学園地区の校舎群の一つ。様々な教室や研究室などがこの建物の中に設置されている。
外観としては現代的なビルのようなもの。
※それぞれの教室などの詳しい情景などはある程度自由にしてくださって構いません。
参加者(0):ROM(1)
Time:20:42:00 更新
ご案内:「第三教室棟 廊下」から武知 一実さんが去りました。
ご案内:「第三教室棟 廊下」からアリスブルーさんが去りました。
■武知 一実 >
立場に限らず、個人の務め――か。
まあ、コイツに限らず大半の生徒はそういう気概で行動するんだろうとは思う時は、ままある。
前に屋上で会った女生徒もそうだったな。
じゃあ、オレは? 今はあくまでもバイトとして怪異と喧嘩してるわけで―――
そこまで考えて、考えるのを止めた。
志なんざ他人と比べるもんじゃねえ、相手に失礼だ。
「いやいやいや、謝るのはオレの方で。
前以て一言伝えときゃ、良かったんだけど――」
ノンデリ。
時たまにダチから言われる言葉をふと思い出した。
それとほぼ同時に、アリスブルーから慈しみの光が消えて、顔がみるみる赤くなっていく。
「ああっ、やっぱそうなるよな、悪い!
けど、何のフォローにもならねえとは思うけど! 別に恥ずかしがるような、身体じゃねえと思うぞー!」
あーあかずみんがまたノンデリかましたよ、とダチの声が頭で木霊する。うるせぇ。
脱兎のごとく駆けて行くアリスブルーの背に向かって声を掛けるが果たして届いてるかどうか。
「……学校とかで顔合わせるのがちょっと気まずいな」
はぁ、と溜息と共に肩を落とし、オレもその場を後にすることにしたのだった――
■アリスブルー >
「まぁ、私にだってプライベートはありますが……
それでも、人に害をなす穢があれば祓う。
これは祭祀以前に、私の務めですから」
自身の両の掌をぎゅっと合わせて握って、胸の前に置く。
「ありがとうございます。
なるほど、かずみんさんはお一人で怪異に対処したいのですね。
それですと確かに、共同作戦もよく展開される祭祀局では、働き辛いかもしれませんね。
そうとは知らず、出過ぎた真似をしてしまいましたね……申し訳ございません」
と、両の手を握ったまま青年の方へ。
ととと、と小走りに近づいて、改めて腰を深く折って謝罪をした――のだが。
「へ?」
もし慈しみが。母性が。
輝きとして見えていたとしたら。
それは今この瞬間に全て消え失せた。
「え、ええええーーっと。
私の、てててて、天辺から、つつつつつ爪先? 爪先ま、で?」
そうして、自らの頭の上に手を置いた後、すす、と手を沿わせていって。
ぷるぷる振るえていたエルフは何か思うことがあったのか、顔を真っ赤にして飛び退る。
「あのその、あの、し、ししししし失礼いたしましたーーーーっ!!!!
ごめんなさい! わ、私ったらなんてはしたない!
ああ、その……色々忘れてください! それではーーーー!」
それだけ早口で伝えれば、ばびゅーん、と。
凄まじい勢いで走り出すエルフであった。
■武知 一実 >
「ああいや、礼を言うのはこっちの方だ」
一人では走査する暇が作れなかった。
この女――アリスブルーだったな確か――が居てくれたからこそである。
……まあ、だからこそと言うべきかもしれない問題も一つあるんだが、それはそれ。
まあ、今は祭祀の仕事を横取りしちまったんじゃないか、って問題の方が――
―――お? どうやら今回は祭祀と競合した――って訳じゃなさそう?
なら怒られる心配も無ェか、こいつはツイてた。日頃の行いって奴か。
「休日のところ、仕事でもねえのに来るなんざ随分と熱心だな。
そのお陰で助かったてのも事実なんだが……神、ねぇ」
――何となく、手放しで喜べない。 いや、他人の宗教観をどうこう言う気はねーんだけども。
それはそれとして、コイツ……何か妙にキラキラしてる気がする。
あんま関わった事無いタイプだな。
「あ? 名前?
一実――武知一実、かずみんって呼んでくれ。
あ゛ー、せっかくのお誘いだけどよ、基本的に一人で戦る方が性に……まあ、能力的にも合ってんだよ。
褒めて貰ったこと悪いが、ありゃ雷――電気で辺りをスキャンしたってだけで、その――」
走査は範囲内を対象無差別に行うもんで。
さっきみてえな影なら魔力妖力の類、人間なら肉体をスキャニングして目に見えない範囲の情報を得る術だ。
で。言うまでもなく、さっきは範囲内にアリスブルーも居た訳で。
「黙ってても後味悪いから言っとくけどよ。
アンタの事も、頭の天辺から足の爪先まで、しっかり把握しちまってんだよ」
だから、極力味方の居ないところでやりてえ、っていう。
■アリスブルー >
――しかし、巨大蜘蛛とは懐かしいですね。
昔、ダンジョンを探索していた時など、よく見かけましたが。
無論、ああいった類の蜘蛛と、今回の蜘蛛は全くの別物ではあるのだが。
「ありがとうございました」
全てを見届けた後、深く腰を折ってお辞儀するエルフ。
「本日はオフでしたので、近くに買い物に来ていたのですが、
穢の気配がしたもので……何かあってはいけないと駆けつけた次第です。
まさか既に対処していただいている方が居るとは思いませんでしたが、
お力添えできたようで嬉しいです。
きっとこれも、神が導いてくださったのでしょう」
先まで戦場に立っていたとは思えないほどに、落ち着いているエルフ。
青年の方を見やれば、柔和な笑みを見せる。
もし慈しみが光として目に見えて存在しているのなら、
このエルフの周りはきらきらと輝いていたことだろう。
「お名前を伺ってもよろしいでしょうか?
祭祀局の方……ではないです、よね?
もしよろしければ、正式に祭祀局で働いてみるなど、いかがでしょう?
穢の探知も含めて、大変素敵なお手並みでしたので」
どうやら怒るつもりはないらしい。寧ろ、エルフはスカウトの為に一声かけるのだった。
一切の悪意も陰もない、輝く笑みだ。
■武知 一実 >
「ドンピシャだな、流石は本職――」
強烈な風切り音が頭上へと向かい、蜘蛛の脚を捕えた。
突然の事に理解が追い付かずに墜ちて来た蜘蛛へと、振り上げていたバットを振り下ろす。
――纏わせた雷は、厚く、重く。
前みたいな刀の刃じゃなく、今度はもっとデカい大剣をイメージして。
「これで、終ェだァァァ!!」
バットが蜘蛛型の影に触れるより一瞬先に、雷の刃が届く。
そのまま、およそ殴打には似つかわしくない音と共に影は両断された。
「――フゥー。 ナイスアシスト、助かった」
親玉の影がやられたことで、無尽蔵に湧き出ていた小影も霧散していく。
飛び掛かって来たのを吹っ飛ばしてたから気付かなかったけど、小さい方もやっぱ蜘蛛の形してたんだな。
一勝負終えた感慨に浸りつつ、オレは手助けしてくれた女へと向き直る。
……ってやべ、祭祀局って事はオレ完全に部外者じゃん。
風紀程じゃ無ェとは思うが、怒られ案件では? このまま逃げた方が良くねえか?
■アリスブルー >
「1分ですね、承りました」
任された仕事はきっちりこなす。そう言わんばかりに、穏やかな笑顔を向けるエルフ。
――しかし、大元になってる穢の探知ですか。この方、やはりかなり対処に慣れていらっしゃる様子。
口元を少しだけ緩めてその様子を一瞬確認しながら、
迫り来る影を指先から放つ矢で撃ち落としていく。
60秒間。任された時間は、十全に役割をこなすだろう。
そうして、影を撃ち落としていく中で。
青年の雷光によって照らし出された蜘蛛型の影を、エルフもまた視認した。
――やはり、対話ができる相手ではなさそうですね。なら。
「お任せください! 破壊の極矢!」
先まで指先にのみ集中させていた魔力を、今後は片腕全体に纏う。
そのまま宙空を殴るような仕草で大きく腕を振る。
上手く行けば、先程までの矢とは比べ物にならない大きさの矢が、雲形の影の脚を吹き飛ばすだろう。
■武知 一実 >
突然現れた祭祀局を名乗る女の背後でバットを竹刀宜しく正眼に構える。
これまでわんこそば形式でちまちま潰して追加して、だったのが、
まとめて数体相手取れたから新たな影の出現に手間が掛かってるみてえだな……。
「バットさん……、まあいい、今はこの状況の打開が先決だ。
ええと、アリスブルーっつったか、1分程度、連中の相手を頼めるか?」
潰しても潰しても、新たに湧き出る影。
その場にいる全部を潰せたとして、また同じ場所に湧き出てくる。
多分本体は、結構近くでこっちの様子を探ってる可能性が高い。
「1分ありゃ探し出せる、その間は任せた」
一方的に丸投げしたのは既に物陰から新しい奴らが湧き出始めていたから。
オレは早々にバットの先端を床につけ、意識を集中させて極々微弱な電流を奔らせる。
床に、壁に、天井―――範囲は今居る廊下のあるエリア一帯。
そこまで広範囲にする必要は無かったかもしれねえが、念の為。
範囲内にある凡そ全ての物を走査して洗い出せば――
「―――見つけた、廊下の先、反対側の棟の天井!
撃ち落としてくれ、トドメは任せろ!」
本体を見つけるが早いか指示だけ投げて、女の背後から廊下を一直線に駆ける。
わらわらと小影が湧き出てくるが、邪魔になる奴だけ相手して他は無視!
バチバチと雷をまとったバットを振り上げれば、迸る雷光で辺りが照らされ、天井に張り付く蜘蛛型の影も照らし出された。
さて指示通りにさっきの奴が撃ち落としてくれるかどうか――
■アリスブルー >
「おっと、ありがとうございます」
普段なら深々とお辞儀をするところだが、そんな余裕はなさそうだ。
互いの背後の影を穿ったところで、すれ違った青年と背中合わせの形になる。
近くに来れば、すずらんの清楚な香りが漂ってくることだろう。
「……では、これで。一旦は安置完成ですね。
なるべく早めに何とかしたいところですが――」
夜が来れば、更にまずい状況になるのは自明の理だ。
「――さて、バットさん。
時間もなさそうですが……出どころは既に掴んでいらっしゃるので?」
青年の名を知らないエルフは、背中の向こう側に居る青年にそう問いかける。
■武知 一実 >
次第に窓から差し込む陽光が薄くなりつつある。
もしこのまま夜の帳が下りれば、今以上に連中の湧き出るポイントが増える事だろう。
どうにかそのまえに大本命に一撃加えたい、が。
「ああクソ、有象無象が鬱陶しい!」
数体纏めて飛んで来たので、まずは一匹仕留めて振り抜いたバットを、逆手で持ち直してもう一振り。
ついでに足元にも群がって来たので文字通り蹴散らして、牽制用にバチッと一発放電しようかと思った矢先。
「……あァ?」
無機質な足音によく通る女の声。
怪異とは違う闖入者に顔を向ければ、此方――オレより少し後方へと向けられる指。
一体誰で何をするのか問うより先に口上が聞こえ、一瞬出端を挫かれた様な感覚に陥るも、
その背後に、わらわらと迫る影を見つけて。
「ッ――手ェ貸してくれンのは有難ェが、次から自分の周りを安置にしてからにしてくれよな」
咄嗟に駆け出し、女とのすれ違いざまに告げて、その背後に集まった影にバットを振り下ろした。
直接叩き潰せるのは1~2体が精々、それでもバットに纏わせた雷が爆ぜ、周囲の影も弾き飛ばす―――
■アリスブルー >
陽が沈んで間もない渡り廊下。
数多の穢が飛び交うその中で。
「……穢の気配を感じたもので寄ってみたのですが、
まさか既に対処をされている方がいらっしゃるとは」
金の髪を靡かせながら、靴音を鳴らして歩いてくる女。
青年がバットを振って影に一撃を与えるたび、特徴的な長耳がぴこんと動く。
青年――明るめの茶髪の男――祭祀局の人間ではないようだが、
どうやらこの類の怪異に対応することは、慣れているのだろう。
『どっかに本体が居て、そいつ叩けば終い』
先に聞こえてきた発言からも、それは明らかだった。
しかしこの数。一体どれだけの時間、対峙を続けているのだろう。
エルフは目を細めた。
「どなたかは存じ上げませんが、埒を明かしたいご様子。
祭祀局、祓使! アリスブルー! ご助力させていただきます!」
そう口にすると白い人差し指を青年の後方へ向ける。
「塵と砕けろ! 破壊の矢!」
清浄な光がその指先に集まったかと思うと、幾多もの矢と化す。
光の矢は自由な軌道を描きながら、その影を打ち砕かんとする。
清浄な気を纏った、乱入者による影への奇襲。
だが、その背中にもまた、幾多もの影が迫る――!
ご案内:「第三教室棟 廊下」にアリスブルーさんが現れました。
■武知 一実 >
一息ついてるところに、飛び掛かって来た影をフルスイングを叩き込んで三遊間に吹っ飛ばす。
廊下の壁にぶつかったそれは、勢いそのままに天井へと跳ねてぶつかり、床へと落ちて霧散した。
この通り、ひとつひとつは強くも無いし、耐久があるわけでもねえ。ただ、数が異様に多い。
「―――こういうのはどっかに本体が居て、そいつ叩けば終いってのが定石だが……」
面倒な事に周囲を探る方に意識を割こうとすれば、それを見計らったかのように飛び掛かって来る。
その都度バットで迎撃、あるいは拳や蹴りで対応しなければならず、周囲を探る暇なんざ出来る訳がねえ。
改めて孤高のソロバイターである事が悔やまれる。囮役でも居りゃあなァ。
「って……愚痴ってもしゃーねェかオラァ!!」
本日何度目かのホームラン。
これは今日の三冠王も目じゃねえな……野球のルールほとんど知らんけど。
■武知 一実 >
陽も沈んで間もない、教室棟と教室棟を結ぶ渡り廊下。
祝日で平常授業の無いこの日、オレは野球部から拝借したバットを片手に“バイト”に励んでいた。
まだ薄らぼんやりとした明るさが窓から差し込む中、不気味な影が四方八方から飛び掛かって来る。
「……どっ、せェェェェい!」
それをバットで吹っ飛ばして、吹っ飛ばして、吹っ飛ばす。それをかれこれ小一時間。
普段よりも早い時間指定でのバイト案内が来たなとは思ったが、こんなに数が多いとまでは聞いてねーぞオイ。
「人間だったら、……こんだけやってりゃ流石に目減りしてくんだけどな……!」
廊下の奥から、消火栓の陰から、陽の当たらないところから湧くわ湧くわ。
いや今回は本当にバットがあって良かった。
片付け忘れたのか、はたまた別の使い道でもあったのか、
何にせよ屋上にコイツが転がってなきゃ、延々スパーリングさせられるところだった。
相手が影だけに、これがホントのシャドーボクシングってか。
――クソ、いい加減疲れてんな。