもっと勇気を出さなくてどうする!

伊都波 凛霞 >  
「…うん」

名前を呼ばれて、そう小さく返事を返す
見慣れた笑顔で、でもどこか新鮮な…恋する少女?とでも評すれば良いのか、よくわからない、そんな笑顔を浮かべて
待たない、と宣言した…答えを、待つ

顔と顔、距離が近い
おそらく己の身体の中でもっとも柔らかい部分は、彼の硬く強い身体に触れて
互いの心臓と心臓の位置まで、近い
真っ赤な顔だけじゃない。この早い鼓動だって、きっと相手に伝わってる…

沈黙は金、雄弁は銀…かくして行動はダイヤモンドとでも評価しようか

「──わ」

背中に手をまわされ、更に距離が近くなったことに小さな驚きの声と表情を見せる
彼は、言葉なんかではなく、行動で、示してみせた

「ん、っ───」

重なりあう唇の柔らかさを感じると…そのまま、身体からゆっくりと力が抜けてゆく
まるでその身をそのまま、彼に預けてしまうように
緊張や、恥ずかしさ、色々と折り重なる先にあったのは…意外や意外…安心、だった

出雲寺 夷弦 > ――俺は、この子が好きだ。伊都波凛霞が好きだ。
出雲寺夷弦は、心から、命から、この子に惚れている。

だから、今まで出来なかった事を出来るようになって、
だから、今まで言えなかった事を言えるようになって、
それできっと初めて、答えられる。

あの日、単身で、鬼を倒さんとした無謀な男が残してしまった、
たった一つの未練は、今こうして、全てを取り返す為に勇気に変わった。

「……っ」

心臓同士が、身体が、溶け合ったような心地がする。抱きしめれば、
それがもっと強くなる。汗ばむ手、相手の背中も、随分と熱があって。
重なった部分の多くは柔らかい、自分の硬さが、きっと喰い込む。
……それ以上に、重なった唇が、熱くて仕方ない。



なのに、どうしてか、やっとといったような気持ちが出て、次には、
安心しきったように力が抜ける相手と同じように、自分も肩が緩く、下がる。

「……っ、は」

――一度離れる。唇だけ。抱き寄せた腕は変わらない。

「……俺も、一緒に居たい。凛霞と、もっと近くに居たい。
きっと、四六時中だって、俺はお前のことが好きで、好きで」

「だからさ」

――答えよう。今が、言葉にするタイミング。

「――一緒に住んで、一緒に居て、起きてから寝るまでだって、ずっと、俺はお前の隣がいいよ、凛霞」


――我ながら、ここまで言えてしまうんだな。と、心のどっかで、自分に呆れた。
後で恥ずかしいなら、もうその時にツケよう。
今出来ることは、全部尽くす、全部やる。

だから、そう答えた後に、もう一度唇を重ねるんだ。