2024/09/01 のログ
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 常世学園の夏季休業(夏季休暇)、いわゆる「夏休み」は8月31日で終わりを迎え、常世学園の後期が幕を開ける。
 学生・教職員の多くは9月1日より学業・業務が再開されることになり、学園地区には多くの人が集うこととなる。
 夏休み期間に入学・編入した学生や、委員会等の活動により夏休みの開始が従来より遅れた学生に関しては夏休みの終了が延期される場合もある。これは教職員も同様である。
 しかし、大体数の学生・教職員の夏休みは8月31日に終わることになる。

 常世学園は旧世紀の学校制度とは異なり、システム上入学時期は決まっておらず、必要があればいつでも入学することが可能である。卒業についても同様である。故に、入学式・卒業式などの公的な行事は存在しない。
 とはいえ、旧来の学制は現在でも常世島の外では続いている。故に、入学式・卒業式、始業式・終業式などの風習は一般的であると言え、学生たちによってそれに類する式典が自発的に行われている。
 卒業式などは式典委員会も関わるため、半公式の行事とも言えるだろう。
 9月上旬には有志学生主催による始業式が常世大ホールをはじめとし、島内の幾つかの場所で催される。
 委員会や部活では後期開始にあわせ、意識を高めるための会合・会議が催される事が多い。なお、委員会全体だけではなく、各部署でも類似のイベントは行われている。

 後期開始に合わせ、常世学園では教員の補充が新たに行われ、新たな講義・演習も開講される。
 近年では、学生が臨む進路に向けてのバックアップ体制がより強化され、これまで以上に講義のバリエーションは多彩となっている。
 至って真面目な授業から、教師の趣味性の強い授業まで様々であり、この多種多様な授業が常世学園の特徴ともいえる。
 必要な単位・課程を修めれば、常世島の外でも効力を発揮する免許・資格を得ることも可能である(教員資格/運転免許/司書資格/神職資格/対怪異狩猟免許/異能・魔術危険物取扱者資格/異能・魔術関係犯罪者に関する保護司資格…その他多数)。

 専門的な分野を教える教師も積極的に採用されており、常世島の外での「教師」とはかなり性格の異なる様相が呈されている。
 たとえば、将来の進路として島外で商店の経営等を考えている学生に向けて、常世島内の実際の店舗(部活)を利用し、店長・店員として業務に従事し実際にその経営手腕や方法を学生に教える者もいる。
 この場合授業は演習となり、教室では行われないことになる。こういった変則的な形式の授業も常世学園では行われている。必ずしも教室で行われる授業が全てではない。
 常世学園は学園という都市であり、島内での様々な活動が学びの場となるのだといえよう。
 学生の可能性を多く開かせることがこの学園の目的である。バラエティ豊かな授業はその証である。
 逆に、それだけ常世島の外では《大変容》以後の混沌とした社会を導いていけるような、専門的な知識・技能・資格等を持った者たちが求められているとも言える。
 近年では、学生起業プログラムのために高度に専門的な知識や技術を保持する者を教職員として積極的に採用・招聘することも増えており、教育機関としての常世学園の成長も続いている。

 将来の進路について、怪異討伐関係の職業に就こうとする学生や、軍事関係を希望している学生を対象とした戦闘をメインとした授業も行われてはいるが、それが一般的というわけではない。
 異能・魔術はかつての第三次世界大戦(異界大戦)にて、戦闘・軍事に積極的に利用された過去があるものの、常世学園としてはそれが普遍的な「異能・魔術」のあり方としては認めていないのである。
 異能や魔術といえば戦闘や軍事に利用されるべきものとされた時代は過去にあったものの(現代でも戦闘や軍事的な目的のために用いられることは普通である)、それは異能・魔術のあくまで一側面であり、そういった認識を払拭するために常世学園が存在するともいえる。
 そして、それらを持たない者であっても何ら問題なく一人の人間としていきいきと過ごしていける社会のモデルを、常世学園は常に模索し続けている。

 《異能》や《魔術》が戦闘的な用途に使われる事が多いというのは現代においても珍しいことではない。《怪異》などの存在が現実に出現するようになったという事情もあり、危機回避のための緊急的な攻撃的《異能》などの使用については議論もあるものの多くの国家でそれが即座に罪に問われるわけではない。常世島においてもそれは同様である。
 常世学園の「理念」としては《異能》や《魔術》が単に戦闘的な目的のみに使われることを良しとはしないものの、実情としては戦闘的な訓練などを行うことは常世学園では行われている(強要されるわけでは無論なく、必修科目に組み込まれているわけではない)。
 実際に《異能》などを制御するためには実際に使用するのが一番であり、他者を傷つけないためにも訓練施設などの存在は重要ではあるのだが、必ずしも全ての「地球」の人間がそれを評価しているとは限らない。外部から学生を兵士として要請するつもりなのかというような批判は常に寄せられている。第三次世界大戦の記憶を持つ者たちは、常にかつての地獄が再現されることを恐れているのだ。
 こういった批判や不安を払拭する意味でも、学生起業プログラムの拡充は、《異能》を持つもの/《魔術》を使う者/《異邦人》の完全なる社会参画を目指す常世学園において重要な試みの一つである。
 社会や人々と《大変容》以後の存在が調和するモデルを提示すること、後の社会が「模倣」すべき「範型」を示すために常世学園は常に様々な試みを行っているのである。
 常世学園は《異能》や《魔術》などが戦闘的な目的で用いられることを否定しているのではなく、それらが戦闘的な目的のための道具としてのみに使用されること、破壊的な目的のためのみに使用されるものであるという認識を否定しようとしているのである。
 学園の「理念」は上記の通りであるが、学生・教職員の全てがそれに同意しているとは限らない。《異能》や《魔術》のあり方について、常に学園内では様々な議論が行われている。

 なお、教員の性格は様々であるがあくまで教員の権限が及ぶのは教育の範囲内である。学園運営に関する権限は「学生」に存する。
 故に、教員は学園都市運営に関する補助やアドバイスを行うことはできるが、運営に関しての直接の指示などを学生に行うことは基本的にはできない(アドバイスなどを行うことは特に問題ではない)。
 都市運営や政治学などを専門とする教師も常世学園には少なくないが、彼らが実際の学園都市運営の指示を行っているわけではない。ただし、委員会の委員に所属している場合はこの限りではなく、実際に運営に関わる場合もあるだろう。ただし「権限」が学生を上回るというわけではない。

 夏季休業終了に伴い、常世島各地の海水浴場は閉業し始めているが、遊泳そのものが禁止されているわけではない。中には営業を続けている海の家なども存在するだろう。
 暑さが続く間は、海辺での海水浴を行う学生・教職員の姿を見ることが出来るだろう。


【PL向け】
 後期開始についてのお知らせとなります。
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