2024/06/21 のログ
■ポーラ・スー >
「ふふふっ、あはは――っ」
両手を広げて、大きく声を上げて笑う。
狂っている――本当にそうだろうか。
「――別に、わたしが片付けてもいいのよ?
でも、そんなの、なぁんにも面白くないわ。
だって――こんなにドラマチックで、ロマンチックなのに!
deus ex machina.の出番なんて、あったらいけないわ!」
高らかに、謡うように笑い、踊る。
「あぁ――なんて愛しい子たちなのかしら!
みんな、みんな、みんな――わたしが愛してあげたい。
わたしの手で、抱きしめてあげたいわ!」
それは紛れもなく、愛情だった。
ほんの一欠けらの曇りも、打算もない、純粋な愛情。
今、この島で、苦しみ、悩み、痛みを抱えている子供たち、その全てを愛していると――。
「――でも、ダメなのね。
ああ、わたしはこんなにも、あなたたちを愛しているのに」
その蒼色には何も映らない。
壊れた愛情だと、愛に狂ったと、本性を知る者は言うが。
――それは本当に狂気なのだろうか。
■ポーラ・スー >
「Ah――ego Desidero amplec est.」
通信機の向こうから、音が消える――
「――ああ、未来を求める新芽は、光の様に輝いて。
――ああ、遠いあの日の涙は、川底に広がり荒野に注ぐ。
――ああ、花が敢えて枯れる時、新たな物語が幕を開ける」
その声は朗々と――悠々と――
「――ああ、一つの終わりは、いくつもの始まりに。
――ああ、ありのまま終わり、ありのまま始まる。
――Ah」
――dilecti filii aeternus et ego nomen vocat.
――世界に、『愛』を謳い続ける――
ご案内:「第二教室棟 屋上」からポーラ・スーさんが去りました。