2024/09/19 のログ
ご案内:「第一教室棟 食堂」に緋月さんが現れました。
ご案内:「第一教室棟 食堂」にポーラ・スーさんが現れました。
緋月 >  
とある日の昼下がり。

「……今日は何にしましょうか。」

食堂のメニューとにらめっこをする、暗い赤の外套(マント)に書生服姿の少女。
彷徨っているのは、本日のおすすめメニューの辺り。

「……やはり、お値段と量からいって、ラーメンセットでしょうか。
チャーハンに、餃子までついてくる…!」

悩む。
たかが食と侮るなかれ、しっかりとした食事は身体の維持と鍛錬の為に
大切なものなのである。

最も、主に重視しているのは量の方であるが。

腕組みしながら、長考に入りかけそうな悩み具合。
 

ポーラ・スー >  
「――あら、それだと栄養バランスがよくないわ」

 ひょこり、と。
 背伸びをして少女の肩口から顔を出すようにして、悩んでるメニューを一緒に眺める女。
 気配を殺していつの間にか背後に来ているのだから、武術を嗜む少女からしたら堪ったものではなさそうだが。

「るなちゃん、いつもそういうのばかり食べてるの?
 だめよー、まだまだ成長する時期なんだから」

 なんて、そんな事を言っている女の両腕には、大きな重箱を包んだような風呂敷が抱えられていた。
 

緋月 >  
「ふぉっ!?」

びっくりした。
ちょっとびくっとしたせいで、外套に隠すように背中に背負っている代物が、ちょっと音を立ててしまった。

「び、びっくりした……誰かと思ったら、あーちゃん先生ですか…。」

気配を隠しての背後からの接近は、少々心臓に悪い。
とても焦った少女だった。
気が抜けた拍子に、大きく息を吐く。

「気配を消して背後から接近しないでください…割とびっくりしました…。

いつもではないですよ。
昨日はキャベツ付きでカツ丼を頂きましたし、おとといはイワシの焼き魚定食でした。
ラーメンセットは………週に1回か2回くらいのぜいたくです。」

ラーメンセットが贅沢とは。

とりあえず毎食ラーメンでないという事は、食事のバランスに
少女なりに気を使ってはいるらしい。
 

ポーラ・スー >  
「ええっ、だって驚いたるなちゃんがみたかったんだもの!」

 くすくす、と笑って。

「あらあら、それが贅沢だなんて。
 そんなにやりくりが大変なのかしら?」

 ちょっとだけ心配そうな声をしつつ、こほん、と咳払い。

「それじゃ、あらためて。
 ――はぁい、愛しいお月様。
 一緒にお昼ご飯にしましょ?」

 そう言って、両腕でなんとか抱えられている、巨大な重箱の風呂敷を見せるのだった。
 

緋月 >  
「そんな理由で驚かされてたら心臓に悪いですよ…。」

はぁ、と小さく息を吐く。
この先生の事は嫌い…という訳ではないのだが、こういう掴み処がない所や、
何をしてくるか読み切れない所は、ちょっぴり苦手気味な少女であった。

「一緒にお昼――って、これ、全部ご飯ですか…!?
ちょっと…行き帰りの持ち運びが、すごく嵩張りそうなんですけど…。」

割と心配になった。
中身を綺麗に食べ切れば帰りは嵩張るだけで済みそうだが、
持ってくるときはすごい荷物だ。

それはさておき、お呼ばれになったお食事。
しかも、量がすごい。…充分、お腹いっぱいになれそうな気はする。

「……それでは、せっかくなので、お呼ばれになります。」

結局、食欲を優先する事にした。
 

ポーラ・スー >  
「ええ、全部ご飯よ!
 わたしの親友が作ってくれるの。
 とーっても料理が上手なのよ」

 そう言いながら、きょろきょろ、と人口密度の低い席を探して。

「あっ、あっちが空いてるわ!
 早く行きましょ、席取らないといっぱいになっちゃうわっ」

 と、パタパタと足音を立てて、席を取りに駆けて行ってしまう。
 どこか子供が浮かれているような様子にも見えて、後ろから見ていたら転んで泣き出す未来が見えそうな足取りだ。
 

緋月 >  
「うわぁ。」

とうとう口から出てしまった。
そんな量を作って持たせるのは作る方も持つ方も大変なのでは、という感想。

「はーい、わかりました…って、先生、落ち着いて、歩いて!
転んだら折角のお弁当が台無しですよ!」

慌てて後を小走りに追いかける書生服姿の少女。



さて、無事に空いてる席を取れたら食事の用意である。

「では、ちょっと失礼して……。」

ぱちん、と外套の留め金を外すと、畳んで手近な所に置いておく。
すると、背中に背負った長大な片刃の大剣がこんにちはである。

「よいしょ…っと。」

こちらも背負ってるのを下ろし、鞘…といっても、革のカバーのような代物であるが、
それに入った大剣を近場に立てかけて置く。

「すみません、色々と荷物が多くて。」
邪魔になっていないか、先生にちょっと確認。
 

ポーラ・スー >  
「あらあら、荷物が沢山ね。
 いいのよ、でもあんまり他の子たちを、驚かせないようにしてね?」

 個性的――というなら女とさして変わらないが、そんな衣装の少女。
 そんな少女が目立つものを背負っていれば、不安がる生徒がいないわけでもない。

「さ、落ち着いたら食べましょう!
 ふふっ、今日は何を作ってくれたのかしら」

 そう言いながら風呂敷を広げて、四段重ねの重箱の一番上を開ける。
 すると、一番上の段にはふわふわとした、マッシュされたポテトと、マカロニ、コーンにグリーンビーンズ。
 瑞々しいレタスが敷かれた上に、たっぷりと詰め込まれているのはマカロニとポテトのサラダだった。

「わあ、とってもふわふわで、柔らかそう!」

 そう、嬉しそうに言うが――その量はわりととんでもない。
 

緋月 >  
「あははは…すみません。
今はちょっと、これがないと心細いもので。そうでなくても、
随分と助けられた代物ですから…。」

…恐らく、この先生の事である。
既に自身に起こった、ある大事件についても知っているのではないか、と思いつつ。

それはさて置き、重箱の一番上を見て、思わず言葉を失う。

「――――すごい量、ですね。」

何とか、それだけ声が出た。
まさか、この量を毎食食べているのだろうか、と少々の心配も来る。
おいしそうなサラダであるが、量が随分だ。

「……まさか、毎食、お昼がこんな量なんですか?」

ちょっと心配になって、勇気を出して訊ねる事にした少女であった。
 

ポーラ・スー >  
「ふふ、大事なお友達を助けた後、だものね?」

 そう微笑んで、それを咎める様子はなく。
 ただ、ほんの少し誇らしげに見えたかもしれない。

「食べ盛りの子がいるから、二人分作って?
 ってお願いしたらこんなになっちゃったの。
 んー、わたしは一人じゃこんなに食べられないけど」

 少し考えながら、そっと一段目を横に置くと。

「もしかして、るなちゃんはこれくらい、ぺろって食べちゃえるのかしら?」

 そう言いながら、次に見えたのは、ミートボールとミニハンバーグの山。
 ミートボールとハンバーグの中には、シンプルだったり、チーズが入っていたりとする。
 

緋月 >  
「うわぁ…。」

つまり自分が食べる事前提で作って貰ったという事か。
すこし頭を抱えたくなった書生服姿の少女だったが、折角お呼ばれになった事だし、
中々食べ応えのある量ではある。

「ぺろっと…とまでいくかは分かりませんけど、普通よりは食べる方だとは思います。
身体の維持や体力をつけるのに、ご飯は大事ですし。」

そう言いながら二段目を眺めつつ、「お友達」の話題になれば、少しだけ、沈んだ雰囲気。

「…今は、ICUで昏睡状態です、けれど。
まあ、仕方がない話だとは思います。あのひとの、素性を考えれば。」

――生存が絶望視されていた人物が、意識不明とは言え生きて帰って来た。
しかも、特級の危険怪異に「完全に」感染した状態から、でだ。

ある意味、当然の処置だとは分かっている。
この島の技術などでの「安全性の確認」が必要な事は、分かっていたのだ。

…少し真剣過ぎる話題になりかけてしまった。閑話休題。

「まあ、アレです。また会えた時に、食が細くなった情けない恰好は
見せられないですから。」

言いながら、手近にある割り箸を探そうとする。
流石にお箸まで持って来ているかは分からないので、そこ位は食堂のものを使おう。
 

ポーラ・スー >  
「あら、それはよかったわ!
 沢山食べられるなら、きっと沢山成長できるわね」

 両手を合わせて笑って、理屈にはあっているのに、目の前の現実的にはそこそこ無茶な事を言う。

「――こわーい先輩にも、怒られちゃったものね?」

 くす、と目を細めて。
 少女の行いを、どこか嬉しそうに、楽しそうに微笑んだ。

「それじゃあ、沢山食べないとね?
 この下は――あ、ご飯とお味噌汁かしら」

 重箱の三段目と四段目は、ツヤツヤとふっくらとした白米と、蓋つきの容器に入ったシンプルに出汁の利いた豆腐のお味噌汁だった。

「はい、じゃあ、こっちがるなちゃんのぶんね」

 そう言って、三段目の重箱を差し出した。
 重箱一段分の半分の白米と、また半分の味噌汁が少女の前に。
 二人の間には、大量のポテトサラダとお肉たちが並んでいた。
 

緋月 >  
「……見てたんですか、意地の悪い。
大事な「相棒(友達)」との別れで、あんな情けない有様を見せたなんて、
他の人にはとても言えないですよ…。」

ぼそぼそと、先生にだけ聞こえるような声で話しかける。
あの一部始終まで見ていたなら……というか、『先輩』が目の前の
教師らしき人について言及していたような気もする。
知り合いだとして、一体どんな関係なのだろう。

――まあ、今聞く事でもないと思ったので、流して置く事にした。
今はご飯の時間である。

「お、おぉぅ……中々、量がすごいですね。
お味噌汁まで付いて来るとは、至れり尽くせりと言えばいいのか。
……保温容器、でしたっけ。
時間が経っても温かいままというのは、知った時には驚きました。」

恐らく、このお味噌汁のそれも保温の機能がついた容器だろうと推測。
でなければ、そう簡単に持ち歩けない。

「では早速ですが、いただきます…!」

まずは白米から。これはこれで、もし冷めていたとしても充分おいしいと思う。
むしゃ、と一口運び、よく噛んで頂く。

「――はぁ、おいしい…!」

ラーメンも悪くなかったが、やはりご飯が一番である。おいしい。
幸せそうな顔を隠そうともしない少女であった。
 

ポーラ・スー >  
「ふふ、あの子は厳しいけど、とっても優しい子よね。
 可愛い教え子だけど――わたしはちょっと嫌われてるの」

 どうしてかしら、と頬に手を当てて、はぁ、とため息を吐いた。

「でも、大事なお友達と別れる時は、ああいう物だと思うわ。
 思わず、駆け寄って抱きしめたくなっちゃったけど――」

 そう言ってから、いただきます、と丁寧に言って女自身も食べ始め。
 少し間を置いてから。

「わたしがやっちゃったら、るなちゃんの彼女さんに怒られちゃうでしょ?」

 と、そう、さらりと言った。
 

緋月 >  
「教え子――ですか?
えと、椎苗さんが、あーちゃん先生の…?」

どういう関係なのだろう…と、余計に謎が深まった。
ただ、此処は「学園」である。
もし『先輩』が此処に学生として籍を置いているなら、「教え子」という理屈も
比較的簡単に成り立つのではあるが。

(…そういうこと、だったら分かり易いんですが。)

ポテトサラダにお箸を伸ばし、もしゃり。
うむ、こちらもとてもおいしい。
つい頬が緩んでしまう書生服姿の少女。

「まあ…何です。今生の別れという訳でもないですし、
『先輩』から、いつでも話をしに来ていいとは言われましたし――」

と、其処まで言った所で、唐突にとんでもない話題を振られて、ちょっとむせてしまった。

「う゛っ、ごほっ、ごほん…!

か、か…かのじょ、って――――!
…はっ。」

思わず大声を出してしまい、ちょっと視線を浴びてしまった。
恥ずかしさに縮こまってしまう。

「……はずかしいですから、あんまりそういうの言いっこなしですよ…。」

何とか落ち着こうと、今度はミートボールにお箸を伸ばし、一口頂く。
うむ、おいしい。ちょっと落ち着いた。

「しかし、おいしいお弁当ですね。
……でも、あーちゃん先生、普段はこれより少ないんですよね。
やっぱり、同じ人にお弁当作って貰ってるんですか?」

ちょっとだけ気になった。たわいのない質問。
 

ポーラ・スー >  
「そうそう、初等教育の重鎮さんよ」

 何年初等教育受けてるのかすらわからない、小さな『大先輩』。
 女にとっても、学園生活においては先輩だった。

「――あら」

 むせる少女に対して、意外そうな顔をする女。

「だって、あの紅いお嬢さんから、るなちゃんの匂いがしたから。
 そういう関係なんだとおもってたけれど、違ったかしら?」

 うーん、と首を傾げて。

「わたしの直感も、鈍っちゃったのかしら」

 わざとらしくそんな事を言いつつ。

「いつもはこれの半分くらい?
 お弁当を作ってくれるのは、ほんとにたまーになの。
 お願いしても、十回に九回くらい断られちゃうもの」

 少女よりもさらに小さな一口で、ちまちまと食べる。
 ただ、その手はなめらかに動くもので、それなりに食べれるらしい。