学園地区の校舎群の一つ。様々な教室や研究室などがこの建物の中に設置されている。
外観としては現代的なビルのようなもの。
※それぞれの教室などの詳しい情景などはある程度自由にしてくださって構いません。

選択した場所に入室します。

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参加者(0):ROM(1)
Time:02:18:07 更新


ご案内:「第一教室棟 教室」から恋ヶ窪 あい子さんが去りました。 (09/25-23:07:23)
恋ヶ窪 あい子 >  
――気を抜くとすぐにぼうっとしてしまう。

―― そしてぼうっとすると……、

―― …………。

「……ちょこっと、ちょこっとだけ、調べてみて……いいかな?
 それで冷静になるかもしれないし、それに、お礼の為にも好みとかリサーチしないといけないしっ!」

新たなる悪癖の発露に伴い、上体を起こした少女の顔に生彩さが戻る。
先程までのぼんやりとした眼差しは爛々と輝き、翡翠の中にチラと紅玉めく彩りが宿る――瞬きをした次の瞬間には失せてしまう程に微かな色ではあるけれど。

そうと決まれば時間を無駄にしている暇などない。
消しゴムを拾う為に立ち上がろうと手をつくと、机がミシと軋む悲鳴をあげる。
慌てて両手を頭の上に挙げると、まるで万歳のようなポーズになった。
幸いにしてお昼休みは半ば以上過ぎていて、教室にいる生徒は極少数。
それも、少女の生態を知っているからか気にした素振りもない。

それでも少しだけ気恥ずかしそうに身動ぎしながら転がってった消しゴムを拾い上げ、手早く筆記具等を片付ける。

教室を飛び出した少女を止める者はだれもいない。
(09/25-23:07:17)
恋ヶ窪 あい子 >  
ミスばかりだ。上の空になるのは自身の悪い癖である。

だが、意思に関わらず誰かを好きになった瞬間に発動してしまう異能――それが発動している状態の方がデフォルトになるくらいに恋多き乙女の為、シャーペンをへし折ってしまうのも止む無しなのかもしれない。

不規則に跳ねながら転がっていく消しゴムを取りに行く気力もない。
幸いにして次はお昼の時間だ。次の授業まで余裕がある。

「はぁ……。」

ノートに覆い被さるみたく机に伏せて、大きなため息を零した。

「この状態でもフツーに過ごせるように、制御の訓練するべきかな。
 って、毎回思ってる気がする~!」

早々に少女を見捨てた友人が居れば、「無駄でしょ。どうせすぐまたそこら辺の犬猫にでも惚れるんじゃない?あっ、私はやめてよ!」なんて呆れた顔して言うんだろう。

「犬や猫には惚れないもん……たぶん。」

脳内の友人にツッコミをいれる。たぶんとかついてるけど。
(09/25-22:25:22)
恋ヶ窪 あい子 >  
板書も殆ど進んでおらず、開かれたままのノートは白い。
惰性で握っていたシャーペンが思い出したかのように動くが、綴るのは現在進行形で消されている授業内容ではない。

丸みを帯びた少女らしい字で、カタカナを三つ。
それを幾つも幾つも連ねては、最後にハートマークを描きかけて、

「ハッ! や、やだもう!あたしったら、また暴走しちゃうとこだった!
 だめだめ。次は、次こそは慎重にならなくちゃ……。」

慌てて描きかけのハートマークを塗り潰す。
大量に綴られたカタカナも同じく塗り潰してしまおうとするが、こんな有様でも異能の発動条件を満たしていない(恋をしていない)状態。有り余る力がシャーペンの芯……どころか、シャーペンそのものをバキッ!と鈍い音を響かせてへし折ってしまった。

やってしまった。嘆息を漏らしながら折れたシャーペンを仕舞って、かわりに消しゴムを取り出そうとして、

「あっ。」

取りこぼしてしまった。消しゴムが教室の床を転がる。
(09/25-21:59:11)
恋ヶ窪 あい子 >  
終業のチャイムが鳴り、ぞろぞろと生徒らが教室を後にする中――
少女の翡翠色の瞳はただぼんやりと虚空を見つめている。

心此処に在らずといった風なのは今に始まったことではなく、
授業中教員に叱責され、その度に慌てて背筋を伸ばすということを何度繰り返しただろうか。

少女の友人らは慣れた様子で「あ~またか~。」「あれ?でも付き合ってる人いなかった?」「フラれたんだって。」「で、直後にこれ?」「毎度の事ながらいっそ感心するわ。」「「「ほっとこ。」」」と、早々に匙を投げて少女を残し教室を去っていく。
(09/25-21:38:41)
ご案内:「第一教室棟 教室」に恋ヶ窪 あい子さんが現れました。 (09/25-21:31:29)
ご案内:「第一教室棟 教室」から五百森 伽怜さんが去りました。 (09/22-03:49:05)
ご案内:「第一教室棟 教室」から東山 正治さんが去りました。 (09/22-03:43:57)
五百森 伽怜 >  
「……色々あって、先生っていう人達を心から頼っていこうという気には、
 まだなれないッス」

それは、この学園に転入する前のことだ。
未だにその呪縛が己を縛っていることを、五百森は痛感する。
それは、眼の前に居る教師が抱えている憎しみ(クサリ)と、
もしかしたら似通ったところがあるのかもしれない。

それでも、かつて自分に迫った教師は、
今目の前に居る教師とは違う存在であることは百も承知。
だからこそ、そのことを自分に言い聞かせて――

「だけど、全部を憎いって言いながら、それでも生徒(あたし)に手を差し伸べてくれるなら。
 お世話になるッスよ、東山先生。
 それとも、お客様って呼んだ方が良いッスかね?」

――その手(名刺)を取るのだ。

そうして、いつも周囲に見せている明るい顔でそのようなことを聞いて。

「それじゃ、失礼するッス!
 ……先生は怖い人ッスけど……いいとこも、ちゃんと知ってるッスから」

ぺこりと腰を折って、去っていくのだった。
(09/22-03:40:37)
東山 正治 >  
「ふぅん……そっか。なら良かった」

血を流してまで少女の体に手を出さなかった。
そこまでするなら好き嫌いの問題ではない。
意地か、或いはそうさせる何かがあったのか。
全てが見通せるなら苦労はしない。犯罪者、お騒がせもの。
だが、殺害と言った犯罪は犯していない
少なくとも、東山が手にした情報の限りで言えば、になるが。
それと照らし合わせれば使えなくはない情報だ。

「まぁ、五百森ちゃんがそういうならいいでしょう。
 手ぇ出されずに良かったねェ。けど、そう言うのばかりじゃないからね?」

不可抗力とは言え、そこは教師。
形式上だけの注意は残しておく。
はぁ、と気が抜けたように後頭部を掻いて振り返る。
既にそこに、あのような悪意は何処にもない。
笑みではなく、真面目な一人の大人の表情。

「いいさ。アイツ(ノーフェイス)の事は大体わかった。
 とりあえず五百森ちゃんが無事って言うなら、それでいいさ」

「……後、悪いね。事情も知らずにオタクの両親をバカにした。申し訳ない」

その笑顔には嘘はないだろう。
だが、そこに至るまでの過程は"教師として"は褒められたものではない。
無論、東山はその行いを一切後悔も反省もしない。
教師である以上、謝るべきところはケジメとして、謝罪した。
彼女が合わせるかは知らないが、視線はしっかり、少女の顔を捉えていた。

「とりあえず、話は以上。悪いね?何度も怖がらせてさ。
 最後にお詫びと、小言を一つあげようかな……」

懐に手をいれる頃には、ヘラヘラと何時も通り胡散臭い笑みが貼り付けられている。

「何度も言うけどさ、今回は不幸中の幸い
 二度同じことがあるとは限らない。五百森ちゃんは生徒だろ?
 だからさ。学生のうちに教師(オレら)をもっと頼りな。
 ……オレは見ての通り、オタクのことが嫌いさ。別にオタクだけじゃない」

「この世の何もかもを、憎んでる」

ご覧の通りだ。嘘偽りはない。
その人間性は決して、褒められたものではない。
そして、それを隠すこともしない。
これは、東山なりの線引き。自らの人間性を初めに伝えておく。
今度は懐から取り出したそれを、机へと放り投げた。
コン、と缶にあたったそれは、名刺だ。
教師の個人名刺。しっかりと連絡先も書いてある。

「……それでも頼るってんなら、それには応える。
 オレも教師だからね。別にオレ以外だっていい。
 オレの隣、体は小さくて声はデケェけど面倒見のいい教師もいるしな」

「後は、探偵の真似事もやってるからさ。特ダネもあれば"買うぜ"?
 ……補助制度があっても高いらしいじゃん。必要があれば、だけどね」

世を憎み敵意をむき出しにする本性でも、
それを抑え込み世間と向き合うのが大人であり、教師だ。
この学園にも教師はごまんといる。皆個性的だが、
教師である以上皆、どんな形であれ生徒を導く力を持っている
それが教師であるために必要なものだ。
東山もそれを持ち合わせているからこそ、未だ教鞭を握れるのだ。

「じゃ、話は終わり。悪いね、時間掛けちゃって。
 そろそろ日も沈むから、帰り道には気をつけなよ?」
(09/22-03:29:46)
五百森 伽怜 >    


だから……あたしは、大丈夫ッス」

だからこそ。
その笑みは、この教室に来てから一番自然で、明るくて。
穏やかな少女の笑みだったのだろう。 

 
(09/22-03:00:11)
五百森 伽怜 >  
東山(おとこ)が近づけば当然、震えは大きくなって。
視線を逸らし、唇を噛む。ただ、どれだけ震えても、逃げ出すことだけはしなかった。

暫しの後。
その緊張と恐怖は、机に置かれた簡素な音で、一瞬にして溶けるのだった。
ほう、と一息をつく五百森。
少女なりに理解している。
彼が持つ闇は、目にしてきた男達の目とはまた、質が異なるものだ。

「……先生達が、ノーフェイスの動向を追っていることは知ってるッス。
 先生達から見れば。
 特に、東山先生から見れば、許せない人間だと思うッス。
 色眼鏡がかかってるのも当然ッス。あたしだって、人のことは言えないッス――」

お騒がせ者の犯罪者。
この学園の治安を守る立場からすれば、目の上のたんこぶであろう。

「――だけど、あの夜、人は戦ってくれたんスよ。
 何故、踏みとどまってくれたのかは知らないッス。
 それでも、唇を噛んでまで……血を流してまで、あたしの魅了の眼に抗って。
 無抵抗に等しい状態のあたしに、何もしなかったッス」

法の番人(システム)の一つでなく、教師としての言葉。
それは机に置かれた缶の色味が思い出させる、歯が蕩けそうな甘さほどではなかったが。
それでもやはり、甘く感じられた。

だからこそ、五百森はしっかりと向き合って、そのように伝えた。
教師として向き合ってくれるならば、こちらも生徒として向き合えるのだ。
(09/22-02:58:49)
東山 正治 >  
【糖度100%!Maximum coffee!】
机に置かれた未開封の缶にはそう書かれている。
一部のマニアには人気の、激甘のコーヒーだ。
東山は、少女の体に指一本触れることなく、
ただコーヒだけをおいて通り過ぎていった。
そのまま何をするわけもなく、先程いた窓際へ。

「……まぁ、なんだ……」

振り返ることなく、声音はちょっとだけ気まずそう
気づけばあの凍えた空気も、淀んだ気配もない。
空調の効いたアロマの香りが、また夕焼けに返ってきた。

「怖がらせたのはまず、謝る。悪いね。
 ……五百森ちゃんの証言を現状確固たるモノにする証拠は無し」

「けどまぁ、"信じるよ"。一応、教師だからね」

法を司るものとしては、彼女の全てを養護できない。
神出鬼没の赤い違反者。その関係性、内容、行われた事。
結局の所何一つわからない。信ずるには値しない。
だが、東山は同時に教師だ。無論、無条件ではない。
そうであっても、震える体を、自らの恐怖を乗り越えて訴えかけた。
逃げ出そうとすることも、泣き出すことも出来た。
だが、敢えて立ち向かってきた。その根底がなにかは察せないが、
そうさせるほどの信頼を、あの違反者は勝ち取ったと言う事
ならば、そこまで言った生徒を信用しないのは、教師として間違いだ。

「……で、本当に人見知り(ノーフェイス)何もしてないんだな
 憶測にはなるけど、何となく状況はわかるよ。
 その上で、五百森ちゃんは何もされなかったんだな?」

彼女はその体質で、多くの苦労をしてきたのだろう。
その日は抑制剤がなかった。どういう状況かは想像できる。
そんな状況で、何も起きずに、彼女を助けた
その言葉は公安として、法の番人としてではなく、
一人の人間として、教師として彼女の安否を気に掛けるものだった。
(09/22-02:44:42)
東山 正治 >  
 
               コトッ
 
 
(09/22-02:44:18)
東山 正治 >  
東山は腐っても法律に関わる人間だ。
証言の重要性もそうだが、証拠の重要は何よりも知っている。
そして、それを証明する難しさ。
たかが同好会程度の子ども(アマチュア)に、
本職(プロ)と同じものを持ち得るはずもない。
今の御時世、人の記憶(あたま)を覗く術だってある。
死人だって法廷に立つことだってある。
世の中も法律も、その仕組も大きく変わり続けている。

「───────……」

身体検査。それもありだろう。
委員会に持っていって頭の中を覗き込む。
証明するのであればそれが手っ取り早い。
東山は何も言わない。何も答えない。
視線も、瞳の色一つも変える気配もない。
肌にへばりつく気色の悪い沈黙だけが間にある。
夕焼けの向こう側。扉の前は影だ。
影から悪意が、覗いている。

数分、感覚としては数時間と錯覚したかもしれない。
不意に、東山が一歩前に出た。
影から、這い出るように東山(おとこ)が一歩、また一歩とよってくる。
まるで鉛のように重く、確かに大きな足音が近づいてくる。
(そこ)に今まで向けてきた男達の熱情や欲望はない。
純粋な悪意、怨み、そして、殺意
腹の奥底で数十年以上煮えたぎったそれは、
数百年、数千年の怨みに勝るとも劣らないものになっていた。



その脳裏にある記憶を重なるように、大人(おとこ)の手が、夕焼けに───────……。
(09/22-02:43:57)