学園地区の校舎群の一つ。様々な教室や研究室などがこの建物の中に設置されている。
外観としては現代的なビルのようなもの。
※それぞれの教室などの詳しい情景などはある程度自由にしてくださって構いません。
参加者(0):ROM(4)
Time:01:39:53 更新
ご案内:「第三教室棟 屋上」から青霧在さんが去りました。
ご案内:「第三教室棟 屋上」から武知一実さんが去りました。
■青霧在 > 「……今日はまた出くわさないといいな」
当たって欲しくない憶測だ。
だがもし当たってしまったら……その時は知らないフリをしよう。
「かずみんも、気を付けて」
校舎内で別れる際、そう声をかける。
お互い、怪我も余計な遭遇もなく、無事帰路につくことを願って。
待ち合わせ場所である委員会室へと向かった。
■武知一実 >
「謝られるような事でもねえって」
それこそ筋違いだろう、思わず払う様に手を振る。
堅苦しいのは嫌いって程じゃないが……どうにも息苦しく思えちまう。
青霧からすりゃそんな事は無いんだろうが、そういう部分もまた、オレが委員会に属さない理由でもある……のだろう。多分。
「おぅ、縁があったらまた―――?
……夜の校舎に? そいつァまたどうして……」
忠告じみた言葉に怪訝そうな表情を浮かべるオレ。
まあ、今の時期はテストも近くないから居残りで自主勉するヤツもそんなに多くはないだろうが……
「……へえ、なるほど。
そいつは痛くもねえ腹探られる前に帰った方が良いかもな」
風紀が怪異の討伐に、ねえ。
オレのバイトとはまた別件……だとは思うが、一応ブッキングは確認しておいた方が良さそうだ。
後は……まあ、見つからねえ様に上手くやる方法も考えとかねえとな。
「忠告どうも、青霧。
……んじゃオレもさっさと校舎に入っとくか」
焼きそばパンの残りを口に放り込むと、さっさとベンチから腰を上げる。
そのまま青霧と共に校舎へと戻り、校舎内で別れる事としよう。
■青霧在 > 「そうか。すまないな」
正直、自分がかずみんに返せる礼を特に思いつかなかった。
だから何も要らないと言ってもらえたのは助かる。
「そろそろ俺は行く」
「……そうだ、夜の校舎には気を付けた方がいい」
話している間に待ち合わせの時間が迫っている。
立ち上がり、思い出したことを伝える。
「都市伝説と実体の怪異が出るからな」
「特に今夜は風紀が討伐に来ている。現場は封鎖するが、なるべく近寄らない方がいい」
ポケットから取り出したオモイカネの電源を点けると幾つかの通知。
認証を解除せずにそのままポケットに再度仕舞う。
■武知一実 >
「ああ、オレもそうあって欲しいと思って喧嘩してっからな。
まあ面と向かって応援される筋合いのもんじゃねえってのも理解っちゃいるから、聞かなかったことにすっけどよ」
咎められたことはあっても、応援される事なんて無かったからどんな顔すりゃ良いのかも分からねえ。
だから青霧の言う通り、聞かなかったことにするってのに乗っからせて貰った。
どうせならもっと真っ当な事で応援を受けたいもんだが……生憎と真っ当な事に縁が無いからしょうがない。
「良いってこった、別に話し辛い事でも無かったし。
オレの中でも再認識出来た部分もあっから、礼を言うならオレの方もだな」
今後、更に突き詰めて考える機会もあるだろうか。あるとしたら、今日の事は足場として十分に意味がある。
「あァ?礼だ? 要らねえってそんなの、繰り返しになるがお互い様だ、御相子だ。それでトントンで良いじゃねェか」
今からは厳しいってんなら、そりゃオレの方もだ。
だから今回は互いに得るものがあった、それを礼代わりととするのが丸く収まんだろ。
■青霧在 > 「本当は俺がこんなことを言ってはいけないが……」
「風紀委員会が救えなくても、かずみんの対話でなら救えるやつもいると思う」
「だから、応援している」
応援、というのも少し妙だが。
周囲を見渡してから「今のは聞かなかったことにしておいてくれ」と付け加える。
流石に風紀委員が秩序と逸れた暴力を肯定するのは宜しくない。
「突然変なことを聞いてすまなかった」
「付き合ってくれてありがとう」
知人への理解を深めるという目的は未達だが、構わない。
「何かお礼をさせてくれないか」
「今からは少し厳しいけどな……」と眉を顰めて。
■武知一実 >
「まあ、対話手段の一つってとこじゃねえかな」
ほかに手段があるなら、それを使う事に異論は無いが。
それで片が付くなら苦労は無ェって事だろう。
オレ自身よく分かって無い部分があって、上手く言葉に出来ねえのがもどかしい。
とは言え、誇れる事でも褒められた事でも無い自覚はあるから、せめて無暗に喧嘩する事だけはしねえようにしてるんだが。
「……ま、委員会はそんな理屈で無所属で居るんだけどよ。
部活くれえは入っといた方が良いんじゃねえかとも思ってんもの事実なんだよな……ただ、丸一年何処にも属さねえで居たから、もはや惰性で無所属なんだろって言われても否定出来ねえや」
部活に関しては完全に機を逃したというのが本当のところだ。
その分バイトやらで日銭を稼いだりはしてるが……学生としてこれで良いのか、という気持ちは無くもない。
「ああ?そりゃあ、必要とされてんなら止める気はねえさ。
ま、極力遺恨やら面倒は残さねえ様に気を付けて……な」
風紀の近くでは避けたい。そもそも大っぴらにするもんでもねえ。
それに、繰り返しになるが、対人間の喧嘩は頻度が落ちてんだ。
出来る事ならこのまま風紀に目ェ付けられる機会が減ってくれるのは、オレとしても望むところだしな。
■青霧在 > 喧嘩の話とは思えない。
いや、むしろ喧嘩だからこその信条なのかもしれない。
「喧嘩という名の対話ということか……?」
相手を抑えつけることや更生を促すのは二の次なのかもしれない。
そうは言わずとも、最たる目的は孤独な人々との対話なのだろう。
風紀委員会の自分としては、褒められた行為ではない。
だが、ただの青霧在としては……見逃してしまうどころか応援したくなるような、そんな信条。
「確かに委員会に所属しているだけで反抗的になる学生はいるな」
「そうじゃなくても、肩書はどうしても重荷になっているとは思う」
もしかずみんが風紀委員会の所属であれば、喧嘩は対話ではなく暴力になってしまうのではないか。
体制のサポートがあるとしても、そもそも更生に誘導することが困難になるのではないか。
「喧嘩と言うだけでは分からないこともあるのだな」
「これからも喧嘩は続けるつもりなのか?」
同じ暴力に属する行為でも、ここまで意味合いが変わってくるのだと。
面白い話を聞かせてもらった。
■武知一実 >
「ああ、遠慮なく躊躇わずにかずみんって呼んでくれ」
やっぱり初対面で渾名で呼ぶのは抵抗があるんだろうな。
この辺もっと上手くやれりゃ良いんだが……うーん、儘ならねえもんだ。
「そういうこった。 まあ、単に喧嘩っ早い性根がかみ合ったってだけかもしれねえ」
殊更に自分で主張するのも、人から評価されるのもこそばゆくて落ち着かねえ。
だから、売られた喧嘩はほぼ買う喧嘩屋、くらいに思われてるくらいで丁度良い、とオレは思ってる。
別に善行をしてるって訳でもねえしな、持ち上げられる様な事でもねえ。
「風紀に? 無ェよ、まあ散々説教されたから忌避感があるのも否定は出来ねえが……」
風紀委員に入る、別に風紀に限らず委員会への所属を考えなかった訳でもねえが。
結局のところ、こうして委員会も部活も無所属で居る事にしている。それが何故か、とオレ自身で理由を考えるとするなら、
「肩書がついた時点で、オレはその気が無くとも肩書越しのオレになっちまうからな。
……それは公平じゃねえだろ、喧嘩しようって時によ」
相手もオレも、他の何でもない自分自身として喧嘩するには、所属やら肩書はむしろ邪魔になる場合がある。
腹割って話すなら、極力まっさらでないと、って……勝手にオレがそう思ってるだけかもしれねえが。
■青霧在 > 「それなら躊躇いなくかずみんと呼ぶことにしよう」
そういった理由であればこちらも躊躇わずに済む。
渾名呼びそのものへの抵抗は拭えないが、それでも随分と気が楽になる。
「誰かが担わないといけない役割を担っているということか」
献身的というには回りくどいが、悪性ではないことを確信する。
異邦人などおらずとも、暴力的なコミュニケーションを好む人が存在するのは何度も目にしてきた。
そういった人々との緩衝材。無辜の人々へと向かうかもしれない暴力を受け止める。
その役割は必須とまでいかずとも、無くて良いと言い切れないように感じた。
(確かにそれなら危険人物にはならないか)
「風紀委員会に入る気は無いのか?」
思わず口をつく。
「……入れという訳ではないからな」
慌てて補足する。
勧誘ではない。だが、彼が風紀委員会ではないことは知っている。
もし風紀委員であれば、彼のその活動も円滑になるのではないかと。
剣術道場への勧誘が更生を促す目的あってなのだとすれば猶更、体制に属することは悪いことではないと感じた。
■武知一実 >
「悪いな、あんまり自分の名前好きじゃねえんだ」
ぎこちなくもオレの申し出を受けて渾名呼びをしてくれる青霧に、少し申し訳無さを覚える。
けれどまあ、渾名呼びが良いというより、本名で呼ばれんのが嫌と言う方が強いから仕方ねえんだ。
「……喧嘩する理由?
あー、前にも訊かれた事があンだけど、大した理由じゃねえよ。
世間にゃ暴力でしかコミュニケーション取れねえような奴らって居ンじゃねえか、そいつらの話し相手になってるってだけだ」
オレ自身喧嘩が好きか嫌いかと問われたら、どっちでもねえと答えるが。
意思疎通の手段として、喧嘩……まあ殴り合いが一番性に合ってるっつーか……まあそんなとこだろう。
別に相手をねじ伏せたいとか、そういう嗜好は無い事は明言しとく。
「まあ、最近は剣術道場への勧誘が主になってっけどさ。
オレに関して言うならそんな感じ、喧嘩売って来る方の細かい事情は知らねえけどな?」
つーか、人間相手の喧嘩の頻度が落ちてっけども。
怪異とか、その辺を相手取る比率の方が大きくなってるのは否定出来ねえな……。
■青霧在 > 「……ならそう呼ばせてもらうよ」
逡巡の後、希望に従う。
他人を渾名で呼ぶことは稀故に少しばかし抵抗がある。初対面の相手とあらば猶更。
「なら早速尋ねたいのだが……かずみん」
「売られた喧嘩を買う理由を聞きたいんだ」
「止めたり責めたりするつもりはなくて、ただそれを聞きたいってだけなんだ」
渾名呼びへの違和感を飲み込みながら尋ねた。
それに加え、やはり脈絡の無い問いに、自分でも籠った感覚を覚えつつ続ける。
「喧嘩がただ好きでやっているのか、それとも何か理由があるのか」
「知り合いにも喧嘩好き……がいてな。それで気になったんだ」
あいつは喧嘩好きとは違うが、他人に詳細に話すようなことでもない。
それでも共通項に関心が沸いたのだ。
■武知一実 >
「……ああ、そうだけど。
然したる問題が無いなら、かずみんって呼んでくれた方が助かる」
さて、向こうはオレの名前を知っている。
まあ一年以上もこの学園に居るわけだから、多少は名前も知られてて可笑しくは無ェか。
あちこちでバイトしてる手前、人づてに名前を聞いたって線もあるわけで……。
つまるところ、話しかけられた理由がさっぱり分からん。
「青霧……ねぇ。
それで、オレに何か用? 初対面だし、オレはアンタの名前を聞いたのも初めてなんだけども」
世間話をしようって腹でもあるまいし。
いや、決め付けんのは良くねえな……もしかすると天気の悪い日に屋上で世間話をするのが趣味なのかもしれない。
だとしたらまあ……オレが出来んのは違う趣味を持つことを勧めるくらいだけどよ。
■青霧在 > 驚いている。
それはそうだろう。自分も同じ状況にあれば驚くか不審に思うの二択だ。
それでもこうして応じてくれたのだから感謝しよう。
「ありがとう」と軽く頭を下げた。
「突然話しかけてすまないな。俺は青霧、この学園の学生だ」
「あなたは武知一実君で間違いないだろうか」
「隣いいか?」と尋ねて少し空けてベンチの隣に座る。
こちらが一方的に名前を知っているのも不気味だろう。
礼節の意味合いも含めて名乗った。
膝の上で掌を組み、面を武知に向けた。
あまり直視すると不気味がられることがある。目の直視は避けておいた。