学園地区の校舎群の一つ。様々な教室や研究室などがこの建物の中に設置されている。
外観としては現代的なビルのようなもの。
※それぞれの教室などの詳しい情景などはある程度自由にしてくださって構いません。
参加者(0):ROM(1)
Time:07:11:52 更新
ご案内:「第一教室棟 ロビー」からセロさんが去りました。
■セロ >
その日は悪戦苦闘しながら日が落ちるまで勉強に費やした。
ふ、不安だ。
この世界のルールを知れるだろうか。
■セロ >
しかし、覚えなければならない。
勉強は。しなくては。ならない。
学籍を得たいのに勉強する気がないなんて。
そんなのは文明人ではない。
交差点の手前から30メートル以内の場所は駐車も停車も禁止されている!
これはマル!! だって巻き込んだりしたら危ないし!!
答えはバツ!! 禁止されているのは5メートル以内!!
黄色の灯火の信号に対面する場合、車や路面電車や歩行者は他の交通に注意して進むことができる!
わかんない! マル!!
答えはバツ!! 黄色の灯火が点滅の場合にはマルだけど灯火の場合はバツ!!
路面が水で覆われているとき高速走行をすると、
タイヤが水の膜の上を滑走することがあるが、これをフェード現象という!!
知らないよおおおおおおおおおおおおおぉぉ!!!
もうダメです。おしまいです。
簡単な教本も理解できない死神なんていません。
私は完全に折れてしまいました。
■セロ >
夕暮れ。外はカラスが鳴いている。
私も泣きたい。
何故、この世界は斯様に複雑にできているのだ。
大いなる自然の息吹に抱かれていた佳き時代よ。
私は負けた。
この本に……負けたんだ。
■セロ >
こ、こんなことで……こんなことで負けられない…!
私は死神セロだ、決して初心者向けの本に負けるわけには…!!
いかないんだぁ!!
問四。通行止めの標識があるところでは車や自転車、歩行者のすべてが通行できない。マルかバツか。
フフフ……ふははは!!
いや……強敵だったよ、お前は…ははは。
だが私の背にあるものを見誤ったな!!
翼で飛行すればそんな標識、関係あるものか!!
答えはバツ!!
答えは……マル。
必ず止まりましょう。
宇宙が広がった。
■セロ >
なるほど……そういうことか。
これは私の常識を問うためにわざと引っかけ問題を出しているのだ。
これで悔しい思いをすれば簡単に忘れまいと。
こんなことで挫けたらニュープロヴィデンスのみんなに笑われてしまう。
私は精一杯ここで生きて、いつか元の世界に戻るんだ。
問三。青色信号の場合すべての車は直進し、左折し、右折することができる。マルかバツか。
ふふふ……今度こそマルだ。
三連続でバツにしようとして私を謀ろうとする線は薄い。
このモルテの死神セロ、決して御しやすい阿呆ではない。
青信号である限り、全ての車は進める!!
間違いない!! マル!!
答えは……バツ。
原動機付き自転車は二段階右折をする必要があります。
グニャリ、と背景の空間が歪んだ。気がした。
頭痛がする……この本には悪意が込められている…
■セロ >
気を取り直して次の問題に移ろう。
私にできることを積み重ねて、学籍を得るんだ。
問二。中央線は必ず道路の中心にひかれている。マルかバツか。
これは……間違いではないように思う。
今まで見た道路でもあの白いラインは完璧に中心に引かれていた。
これほどの技術を持つ文明があるのには驚きだ。マル。
答えは……バツ。
中心ではなく、道路の中央にひかれています。
「……!?」
言葉の綾ではないのか……?
それとも私がこの世界に来た時に脳に入ってきたニホンゴが間違っている?
そ、そんなことはない。
今まで人と話していて不足は感じなかった。
■セロ >
本を開く。
まずはシンプルな文章が並んでいる。
なるほど、死にたくはならないが確かにわかりやすい本だ。
(死にたくはならないが)
では問題文に移ろう。
小テストも同じ傾向だろう。
問一、赤信号は必ず止まらなければならない。マルかバツか。
簡単な問題だ、赤信号は車がやってくる。
眼の前に赤信号が点灯していたら、止まらなければならない。マルだ。
答えは……バツ。
風紀の緊急車両などはその限りではないため。
「!?」
バカな……そんなことが…いや、何事にも例外はあるのだろう。
それを見過ごし、断定口調に乗った私の意思の弱さだ。
次の問題へ……
■セロ >
私は空いている教室棟で勉強をしている。
異邦人もまた、学籍を持てるのだ。
最低限の常識さえ学べば。
学籍取得に向け、私は交通ルールを学んでいる。
“死にたくなるほどよくわかる!! 交通ルールの基本”と書いてある本を開いた。
まずは簡単な交通ルールについて、この本を読んで理解しなければ。
本を開き、大鎌を肩に引っ掛ける。
理力さえ通さなければ斬れないので危険はない。
ご案内:「第一教室棟 ロビー」にセロさんが現れました。
ご案内:「屋内プール」からスノウさんが去りました。
ご案内:「屋内プール」から小鳥遊 日和さんが去りました。
■小鳥遊 日和 > 「えへへ…!」
生徒と先生がお互いに恥ずかしがっているのは
なんとも奇妙な図だけれど、お互いとっても嬉しいことを
言われてしまっているのだから仕方ない、たぶん。
「うん、無理のない程度にがんばってね。
水泳は思ったより体力を使うから…。」
スノウさんは前にあんまり体力がないと言っていたし、
そこだけは先生としてちょっと心配。
とはいえ、体がだるくなってきたら上がるだろうから、
そういう意味では気軽に彼女に呼びかけた。
「胸が熱く…。 はい、スノウさん。
わたしがわかることなら『ゆっくり』…。
はい、二人でゆっくりできる場所で、お話しましょうね…?」
どこか幼く愛らしい声色で、相手の問いかけに答える。
プールの縁を掴むようにしてずるりと上がってから、
車椅子の近くにおいてあった台へ。
彼女と『ゆっくり』お話することは……きっとこのあと、
ふたりでお話する場所で明らかになるのだろう、たぶん。
■スノウ > 「...瞳が、綺麗?...えへへ。
せんせ、ありがと...その、私も恥ずかしい。」
今私がどんな気持ちなのか今理解できないけど。
先生と私が恥ずかしいって事くらい、分かる。
「そうですか...?うれしい、もっと頑張る...。」
一緒に手伝ってくれるのはすごく助かる。
先生は、教師として立派だと感じるし、これからもそうだろう。
「...せんせ、私、ね?よく、胸が熱くなるの。
今もずっとそうなの。...『ゆっくり』教えてほしくて。
みる事も、それと同じことなのかな、って。」
私の頭は今、先生の事しか、見れてない。
なにか...束縛されてるような、気がするけど...。
それでも、いいや...。
「...あっ...えと...その、二人で、ゆっくり。
できるばしょが、いいな...っ」
私の中で何か、壊れたような...そんな気がした。
身長差のせいかな...いいや、わたしの、本能だろう。
顔が赤いまま、プールをあがろうと提案してみる。
■小鳥遊 日和 > 「あっ、あ…はい、恥ずかしい、です…!
その、きれいな瞳がすごく近くて…。」
彼女の言葉に真っ赤になりながら答える。
恥ずかしがっている理由をきちんと説明するのも、
また恥ずかしさを煽る結果にしかならなかった。
「あっ、すごい! スノウさん、ちゃんと泳げてますよ! 上手!
それなら授業なんかでもバッチリ問題ないですよ!」
手を縁から離すと沈んでしまうので、尾鰭で水面を叩いて拍手代わり。
生徒さんが”自分ができること”に気づいた瞬間を見るのは、
教師としてものすごく幸せな時間だった。
「え…あっ、あれ…あれ…?
いえ、あの、見るとか見たいとかという話ではなくて……。
その、あの……。」
彼女の言葉がちょっぴり嗜虐的な…意地悪な色合いを帯びる。
それを感じ取った瞬間、人魚もどきの本能が首をもたげた。
「…スノウさん、一緒に、どこに行きますか?
それによっては、わたしも…お返事の仕方が変わってきますよ…?」
どこか媚びるような音色の、甘い声色で彼女に問いかける。
そろそろとプールの縁を伝い、彼女へと近づいた。
頭一つ分以上もある、彼女と自分の身長差。
傍目から見れば…年下の人魚が年上の女の子に甘えているようにしか見えないだろう。