2021/11/13 のログ
■伊都波 凛霞 >
「そうじゃない…どうして、こんなこと……」
彼女の言葉とおり、落第街のことは報道されていない
この島の中枢、学園としては落第街、そして二級学生や違反生徒はその存在を認めていないからだ
しかし、いま標的にされたのは、落第街だけではない
「理解るわけない!
何のためにこんなこと──」
思わず大声をあげる
と、同時に思い出す
羅刹の言っていた言葉…現体勢への反逆…
「……終わってる、って」
「自分達が何をしてるかは…わかってるの…?」
■O RLY >
「ね?親切でしょ?
だってさ、アタシしか止められないのに
アタシを殺しちゃったらどーなったんだろーね?」
青ざめた表情とは対照的にまるでいたずらに成功した子供のような笑みを浮かべ
やっさしー。と口の端を吊り上げながらソファに再び寝転がる。
そう、あれだけ言ってまだ判っていなかった。
命に価値を見出していないといった意味が。
「逆に聞くけどまだわかんないの?
まさか延命のために長々会話してるとまだ思ってる?
力にも数にも劣る側のニンゲンがさぁ、一生懸命歴史を通して考えた
立派な立派な”戦う方法”だよ?人類の英知ってやつ」
風紀委員って奴は本当に愚かでよく働いてくれたと思う。
無造作に焼き払い、武を示すことがどんな結果を招くのか
それに対して”手段を選ばなければどう抵抗するのか”の
説得力をこれでもかと後押ししてくれた。
今までこれが起きなかったのは、ただ”誰かが許していたから。”それだけだ。
挙句、ビラ巻きまでして手伝ってくれたのだから笑える。
”誰がこんな事態を巻き起こしてるのか。”それを知らしめる事こそがこちらの主な目的だったのに。
「…だから馬鹿なの?
何度も言わせんな。
落第街だろうが学校だろうがそこが存在する場所だろうがそうじゃない何処かだろうが、
等しくアタシに取っちゃ同じ。等しく価値が無い。
つまりさ、大差ないんだよ。どっちも。
言い換えるなら”同じくらいどっちも大事”なんだよね。
いつまで偉そうに言いながら居る場所で命の価値に差をつけてるつもり?
無自覚なんだろうけどさぁ、いい加減ウザい」
体制とか反体制とか、正直それすらどうでも良い。
そう、簡単。
「その方が面白いから。だけに決まってんじゃん。
あ、ちなみに先に言っとくけど、何もしなかったら爆発再開されるよ。
フェイルセーフって知ってる?知ってるといいんだけど。
説明めんどーだからさぁ」
■伊都波 凛霞 >
流れるニュースの音声に呆気には取られたものの、平静を取り戻そうと、努める……──
握り締めた手には力が入る
下唇も、痛みを感じる程度には食い締めた
揺れるな、退くな、狼狽えるな
冷静に、そして狡猾に、まずは見定めろ──
「…貴方にとって価値なくても、私にとっては、すごくある。
だから、そのスイッチをいとも簡単に押してみせた貴女が………嫌い!」
元より、問答はいい
力ずくでも鍵を奪い、脱出し…表の状況を確認する
終わってる?何が。自分の眼で見るまでは終わりかどうかなんてわかる筈もない
■O RLY >
「……その言葉って空しいよね。
自爆してるってわかってる?
そもそも話聞いてる?
ああ、分かんないからまだそんなこと言ってんのか。
……ほんっと、しょうもな。」
まーたお姫様ごっこしてるよとあきれる。
なんて下らない台詞だろう。
これ以上が何処にあるだろう。
「何部外者面してんの?
挙句、善意で手を差し伸べるいい子ちゃんのカッコ?」
イライラする。
こいつはまさしくこっち側。
我儘で、鈍感で、怠惰でそして何より、
こいつの世界には主役(自分)と”脇役(踏み台)”しかいない。
「かつてこの島の治安は善意で、正義とやらで平和を守られると夢を見ていた。
信じて、信じて、信じ続けて、それを守ったモノは今や去り、
結果、毒沼で眠りこけたまま戯言が幅を利かせてる場所になり果てた。
今やただの中二病共が善意を裏切りながらその口で正義とやらを嘯いてる。」
手の中の鍵が軋む。
何だこいつら。マジで何なんだ。
どうやったらこんなに馬鹿になれるの?
マジでうっとおしい。
「善意が誰かを守る?
話し合えばわかる?
ほんっと笑わせんな。この島の現状が全てだろーが。
お前らは善意を、正義とやらを自分自身の弱さと幼さで否定したんだ。
ただ、惰性で、怠惰で、そしてそのツケを他者に背負わせながら
逃げて逃げて逃げて、その挙句善人面?
ただのマッチポンプじゃん。
寄りにもよってたったひとつ、世界に此処にしかない特異点のここでさぁ」
■伊都波 凛霞 >
「もう話はいいんじゃなかったっけ?」
「悪いけど、もうまともに貴女の相手をしてもあげられない」
彼女の流したニュースは、フェイクだ
今この場にいる凛霞自身は知る由もないが
強力な異能や魔術を持った人間の守る学園都市の守りは、固い
一瞬取り乱しはしたものの、凛霞とて、それをよく知っている──
けれど、万が一はある
だったらのんびりはしていられない
一刻も速く、此処を出る
「さっさとその鍵、渡しなさい…よっ!!」
鍵を握り込んでいる手を目掛け、鋭い蹴りを放つ
命がどうとか軽く言う、なら怪我くらいは軽い軽いものと流してもらおう──
■O RLY >
「ほんと、自分が殴る側だと思うとイキイキするよね。
そのくせ逆だと被害者面か開き直るかだもんなぁ」
相手の情報なしで勝てるなんて凄んでみても何の迫力もないし、
そもそも、これ見よがしに持っている鍵がこの部屋の鍵だなんて一言も言ってない。
態々こっちは場を作ってる立場だっていうのに自分ルールしか頭にない。
本当、楽観主義が過ぎる。頭の中お花畑か。
「……それとも、無かったことにされるのと、
実際になかった事の区別もつかねぇのか
これだから戦闘民族は」
ほらこうやってすーぐ忘れる。
突き出される蹴りに払うように手を合わせる。
その手の中にはカランビットナイフ。
「いつまで上から目線で他人様を蔑んでるわけ?
そもそも当たり前に勝てる前提なのが笑う。
アンタを確実に逃がさない方法、すごく簡単だってわかってる?
この島で何学んできたの?」
そう、この島の守りは堅い。
けれどこのバカは判ってない。
弱いからって戦う手段がないわけでもないし、
ましてや強力な異能を持っているのは学園だけじゃない。
……それほどまで圧倒的に強力なら
そもそも落第街など実際にない。
全てを救う事が出来ないように、全てを守る事なんか出来ないのに。
「……そっか、まだ殺し足りない、と。
そーかそーか、判ったよ。」
じゅっと音を立てて手の中の鍵が灰になる。
「ったく、どいつもこいつもさぁ。
度し難い馬鹿だな。
分かんねーならちゃんと言葉にしてやんよ」
ゆらり、と立ち上がると同時に座っていたソファが灰になっていく。
まるで幾千年の時が過ぎていくかのように。
「お前らが攻撃する度に同じだけ誰かを殺す。
場所は問わない。時間も問わない。
出来ないと思うなよ。アタシは、アタシ達は何処にでもいる。
そういってんだよ。万年読解力不足」
その目は明確に敵意を宿し始めて。
■伊都波 凛霞 >
「──相手の読解力のなさを嘆くのは自分の偏見と説明力のなさを自覚してから、ね」
蹴りを振り抜く
その軌跡を描くように銀閃がゆらりと舞い、輝く
手中に隠されたカランビットナイフの素材がいくらのものかは解らないが、
セラミック程度の硬度ならばするりとバターを擦り抜けるように切断する
「ついでに、上から目線、上から目線って言う人はだいたい自分が勝手に相手の下にいるつもりなだけってことも覚えておくといいかも」
振り抜いた蹴りをそのまま、勢いを殺さず右の背面足刀を放つ、狙いは…やはり手
鍵が灰となったことには気づくべくもないが、ソファが朽ち果てたことには僅かに眉を顰める
「…それは大変。
ちゃんと報告書に書いておくね」
■O RLY >
「挙句アタシのせいにしだしたよ。
これだけ言ってもわかんねぇとか初めて会ったわ。
小学生だってもう少し話が通じたっつの。
アタシがわざわざこの場で長々喋ってる理由、ちったぁ足りない頭を使って考えなよ。
頭いいんだろ?それとも誰かを踏み台にすることにしか頭を使えないのか?
”妹を踏み台にした”時と同じようにさぁ」
そもそも行動の悪手が過ぎる。
万が一を起こしうる相手にこの動き?
……マジで神様気取りだなこいつ。
道端で偶然会った彼の方が百倍マシだ。
……あっちに話投げればよかった。
嗚呼、本当に、似合わない事なんかしなきゃよかった。
「”弱者”みたいな明確に劣る相手を殴るのは気持ちいいよなぁ
殴り返して来れないんだもんな。
だからマウントを取る事しか頭にない。
気持ちよくなることしか考えてない。
ほんっと嫌になるよな。
アタシ達は好きに暮らしてるだけなのに
自分勝手に跨って腰擦りつけてくるんだもんな。
流石糞ビッチ」
あ、駄目だこいつ。真正の阿呆だ。
マジで、判ってない。
「あと知らねーみたいだけどさぁ。
鋼線系の武器ってのはさ、
少しでも撓むと”切れない”んだよ。」
今度も軽く払う、腐蝕と風化領域を広げている分触れるどころか掠っただけで灰化する羽目になるが……
知らない。怪我させんなとは言われてないし。
■伊都波 凛霞 >
「あんまり喋ってると舌噛むよ」
なにやら言っていることは最早聞いても無意味、と切り捨てる
手に持っていた鍵が実際にこの部屋の鍵かどうかはわからないし、違ったなら他を探せば済む話
鍵が既に失われていることは知らないが、知ればこの攻撃を繰り返す意味もなくなる
もしくは、相手が手を開かなくても、同じこと
それなら昏倒を狙って顎先に狙いを変える
後に飛び、蹴破ったドアを踏み起こし、破片に蹴りを叩き込む
願わくば顎先に当たってくれるか、手を使って防禦してくれないかな、といったところ
「…ご安心を。これは"切れる"から」
張りつめないと切れないならそもそも拘束状態からの脱出は不可能
ただの鋼線を最後の切り札に忍ばせるのも、芸がない
■O RLY >
「ほんっと、男相手には色目つかや良いと思ってるし
人生舐めてるよな。いや、世界舐めてんのか。」
あれだけ戦闘は無駄だって教えてやってんのに
それでもゴリ押し。うん、舐めてる。
まるで、自分だけは絶対死なないし何でも上手くいくと約束されているとでも言うよう。
端から何も考えちゃいない。
「マジでさぁ、無様に死ねばいいのに。」
蹴り飛ばされた欠片を上体を逸らして回避。
避けなくてもいいけど敢えて避ける。わざわざ避けやすくする意味が分かんない。
末端を狙えるとか油断してるし勝手にさせておけばいい。
……止められてなかったらマジでやってたと思う。
あー、だるい。なんで殺しちゃいけないんだろ。
「あっそ」
そのつもりなら、やることは簡単。
鞄のチャックを風化させながら鞄を投げる。
中に詰まっているのは液体燃料。
それを追うように片手を握り空中で”圧縮”。
急激な加圧により過熱したそれを追うように空中に紫電が奔った
「”爆ぜろ”」
起こすのは沸騰液膨張蒸気爆発。
小規模だが、音速を超える広域爆発。
間違いなく地下で爆発させるものじゃない。
でも知らない。だって、
「アタシの知ったこっちゃない」
■伊都波 凛霞 >
本当によく喋る
それなりに本気で蹴り込んでこの余裕、白兵戦に関しての経験でいえば、人間と戦ってる気がしない
手っ取り早く脱出するために可能性のある鍵を奪う予定だったけど、どのみちこれでは徒労が勝る
相手がこちらがゴリ押ししかしないと思ってるうちに、次の手を仕込む
「…!」
漸く見せた、相手の防御以外の"行動"
蹴り飛ばした破片の状態を見やり、相手の特殊能力の類を特定
ソファが朽ち果てたこと、避けた先のドアの破片を見れば相手の持つ能力が攻撃だけに付随されるものではないことが理解る
異能、というよりは、異質…怪異かそれに近いモノを感じ──
対怪異用に仕立てられた洗礼水銀を特殊な魔術式で圧縮した極細のワイヤー
張り巡らせるでなく、肉体の動きに追随するだけで対象を"溶断"するそれを以って、投げられた鞄を切り裂く
瞬間、漏れ出した液体から香る匂いに、瞬時に反応する
発生してからでは間に合わない
最近やけに自分でも鋭くなったと自覚する相手の挙動に対する"読み"がなければ、あるいは対処は不能だっただろう
蹴り起こしたドア、破片のみを飛ばしたそれを盾に、低姿勢で床を蹴る
跳ぶ先は、閉まっている奥のドア
そして破損したドアを背に、両耳を塞いで…
爆縮の音と衝撃を背に受けなら、全力で閉じられたドアに向けて両脚を蹴り込んだ
……リハビリで必要以上に走り込んでおいて良かった、と思うほどの衝撃が両脚に伝わり、分厚いドアはその蝶番部分からコンクリートを引き剥がし、吹き飛んだ
■O RLY >
予めソファの下に仕込んでおいた足元には結界領域。
目も眩むような閃光も”視て”ないアタシには無意味。
相手の行動?そんなものに左右される手段を使うとでも?
「あは、草生える」
元より自動防護でもできる装甲でも持ってんでしょとは思っていた。
無くてこのムーブならもうとっくの昔に死んでるハズ。
力業で戦略爆撃兵器に耐えるのは笑うけど。
「自意識過剰乙」
狙いは最初からこの構造物全体。衝撃と急速な加減圧。地下なんてあらかじめガタを入れてあればすぐ崩れる。
公爵閣下の砲撃を想定した地下組織だ。優に数十mの厚さの地盤がある。それだけで十分。
袋小路の地下部屋で、閉鎖空間。後は”崩落”を起こしてやればいい。
アンタの上にあるのは無数の岩と岩盤のみ。精々楽しめ。
そもそも最初からアタシはお話して”逃がす”つもりだったのだ。
願わくば抑止力として。けれどこの女、それにも使えない。
ならその形が多少変わろうがこの際知った事か。
既に興味は失われた。
崩れて積もっていく瓦礫の隙間から一瞥。
「アンタたちがそのつもりなら
アタシもさぁ、そのつもりで行くよ。」
神様気取りで神様と同じように動くというのなら
そんなにも力がありながら逃げ続けるというなら
「下らないコロシアイって奴を楽しもうじゃない」
轟音を立てて「蜥蜴の抜け殻」はその日崩れ落ちた。
その崩落の最後に向けた目は心底冷え切っていた。
■伊都波 凛霞 >
───……
「そのつもり、ね……」
最後まで、彼女の言う言葉は何も汲み取れなかった
話をすることに意味がないと言えば、饒舌に喋りだし
こちらの言葉には耳を貸さず、強硬姿勢に出ればそれを嘲弄する
崩落する瓦礫の中で、脱出の際に助けられた構成員は、たった3人
みんな無傷とは言えないけれど、とりあえず命があることに安堵する
……それ以上の数、彼女のいう価値なき命は、犠牲になった
そのつもりなら、と彼女は言った
自分達も、そのつもりで行く、と
神様だったら、全員助けられた
力があったら、最初からこんな場所に捕らわれていない
「…神様でもないし、お姫様でもないし、ただの風紀委員だから、苦労するんだってば」
瓦礫に乗せていたお尻を持ち上げて、ぱたぱたと土埃を払う
小休止は終わり、助けた3人にはとりあえず安全なところにまで行ってもらって、自分も急がなければいけない
脚はガクガクだけど、今日限りは最後まで保ってもらう──
…あちこち学園都市を周り、爆破テロなどが行われなかったことを確認し、
程々にボロボロ、すっかりとヘトヘトになって倒れ込むように風紀委員本庁に辿り着いたのは、夜も更けてからのことだった
■O RLY >
「ハロー、こちらowl。生きてる?
あ、ボスは良いよ。どうせ生きてんでしょ。
え、二人揃ってきた?
いやそれは知ってる。」
程なくして少し離れたビルの上に白梟の姿があった。
通信機片手に屋上の縁に座り、足をばたつかせる。
見下ろした先は、ニュースで爆破されたと報道されたとある公園。
そこには爆発の跡など無く、被害者も大衆もいない。
「ああ、うん。
なんというか、あんまり意味なかった!
なんというか、理解できなかったみたい。想像力の問題だね。
いやぁ、なんつうか、思った以上にアレだったよ。
……ほんと何つうか、言葉に困る
仕込んでもらったのに悪いねぇ?
実際に起こさないと駄目だわありゃ
起こさないと思って笠に着てるもん」
なんというか、無駄足感が凄いけれど、当初の目的の一つは達成した。
最初からシフトしておけばよかったけど、まぁ僅かに希望を持ったことは認める。
うん、これで心置きなく”アイツ”も切れる。
「嗚呼うん、データはそっちに送るよ。
もち、ばっちりよ。これで絆される馬鹿は減るでしょ。
まぁ下半身馬鹿は知らん。アタシの知った事じゃない。
じゃあ後で。つうしんしゅうりょ―」
その一人に気がかりな相手がいるのも確か。
全く、向いてないのに頑張っちゃったらしいし。
「全く、馬鹿なんだからさぁ……」
顔を思い出しくすっと笑う。
さぞかし落ち込んでいるだろう。揶揄うには悪くない。
ご案内:「◆蜥蜴の―――」から伊都波 凛霞さんが去りました。
ご案内:「◆蜥蜴の―――」からO RLYさんが去りました。